小説・文芸の高評価レビュー
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2026年読んだ中で1番おもしろい。
『進撃の巨人』もそうだけど、既成権力の転倒か墜落に対面するとおもしろいな。旧価値的なものの本質的な無意味さがよくわかる。例えば、お金が無意味なものとして、それに対する信頼が棄却されるような現象を扱った小説とか漫画とか映画があってもすごくいいと思う。
ともあれ、動物的でない側面としての人間の価値をずっと問うている作品だった。その点で、組織化が大事な価値観になっていた。
病院内の状況が、社会の縮図のようになっていておもしろい。唯一持ち込まれた銃器が最大権力化していた。それだけ、弾がなくなったときの失墜が大きいが。寝るための道具であるベッドの部品から鉄の棍 -
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スコットランドヤードの刑事ケイトは控えめで自己評価の低い性格が足を引っ張り凡庸な刑事だと思われていた
しかし世界でただひとりケイトを天才捜査官と認めるヨークシャーのスカボロー署の警部ケイレブの熱心な誘いに移籍を決意する
だが移籍前の休暇を利用した旅行の最中、銃撃事件に巻き込まれ、否応なく捜査の前面に立たされてしまう
しかも頼りのケイレブはまたしてもアルコール問題により停職処分となってしまう
孤軍奮闘捜査を続けるケイトはやがて事件の背景に隠された大いなる「罪」を暴いていく
物語が描くのは、まさしく「罪」だ
そして物語が紡ぐのは、「罪」を背負う者、「罪」に蓋をする者、「罪」を楽しむ者、そして -
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「自分の日々の生活が苦しいのは自分の努力が足りないからなんやろ。それを乗り越える強さが自分にはないからなんやろ。そんな状況を回避する才能が欠落しているからなんやろ。全部、自分の責任ということになるんやろ。この社会の構造の不備には目を瞑り、そこで生じた個人の痛みは各々で持ち帰り、自分で何なんかしなければならない。おまえらが人に優しくないから、世界はおまえに優しくないんや。強さを持つ者だけが生きる資格があるならば、弱さがあってあたりまえやと思っている自分に生きていく場所なんてないよ・・・」
同書からの抜粋である。
高校時代から中年にかけての主人公と、腐れ縁とも呼んだらいいのか、「友達」との月日を -
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もとは1994年刊。93年、ダライ・ラマへの4回のインタビュー取材にもとづく。
ダライ・ラマ14世は1935年生まれ。13世が33年の暮に亡くなって、その生まれ変わりをチベット全土に捜索して見つかったのが2歳になる男の子、パ・モン・トン・トゥルブ。彼が14世となる。ダライ・ラマの生まれ変わりそのものが輪廻転生の典型例だ。(これってなにガチャ?)
本書は、ダライ・ラマ14世その人、そしてチベット仏教での輪廻転生の考え方を中心に解説。自殺や殺人(殺生)をどう考えればいいのかにも触れている。驚くのはその考え方のフレキシブルさ。決してドグマティックではない。
仏教とヒンドゥー教の関係、大乗仏教とチベッ -
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洋菓子をテーマにした甘いだけの作品かと思っていましたが、良い意味で裏切られました。
甘美で少しほろ苦く、時々どきっとするほど官能的な大人のための連作短編集です。男女問わず、スイーツ好きな大人の方にぜひおすすめしたい一冊でした。
特に印象深かったのが、作中で語られる「クリームの科学」についての表現です。クリームは、二つ以上の脂肪球がぶつかり、溶け合い、繋がってこそ、ツノが立つような理想的な形になる。けれど、混ぜすぎると崩壊してしまう。
夫婦関係はもちろん、様々な人間関係に当てはまる深い比喩だと感じました。お互いを知ろうとしなければ一緒にはいられない。でも他人だから、完全に一緒にはなれないし、そ -
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残ページもうないよ?!
からのどんでん返しが炸裂!
伏線箇所は分かりやすいが、それがこの後どう繋がってくるのかは全く予想できなかった
あーこの作品に出会えて良かったとしみじみ感じる
某監督の名台詞「諦めたらそこで試合終了ですよ」
の令和版「無理だと思ったらそこが限界」は印象的
映像で観たいと思うが、映像化不可能かな…うん><
ドローンを操作して身体障害を持った女性を救出する過程を描いた物語、
人海戦術で人さえ投入すれば順調に進むでしょという現場でないプロットがいいね↑↑
もちろんタイムリミットがあってハラハラドキドキさせてくれるわけで、忙しい時にはおすすめできない一冊かな
(一 -
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SFあんまり読まないんだけど、話題になってて気になって。
科学やら天文学やら専門的なことはまるで分らないけど、それでもずっとおもしろい!
基本知識があんまりにも不安なもんで、いろいろ調べて関係ないところまで天文学知識広がったりけっこう楽しかったし。宇宙はロマンの塊だねぇ。
第6の大絶滅とか、科博の展示思い出して盛り上がるし。
そんなこんなで、はじめは主人公も何もわからずちょっとミステリーぽくて、だんだん状況が見えてきたところで、なんとびっくり未知との遭遇!!でめっちゃ盛り上がり、ハラハラするもののロッキーめちゃくちゃかわいいよ…
ちょっとこれ誤訳?日本語変じゃないってところが何か所かあったけど -
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23歳で日本人女性初のk2登頂に成功した小松由佳さん。その翌年(2007)に、偶然にも小松さんの講演を聴く機会がありました。冷蔵庫大の氷塊が頭上に落ちてくるような命懸けの登山経験談に、彼女の好奇心の旺盛さと芯の強さを感じました。
小松さんはその後、東南アジアを旅し、風土に根ざした人の営みに魅せられ写真家に転身。2012年からシリアの内戦・難民を取材し続け、同年にシリア人男性と結婚し2児の母となります。
「アラブの春」の影響で、シリアでも民主化運動が拡大するも、アサド政権は徹底して弾圧。シリアの独裁政権は崩壊せず長く内戦が続き、700万人もの難民を生み、15万人もの民間人が虐殺されまし -
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世界で初めて雪の結晶を人口的に作り出した、中谷宇吉郎の伝記です。“雪は天から送られた手紙”
“不思議だと思うことが全てのはじまり”本書を読んで素敵なフレーズに出逢えました。
“発想の転換”“自然をよく見ること”“いちばん大切なのは役に立つこと” 中谷宇吉郎は恩師、寺田寅彦の教えにたがわず、雪の結晶に愛情を注ぎ研究に邁進しました。
札幌、東京、アメリカ、グリーンランド。世界を股にかけて研究にいそしむ宇吉郎。油絵、墨絵にも造詣が深く多彩です。家族思いで、良きお父さんの姿も描かれています。61年の生涯でした。
イラスト、写真入りで楽しく読むことができました。巻末には、おもしろエピソード入り「 -
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めちゃめちゃ面白かった。
こういう箸休め的な本が欲しかった。
「とりあえず殴っとく」フィジカルで攻める脳筋メロス。
時折、急にハンドル切って作者がこちらに語りかけてくるので「あ、え、自分に語り掛けられている…?」ってびっくりする。
いちいちメタ的な要素がある。
ツッコミ所が多すぎて、いちいち笑っちゃうのでなかなか読み進まなかった(笑)
推理パートに入る口上?が、最初の方は「うるさ!」だったのだが、中盤辺りから「来たー!」とだんだんクセになってくるから不思議。
ミステリー(?)としては「たぶんこう言う死因だろう」がなんとなく想像できたし、恐らく本作のメロスよりはアレコレ真面目に推理できたと思う -
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ネタバレ小出しされる出来事に胸が苦しくなる。登場人物たちの心に鬼が宿る瞬間は同情と恐怖を感じずにいられなかった。一転していく過程は武田の精神が心配になるレベルで、よく保っていられるなと思った。
でも、だからこそ、『それはそれとして』ができる城崎に武田は試されたのだと思う。そんな同情よりもこれから生まれる禁忌の子のために生きられるのかと。城崎の洞察力を通しても『いい人』の武田の本質が試され、変わらなかった武田を城崎は信用したのだと感じた。
京子先生がマーカーを引いた言葉、それがこの小説の答えな気がする。
中弛みがなく、重厚ながら読みやすさがあり、個人的にはとても完成された本。こういう出会いがあるから小説
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