小説・文芸の高評価レビュー
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高野氏の今度の冒険はイラクの湿地帯。コロナ禍を挟んで3度に亘るイラクの旅は、船作りの船頭探しから始まる。出会う人々を、宋江など水滸伝の登場人物に当てはめることで、水滸伝を読んでいる読者には各人のキャラがわかりやすく沁みてくる。
今回も高野氏が驚異的な語学力を屈指し、イラク訛りのアラビア語を身につけ、さらには歌をいくつもマスターし、現地人化していく様子が凄い。さらには、「脳内タイムマシン」と称し、紀元前の時代の湿地帯の姿を鮮やかに想像とともに描写する。世界史で「チグリス川とユーフラテス川で文明は産まれた」ということは習うが、まさにその時代の出来事を、あたかも見てきたかのように書いていて感嘆する -
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ネタバレ面白かった。この一言に尽きるは尽きるのですが、受賞したとわかった時に買って読むというミーハーじみた読み方をした初めての本でした。芥川賞の本て難しいし、なかなか難読だったりするんですが、この作品はそんなことは無いと思いますね。
ネタバレ含むかもですが、AIによって仕事をクビになった夫婦が、旦那さんは演奏会旅行という現実逃避を始め、奥さんはVR世界というAIに作られた世界に逃げるという、いやあなたがそうなったのその世界つくってるAIですよと言いたくなる状態でした。
人は何かしら役割がないと生きていけないという主題があるんじゃないかなぁというのが強く言及されていて、だから奥さんの方は熱狂的にVR -
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ネタバレ私はオッソーと久遠のような大恋愛は経験していないので、恋愛面より人生賛歌が刺さった。
象徴的なのが「オッソーと別れてよかった」と告げる久遠と「好きになってよかった」と応えるオッソー。
そして現代と過去で一度ずつあったクジラが跳びあがるシーン。
最初はお互いの事しか見えていなかったのに、二度目はクジラの姿を神々しいとまで感じる。
同じ風景で見える景色が変わったのは、恋愛に終止符を打ち社会に出て様々な経験を積んだ結果だろう。
人生は失敗してもいいし、苦い経験も無駄にはならない。
同じ風景を繰り返し見た時、何を感じようと正解・不正解はないのだから。 -
匿名
購入済み峰なゆかさんの著作のファンです
峰なゆかさんと同世代で、アラサーちゃん他著作はほぼ購入しています。本作は「わぁ参考になる!でも絶対実践しない!けど参考になる!」のてんこ盛りで、面白かったです。なおマンガは挿絵程度で、基本はエッセイでした。エッセイの文の真ん中辺りにマンガが挟まっている構成は読みにくいので、次巻が出るなら位置を文末等にずらしてほしいです。
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ネタバレ終わってしまった…
宇江佐真理さんは最終回まで描くことにこだらわないと仰っていた
始めはどうあっても最後まで書かねばと思っていらしたようだが、途中で「いつ自分が命尽きてもそれはそれ」と仰るようになった
ご自身の未来を予言したかのような
本当に最後まで描かないうちに身罷られてしまった
残念でならない
上品で情緒ある文章や情景描写
江戸弁のお文のキレの良い啖呵
江戸に生きる、普通の人たちの温もりあるやり取りや、悩みや、事件や
物語の底にはいつも温かさがあった
失敗してもいいんだよとそっと肩を抱いてくれるようなぬくもりがあった
色んな話を収束させるような短編もあるものの、伊与太は絵師として -
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末期の癌を患い父親の穣がこの世を去った。生前は警備員であったと思っていた、一人娘の千早に父親はかつて警察官であった事を知る。
外科医の千早に一人前の外科医になる為の大学病院伝統の出向、病理部で1年間、顕微鏡に向き合う事に、そこでの指導医が同学年の紫織だ。
化粧毛も無く、ただただ顕微鏡にむかう紫織に苦手意識を抱くが…
女性の絞殺死体が発見され、そこには折紙が、父親が刑事であった頃に連続殺人鬼が残した折紙、折紙殺人が再発した。
その事件に千早と紫織が掛かっわいく。
何故、父親の穣は刑事を辞め警備員になったのか?
折紙殺人鬼は今更、何故、犯行を再発したのか?
又、この作者の受註にハメられた。 -
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「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられる事もあるんです」という言葉、わかる〜。
幸福な出来事のあとに悪いことが起こるなら、それならいっそ幸福ごと最初から回避してまおうとすることが自分にもよくある。
そうすれば幸福と不幸の落差に落胆する分が減るから。
この誰かと共感しづらい微妙な心の機微を、なんと細かく適切な言葉で表すのかと感動した。
おそらく同種の人間が読めば響くし、そうでない人にはよくわからないとしか評されないであろう、人間の、というか太宰治本人の心の芯に触れるような作品。
人間失格じゃない人間なんていないんじゃないか。
どこか欠けている部分があるか -
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ネタバレ死刑を宣告された直後のムルソーがとても印象的。
昔父親が死刑執行を見に行き、胃の内容物を吐いたことを思い出すムルソー。そして彼は死刑執行場面をたくさん見てら、吐きたいと考える。そうできることを想像し、喜悦の波に飲まれる。
彼は母親の葬儀で泣かなかった。このことからムルソーは、一般的な感情が欠けた異質な存在と捉えられてしまった。でも彼に感情がないわけではないと思う。何度かママンの言葉を思い出したりもしてるし。
私にはムルソーが、「一般人」たちの共感性や迎合性、演技のできるさまを羨ましがっているように見えた。
だから「人と同じように死刑執行を見て吐きたい」と思ったのかもしれない。
ぼんやりとし -
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ネタバレ解説が充実していて、そこを読むのも大変楽しかった。
スメルジャコフが死んだとき「壁の釘にぶら下がってた」とあるのが気になる。釘といえばスメルジャコフの父親説が出ているもうひとりの人物「ねじ釘カルプ」。釘に始まり釘に終わるというのも興味深いから父親はカルプだったりしてと思ったけど……さすがに偶然かな。他の訳と見比べたい。
解題で指摘されたミーチャの散財癖と、それに反するような金に対する無執着さが気になる。この性格から私が思いだすのはファム・ファタール(≒男を狂わせる女)。金をせびるが、そのわりに手元に残すことなく使いきる様子がよく似ている。カテリーナさんがもしミーチャにぞっこんだったら、ミー -
Posted by ブクログ
ネタバレ数学以前に算数すら苦手な私でも、飽きるどころかずっとワクワクしながら読んだ一冊。
歴史に残る難問に挑む人たちの情熱が大変よかった。
大好きな本です。
誕生日のパラドックスの問題楽しすぎ。
ピュタゴラスの弟子の死因が√2 って……ええ……?
「この問題の証明方法を知っているが、余白が足りないので書きません」があまりにカッコよすぎる。
オイラーの橋の問題おもしろー!!
問題が出された状況も含めて面白い。
まさか証明後に悪夢が訪れるとは。地獄のような日々……迫るリミット……。ハラハラしながら読んでいった。
すべてを終えた後の寂しさ。そして快さ。
いやーーいい本だった。
あと、めちゃくちゃ -
Posted by ブクログ
ネタバレ根拠ないけど考えたことのまとめです。
■ハムレットの覚悟とは何だったのか?
後半に出てくる名言に「覚悟がすべて」という言葉がある。何の覚悟なんだろうとずっと思ってたけど、今回の再読で「自分の行動に責任を持つ」という覚悟ではないかと思った。
主人公ハムレットには、ラストで「社会が悪いんだ! ホレイショー暴れてくれ!」と従者のホレイショーに頼む選択肢があったかもしれない。そうじゃなくても、「俺可哀想だから一緒に死のうよホレイショー」と言う展開もあったかもしれない。
でもハムレットはそうしなかった。ホレイショーには「生きろ」と言った。
自分の不幸に他人を巻きこまない、という態度は、ハムレットがこの
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