あらすじ
困ったことが起きたら、「なんとかしなくちゃ!」
日常に潜む「キモチワルイ」や「モッタイナイ」を見逃さない主人公・梯結子は商人の家系に生まれた四人きょうだいの末っ子。幼いころからその天才的なひらめきと観察力と調達力で、次々に難題に挑む。混み合う砂場、プライドが傷付くお友達が出るお誕生会、不利な生徒会長選挙でのアピール――誰もが諦めた課題を「なんとかしなくちゃ。」の一心で解決する、新感覚エンタテインメント!(幼少期~大学生編)
表紙がなぜお城のジオラマ?
↑読めばわかります!
世の中の「キモチワルイ」をスッキリ整理
痛快!問題解決エンタメ小説
↓この難問、解けますか?
Q. 学生新聞の広告効果を最大化するには?
Q. 家族の夕食の予定がバラバラ。食材を無駄にせず家計の負担を減らすには?
Q. 最も効果的に潜在顧客へ届けるポスティング戦略とは?
(答えは本文に!)
単行本 2022年11月 文藝春秋刊
文庫版 2025年10月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
文春文庫の恩田陸の本は、ポップでクスッと笑ってしまう文章なところが好きです。主人公結子の前に立ちはだかる問題に対して、結子の思考回路だけでなく、著者が常々思ってたことが定期的に入ってくるのが読んでいて楽しかったです。
最後の方では、思ったより長くなっちゃったけど、これは結子が城郭研究会に入ったせいで…と言い訳ぽく話されてて、確かに結子を扱うのは大変だよなぁって勝手に同情してしまいました。笑
週末の気分転換に最適な本でした!
Posted by ブクログ
再読。読みながら何度も作者名を確認してしまうほど、恩田さんにしては不穏さや不安定さがなく軽やかで明るく楽しい。合間合間にエッセイ風の差し込みがあって、不思議な気分になるのだけれどそれが心地よい。魅力的なキャラクターにワクワクするエピソードが満載で、続編が明言されていて、待ち遠しいです。
Posted by ブクログ
理論派の成瀬って感じで、面白かったです。そのときそのときになされる結子の分析に、いちいち首肯しながら読みました。作者も書いてて楽しかっただろうな。
Posted by ブクログ
恩田さんはミステリ、ホラー、耽美の作家と思われている人が多いはず。
ですが、たまにこうした笑いに溢れた作品を書かれる。実は私はこうした作品が大好き(^^)
『ドミノ』とは少し違うけど、続きが楽しみだなぁ。
Posted by ブクログ
「なんとかしなくちゃ」
誰かに強いられるからでもなく、偽りの思いやりではなくただ彼女の生まれつきの使命感が動かす。
成長物語であり、青春群青劇であり、歴史小説?
商人育ちの梯結子が架け橋となって、人と人を繋げ、人も物も動かしていく。
見ていて快い問題解決ストーリー!
Posted by ブクログ
いや~面白かった。一気読みしました。
学習する主人公、という感じで各出来事で学んだことや経験したことを次の機会にしっかり活用してるのが良かった。
現地調達型のガーナー教というのは面白かった。
シンプルに学生生活もの?としてみても面白かったし、結子のアイデアがいろいろなことを解決していく様も面白い。
Posted by ブクログ
恩田陸さんの描く思春期の若者が好きだ。
中でも本作の主人公である結子は特に好きなキャラクターで、一見地味なのに賢く、次々問題を解決していく様は何とも爽快だ。
その他の登場人物も、いくら何でも順風満帆すぎるのではと思うくらい全員キラキラしながら成長していくのだが、全く嫌味がなく純粋に素敵だなと思わせてしまう筆力に感動する。
日本史には疎いのだが、大学での城郭愛好研究会のエピソードもかなり面白い。
何はともあれ、結子の今後の活躍が楽しみで仕方ない。
Posted by ブクログ
藤◯美術館でお茶を飲み、大阪城を観光した小旅行の直後に読んだのでタイムリーでとても面白かった!
行く前に読んでいたらもっと旅行が楽しめだと思う!
結子の人柄が良くてニコニコしながら読めました。
Posted by ブクログ
梯結子さん、同い年じゃないですか!
『なんとかしなくちゃ』っていうほど、ガシガシチャキチャキしている訳ではなく、堅実だけど、信念持ってまえを向いている感じが、羨ましい。わたしももっと考えて、この時代を過ごしたかった。
Posted by ブクログ
これは時代背景や地域の雰囲気もすっごくうまく表現できていて、自分が生きて来た時代の雰囲気を感じられてとても面白い。お嬢様で頭が良くて独特の感性を持ってるなんて、とっても羨ましい限りです。政治家になって欲しかったなあ。
Posted by ブクログ
今までとちょっと違った。
まさに 朝の連ドラ風
1人の女の子の話だけど、おもしろい。
時々 はさまれる 作者の声が ナレーションのようで また クセになる。
途中で飽きさせないのは、やはり恩田ワールド
Posted by ブクログ
初めて見る構成の小説だった。
梯結子の物語の間に、作者がちょこちょこ現れて関連するようなしないような小噺が入るので、最初は戸惑った。
でも、いつの間にか慣れたし、最後の方は作者の解説がありがたかった。(初めからこれを見越しての登場だったのかな…?)
Posted by ブクログ
梯結子(かけはしゆうこ)は魅力的なキャラであった。なぜか。
結子の行動の根底には、無意識のうちに世界をより良くしたいという一貫した理念がある。よって日常の中で違和感に遭遇すると、それをどうにかできないものかと思いを巡らす。そして周りが驚くような結果を生み出す。
例えばポスティングのバイト。ポスティングとは、チラシを住宅や会社のポストに入れることであり、バイトはノルマとして課せられた枚数を決められた時間内に捌くことで報酬を得る。よって普通はなるべく速くチラシをポストに入れることのみを考えて作業をするだろう。
しかし結子は、どうしたらそのポスティングによる効果を上げられるか、例えばジムの勧誘広告だったとして、より多くの人がジムに足を運ぶかということに思いを巡らす。ターゲット層は、事務仕事や美容室、歯科衛生士など、日中同じ姿勢で仕事をする職種の人、そしてその人たちがジムに寄るとすれば仕事帰り。そう仮説を立てて、通常は1つのポストに1枚ずつのところを、会社や美容室などのポストにら2、3枚投入した。するとどうだろう。多くの仕事帰りの女性達が同僚と一緒にジムを訪れた。
物語の後半では、大学に入学した結子が、城郭愛好研究会に入る。そのサークルでは、実在した城を巡って、守る側と攻める側に分かれてシミュレーション・ゲームを行う。このシミュレーションには、当然部員それぞれの個性が表れるのだが、いかに犠牲を少なくするかを念頭に置いた結子の姿勢は、のちにカケハシドクトリンと命名される。この姿勢は孫氏の兵法にも通ずると思うのだが、この物語で出くわすとは思わなかった。
戦といっても、向かい合って刀を振り回すことよりも、兵站など外堀を固めたり、戦争が始まった後の落とし所をどうするかといった戦略の部分が重要で、それは現代を生きる企業のトップも同じなのだろう。
私はそういったビジネスとは無縁の場所にいるが、メルカリをしていると、こんなものが売れるのか!というささやかな驚きを感じることがある。
自分にとっては不用品だとしても、うまく市場を開拓すれば、それがビジネスにもなるのだろう。マーケティングや物流について、視野を広げてみたい。
今後続編が出るようなので、社会人となった結子の物語も今から楽しみにしておきたい。
Posted by ブクログ
時々出てくるナレーションみたいなのが最初は少し気になったけど…慣れてくると面白かった。物語読みながら、たまにコラム読んでるみたいな感じだった。
出てくる人たちも魅力的な人が多く続きそうな感じなので、次が出たら読もうと思う。
Posted by ブクログ
面白くはあった。けど、なんとなくハマらなかった。作者語りが世界観に入りにかったり、展開のスピード感もあまりなく、城攻めのはもういいよ…と思いつつ。