小説・文芸の高評価レビュー
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原著は2021年発行。日本語訳は白水社から2024年4月に刊行。架蔵本は2025年12月刊の第17刷。訳者は斎藤真理子。
偏頭痛と胃痙攣に苦しみ、自らの遺書を書くために生きていると感じていた作家・キョンハのもとに、しばらく連絡を取り合っていなかった友人・インソンからの連絡が届く。故郷の済州島で小さな木工所を営んでいた彼女は、作業中に誤って2本の指を切断、何とか接合手術には成功したが、入院中は3分に一度、神経を殺さないため、接合した指を腐らさないために指を針で刺し続ける必要がある。彼女を見舞ったキョンハは、インソンのたっての頼みで、彼女が家に残してきた小さなインコ「アマ」が生きているかを確 -
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ネタバレ蒼穹の昴の続編というか、スピンオフというか。
もちろん独立した作品としても読めるけど、「蒼穹の昴」で描ききれなかった部分が補完されるので、読んでいると楽しめると思う。
珍妃を殺したのは誰か?
をメインに据えたフーダニット仕立てのミステリー。
事情を知る7人は、みんな違う犯人を名指しする。
歴史上、西大后が殺したことにされている珍妃殺しを浅田次郎が描くとこうなる。
いろんなレビューを読んだけど、「結局犯人は誰なの?」って言っている人が多くて驚き。
登場人物たちは嘘をつくけど、共通する事実や読者しか知らない部分を合わせると、信頼のできる証言はあれしかない。
愛された姫と悲劇の皇帝、ふたりの愛だ -
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最高!
浜野さんの、ルーティンをこなすだけの毎日から極彩色の世界に色付いていくのがワクワクした。食と非日常の楽しみって紐づいてるよね!
そしてまさかさんの素敵さが過不足なく描かれていて、どんどん好きになってしまった。久々のときめき摂取。かさましまさか。いい名前だ。
カニをベランダで食べながら甲羅酒をまわし飲みするのが、美味しそうすぎて楽しそうすぎてよかった。浜野さんも、ルーティンを受け入れていそうながらも蟹への周到な用意してしっかり楽しみにしているところに、つまらない日常が剥がれて行ってる感じが出ていてとても良かった。
不妊治療のところはつらかった。
一度命が来てくれたところから、また失う -
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ロシアにとられたクリミア、ウクライナにとられたハンガリー…
地面は繋がってるのに、線の向こう側は違う国で、勝ち取った土地は力ずくで支配下におくのが常。
私達島国民には、ない感覚なんだろうな。
そんな感覚を、絶妙な表現で言い当てていると思った。
何も悪いところはないのに理不尽に体の一部を切り落とされ、他人の身体を繋げられて、他人の血管を通った血がめぐる。境界線で筋肉や神経が引っ張り合い、自分が優位にたつよう主張する。他人の記憶や臭いが身体に染みついてくる…。
共存はできるんだろうか。
お互いを許し受け入れられたら、怒りやせん妄、思い込みや被害妄想が減るのだろうか。
会話レコードから、優しい妻 -
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【長安のライチ】 馬 伯庸 著
「6月1日の楊貴妃の誕生日に、嶺南(広東省)の新鮮なライチを、長安(西安)まで運び献上せよ」という「命」を受けた下級役人(できなければ「死」)。これをどう遂行するかを書いた中国版“ミッション・インポッシブル”。すでに映画化されているようですが、まさに映画に打ってつけの内容です。
「楊貴妃の何気ない一言から始まり、そして楊貴妃の一つの笑みで終わった」のですが、この二つの間に、どれほど多くの人の辛苦があるかを描いています。著者はパンデミックのときに、「決算! 忠臣蔵」「殿、利息でござる!」などの日本映画で下級役人から見た歴史を知り、その後、皇帝がライチを楊貴 -
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様々な背景と事情の中で定時制高校に通う人たちが、教師の導きで科学部の一員となり、教室で「火星のクレーター」を再現する実験にぶつかっていく物語。
とてもいお話だった。
昔々、高校生の頃、私が通っていた学校にも定時制の課程があり、2年生の時には同じ教室を使っていた。
ある時、黒板に「ちゃんと掃除をするように!」みたいなことが書いてあり、ほとんど掃除のようなことをしていなかった私たちは教室がきれいだったのは定時制の人たちが掃除していたお陰だったことに気づかされ、それからはしっかり掃除をして帰るようになったのだった。
そこから私たち全日制と定時制の人たちとの黒板を介した交流が始まって……みたいな佳い