小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ2016年には★2、今回は★5、持ち家も賃貸も何度も引越し、今後面倒はごめんなので、改めて事前に確認できない一番の難点は隣近所だと痛感。同じ景色を何人もの視点で見るとこれほど感じ方が違うものか。売却したのに地主気質が抜けない仁木夫人。彼女の親友の地位を脅かされたくない元高校同級生の美和。自分ファーストの高井戸夫人。せっかくの持ち家を2年弱で売却しなければならなかった堤家。そこに引越してきた氷見家、こんな煩わしい事情を知らず購入したのは本当に不幸、けど朝子とは関わりたくないなあ。とにかくめんどくさい!!!でも読む分には楽しく、人の不幸は…といった感じ。4軒が協力しご近所っぽかったのがお別れパーテ
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小公女たちのしあわせレシピという題名の「小公女」という言葉に惹かれてこの本を手にしました。私の愛読書は、小公女です。
いつもピンクの服を着て、英米の児童書を持って現れたどこの誰だか分からない不思議な人「町田メアリ」。町田メアリは、40年前(当時30代)に記憶を失い、手元には児童書の入ったキャリーバックのみで身分証もなく、ずっと思い出すことができないまま亡くなっています。今は亡きメアリさんの本がこの街の様々な人へ届けられていて、その1人である主人公の野花つぐみが本を探していくお話です。
児童書には、その本に登場するお菓子のレシピが入ってていてワクワクしました。本を手にした人達が物語とお菓子に背中 -
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私たちの日常は、一瞬の美しさに満ちているー
この本を読む前の私は、一年は春夏秋冬がただ順番に巡るもので、暑い寒いといった外の気温の変化でしか季節を感じることがありませんでした。そこまで季節に興味がなく、自然の中にある細やかな変化に気づくことも少なかった。だからこそ、この本を読む前の自分にはもう戻れないと思います。
本書も「日日是好日」に引き続き、好きなフレーズが多すぎて付箋だらけになりました。
私はつい自分を必要以上に「駄目だ・出来ていない」と追い込む癖がありますが、この本を通して、変えようと焦るのではなく、今の自分を抱えながら一歩ずつ進むことの大切さに気づきました。
柳は花にはなれないし -
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ネタバレいい話だったー。
つっかえるところが何もなくて、甘くて心地よいドリンクのようにするすると読んでしまった。
途中までは本当にただただ平和。
途中からは、心のすれ違い、止めたくても止められない負の連鎖に心痛めながら読み進めないといけなくて、辛い部分もある。
リリーは夏だけ、リュウのいる長野に泊まりにくる。毎年毎年一緒に過ごして、幼い頃はただ無邪気に。小学校高学年になったら、少し男女を意識しつつ、疎ましく感じたり。高校?で男女の関係になり。大学になると、再会を果たすが、将来に対する考え方や相手のことへの不信感などから、ギクシャクしてしまう。
リュウの出口のない苛立ちは、作中では、「寂しい」という -
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直木賞ノミネート作品ということで拝読。
戦時から今の令和の時代まで、途方もない時を巡り、事件の真実に辿り着く。
こんなにも人の想いが受け継がれていく物語は、他にないのでは。
この物語は、時代の流れに沿って、3人の人物の視点で展開されていく。
それぞれの苦悩や迷いが丁寧に描かれていて、それ故に読んでいる読者側もしんどくなる。
ただ、そのしんどさの中でも、この3人の信念は煮えたぎるほど熱いものだった気がする。
そして、信念を貫き通すことは、大切な誰かを傷つけてしまうリスクもある。
人は、時として、誰かの親であったり、子であったり、配偶者であったり、恋人であったりする。
どれかの立場であろうと -
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事件を解決する探偵ではなく、遺失物探しや調査などの日常的な依頼をこなしていく探偵の話。
固有名詞はほぼ出てこないが文化や思想、食事や音楽などから様々な国(地方)のモデルを連想しやすく、空港での情景描写が細かいため旅行気分も味わえる。
書き出し文から立ちあがる時間空間の感性も、人や出来事の背景すべてが明らかになるわけではない余白の部分も、柴崎さんらしい魅力だと感じた。
現代社会への純文学的な風刺は感じるが、紀行音楽、寓話やある種のディストピア要素を多分に含んでいる内容で読みやすい作品だと思う。
間違ってもミステリーではないので伏線回収やどんでん返し、明快な答えを求める人には不向きかな。