小説・文芸の高評価レビュー
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アティカス・ピュントもの第三作。
作中作があって、作中作と現実の事件が同時に解決する、という構成は、前々作・前作と同様で、かつ、シリーズものなので前作の続きでもある。
ここまで制約があって、このクオリティを維持するなんて、一体どういう創作過程を経ているのかしら、と不思議になるくらいだ。 (「普通の」推理小説作家の創作過程も勿論知らないのだけれど。)
巻頭の登場人物表が2セットあるのも本シリーズならでは。何回も見ないと、作中作と現実のどっちの話だったか、すぐに頭が混乱しそうになる。
登場人物の中では、初登場のロンドン警察庁イアン・ブレイクニー警部がいい味を出している。2027年発表予定という -
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【人間が一番恐ろしい】
そもそもこの、済州島四・三事件のことを知らなかったから、まずネットで調べてから読んだ。独裁政治が人間に何をさせ、何を奪うのか。
戦争や権力の暴力というか圧力によって、人間が少しずつ崩れていくこともすごく恐ろしかった。
人が人を殺すのが戦争。それを正当化するのが独裁者。
国家の暴力によってどこにでもいる普通の人が少しずつ壊れていくことが怖くて悲しかった。
それと同時に、人は圧力の中で簡単に沈黙してしまうんだな、という不安というか恐怖のようなものも強く感じた。
だからこそ、独裁や暴力は絶対に繰り返してはいけないし、過去の悲劇を忘れずに考え続けることが大切だと思った。
『別れ -
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深井さんの想いと意志が込められた一冊。方々で宣伝してる意味が分かる。
コテンラジオやまぼろし会議など、深井さんのコンテンツや話を聞いているとなお分かるし、体系的に本という形でまとめてくれているのがとてもありがたい。
「嫌いな人とも一緒にいれる」「デュアルスタンダード」「曖昧な日本語」それらを身体知で、センスで乗りこなす地球上稀有な日本人。自分で自分を褒めるような形でもあるが、周囲の国はそのようなセンスではないから「分からない」。これは歴史を学び、メタ認知できるがゆえの視点だと思う。
そして、現代。テクノロジー、AIの勃興による変化の時代。ほぼ全てを任せられるようになった世の中で、人間は「創 -
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物語の筋や整合性を追うよりも、ひたすら「人間にとって愛とは何か?」を考えさせる作品だと思いました。
前半の長大な独白は斜め読みしつつも、ハダリーが登場するあたりからは、その鮮明な描写に一気に引き込まれました。
時代性を感じる女性蔑視の記述については、あえて男女を逆転させ「現代の男性にも同様の事例はあるな」と身近な人物に当てはめて読んでみましたが、これが非常に面白い試みとなりました。
昨今の倫理観の高まりを好ましく思う一方で、剥き出しの言葉に触れることが思考を深める重要な契機になり得ると実感できたことは、私にとってここ数年で最も忘れがたい読書体験となりました。 -
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伊坂作品でいちばん好き。
殺し屋シリーズ第2弾。
前作とは違い、完全にエンタメに振り切った作品。
新幹線の車内が舞台で疾走感があり、ずっとハラハラドキドキ。
600ページほどあるのに、一瞬で読み終えた。
キャラが前作以上に魅力的で、みんな好き。
運のなさすぎる七尾にはさすがに同情。
檸檬と蜜柑のやり取りは毎回クスッと笑ってしまう。
生意気な中学生・王子が後半どんどん追い詰められていく展開が爽快で最高。
中学生って、大人がバカに見える時期なんだよね…と、ちょっと自分を思い出した。
「悪」に対抗できるのは「正義」ではなく「勇気」。
「大事なのは(正しくないことを -
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