小説・文芸の高評価レビュー
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美術館で絵を見てみたくなった。
美術テーマのミステリーを読んだのはこれが初めて。
というか美術・絵画は全然知識が無くてこれまで触れたこともない。
有名な絵画は知識として、見たことあるなくらいで正直興味を持ったことがなかった。
が、小説を読んで行く中で、絵の背景には実際に人の生活・思いがあることを、考えさせられた。
そう思うと途端に絵に対しての興味がわいた。
その時はどんな時代だったのか、その画家はどんな生活をしていてどんな思いで書いたのか。
それを見て影響を受けた人がいて、そこからさらに広がって…。
世界そのもの、繋がりだなって感じがした。
また、この小説自体もどきどきワクワクが止まらなかった -
Posted by ブクログ
冒頭嫁と折り合いの悪い農家の主婦の独白から始まる。これは何を読まされているのか?となるのだが、その主婦こそ一連の端緒となる殺人事件の第一発見者であり、逆に言えばここから榎津巌という連続犯罪者が社会に発見され、稀代の犯罪逃避行が始まるのだ。
以降、濃淡様々に事件と関わることになる人々の昭和38年における人生の一断面が丁寧に描かれていく。運送業者、専売公社員、ストリッパー、スナックのママ、貸間業母娘、弁護士、銀行員、証券会社員、保護司、教戒師…実に様々な職業・階層の老若男女が榎津の巧みな口先に踊らされ、金銭や時には命までむしり取られてしまう。
後半逮捕後の榎津の供述も二転三転しどこに本意があるのか -
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ネタバレ死者と会話ができるAIというSFのような、近い将来ありえそうなものの開発者。全武の深い愛情に感動したのと、ツインレイの話が素敵だった。お互いが出会った時から惹かれ合う確率なんて相当低いと思う。私にはそこまでの体験はないが、好きだと思った人が自分を好きになってくれることだって奇跡だと思う。そんな相手と一緒にいれていることに感謝をしないといけないと思った。あとは話さないと他人の考えてることはなにもわからない。何かを変えるには心のうちを素直に話す必要があると思った。
・この世で上手く生きていくためには可愛げが大事。この世でひとりを夢中にさせたかったら色気が大事。できる限りでいいから、ご機嫌に生きて -
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ネタバレここは夜間保育園__。
「諦めないで。大丈夫。代わりに私たち保育士がいるんですよ」
「夜間保育園」とは知っていますか?
夜間保育園とは、夜に働く人のための保育園。
(ex)外国から来た人、飲食、医療従事者、シングルの親、夜の仕事
私は、子育て経験もないので、本作で、初めて夜間保育園を知りました。
本作は、24時間体制の保育園で夜間保育士として働く文乃が主人公として描かれている。
実際、保護者や子どもなどの問題はたくさんあり、厳しい現実の描写もあった。
かなり細かい描写があって、これは取材の賜物だなと圧巻されました。
本作は、連作短編集で読みやすい作品です!
最後の章 「ほし組 内 -
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ネタバレ在日朝鮮人の悲しく悲惨な戦後当時の物語
主人公たちは在日朝鮮人として、大阪で暮らす
そこでは常に差別を受け、やがて故郷への帰国を夢見る
主人公の1人はそのまま夢の国と言われていた北朝鮮に帰国するが、そこは想像を絶する地獄だった
食料は乏しく、国への批判は厳しく咎められ、まともな生活が送れない状況だった
友達も、愛する娘も妻も、全てを失い、韓国に命からがら脱出する
一方で、北朝鮮への帰国を勧めた在日朝鮮人、日本の政治家は何の責任も取らない
この現状は世に知らしめるために、かつての主人公の友2人は老体に鞭打って立ち上がる場面でこの物語は終わる
北朝鮮の生活は今でも厳しいことは知っているが、戦後当時 -
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車の自動運転技術が発達した近未来。自動運転のアルゴリズムを開発したサイモン社社長の坂本が、「ムカーラフ」と名乗る人物に監禁される。監禁場所は、自動運転されている車の中。しかも走行速度が一定を下回ると爆弾が爆発するよう設定されているという。
そんな逃げ場のない状況でムカラーフが坂本に命じたのは、過去に自動運転車が起こしたとある事故の検証だった。
2回に分けて一気読み。とても面白かった。
まず登場人物の動機と行動の因果関係が論理的で明確。そのキャラが取るはずの行動をちゃんと取るし、みんな(犯人すら)頭がいいので明らかに間違っている馬鹿な行動や凡ミスをするキャラがおらず、気持ちよく話が進む。
自動 -
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これもまた、唸らされるほどの傑作だった。
昭和の未解決事件が、時を経て現代の事件と交錯していく。その構成の緻密さは圧巻だ。タイトルの「百年の時効」が持つ真の意味が明らかになるにつれ、単なる捜査記録を超えた、組織の業と個人の執念が浮き彫りになっていく。
特筆すべきは、道警という巨大組織の中で、時効という制度に抗い、泥臭く真実を追い求める者たちの造形だ。派手なアクションがあるわけではない。しかし、一つひとつの地道な積み重ねが、最後には巨大な壁を穿つ瞬間は、カタルシスさえ覚える。
ここにも「真実を知る者の苦悩」と「正義への執念」が色濃く流れている。
複雑に絡み合った糸が、最後に見事な一本の -
Posted by ブクログ
凄まじい熱量を持った一冊だった。
冤罪がいかにして作られるのか。そのプロセスは空恐ろしく、死刑執行が早まった「身勝手な理由」を知ったときは、あまりの理不尽さに地団駄を踏む思いだった。裁判官の出世欲や司法組織の闇……そんな漆黒の闇に一人で立ち向かうのが、主人公の雪乃だ。
物語を支えるのは、父の無罪を「文字通り知っていた」彼女の凄まじい執念である。
単なる娘の盲信ではない。孤独に耐え抜く彼女の姿は、凛としていてあまりに美しい。その狂気にも似た真っ直ぐな意志に、読み手もいつしか心底惚れ込み、共に闇を突き進む覚悟を決めさせられてしまう。
結末については伏せるが、これだけは言いたい。
救いのな
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