【感想・ネタバレ】リカバリー・カバヒコのレビュー

あらすじ

新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具・カバヒコには、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説が。アドヴァンス・ヒルの住人は、悩みをカバヒコに打ち明ける。成績不振の高校生、ママ友と馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌な小学生、ストレスから休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長。みんなの痛みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。

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感情タグBEST3

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青山美智子さんの連作短編集。大好き。

「アドヴァンス・ヒル」というマンションに住む、年齢も境遇もさまざまな人たちの物語。彼らの悩みに、日の出公園のアニマルライド「カバヒコ」がそっと寄り添う。

優しい物語だなぁ。
みんな、カバヒコにリカバリーしてもらって、前向きな気持ちで暮らしていけて、よかったなぁ。

「…カバだけに」ってニヤリと言うおばあちゃんがかわいい。
そして伝説は続いていく…
おばあちゃんすごい。

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2025年12月14日

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カバヒコ、何かしてくれるわけでもないけど居るだけでいいのかしら?
癒されるからかしら、なかなか自力で持ち直してるのでもともと立ち直る力はあるけど、きっかけなのかしら?
カバヒコ、わたしも会いたいわ~~

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2025年12月13日

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日の出公園にあるカバの形をしたアニマルライドを巡る連作短編集。
個人的に青山美智子さんは連作短編集というジャンルの頂点に君臨してると思ってるんだけど、本作もめちゃくちゃ良かったし泣いた。青山さんの本にはいつも泣かされっぱなしです。

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2025年12月06日

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大切な積読在庫からの一冊!
青山美智子さん『リカバリー・カバヒコ』。

ステキな連作短編であることは間違いないであろう、あとはいつ読むか?
私にも真面目?に普通に生きていても、嫌なトラブルが襲ってくる。斜め45度、死角から飛んできて解決方法が今の所見当たらない。 
まさに今日のわたしです。

リカバリー・カバヒコ、まさにそんなワタシに
ピッタリな内容でした。
カバの遊具カバヒコに触るとケガや病気が治る!
ファンタジーかと思いきや、カバヒコはただ、
公園に佇んでいるだけ。

5編それぞれの登場人物は、
毎日いろいろ考えて一生懸命生きている。
ただ考えすぎて、余計に自分を追い詰めてしまう、これあるあるだわ!って共感。
意外と考え方一つで
ココロ穏やかになるのよね、って。
でも、自分に置き換えると、わかっちゃいるけど
その発想になかなか行き当たらないのよね。

だからこそ、公園にひっそり
『リカバリー・カバヒコ』
『・・・カバだけに!』

自分のことって意外とわかってないよね。
10歳の子に教わることもあるのです。



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2025年12月03日

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心が洗われた。素晴らしい表現と繋がっていくストーリー展開。どれも身近に感じる話で今を見つめ直すきっかけになる。

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2025年11月28日

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ネタバレ

リカバリーの名の通り、元の状態に戻りたい人々がカバヒコという他者に己を託しながら考えていく物語集!人生を生きる上で挫折やらトラブルやら自他の事情やら何やらでいつもの自分でいられない時がある。そしてそういう時こそ再出発と再建が必要なのだ。
 だが元の戻ることは不可能なのも注意すべき点である。その過程の記憶と経験があるが故に元通りではなく立ち上った別の状態になるのだ。だがそれは逆により強く良くともなれるというこ。それをさらに改善にしていくことが重要なのだ。こうした再建・再生・変貌・羽化の物語が、ずっと出てきたクリーニングのおかみさんの物語にまで連なっていくのだ。
 こうした再建による変化とは、聞くべきものや聞きたいことといった思考や感覚へとチューニングして改善・アレンジしていくこと。人生を取り巻く感覚を変えていくことだ。登場人物達が世界の捉え方と自身の心構えの弛みを見てもう一度見直すこと、口にしたいすべきことを口にしていくこと、聞くべきこと知るべきことを見るためにこころを養うこと、行くべきことやるべきことやりたいことへと歩むためにそれを探ること、隠されていたあるいは隠していたことを見直すこと全てを見ることなど不可能なのだから見るべきものを選択してそれをしっかり見ること。そうしたものを獲得していく物語はまさしく彼ら彼女らがカバヒコをそう見たように、己にとって客観的に見て取り入れることのできる物語なのである。

 また第一話の何気ないところに最終話の主要人物である主人公の妻がが出ていると気付けたのはニヤリと出来た。最終話は主人公の懐かしさとラストの妻に向けたセリフのかっこよさもよかった。

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2025年11月27日

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やはり青山さんの本、一気読み。読みやすく伏線もばっちり回収されます。人間誰しもが持つ、負の感情、それをいかに良い方へ回復させるか、上手な解決法を優しく教えてくれる本。カバヒコLOVE。

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2025年11月24日

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どうしてこんなに優しい物語を描けるんだろう。
読みながら、この本は読むと前向きに優しくなれるサプリのように思えた。

以下は心に残ったフレーズです。
・「でも順位なんてさ、いつだって、狭い世界でのことだよ」
・不安を抱くのは、想像力があるから。
・「もしかしたら楽しいかもしれないし、やっぱりすごくつらいだけかもしれないし、でもそれってやらないとわかんないじゃん」
・「ーなにもかも全部はっきり見てやろうなんて、そのほうが傲慢ですよ」

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2025年11月03日

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2023年出版。234ページ。5話の小編から成るが、それぞれは独立。但し、人物関係が縦糸として全体を繋げる構成。
ペンキが剥がれまくったカバのアニマルライドをタイトルとしているが、これは別にファンタジーでは無く。過ぎ行く時間の中で、人の関係を繋ぐ媒介物。
バッドエンドは無し。好転を描く為に、苦しい・暗い状況が描かれるが、妙に描写がしつこかったり生々し過ぎて読み疲れるといったこともなく。←これはとても大切! カバのキャラ設定が活かされていて、重い描写シーンでも重苦しくなり過ぎない。
最終章で、あぁそうだったんだ!と、更に暖かな気持ちに。読んで良かったです。有難う。

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2025年12月12日

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青山さんらしい優しいお話だなあと。5編の短編小説集だが、どの話もある公園のカバにつながっている。

勉強に悩む少年やママ友関係に躓く新米お母さんなど、なにかしらの悩みをもつ人たちが登場する。

じんわり「はあ~・・・癒される」という読後感を求めている方はぜひ!私はついでに整体にも行きたくなった。2時間くらいであっという間に読める。

この青山さんの「読みやすさ」は実はすごいことだと思う。情報量はそれなりにあるのに。。言葉に無駄がなくすっきりしている、それでいて言葉足らずではない匙加減、心情も深く伝わってくる。中学受験などの国語の題材に使われることが多いそうだが分かる気がする。

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2025年12月12日

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 自分を偽った姿でいると毎日が追い詰められて苦しくなっていきます。完璧じゃなくてもいいんだよ。不完全なありのままの姿を認めて自分に正直にいさせてくれようとする存在。その様子がとても愛おしく思えました。

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2025年11月30日

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青山さんらしいお話でした。
公園にあるカバのアニマルライドを中心としたお話かと思えば、クリーニングやさんのおばあちゃんを中心に広がるお話でした!
このお話に出てくる人達のように、自分の嫌なところとしっかり向き合ってリカバリーできる人になりたいです。
心が温まる良いお話が沢山詰まった短編集です!

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2025年11月19日

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ほっこりできる連作短編集。

医学的な治療が効かない身体の痛みや異変って、確かにあるよなぁと共感しました。

全体を通してとても読みやすかったです。

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2025年11月15日

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ネタバレ

 都市伝説が入ったエンタメ小説でした。アドヴァンス・ヒルというマンションの近くにある公園の中の遊具カバヒコに対する5話の短編集でしたが、グッとくるものがあって泣きそうになりました。
 間接的に自発的に行動させる、このことがカバヒコ効果なのかもしれません。個人的には5話目が一番感動しました。でも他の話も素晴らしかったです。
 アドヴァンス・ヒルというマンションの住人のストーリー、印象に残りました。

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2025年11月15日

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様々な人がそれぞれ抱えるモヤモヤした気持ち。それがトンネルを抜けたように晴れて前向きに。カバヒコのおかげ!?
立場の違う人たちの気持ちにも想像力を働かせたくなる。すべての人に寄り添った優しい話でした。

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2025年11月13日

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可哀想な話があまり好きではないのでどの話も序盤はちょっとシンドい。

しかし、色々あってまぁ、、、、って感じです。

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2025年11月13日

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ネタバレ

シンプルであったかい、当たり前の世界が続いてました。どれもすごく近い物語で、優しくほっこりなれます。定期的に帰ってきたい本だなぁと思いました。

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2025年11月12日

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すっと読めるいい読書体験。
マンションに住む種々の人々のありふれてはいるがリアルな悩み、ストレスがふとしたきっかけで解決していくのが何だかほっとする。
中高生でもきっと読めるし、すごくバランスがいい本だと思う。

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2025年11月10日

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心温まる本でした。
一歩でも前に進めたら充分かなぁって思わせてくれる穏やかな本なので、ゆったりしたい時にお勧めです。

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2025年11月01日

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ネタバレ

「人呼んで、リカバリー・カバヒコ!…カバだけに。」
このフレーズを「そうそう」と愛おしむようになっていく。
人は「あの頃のように戻りたい」と純粋に願う時、本来の素直で健全な想いが溢れ出るものなんだなぁ。
その時は、普段纏っている人への嫉妬や妬みのようなもの、無自覚に持つ邪な自分の気持ちを客観的に向き合うことになり苦しむけれど、思いを巡らせながら心がリカバリーされていく。
そういう自分の心を映して整理してくれる存在がカバヒコ。
私も心に自分のカバヒコを持ちたいな。
そんな気持ちになった1冊。

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2025年10月31日

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ネタバレ

前情報なしで読んだから、タイトルの意味を知った時にクスッと笑ってしまった。

「紗羽の口」と「ちはるの耳」がすき。どの話も、主人公の抱える事に対してのリカバリーよりも、変えるためにどうするのか、なにを大事にするのかが書かれていた。どこか自分にも当てはまる部分が多くて、うんうんって思ったり、ちょっと辛くなったり…
私も、相手のことも、自分のことも、もう少しだけ真っ直ぐに愛してあげたい。

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2025年10月29日

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連作短篇で、どの話も優しく温かい。
さくさく読めて読後感もよい。
カバヒコ伝説の発端も明らかになるが
ほっこりするし、人の愛をじんわりと
感じる作品だった。

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2025年10月29日

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青山美智子らしい暖かで成長を感じる決して苦しいまま終わらせないハッピーエンドの達人。人とのすれ違いや劣等感などの描き方、立ち直り方まで、みていてとても気持ちの良い短編集

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2025年12月11日

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やさしいお話 みなそれぞれに何かしら悩みを抱えていたりする。
でも、それって気の持ちようだったり、
些細な勇気で簡単に好転させられたりもする。
そんな時に、なーんもしないカバヒコから、
勝手にきっかけをもらってリカバリーしてく人々についての
やさしいお話。

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2025年12月06日

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何もしてくれないけど支えてくれるカバの友達 オーディブルにて

青山美智子は 赤と青とエスキース以来の2冊目。
同じような構成で、短編がつながっている。

少しネガティブに考えてしまう各編の色々な主人公たち。自分的にはそんなに感情移入はできないけれど、楽しめた。

自分も親との関係性をそろそろ考えていかなきゃだと考えさせられる

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ちょっぴりほろ苦くて、でも最後はほんわかする、安定的に青山さんワールド全開な作品だった。

カバヒコとの出会いをきっかけとして、それぞれの悩みがいい方向に向かう。
劇的に変わるのではなく、ほんの少しだけ前進する感じが現実的でよかった。

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2025年12月14日

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アドヴァンス・ヒルに住む人たち。近くに住む人って、縁があるようなないような。私はこの本を読んでそれぞれの事情を知っているけど、登場人物たちはただの顔見知り程度。出会いって不思議だなと思う。
サンライズクリーニングのおばあちゃん、良き老後っぽくてこんな風な年の取り方は理想だと思っていたけど、「和彦の目」でこんな事情があったとは‥。外から見ているだけでは分からないもんだな。
各章の主人公の顔が何とも悩ましげ。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

心に余裕がなければ、正しく判断出来ない。その余裕をもたらす物は、人それぞれだろう。
それにしても、リカバリーカバヒコ とは、よく言ったもんだ。

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2025年11月11日

Posted by ブクログ

確かにいい話ではあるんだけどもうちょいガツンとくるような深さが欲しかったというわがままだけ置いておきます

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2025年11月04日

Posted by ブクログ

瞬読 「月の立つ林で」も「月曜日の抹茶カフェ」も素敵な小説でした。そして、「リカバリー・カバヒコ」も。人間の優しさや弱さ、脆さ、逞しさをいつもうまく表現しているなって感じます。

人間は回復できるけど元も形には戻らない、新しい記憶や経験が付く分、良くも悪くも元通りではない。色々な経験をして歳を重ねると、その分強くなることもあれば、その分臆病になることもあります。そこは、いい方に捉えられるように生きていきたいなと思いました。

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2025年12月03日

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