小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
「墜落死体はある。だが、墜落現場がない」
天才建築家・十文字和臣の突然の死。
謎が解明されないまま半年が過ぎた頃、事件の舞台となった館島に関係者たちが再び集められる。
そうして幕を開けるミステリ。
墜落死体がある。なのに墜落現場がない。
そのスタートが面白過ぎて、そこから解決編まで「いや、ほんと、よく考えるわ…」と呆気に取られながら一気に読み切りました。
特徴的な「館」が出てくるんだから当然そこに何か仕掛けがあるだろうと色々想像しながら読み進めるけど…マジかよ、有りかよ、ってツッコまずにはいられない大仕掛け。テンション上がります。
主役は、十文字和臣の事件の際にも捜査に加わって -
Posted by ブクログ
中編が2作収められた、少し珍しい印象の形式。
表題作ではない『十二月の都大路カケル』から本作は始まります。
こちらは、京都の都大路で行われる女子全国高校駅伝を舞台にした、一年生の補欠選手「サカトゥー」こと坂東が主人公の物語。
急遽出走が決まるも、彼女は自他共に認める絶望的な方向音痴で…。
その『十二月の〜』を読み始めて数ページで感じた「うわ、この人の文章好きだ」という思いだけで、この本が読めて本当に良かった。
物語の状況を説明しつつもすらすらと読める地の文。短いやりとりからたちまちキャラクターの輪郭がはっきりと立ち上がってくる会話文。
「こんな文章が書きたい」の一言に尽きる。
何を隠そ -
-
Posted by ブクログ
送り手側も受け手側も多様化していくなかで、そこに単純な優劣や上下はなく、結局はポジショニングなのだと思う。需要と供給のあいだで、そのときたまたまパズルのピースが噛み合うものが選ばれていく。言われてみれば、その通りである。
ただ、いざ送り手側の立場に立つと、そう簡単には割り切れない。
「どうしてあんな粗悪なものを売っているんだ」と思うこともあれば、逆に「どうしてあそこまで真面目にやっているんだろう。そんなに丁寧にやっていたら採算が合わないだろう」と感じることもある。実際に受け手がどう受け取っているかを十分に考えないまま、つい他の送り手と比較してしまう。
さらに、ある程度その世界を深く知るようにな -
Posted by ブクログ
ネタバレ小野寺史宜さんの片見里シリーズは前から知っていて読んでみたかったので読みましたがとても心温まる内容でした。
一時と徳弥の男同士の友情がとても良かったです。
村岡家に住む事になってから徐々に仲良くなっていき丈章にリベンジをするという同じ目的の為に動く展開になったのが2人の結束力をより深めたのかなと思いました。
大人になってから小学生の頃に同じクラスだった人に再会するというのは中々無いと思いますが何かふとした事がきっかけでこういう再会もあるかもしれないですよね!
丈章みたいな人間が実際にいたら距離を置いて関わらないのが一番だなと感じました。
最後はスカッとしました(笑)
徳弥と父親の徳親は血の繋が -
Posted by ブクログ
ネタバレ(ネタバレを含みます)
リハビリに親しみのある医療従事者の立場から、麻痺した四肢の切断というテーマにとても興味が出て読みました。
ストーリー自体、何度も「事実なのか、創作なのか」と検索してしまいました笑
切断を最良の治療と信じていた医師の心境は、最後までよく分かりませんでした。
私の考えですが、本当に切断は良い結果ばかりだったのか。
悪い作用は、患者のバックグラウンドをきっかけに精神面にのみ現れてしまうのか?
ストーリーの中では、オペ後の経過を追っているのはせいぜい1〜2年ほどでした。
「審美性」という言葉があります。
医療の中でもよく使われる言葉みたいです。(私も使います。)
-