あらすじ
あなたは心を見つけ出す
夫が嫌いな上品な老婦人、段ボールにひきこもる少年、悲劇のヒロインを演じる女性……臨床心理士の著者は、日々の出来事やカウンセリングを通して出会う人々の大きな重荷を背負った心が変化する瞬間を掬い上げる。あなたが見失ってしまっている心にもう一度出会うためのヒントが詰まったエッセイ集。
解説・辻村深月
単行本 2021年9月 文藝春秋刊
文庫版 2025年2月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
東畑開人さんの著書。居るのはつらいよを読んで衝撃をうけた。なので他の本も読んでみたいと思い購入。短編集で読みやすい。トイレ侍とウンコ男のところはかなり保育っぽい関わりをしてて参考になったし、肩書きを見てかなりエリートっぽいイメージをしていたので実はそうでない時代もあったとのことでびっくり。でもそこからどうやって今やっていけてるのかまでは書いていないので、なんかそこが気になってしまった。
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東畑さんの本質を見抜く力が凄い。
本書はフィクションも含めてつくられたカウンセリングエッセイ集。
そこで患者が語る悩みは、実は本当の悩みではなく改善すべきことは他にあると考えられるものが非常に多くあった。
自分のことを自分で判断分析することが、いかに難しいことか。だから人は悩み苦しむ。
そんな時は主観だけでなく、客観的に自分の状態をみてもらうこと。また、家族や友達以外の他人に話をすることも大事であるという気づきを得た。
Posted by ブクログ
臨床心理士の東畑開人さん、
この本で初めて知ったのですが
…一気にファンになりました。というか虜です。
ユーモアたっぷりで、どの回もニヤニヤ、クスクスしながら読みましたが、カウンセラーとして来談者とのやり取り場面やそこからのお話はどれも深くて…
フィクションとは思えない、、
もう私にとってはどのエピソードも
感情移入してしまい
自分のことのように自分だったら?
こんなことが起きたら…心は壊れるよね…と
とにかく夢中になって読みました
===
私たちの心は誰かの心の中で発生する
そういう体験が積み重なって初めて
ようやく自分を振り返られるようになる
自分の心で自分の心の苦しみや喜びに気づけるようになる
===p252
そうなんですよね…
今日も、3歳の次女に「痛かったよね」、「びっくりしたんだよね」と涙を言葉にして抱きしめて
彼女がコクコク頷きながら落ち着くのを待ちましたけれど
そういう子供たちにしてあげることを
大人にも。まずは自分自身にしてあげないと。
この本を読みながら、自分の心に寄り添い続ける時間を頂きました。
最後にふと思って
バジーさんを検索したら…イケメンでびっくり。
本の中にあったスーパービジョンでクライアントに恋されてしまった女性心理士さんのように
私ももしバジーさんの前に座ったら、きっとドキドキして雑念が生まれてしまうだろうから、バジーさんにカウンセリングを申し込んではいけないだろうなぁ(´-`).。oOダンディですッ
Posted by ブクログ
結局、読み終えるのに半年もかかってしまった。
興味深く、面白い本だったのに、こんなに長くかかってしまった。読んだときには、すごく心に響いたように思ったのに、今振り返ると、あまり記憶にない。
何か不思議な感じ。
でも読んで良かったと思っている。
この本によって東畑開人さんに出会えたのは本当に良かった。これからも注目していきたい人だ。
ようやく読み終えて今はほっとしている。
Posted by ブクログ
会社を退職するたびに抑うつを繰り返し、休職期間や無職のときにようやく読書時間を設ける体力と意識が働き、文化的に生きて、内省を経て心を取り戻す癖があり、この本を読んでp127.「心にはまだ形になっていない言葉が蓄積され、カチコチに固められている。朝が来ると日常音にかき消されてしまう。」。助けて欲しいと発する事で、整えられるとのことで、1人で勝手に退職を決めて静かに立ち去り、私なんかと自暴自棄になる前に一言、「助けて」と言えるようになれたら、それで仕事を続けられたらと良いなぁと思った。
p38.「いったん止まって様子を見る。」これも大切でメンタルヘルスの最終奥義のようですが、本当に大切。コロナ禍の茫然自失で軽い躁に転換される表現のとおり、私はすぐに躁になってしまう。以前は、躁=元気な自分に元通りで安心しきっていて、自己肯定感も高く、笑顔を心掛けて、明るく振る舞い、優秀か友人を見よう見まねに真似して生きて、気づいたら頭がぼーっとして静止、気がそれ続けて、SNSを見て、比較して落ち込んで、自暴自棄に激辛むちゃ喰いアルコールを飲んで、とめどなく自分を叩き打ちのめしてしまう。
こんな私と友人であることに気が滅入るだろうと友人のSNSに自分がいることがストレスになり初期化したりブロックして削除して、あえて嫌いになったよというフリをしてみたり、どんどんエスカレートして孤独の淵に追いやる癖も、抑うつ期間にしていたと自認していたけどきっと躁状態の時。
もう、本当に立ち止まる。
脆さや孤独を感じた時に、耐える手段を選んだ過去の私は、いろいろ間違っていて、以前は素直な気持ちで笑顔を作れたが、今はどうやって笑えば良いかわからない時もある。
孤独に耐えることは、本当に毒なので、辛くてしんどいときは、黙って、平気なフリをするのでなく、寂しい〜!!!!むりむり、ドラマ見て死んだふりしよう………お風呂に入って温かいお布団の中に潜り込み、好きな素材の毛布でぬくぬくして気持ちいいと感じて、いままで頑張った筋トレの成果を横になった時に感じて、自分を讃えてみたり、布団の中で立ち止まることは割と、やっぱ生きるのが楽しいのかもと、思える瞬間だったりする。
脆くて、孤独が嫌いなので、今すぐ誰かと結婚したいっていう欲望がある。確かに、すぐ結婚はもはや離婚が待ち構えてる。なんだけど!!その、今すぐ結婚はしなくていいから、1.2年以内にしようって言葉だけが欲しかった。なのに、何もその素振りや言葉がないとやっぱり、付き合ってても意味ないと感じてしまって、元彼と別れて、超絶孤独で、大学時代ちょろちょろ付き合ってたから、過去の自分に戻ってしまってまたネガティ。
いや、もう、もはや、結婚してくれなくて良かったとすら感じる。被害者ムーブかますの嫌いだけど、お互いの性格や好みがわかっていて、27歳で復縁するとか、復縁の次は結婚だって誰も予想できないか?と、いや、できない。だって、友人も家族も、あんまり良い恋愛だと言ってこなかったし、逆に復縁を繰り返して、失敗を学びにしないと言うか、呆れられてすらない、興味を持たれていないことに違和感もあったし。
でも、私も私で確かに悪いこと言ったし、傷つけたし。傷つけてしまったことと、結婚してもらえなかったことを御あいこにして、次に進もう。
よーし、とりあえず仕事探して、貯金して、ひとり時間を楽しんで、ダイエットして、独身という身分も体重もお気楽にして、timeleszのオタクして楽しもう。聡ちゃんと風磨を応援して気力を戻そうー!!ばじーせんせい、ありがとうございました!!メンクリ行った気持ちになりました!!
Posted by ブクログ
もとは『週刊文春』に1年間連載した「こころはつらいよ」(2020.5~21.4)。書名、「チーズはどこへ」にあやかったリタイトリングも決まっている。
「トイレ侍とウンコ男」がいい。「補欠の人格」「補欠の品格」も読ませる(私も永遠の補欠だったもん)。「脳のせいなのか」もいい。このなかにある“ 脳は他者である”は至言。「学者の味噌汁」の回には、まさかの成瀬悟策先生が登場。
どの回も、軽くて深い。構えずに入ってゆけて、心揺さぶられるこの感じって……昔どこかで味わったことのあるような。うん、なだいなだ、だったかもしんないな。
Posted by ブクログ
最近好きな東畑さんの本。
この本はエッセイで、1つの話が短くてサクッと読める。
話の中に出てくる、クライアントとのやり取りが興味深かった。あ、そういう返しをするんだ、と思うところがたくさんあった。
他の本にも書いてあったけれど、カウンセリングはその人のこころを指摘することではなくて、ただ聞くこと。自分で気が付くように、認められるように、言葉をかけること。そんなやりとりが詰まっている。
なんだか、ほっとする。不思議な本。
Posted by ブクログ
東畑さんのエッセイは面白いっ!こんなに面白く書けるなんてズルいと思うくらいに面白い。
文春への連載記事をまとめた一冊である。
本の内容とは離れるが、この本のあらすじには、1年間の連載のなかで東畑さんが何を考えていたかという「舞台の裏側」が書かれている。
いつか本を書きたいと思う私にとって、この舞台裏は大変学びになるものが多かった。
大きすぎる物語のまえで、脅かされる小さすぎる物語たち。心はどこへ消えたか?それは大きすぎる物語に吹き飛ばされたのである。心はどこで見つかるのか?それはエピソードの中にある。
私もエピソードを書いてみたい。そして迷ったら、この本をまた読み返したいと思った。
Posted by ブクログ
大きな物語に飲み込まれ、小さな物語が見えなくなっている。しかしカウンセリング室には様々な人がやってきて、小さな物語が確かに存在している。クライアントは自分がなぜ不調に陥っているのかをわかっているつもりでいるが、著者という他者に心を預かってもらうことで、行動の背景にある本当の心に気づいていく。直面するのには痛みを伴うが、心理士は一緒に様子を見る。クライアントが次に進めるよう別れの時まで見守り続け、それを繰り返していく。 ユーモラスな文体。クライアントの行動の背景にあるものを垣間見た時ハッとした。面白い。
Posted by ブクログ
序文とエピソードのギャップでいきなり心を掴まれました。
1つ1つの短いお話の中でも二重人格…?と疑うくらい文章に波があって面白く、なのになぜか1つの話を読み終わった後に毎回種類の違う余韻が来て、(良い意味で)サクサクとは読み進められず、毎日少しずつ読み進めるのが楽しみになっていました。
時代の変化なのか、自分が歳を重ねたことによる変化なのかはわかりませんが、日常生活で相手の心に想いを馳せることが少しずつ減ってきたような気がしていて、それを優しく楽しく思い出させてくれた作品でした。
Posted by ブクログ
心理士である著者が行うカウンセリング、その1つひとつのエピソードと、そこから著者が感じた「心」についてのエッセイ集。
心理学、心、というと、興味はあるが読み解くにはとても深遠なものであり、その関連書はさくっと読めるようなものではない、というイメージがあった。
だから、この本はそんな「ふつうの」感覚を持った人たちにはぴったりの本だと思う。
エピソードに登場するクライアントの境遇や性格はさまざまだが、共通して言えることは、人間はそんなに立派なものでもなければ、表に出ているものがすべてではない、そんな陳腐なことを思った。
ふだんは他者のそんな「心」が見えない。それが、カウンセリングを通じて、生々しいほどに立ち現れてくる。そして、不思議な力を持っていることを知る。ただの学術書を読み込むことでは知り得ないものに、たくさん触れることができた。
辻村美月さんの解説の中にもあったが、今は心が元気で、おかげさまで何事もなく、前向きに日々を過ごせているけれど、人生のなかで躓くことはこの先いくらでもあると思う。そんな時に備えて、手元に置いておいて、何度でも読み返したい、そう思わせてくれる本だ。
Posted by ブクログ
雑誌で連載されていたエッセイだから1話が短くて毎日ちびちび読むのに最適だった。
心は他者の心の中でのみ存在する。
自分の心が不安定になった時に読み返したい一冊。
Posted by ブクログ
解説が辻村深月さんと知り、迷わず購入。
カウンセリングは一進一退で、時間をかけて相手との関係性を構築しているところが印象的。
人間は簡単に考え方を変えることはできない。だからこそ、何が本質的な課題なのか、一緒にじっくりと探っていく作業が大切だと思った。
Posted by ブクログ
人の心についてのエッセイ。
とても読みやすかった。そして物語があることですごく理解しやすかった。共感できた。
自分にぴったりのエピソードがあるかは分からないけど、誰もが痛みを抱えているんだということに救われた。
Posted by ブクログ
心とは、実際のところ、なんなんだろう?
本書『心はどこへ消えた?』は、臨床心理士・東畑開人という、いかにも心理のプロっぽい先生が、めちゃくちゃ人間くさく共感しやすい“バジー・東畑”という第二人格を生み出し、そのバジーが出会う人々との間に、心という“目には見えない何か”を浮かび上がらせる――そんな週刊誌連載の創作エッセイである。
さて、冒頭の質問のヒントや答えはたくさん本書の中に書かれていたが、今の自分の言葉でまとめ、再定義してみようと思う。
「心とは、喜びや悲しみ、痛みなど、何かを感じているもの、そのものである。」
「感じている」と考えているのは脳だが、脳は何かを対象として考えているのであり、脳自体が喜んだり悲しんだりしているわけではないのだ。
そして、その「何か」が心の正体なのではないだろうか。
ということは、心とは体でもなく物質でもないけれど、確実に、具体的に存在している“何か”ということになる。
そして、その心の場所を問うのが本書である。
心は確実に存在しているが目に見えず、あらゆる科学の力をもってしても、今のところその場所を特定できていない。
心を見ることができるのは心だけなので、結局は自分が持っている目には見えない透明のメガネを引っ張り出し、相手の目には見えない透明な部分を見ようという――とんでもなく難しそうな作業が必要なのである。
ただこれは、文字にすると難しそうだが、実際は多くの場合、人は無意識にできていることなのではないだろうか。
たとえば、友達が急に髪型を変えたので不思議に思って聞いてみたり、
いつもご飯をおかわりする彼氏が一杯だけで「ごちそうさま」と言ったので心配してみたり。そんな感じだ。
そして、それができなくなるような緊急事態――つまり透明なメガネの場所が分からなくなったときこそ、それを見つけてくれる他者が必要になる。
結局、人は一人では、いつ自分の心さえ見えなくなるか分からない。
だからこそ、自分以外の誰かを大切にし、困ったときには助け合おうということなのだ。
具体的には、自分と接する誰かが話す小さな物語をぞんざいにせず、
「心」という、自分の持っている透明なメガネを使って、その人の普段とは違う小さな揺れ――変身の前兆を見逃さない。
それが大切なのだろう。
そして同時に、「心とは?」という壮大で終わりのなさそうな問いに対して、安易に答えを出さず、分かった気にならず、問い続ける人でありたいと思う。
Posted by ブクログ
東畑さんの週刊文春に寄稿されていたエッセイ集。雨の日の心理学から怒涛で著作を読み込んでいる自分のハマりぶりに冷静になるとどうなのと思いつつ、おもしろくて、癒されるので読んでしまうのよね…。
会社員として忙しく過ごしていると、仕事の内容としても日々にしてもどうしても大きな物語に巻き込まれて小さな物語が見えなくなってしまう。毎日を回していく中で、個別事情なんて気にしていられないと切り捨てることも多い。本当にそれで良いのかしら。
この本を読んでいる時に、ちょうどそんな姿勢を揺るがす出来事があり、自分の中で大切にしたいと思っていたことを考え直すきっかけになりました。
心はどこへ消えた?何かを見落としそうになる時、忙しい時、自分の中で呟いてみると良いかも。そこに本当はある小さな物語の存在に気づけるおまじないみたいな感じ。
Posted by ブクログ
YouTube出版区で山﨑玲奈さんがすすめているのをみて、興味をもって購入。ゆっくり自分の心や周りの人の心に、少しだけでもきちんと向き合える機会になったと思う。いつもは、通り過ぎてしまうこととかも。
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山崎怜奈さんが「コロナ禍に読んですごく救われた」と絶賛されていて気になった本。
臨床心理士の著者の元には、さまざまな悩みを持った人々がカウセリングを受けに訪れる。
アメリカでは美容院に行くような感覚でカウンセラーの元を訪れる人が多いと聞いたことがある。ちょっと前髪伸びてきたから、みたいな気軽な感じで、ちょっと心が疲れてきたからカウセリングに行く。
鬱などの明確な諸症状がないと受けられないと思っていた私は、それを聞いてカウセリングに興味を持ったのだが、本書で初めて、カウセリングは長い時間をかけるものと知った。
著者は時に何ヶ月もかけてクライエントの話を聞き続け、思いを吐き出させる。そこには説得も指導もない。毎月来ていたクライエントが訪れない月もある。それでも訪れたら粘り強く話を聞く。
そしてある時、ほんの些細な出来事や著者からの問いかけによって、クライエントが小さな変化を見せる。そこから目に見えるような変化が出るまで、1年以上経っていたりする。なんと根気のいる仕事だろう…!
また定期的に通い続けるクライエントたちもすごい。面倒くさがり屋の私がクライエントなら、もっと早く解決してくれるかと思ったとか家族に愚痴をこぼし、そのうち行かなくなってしまいそうだ…
しかしそれほど心のケアというのは時間のかかるものだと理解できたことは大きい。
悩みにぶち当たったとき、一刻も早くこの沼から抜け出したいと必死にもがくが、それが近道とは限らない。まずは思いを吐き出して自分の現状を見つめ、冷静になる時間が必要だったりする。たった数週間で劇的に変わることばかりではない。本書に登場したクライエントたちのように、何ヶ月も何年もかけて少しずつ変わっていけばいいのかと思うと、随分と気が楽になる。悩みは早く解消しろと、自分で自分を追い込んでいたのかもしれない。
辻村深月さんによる解説も実によかった。
なぜ私たちが小説にこれほど魅せられるのか。その一つは、辻村さんの言う「『大きな物語』が、個人の『小さな物語』を通じて立ちどころに理解できるようになる」という部分にあると思う。
小説によって描かれる、極めて具体的で、個別的で、カラフルな「小さな物語」を通して、社会の根底にある大きな問題や風潮を理解できる。ぼんやりと抽象的だったイメージが、登場人物たちの具体例を通して初めて、ぐっと明瞭になる。そんな瞬間が小説を読んでいると何度も訪れる。
辻村さんは言う。「私が小説家として物語を書くというのは、その個人的な『小さな物語』を形にすることだ。」
次に読む東畑さんの本は、辻村さんがオススメする「雨の日の心理学」にしたい。自分が誰かのケアを必要としたり、ケアをする側に立った際に思い出そうと決めている一冊だそうだ。
軽やかでユーモアがあって、だけど鋭く揺るがない視点を持つ東畑さんの言葉を、今から楽しみにしている。
Posted by ブクログ
p113- 不完全さを許せないと、私たちは人と一緒に居られなくなってしまう。
臨床心理士としての経験をもとに、人々の「心」の在り処を探るエッセイ集。コロナ禍という大きな物語に埋もれがちな個人の小さな物語に焦点を当て、ユーモアを交えながらも深い洞察を提供しており、随所に自分の心の動きや他者との関わりを見つめ直したいと思える文章があった。軽妙な語り口でありながら、心の本質に迫る一冊。
Posted by ブクログ
面白かった。
臨床心理士である著書が、実際のカウンセリングの場での相談を出しながら考えを綴るエッセイ。
著者がゆるくてユーモラスなので、癒される。
大変なことも多いけど、まぁいいかと思える一冊。
Posted by ブクログ
コロナ禍だった頃に週刊文春で連載されていたエッセイ。各号で読んでたら次回を楽しみにできたかもしれないけど、1冊にまとめられるとメリハリが足りないのか“グイグイ読み進められる”にはならず。
寝る前に読んでいるといい感じにすぐ眠くなっていた(笑)でもそれは退屈というよりも、とても安定していて読みやすかったからだと思う。その安定がいい感じに睡眠へと誘ってくれた(笑)
思えば、コロナ禍って本当に何もかもがおかしかった。あのときはあまりにも急激な流れに合わせるしかなくて、おかしい事をおかしいと感じる暇もなかった。けど、やっぱり何かとおかしかった。
そんなおかしい時って日々過ごすことに必死過ぎて「心」を見失いがち。だからこそ生まれたエッセイなのかな。
SNSだとかAIだとかが当たり前になっている令和の今だからこそ、「心」についてもっと考えたほうがいいのではないか。他人(ひと)の心も、自分の心についても。
解説で辻村深月さんも書いていたが、忙しさで心を失いそうになってる人に出逢うとこの本を思い出しそう。
Posted by ブクログ
心理士である著者のカウンセリング模様をあえてユーモアを交えながら語るエッセイ集。
実際は壮絶であろう現場だけど語り口はいい意味で軽めなので、こちらの気持ちが沈むことはない。寧ろ面白く、スルスル読み進められる。ただ、そんな中でハッとするような考え方やフレーズがでてくるので侮れない。
大なり小なり、現代に生きていると心理学が参考になる人も多いと思う。その最初のステップとなりうる本です。
Posted by ブクログ
冒頭で、このテーマなだけあって、堅い内容なのかなと少し身構えたが、筆者が自分の恥(?)も開示していくスタイルだったので親しみを持って読めた。
カウンセラーの仕事は自身も心を病んでしまう方が多いと聞くが、東畑先生の人となりがわかるエピソードを読んでいると、芯があって逞しいから大丈夫そう!と感じる(偏見)
内容は、自分が疑問に思ったことに対しての答えを得られたり(自分を自分で責める声は「超自我」と言うらしい等)、とても意義深いものだった。
地の文がフレンドリーなのに対して、カウンセリングの場面で急にシリアスになるので驚いたりもした。相談内容を知ると、そりゃ真剣に向き合わないと蟠りをとけないよな…と先生の仕事ぶりに対し頭が下がる。
自分も怖がりで、物事を少し離れたところから見ているタイプだが、それも肯定してくれたところが嬉しかった。
Posted by ブクログ
心理学エッセイ
ショックを受けた時、心は心をどのように守っっているのか
心を覗いてみる、とか
ちょっと心が疲れた時に「心はどうなってるんだろう?」と思って読んでみるのはいいかもしれない
心に触れるには心を使うしかなく、心を見えるものにするには言葉を使うしかない
…元気なひとには「ふーん」と終わるかも
著者の正直な文には好感
だけどどうでもいい話もある
時々心が沈んだ時に少しずつ読んでたので読み終えるのに時間がかかった
Posted by ブクログ
臨床心理士の方が書かれた本を読むのは初めてだった。辻村深月さんが解説を書かれているのとYouTubeでこの本が勧められていたので購入。心理についてど素人にも分かりやすく書かれていて読みやすかった。特に「スーパーヴィジョンにて」という話で登場する女性が自分で深く考えずに正解をすぐに求めようとしてしまう自分の性格と重なって響いた。ただ、プライバシーの問題があるのは重々理解しているけれどもう少しカウンセリングの方法や心の変化が細かく知りたかった。
東畑さんの本は初めてで、他の本には書かれているかもしれないのでもっと他の本も読んでみたいと思った。一つ一つのエピソードが短いので、読書初心者さんにおすすめの一冊。
Posted by ブクログ
心理士が描くエッセイということで、心の有り様だとか、ちょっとした揺らぎみたいなものが、ユーモラスに表現されてます。ああ、コロナ懐かしいなあと、思い返しながら読み始めましたが、最後はとてもポエティックに、詩を読んでるような気持ちになりました。
Posted by ブクログ
臨床心理士のエッセイ。
そもそも心とは何か?
カウンセリングによりクライエントの心が変化する様子、緩やかであったり急であったり様々で興味深い。
それぞれの転機に生きるヒントをもらう。
「補欠は世界を外から見ている。」
特に印象に残る。