小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレいずれ訪れる爆発を予感しながら読み進める、アトラクション待ちのようなストーリーだった。
英語がわからない故のアンジャッシュみたいなシニカルな場面や、自制しようとする樹里恵のモノローグから、読者も心の広さや判断基準を試されている気がしてくる。…が、そこへアキヨのグロいメールのインパクトよ。修羅場不可避すぎる。
樹里恵の約束されたぶちまけタイムは凄まじかったのに、アキヨはアキヨで強かだから、読んでいるこっちはなんだかスッキリしなかった。
樹里恵は素敵な人を見つけて幸せになってほしい。
「亜美ちゃんは美人」は複雑な友情を描いていて、100%の好感じゃなく、嫌いだったり苦手な面ごと認められるって素敵な関係だなと感じた。同じ思い出を共有する尊さも相まって、温かな気持ちになるラストだった。
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Posted by ブクログ
葛
主藤
桜井
小田
桐乃
宮下
佐藤
村田
飯塚
笹尾
川村
榊野
新戸部四郎
年嵩
伊村
蓮井
三田村
崖の下
芥見正司
浜津京歌
後東陵汰
水野正
下岡健介
額田姫子
ねむけ
金井みよ子
田熊竜人
水浦律治
大島医師
蒲田照夫…幸代
古賀久
岡本成忠
紙川翔祐
鈴木泰輔
命の恩
服部央
野末晴義…裕子
野末勝
荒川悠斗
宮田村昭彦…香苗…一彦…聡子
井沢登志夫
徳安康一郎
豊岡優美
可燃物
磯俣洋一
谷村康太郎
下西美礼…久太
坂田章清
三田高生
幡野
小河峰雄
大野原孝行
宇佐みどり…吾郎
藤谷
岩出友幸
高柳充
日比谷洋祐
本物か
小峰徹次
長菅麻奈美
横井なつめ
川野
志多直人…春太
代崎恵
倉本香里
安田明治
王春美
青戸勲
久島一伸
湯野有加里
鈴村照星
辻川花
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Posted by ブクログ
ネタバレ村山由佳さんの『PRIZE―プライズ―』を読んだ。一気読みだった。ページをめくる手が止まらないというより、止め方がわからなかった。
物語の主人公は、ベストセラー作家の天羽カイン。売れている。名前も知られている。それでも彼女には足りないものがある。直木賞だ。「どうしても、直木賞が欲しい」。その一念が、彼女を動かし、周囲を巻き込み、少しずつ何かを壊していく。
この小説の本当の怖さは、カイン一人の執着ではなかった。担当編集者の千紘の存在だ。物語の後半あたりから、千紘がもう一人の主人公と言っていいくらいの勢いで前景に出てくる。賞に対する執着心、狂気じみた没頭が、天羽カインのそれと同化していく。二人が同じ熱量で、同じ方向に、加速していく様子は、ハラハラするを通り越して、どこか息苦しかった。映画『セッション』を観たときの感覚に似ていた。師匠と弟子、作家と編集者。立場は違えど、互いを高め合っているのか、食い合っているのか、見ているこちらには区別がつかなくなってくる。あの高揚と恐怖が同居する感じ。没入感の正体は、たぶんこれだったと思う。
天羽カインという人物への感情は、一言で言えば「理解できるが、怖い」だった。賞への執着心、小説家としてのプロフェッショナル意識、そして自分の作品に対する、親が子を想うような愛情。そこには、自分の仕事観と重ねて参考になる部分もあった。成果を出すとはどういうことか、自分の仕事に誇りを持つとはどういうことか。ただ、彼女は沸点が低すぎる。怒り狂う場面は、もはや面白いとさえ感じてしまった。ここまで感情を剥き出しにできるのは、ある種の才能なのかもしれない。ただ、近くにはいたくない。
読みながら何度も自問したのは、承認欲求についてだ。誰かに認められたい。自分の出したアウトプットに対して、ちゃんと評価されたい。そして評価されなかったときに、どこかくすぶった気持ちになる。その思いは、正直、自分にもある。天羽カインの極端さは他人事のようでいて、根っこの部分は同じ感情から生えている。だからこそ、この小説は読んでいて痛い。笑いながら、刺されている。
一方で、作中に登場する大御所の小説家が指摘する内容には、少し納得させられる部分もあった。詳しくは書かないが、執着するあまり、視点や視野が狭くなっていくことの危うさを突く言葉だったと記憶している。認められたい気持ちが強すぎると、人は「認めてくれない世界」のほうを敵だと思い始める。作品のことしか見えなくなり、自分のことしか見えなくなる。カインがまさにそうなっていく過程を眺めながら、視野が狭くなることだけは避けたいと、痛いほど痛感した。
印象に残ったのは、やはり千紘との関係だ。最初は作家と担当編集者という、仕事上の近さだったはずの距離が、だんだん密になっていく。応援が、献身に変わり、いつしか共犯のようになる。その変化が少しずつ描かれるからこそ、気づいたときには怖さに変わっていた。誰かの夢に本気で寄り添うことは、美しいことのはずなのに、一線を越えた瞬間にそれは狂気になる。その境界線の曖昧さを、この小説は容赦なく見せてくる。
「一気読みした」という感想は、読書感想としてはありふれている。でもこの本に関しては、それがいちばん正確な言葉だった。認められたいという、誰にでもある小さな欲望が、極限まで煮詰められるとどうなるのか。その行き着く先を、カインと千紘が見せてくれた。読み終えて本を閉じたとき、自分の中の「認められたい」を、少しだけ怖いものとして見つめ直している自分がいた。
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自分が陸上をやっていたのもあるし、家族で毎年のように見ていることもあって興味のある箱根駅伝!
駅伝だからチームで心を一つに戦わなければならない。でもそんな簡単に言えるほど、チームをまとめることは容易ではない。関東学生連合となるといろんな大学から集められたチームで一度は自チームで本戦に出ることが叶わなかった人たちの集まり。なかなかモチベーションも上がらないし一つになることも難しい。また、人それぞれ箱根駅伝の捉え方や関東学生連合の捉え方が違う。そんな中ではあったが、甲斐監督の手腕でまとめてみせた!集められたチームであっても、招集された人のそれぞれの大学の人たちや関係者が応援してくれる!!それを忘れてはいけないということに気づけたことが大きいと思う。
また、箱根駅伝を中継する番組に関わる人たちにもいろんな思惑や捉え方があってどう映すのかという対立もある。視聴率を狙うだけのものなのか、学生たちの青春の1ページをありのまま伝えるのか。それらに葛藤する描写もリアルだなと感じた!
面白くてページを捲る手が止まらずスラスラ読めてしまった!下巻が楽しみ!! -
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時代短編集。いきいきと楽しい!
第1話 進次郎はふくという芸者に養われている。だがある日昔勤めていた藩の若侍を拾ってしまう。
第2話 酒蔵の奉公をしている。飲み終わった樽を集めて洗って干す仕事だ。だが兄達が亡くなり、家を継ぐために帰る。
第3話 平九郎は馬が好きでよく乗る。平九郎は部屋住だが、明日祝言をあげて一家を構える。
第4話 山口伊織は江戸城本丸膳所の台所人だ。伊織は大奥御台様膳所に勤めている。料理人の仕事場はいつも目付に見張られている。毒など混入されないように。
第5話 赤穂は大石家の犬の話。
第6話 奥村理兵衛は江戸留守居役。小堀弥助が町人を無礼打ちにした。
第7話 芙希は父の道場で修行している。女剣士はいなくはないが、珍しい。
第8話 忠左衛門は妻に先立たれて腑抜けになる男どもの気持ちがわからなかったが、妻に先立たれて腑抜けになっている自覚がある。 -
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幼少の頃ピアノを習っていた。自宅にピアノがあり、いつかまた弾きたいなぁと気持はあったけれど、なかなか行動に移せなかった。いや、何度か、ピアノに向かったけれども、数ヶ月で、指が思うように動かない‥、って嫌になって、結局は諦めていた。
それからさらに年月が経ち、もう一度ピアノを弾いてみたいなぁという気持ちが強くなっていたところ、弾いてみたいという曲との出会い、今度こそ!と練習し始めた。そしてそのタイミングでこの本を読んだ。
稲垣さんと同世代、「そうそう!」と共感できる内容ばかりで、勇気づけられることもたくさんあった。そして、これから(とりあえず独学だけれど)諦めずに、やってみようかなと私の背中を押してもらえる本だった。
また、私の時代では当たり前だったことが、今とははるかに違うことにも気づかせてもらった。
というのも、私たちの時代は、とにかくできない箇所は、できるまで繰り返しの反復練習、指が痛くなっても、どうして痛くなるのか、痛くならないためにはどのような方法を取ればいいかなどそんなこと指導もされなかったし、考えもしなかった。言われた通りだった。
さて、歳をとってから始めるということは、体との向き合いも必要。普段の生活に支障があっても困るから。もちろんピアニストを目指すわけではないけれど、弾きたいと思う曲を気持ちよく弾くことができたら、これからの人生に楽しみが持てる。
そのため、どのような気持ちを持ってどのように練習をしたらいいのかだけでなく、指の怪我なく、演奏するために必要な解剖学的なことに興味を持ち、彼女の参考にされた本を今少し読み始めた。そもそも、ピアノを練習するのに解剖学なんて結びつかなかった。
これがとてもわかりやすく、ピアニストだけに限られた本ではないかなと思った。
この稲垣さんの本と出会えたことは、私にとってピアノのことだけでなく、これから先どう生きていきたいかを考えるいいきっかけにもなり、大切な一冊になった。
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