小説・文芸の高評価レビュー
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有吉佐和子さんと文化人類学者・畑中幸子さんによる、1968年のニューギニア滞在記。
まだ海外旅行すらハードルの高かった時代に、未開のジャングルへ飛び込んでしまう行動力にまず圧倒される。
「ニューギニアはほんまにええとこやで。あんたも来てみない?」という、畑中さんの信じられないくらいの気軽すぎる誘い文句は、まさに畑中さんの人柄をよく表している。
畑中さんは好奇心と冒険心が桁外れで、誰もが躊躇するようなことを当たり前のようにやってしまう人。
さらに強靭なメンタルと恐るべき体力オバケで、クレイジージャーニーの常連になれそうなすごい人だ。
私はこういう人が大好きなので、畑中さんの尊敬するほどのクレイ -
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ネタバレおおよそ、同じ町を舞台とする5編の短編小説であり、登場人物それぞれが生々しい苦しみを抱いている。
それは過去の悔やみであるものもあれば、生来のもので向き合っていくしかない苦しみもあり、それぞれの渦中で巻き起こっていく。
恥ずかしながら、読んでいくうちに『この物語はどういうふうに他の短編と繋がりがあるのだろう』という好奇心を抑えられないで読む自分がいた。
しかし、最後の短編『海になる』でそれを悔やんだ。
というのも、話の最後に『うみのいりぐち』という助産院が登場し、「この中では世界中の哀しみや苦しみから逃げられる」と言われる。これを受けて、それまで狭まっていた視界が大きく、大海を見下ろすように -
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私は、私のままで、生きる。
この本を読んで、頭ではわかってるつもりでも、
人と比べたり、足りないものを数えたりして、
私ではない何者かになりたがっていたんだと感じた。
不安だからと手当り次第やらない。
必要なのは目的を持って、実践すること。
希望の根拠を持つこと。
自分を尊重すること。
長生き感覚のためには、色んな風景を見ること。
ミスと誤差のための余白を作ること。
大事だなあと思ったことは思わずノートに書き留めた。
私は私を尊重して、日々足ることを実感する。
私であることに感謝する。
今まであるがままを受け入れてもらえてきたことを感じる。
謎に涙が出てくるような雑多な日々と思っていた -
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ネタバレさやかは職場の飲み会の帰り、マンションの前で倒れていたイツキと出会い、思わず拾ってしまったイケメンと同居し始めるところから話はスタートする。
イツキは家事も万能、植物にもかなり詳しい。イツキの趣味をさやかも一緒に楽しむ形で、近所の花を見たり、山菜などを「狩り」しながら2人の同居生活は続いていく。
単なる同居人という契約で当初生活はスタートしたが、あるトラブルがあってお互いの気持ちに気づいて結ばれた辺りからの胸キュン感はすごかった♪
ただイツキの素性を知らないまま生活を続けていたさやかには、このままの生活が続くのかと不安な気持ちもあった。ある日さやかが仕事から帰ると、イツキがいなくなっていた。そ -
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ネタバレ⭐︎3.9
・駅前の通り魔事件。一見無差別としか思えない事件の裏、大企業の陰謀や乳児を襲う謎の奇病などとんでもない事実が隠されていて、良い意味でなかなかにしんどい上下900頁だった…。
被害者5人の共通点の有無や事件の生き残りである修司が執拗に命を狙われる理由など、魅力的な謎が散りばめられていて読む手が止まらず。
登場人物たちの心理描写もとにかく丁寧で、メインの人物はもちろん、それ以外の人についても深く描かれるので、ヒューマンドラマとしても読み応えがあった。
丁寧すぎて、冗長に感じる部分も多かったかな。個人的には読みやすいというよりはじっくり物語の重みを味わえるような作品だった。 -
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ネタバレ⭐︎3.9
・駅前の通り魔事件。一見無差別としか思えない事件の裏に、大企業の陰謀や乳児を襲う謎の奇病などとんでもない事実が隠されていて、良い意味でなかなかにしんどい上下900頁だった…。
被害者5人の共通点の有無や事件の生き残りである修司が執拗に命を狙われる理由など、魅力的な謎が散りばめられていて読む手が止まらず。
登場人物たちの心理描写もとにかく丁寧で、メインの人物はもちろん、それ以外の人についても深く描かれるので、ヒューマンドラマとしても読み応えがあった。
丁寧すぎて、冗長に感じる部分も多かったかな。個人的には読みやすいというよりはじっくり物語の重みを味わえるような作品だった。 -
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とってもおもしろい! マーク・トウェインさんの文学的な「山」から転がりだした石・『ジェイムズ』がどんどん加速!、『ハックルベリー・フィンの冒険』(以下『ハック・フィン』)を置いてっちゃってます!
先に読んだマーク・トウェイン著『ハック・フィン』は13歳の男の子「ハックルベリー・フィン」(以下 ハック)が主人公で語り手の「少年冒険物語」です。
一方、この『ジェイムズ』は、『ハック・フィン』のサブキャラで、ハックといっしょに行動する逃亡黒人奴隷ジム(ジェイムズ)が主人公で、かつ、語り手となって物語が展開します。
つまり、「少年冒険物語」が逃亡する「黒人奴隷目線」にチェンジです。それから -
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ネタバレ耽美的、幻想的な短編集。あまり怖くはない。話はどれも面白い。
表題作、「痛妃婚姻譚」「『金魚姫の物語』」「本は背骨が最初に形成る」がとくによかった。どの話も女性キャラクターが魅力的。
「本の背骨」二篇
物語を読むことの快楽についての話。騙りであろうと本当の話になりうるディストピアが舞台。内容の誤り=「誤植」をめぐる命がけの「版重ね」は法廷での弁論バトルのようであり、ポストトゥルースな現実の戯画のようでもある。十の語る(誤った)物語の方が本当の物語より魅力的に思えるのが可笑しい。
「痛妃婚姻譚」
表現をソフトにすればメルヘンになりそうな切ない恋の物語。本書でもっとも感銘を受けた。一体となった -
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ウソと言いがかりが勝つ時代、か。。。いやな世の中になったものだ。
人はもっと誠実なもの、と信じたいが、そうでない人がどんどん世に出ている。
それを次から次へと改めて紹介しているのがこの新書。
ドナルド・トランプアメリカ大統領、立花孝志NHK党元党首。
立花氏はこの新書に書かれている内容で逮捕・起訴されたばかり。
さらに過去の戦争のきっかけになったウソ。米西戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、
(以上アメリカ)、ウクライナ戦争(プーチン)、満州事変(日本)、
ホロコースト(ナチス)、関東大震災朝鮮人虐殺、ルワンダ虐殺、
ひめゆり(西田昌司)、アイヌ民族差別、小池百合子、神谷宗幣、、
どんなウソやデマ