小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
第1回本屋大賞を獲得した有名すぎる小説。
ようやく手に取りました。
事故で80分しか記憶が続かなくなってしまった老数学者、そこへ派遣されてきた家政婦、さらにその10歳の息子、3人の単純でない関係が始まった・・・
日常生活を送ることさえ困難な老人を中心に据えていることでハプニングの予感しかしないですが、その通りに何やかんや事故・事件が起きる中でここにしかない3人の繋がりが育まれていく様子は、悲しくも温かい純文学でした。
老人と親子との関係は、人情、友情、家族愛、尊敬、様々な感情が融合した単純な言語化が難しいもので、読者に複雑な思いを抱かせ、独特の余韻が残ります。
私がひねくれているのか、良 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいて、様々な場面で感情が動かされる作品でした。
辻村さんの作品は本当に感情の言語化が素晴らしいと思いました。
辻村さんの作品は他にも何冊か呼んだことありますが、特に思春期女性の複雑で繊細な心理描写がリアルすぎていつも物語にのめり込み、人生を追体験した感覚になります。
また、この物語を通して人間は他者が想像するような綺麗な軌道を描きながら人生を歩むものではなく、その人の生きている中での体験や、それによる感情の変化などで人生は大きく軌道を変えながら歩んでいくんだなと実感しました。
ひかりちゃんの行動は確かに常識から外れた行動を何度か取ってたりしましたが、辻村さんの丁寧な心理描写でひかりちゃ -
Posted by ブクログ
無意識に棟方志功を主人公として自分に気づいて驚いた。がそれも間違いではないのかも。妻チヤからみた太陽の様な存在。彼女の人生の主人公は棟方志功だったんだ...何度も感動して涙を流した。そして疎開先での気付き。チヤのこの愛の深さにずっと静かに感動し続けている。
時代が時代だから、女性のこの在り方をどう受け止めるかを考えたけれど、これは男か女か立場がどうかではなく、深い愛の話だったとわかった。
また、前編を通して子供の時わからなかった棟方志功の魅力を楽しめる年齢になった。と感じた。
青森美術館に行く前に読みたかった。
『板極道』を読み直したい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本で声を出して笑ったのは初めてかもしれない。
仕事に疲れて、でもなかなか辞められない(本当は辞める気もない)人にとっては読んでてスッキリする本かも。
書店員さんの苦労もリアルにかかれててそこも見どころ。
真面目で仕事が好き、自分で選んだ職場だからある程度の理不尽はしょうがない、だけどどうしようもなくムカつく!という気持ちを昇華してくれるような作品だった。笑
ミステリー要素もあり、一気読みしてしまった。
何より最初から最後まで店長が魅力的というか謎すぎて違和感があるのに、今回で全部わかった感じがなく次も猛烈に読ませたくなるのはすごいなと思った。 -
-
匿名
購入済み紀州藩主の三男だが、母親の出自身分が低いため、父に疎まれる新之助。
そんな新之助に幼少期から仕える星野伊織は、新之助を藩主にするべく、新之助の父と兄二人を毒殺する。
そんな伊織の行動を、新之助は己が命じたことだと言い、一蓮托生を誓い、新之助は藩主の座に就き、吉宗を名乗る。
伊織はひそかに「御庭番」を組織する。
吉宗も伊織も、吉宗の母の待遇を上げたいと思うが、母は受け入れない。
その後、江戸の幼い将軍の後継問題が持ち上がり、尾張徳川家の継友と紀州徳川家の吉宗が候補に挙がり、大奥や幕閣が対立する中で、伊織は命を落とす。
吉宗は将軍となるも、母は吉宗を認めないまま世を去ってしまう。
母も伊織も喪った