ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 朝が来る

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    ネタバレ

    不妊治療をしてもなかなか授かる事ができなかった佐都子だが、養子縁組で朝斗を迎える。朝斗と夫と穏やかな日々を暮らしていたが、「息子を返して」という連絡が入るとこから物語が進んでいく。
    不妊治療を受ける夫婦間や親族とのいざこざや、養子縁組に出す側の家族の関係、生みの親の心情、人生のステータス等…ありとあらゆる問題がリアルに描かれてて胸が苦しくなった。
    置かれた環境がどれも孤独で裏切りもあり、その中で頑張ろうとしてるのに上手くいかないひかり。
    事情は知らないけどそんなひかりを最後には優しく包み込む佐都子が素敵で、どこまでも純粋で母の名前を呼ぶ朝斗に感動した( ´ー`)

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    2025年11月29日
  • アリアドネの声

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    ミステリーなのかヒューマンドラマなのか。
    読む前は井上真偽さんはミステリー作家というイメージでしたが、この作品はどちらかと言えばヒューマンドラマという感じがした。
    殺人事件や人が死ぬわけではない、ミステリー。

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    2025年11月29日
  • 過疎ビジネス

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    労作。新書形式とシンプルなタイトルからは、ある程度広く浅く問題を紹介する類かと思いきや、おそらくは相当数の事例が潜むであろう、過疎自治体を食い物にする地獄絵図の一端を根気強く追いかけている。未読だが『対馬の海に沈む』の読後感もこんな感じだろうかと思いつつ、公金をないがしろにする本問題のほうが読む動機としては強い。

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    2025年11月29日
  • 月まで三キロ(新潮文庫)

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    著者のインタビュー記事から興味を持ち手に取る。
    科学的な知識を散りばめながら、優しい文体で短編が進んでいく。
    読み始めたら止まらない。
    各短編ごとに雪結晶や素粒子、化石など異なる内容が扱われるが、冗長な説明などない。
    素晴らしい作品だった。

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    2025年11月29日
  • みかんとひよどり

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    すごく良かった〜。フレンチの雇われシェフである主人公潮田。元々、手際も良くフランスに料理留学までしている彼が持つ夢とは。
    そして、縁あって知り合った猟師の大高。
    この2人がどんな事件に巻き込まれていくのか。
    美味しそうなジビエ料理と犬たちがストーリーを和らげてくれる。
    ジビエがこんなに食べたくなったのは、初めて!!

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    2025年11月29日
  • 松本隆 言葉の教室

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    この本に出てくる歌はどれも有名な曲ばかりでした。アイドルが歌うから有名になったのではなくこの歌詞だからいつまでも口ずさめる歌なんだとあらためて気付かされました。
    難しいことを易しく言うのは難しい、という一文があるが本当にそうだと思う。簡単そうであるが真似ができるものではない。
    どの曲も聴いているとその情景を目に浮かべることができてなぜか切ない気持ちにさせられてしまいます。。

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    2025年11月29日
  • ゴールデンスランバー(新潮文庫)

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    初めて読んだ伊坂幸太郎作品がこのゴールデンスランバーでした。
    いやあ、すごかった。
    次々起こる展開に読む手が止まらず、一気に読み終えた。
    衝撃の一言、すごい本を読んだなぁと。
    色んな事件が起こる中、過去の話も入りつつ、伏線が少しずつ回収されていくのも気持ちよかった。
    最初の入りから斬新だなとは思ったが、読み終わってから少し読み直しをしたくらいにはこの本にのめり込んだ。
    伊坂幸太郎作品をもっと読んでみようと思うきっかけには充分すぎる。楽しみです!

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    2025年11月29日
  • 青の純度

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    ミステリー仕立てで読者を惹きつけて読みやすい上に、アート、ビジネス、出版、日系人などの世界についても知ることができて興味深い。フィクションだが実際にこういうことがあるのかもと思わせる筆力。
    この著者の書くデキる女性がいつもカッコよくて好き。

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    2025年11月29日
  • にゃん! 鈴江三万石江戸屋敷見聞帳

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    以前、続編を読んでいたので第1作目はどんな感じなのかな〜と気になって購入。

    江戸っ子言葉の主人公・お糸のセリフがコミカルで楽しいけれど、人の弱さから生まれる憎しみや冷たい気持ちが本当に周りを見えなくするんだなと読んでいて学んだ。
    最後まで目が離せない痛快不思議な歴史小説でした(ˆ. ̫ .ˆ)

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    2025年11月29日
  • 魚舟・獣舟

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    映像が浮かぶ不穏美しい作品。
    上田さんの作品まだまだ読めてはいないけど、読んだ中ではの一番好きな世界線。

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    2025年11月29日
  • シャドウ・オブ・ヘゲモン(下)

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    エンダーで「なんやこいつ」と思っていたピーターが好きになってしまった……オースン・スコット・カードさん……完敗や(幸福)。

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    2025年11月29日
  • その日のまえに

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    プロローグ

    教室の廊下側の席に着くと、目線を窓側に向けた
    ガラス窓は半開きになっており、そこから
    爽やかな風が舞い込んでくる
    その風の出入口に彼女は座っている

    彼女の香りは僕まで届かない、なんとも近くて遠い
    そして、僕の想いも彼女には届かない

    彼女は、艶のある唇で鉛筆を挟みながら、
    いつも窓の外を眺めていた


    本章
    『その日のまえに』こういう本に出逢いたかった!
    感動の★5
    NSFMさんの本棚から
    あの冷静沈着にレビューを書かれるNSFMさんが
    生涯トップクラスの感動!
    屋外で読まないで!
    との文言で即断!!!

    6編の短編小説
    どれも共通しているのは、過去と現在そして死
    それぞれの家

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    2025年11月29日
  • 格闘する者に○

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    くーーーーーーめちゃくちゃ良い読後感。一気に読み終えてしまった。三浦しをんがデビュー当初こんな話を書いていたなんて。エッセイや月魚の印象と違ってかなり好みだった。
    解説で重松清に言われて納得してしまったのは、可南子の語り口が古風でありながら鼻につかないこと。変に畏まったり情緒的になられるよりむしろ自然で、2時間スペシャルのドラマに見入っているような気持ちにさせられた。
    2時間スペシャルが思い浮かんだのは、政治家の父といけすかない秘書、小言の多い義母、要領のいい高校生の弟たちの存在も大きい。字面だけ見たらドロドロっぽいけど、内容は圧倒的にホームコメディ。ギャグ。渡る世間は鬼ばかり的な(?)くだら

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    2025年11月29日
  • さよならエンドロール

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    最初から最後まで世界観にどっぷりとつかりました。
    エピローグがうますぎませんか!?
    余韻がすごい。

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    2025年11月29日
  • あの夏のクライフ同盟

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    ネタバレ

    情報取得が簡単でないこの時代ならではの面白さ。

    周囲の大人たちが最高だった。
    子供たち自身で考え行動することを尊重し、見えないところで最大限に守る、理想的な教育。

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    2025年11月29日
  • あなたと食べたフィナンシェ

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    こういうの大好き!食べ物とともに描かれるほっこりだったり切なかったりするストーリーが良い!寝る前によく読んでました

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    2025年11月29日
  • ブレイクショットの軌跡

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    ネタバレ

    魂が震える作品。皆読んでほしい。
    ブレイクショットの軌跡というタイトルも深い。
    長編だからこそ、没入してそれぞれの人物の立場で深く考えることができ、最初から最後まで味わえた。
    社会の一員である自分は、すでに世の中の出来事に関係していること。
    人間ひとりひとり、問題のひとつひとつ、とても複雑なはずなのに、「まとめ」で知った気になってしまう現代社会のこと。


    最後の彼女の言葉がとても良かった。
    自分の打つボールが波及するという意識を持たない人間にはゲームに参加する資格はない。
    だが、誰かがそれを打たなければならない。

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    2025年11月29日
  • 月の裏側

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    ●所感
    2025年、最も、考えさせられる小説かもしれません。

    いや、小説という括りが適当ではない書籍といえるかもしれません。

    感想は後日改めます。
    簡単には、書けないからです。
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    ●2025年12月記録 感想
    1.世界観
    『月の裏側』は、私たちを日常の裏側に潜む不確かな世界へと誘い込む、冷たくも美しい傑作です。

    物語の根幹を成す不可解な現象――人が唐突に失踪し、しばらく後に記憶を失ったまま戻ってくるという出来事と、街の至るところに溢れる水源という異様な設定から生まれています。

    2.テーマ
    この小説が提示するのは、「見えているものの本来の姿は何なのか?」という、哲

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    2025年11月29日
  • 何者

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    ネタバレ

    主人公だから感情移入して読んでしまうのと、拓人みたいなところは自分にも結構あるなと思って最後グサグサきた。最高!

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    2025年11月29日
  • ヒロシマめざしてのそのそと

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    ネタバレ

    巨大トカゲが日本の街(ミニチュア)を破壊する様子を日本の使節団に見せることで、太平洋戦争を終結させようとするアメリカ海軍とB級映画業界の人びとを描くブラックコメディ。
    カート・ヴォネガットさながらの荒唐無稽でスラップスティックなドタバタ劇の中で、反核というセンシティブな題材を扱う作品。

    主人公のシムズ・ソーリーが巨大トカゲ(ゴルガンティス)に入って「いかなる野獣」を演じるまでは本当にB級な展開で、くだらない描写の連続。ここでアメリカ人たちは、我々日本人から見れば最悪な描かれ方をする。
    (例)p.70「われわれはフォーチュンクッキー作戦でジャップがキモノを着たまま脱糞することを期待している…」

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    2025年11月29日