小説・文芸の高評価レビュー
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作中の随所に散りばめられたドラッカーの教えを元に、主人公のみなみがマネジメントに挑んでいく物語です。この小説は「ドラッカーの言葉をどう実践するか」が高校野球を通じて非常に具体的に描かれています。本来なら理解が難しいような抽象的な表現も、野球部の運営に落とし込んでくれるおかげで、スムーズに理解することができました。
この本をきっかけに、作中でみなみが読んでいたマネジメントエッセンシャル版を読んでみたいという気持ちになりました。また、マネジメントによって野球部員たちがそれぞれ変化していく人間ドラマも素晴らしく、たびたび泣かされました。特に小説のラストは、涙なしでは読めません。 -
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ネタバレ主人公の洞察力や観察力がすごくて、ちょっとしたしぐさややり取りで内面を見通す。そうした洞察力はうそつきの友達に散々な目に合わされて鍛えられたものであると思っていたら、後半友達の策略にあっさり騙されて300万円も払ってしまう。しかも、それが読者から見てどう考えてもしょぼい内容だ。
浮気の証拠を握られてそれをもみ消すためにお金が必要だと言われるのだけど、300万円払ったからと言って済むとは思えない。お金を払っても無駄なので、奥さんにひたすら謝るしか手がないはずだ。
どんなに頭がいい人でも錯乱状態に陥れば、そうなることもある。しかしあんまり錯乱している様子もないので人が変わってしまったよう -
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犯罪加害者本人と実際に交流しながら、事件の真相(というか加害者の動機や人となり)に迫る本って、何冊か読んだことあるけど、全部似たり寄ったりというか、テンプレートとしてどう書いてもこうなっちゃうんだな、というのが全体の印象。だからといって別につまらないわけじゃない。
この本を読む前までは、私もどちらかと言えばりりちゃん擁護派というか、お金渡す方も渡す方だよな、とうっすら思っていたのだけれど、この本を読んでその考え方が100%間違っていたことに気づけたことが、この本がとても良い本だと思った理由。
本の中で被害者の男性が語っているけれど、この事件はパパ活とは違う。パパ活ならお互いが納得した上なら確 -
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爆笑問題が所属しているタイタン社長にして、爆笑問題の太田光夫人の太田光代が
書いた本。
正直そんなに期待せずに読み始めた。
とんでもなくおもしろかった。
爆笑問題は元は太田プロ。それが独立することになったいざこざから話は始まる。
光代さんも元は太田プロのタレント。独立騒ぎの直前に光と結婚していた。
独立の経緯で自分たちで事務所を持つことになり、光代が社長兼マネージャーに
なることになった。干されかねない。そこをどうしのいだか。
立川談志師匠との絡み。ライブでのお披露目。
それだけでも面白い。
しかしそれ以上に、この光代さんの考え方がすごい。
最近コンプラ問題で芸能人が話題になることが多い。タイ -
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ライターの海老原誠は妻の沙織を交通事故で亡くし10歳の夏樹という男の子を一人で育てています。
誠は『月刊クリスタルライフ』から北川フサという大正7年山形県北村山郡生まれで、29歳の戦後間もない時期に連続殺人で五人の殺人の罪で死刑の判決をうけた人物について書くようにいわれます。
北川フサは戦後間もない東京で5歳の息子を亡くし、その後四人の男を刃物でメッタ刺しにして殺し、五人目の男、牟田仙太郎だけは棒状のもので殴打して殺していました。五人目だけ殺害方法が違うのはなぜか…?
誠は調べていくうちに北川フサが戦後間もない東京で、連れ歩いていたという12、3歳の少年ではないかと思われる大垣靖男という -
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本作『幸村を撃て』は、戦国武将・真田信繁(幸村)を中心に据えながらも、単なる英雄譚にはとどまらない多層的な魅力を持つ作品である。読み始めた当初は、幸村という一人の人物の物語だと捉えていたが、読み進めるにつれ、その印象は大きく変化していった。
序盤では、幸村が何者なのかはっきりとは見えず、「裏切り者なのか、それとも忠義の士なのか」という謎が提示される。登場人物たちは口々に「幸村を撃て」と語るが、その意味や背景はすぐには明かされない。「何が起きたのか」は徐々に見えてくる一方で、「なぜそうしたのか」という核心は容易には掴めない。この“行動は見えるが動機は見えない”という構造が、本作をミステリー -
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読み終わった後に、その人たちの人生があり、いろんな場所で生きていて、感じる感情。当たり前のことだけど、なぜかそれを眩しいと思わずにはいられなかった。
それは、自分に対する悲観的な感情ではなく、物語に登場する人物同様に自分にもあの時にしか存在しなかった光のようなものがあり、それが切なくもあり敬意のようなものを感じたかもからかもしれません。
他人にたいして感じる感情を各自がラベルを貼って見ている。
私は、 自分が誰かを見るとき、また誰かに見られる時にどれだけ本物に触れているだろうかとふと怖くなりました。
とても素敵な本に出会えてよかったです。 -
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夏川さんの「本を守ろうとする猫の話」の続編。
このシリーズはファンタジーの中に数々のメタファーを散りばめて語られていく。
あらゆる年代にとって読んでほしい、そして年代によって感じ方が異なるであろう作品であるところがふしぎ。
可能性に満ち溢れている反面苛烈な競争にさらされ始める青少年、「未熟な故の純粋無垢さ」を忘れてしまった大人、それぞれにとって大きな意味のあるメッセージを感じてもらえれば幸いです。
(でも、世界を混沌たらしめている「揺るぎない利己性をもつ」マジョリティに、本を読む人がマイノリティな現状に、このメッセージをどう届けていくべきだろうな…) -
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まもなく第84期名人戦7番勝負が始まる。
しばし不調を囁かれ実際に王将戦・棋王戦ではカド番に追い込まれながら、そこから怒涛の5連勝で防衛を果たした名人に、思いがけない結果になった「将棋界の一番長い日」からのプレーオフを制して久々に番勝負に挑む挑戦者。
過去の対戦成績は名人の9勝1敗だが、果たしてどういう戦いになるのか…。
さて、この本、丁度3年前に読んだ「覇王の譜」の続編。前作でライバルとのタイトル戦を制し「蒼天」となった直江と彼の取り巻く人々の、その後の戦いの日々。
前作でも、直江が送る棋士としての(戦いや研究も含む)日常の上に棋士の心理や勝負の機微がよく描かれていたが、今作はそれ以上。と -
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朝井リョウがマイブームである。
三宅香帆界隈にも表れ、Podcast「信頼できない語り手」における加藤千絵との掛け合いの面白さにハマる。最新作「インザメガチャーチ」も本屋大賞ノミネート。本業もその他メディア出演でもバリューを提供し続ける、同じ年生まれの寵児だ、あぁ、眩しい。
本作は著者初のエッセイ集で大学在籍~社会人3年目という期間につづられている。自分を卑下している部分もあるが基本的に活動的に様々な体験に挑んでいる。そこで遭遇するハプニングをユーモラスに表現しきっている。
作者のしたり顔が垣間見える文章と、先を読まずにはいられないストーリーテリングにまんまと嵌り、読む手が止まらなかった。
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