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Posted by ブクログ
前の短編集が面白かったので、今作も購入。しばらく積んだのちようやく読み終えた。
どの作品でも、作中の人物は自分が属していた環境を離れる経験をする。
その時旅立つ彼らが振り返った、今まで属していた世界、また旅立つ彼らを見守る人、そんなものを描いているようだ。
彼らは自分と周囲の社会にどうしようもないミスマッチを抱える。
ある人は幻肢を持っているが、それは精神の病気だから治療すべきだと言われ、自分の気持ちを否定され続ける。
ある人は数百年のコールドスリープからすっかり変わってしまった世界に目覚めさせられ、言葉も通じず、何年経っても馴染むことができない。
彼らはたった一人で多数の人が作る良識や常識に耐え、傷つけられて、住み慣れた環境を離れる。
その時に、見送ってくれた人にそっと心を残す。それがタイトルの『この世界から「は」出ていく「けれど」』のように感じられる。
どの人にも、世界を出ていく前に一人の心通わせられた人がいた。感じ方や環境の変化から、離れることになっても、やはりお互いがお互いを理解しようと努め続けたり、心に残し続けたり、みんな繊細で、誠実で、優しい。
設定はSFなので非日常的だけど、他者と理解し合えず、違う世界を生きてるくらい孤立した気持ちは日常にある。
そんな気持ちを言語化されて、登場人物の中に客観視できて、成仏させられる、とても優しい短編集だと思う。
ただ、SFを読み慣れていないので、いちいち新しい世界の異なる常識に頭を書き換えるのが、面白くもあり、大変でもあった。
「一人前のロモン」?「間違った地図」??「粒子の意味」???
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