小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦前から戦後にかけて、カフェーで女給として働く女性たちの連作短編集。
登場人物みんな個性的で面白い。みんな事情があって「カフェー西行」というカフェーで働いているのだけれど、それぞれ容姿にしろ、育ちにしろコンプレックスがあって、どこか卑屈だった。そこが同じ女性として共感できたし、自分の持っているポテンシャルでどうにか生きようとしている姿に元気を貰えた。数章に渡り、カフェー西行で働く女給たちの生き様を見て、最後は登場人物みんなが愛おしく感じた。
また、最初はカフェーで働くただのお仕事小説的な小説かと思ったが、章が進むにつれ、どんどん戦争の話へと移り変わったのがぐっと物語に引き込まれたポイントだ -
Posted by ブクログ
最高です!
私自身手話を少し学んでいて、耳が聞こえない方は手話ができるという先入観を持っていましたが、バイト先で耳が聞こえない方が手話を使ってなくて、それは私たちが健聴者て手話が通じないと思ったからなのかそれともひとみのように中途失調や難聴で主なコミュニケーションが口話だからなのか分かりませんでした。この本で中途失調、難聴、聾唖の違いを学ぶと同時に接し方、付き合い方を学べました!
ただなんと言っても、ひとみと伸のメールのやり取りだったり、すれ違いながら相手との関わり方を学んで言って親交を深めてく、ラブラブになっていくのがたまりませんでした!伸の関西の血なのか思いっきり愛情表現が言葉なのも読書家 -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編書評
箱の中の王国
日常の中に潜む非日常。偶然見つけた箱の中に世界が広がっていて、そこに思いを寄せる主人公の彼女は箱の世界に入ることを望み、、といったお話。この箱を使って何か悪巧みをするのではなくて、純粋に、ひっそりと箱庭世界を楽しむというのが幻想的な世界観を加速させている気がして良かった。箱の中の世界もメルヘンチックな設定だけではなく、王族と民衆の格差、発生する連続殺人など、実際にこっち側の世界でもあり得るような側面も備えているのが、箱の中を通した別世界との交流という点で面白さに拍車を掛けているように感じた。現実世界に残る者、箱庭世界に飛び込む者。それぞれの想いが交錯する、哀愁のある -
Posted by ブクログ
アレゴリーに富んだディストピア寓話。短めで読みやすいのに色んな示唆に富んでる。
社会主義の批判ではなく、意思決定者に倫理が問われるという話だと受け取った。理念を実行するには体制が必要になる。そこには運営者の意思が介在するので、人格化された手段が理念にとって変わることが起こり得る。これを抑止するためのシステムが権力の外側に必要とされるが動物たちは盲目あるいは事勿れ主義でなす術がない。
世界には別々の軸上の問題がごちゃ混ぜになっていて、それを解きほぐしていけば、目的の設定された構造的な問題は解決可能だが、目的や在り方自体を問う倫理的な問題は解決が難しいのだと思う。
別の軸の問題を混同すると、焦点 -
Posted by ブクログ
これはすごかった。
日本で戦争を経験した者があれば満州で経験し終戦後シベリアへ抑留された者もいた。
世界的バレエ振付師の久我、満州開拓団の翠の目線で戦前から戦後まで描かれた内容に胸が抉られそうになる。
いつだって被害を受けるのは弱い者たち。
どれだけの命と尊厳が奪われ、どこまで酷い目に遭わなければいけないのか。
過酷なんて言葉じゃとてもじゃないけどとうてい足りない。
そんな中、やっと叶った翠と久我の邂逅には涙が出た。
インタビューを通してバレエ経験者の水野果耶がバレエに対して前向きに、また新しい一歩を踏み出せる姿に喜びを感じられた。
ちょっとした希望、だけどとてつもなく大きい。
村山由佳さん、
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