【感想・ネタバレ】最悪のレビュー

あらすじ

不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢(あつれき)や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化! (講談社文庫)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白かった。タイトルは「最悪」だけど、最高の犯罪小説。オッサンの川谷、銀行員のみどり、チンピラの和也。この3人は小さな不幸から始まりどんどん最悪な状況に追い込まれていくのだが、この3人が集まってからが加速度ハンパなくページを溶けさせる。時間も忘れた。

0
2025年10月07日

Posted by ブクログ

主な登場人物は三人だが、メインは町工場のオヤジさん。
このオヤジさんを最悪の展開に引きずり込むのは、あとの二人ではなく得意先や銀行やご近所さんの身勝手なのだが、二人もそれぞれ不幸な状況にはまり込んでいて、ひょんな繋がりから怒涛の展開へ。

銀行強盗騒ぎの後、なぜか一緒に逃亡してからのそれぞれの振る舞いも興味深く、そこからの展開は最悪のものでもなく、読後感は悪くない。
ただ、そこに至るまでの、三人を追い込んでいく醜悪な周囲の連中の振る舞いは本当に胸糞悪く、この手の話が好きな自分にはたまらないw

0
2025年08月17日

Posted by ブクログ

1999年初版。650ページの長編。面白かったです。主人公は3人です。鉄工所の社長・大手銀行のOL・パチンコとカツアゲで生計を立てる青年。3人の全く別の人生を送る人間が最悪の経験をします。そして3人が不思議に繋がっていく。本当に最悪なんですよ。読んでいて、なんでそうなるのかなあと思わせます。最初に事件が起こり、それがどのように解決されていくのではなく、何も関係のない人間が絡まって事件になる展開が斬新だなあと思いました。

0
2025年07月22日

Posted by ブクログ

3人の最悪への展開の臨場感が凄い。
特に川谷のオッサンには気持ちが入りすぎて気分が悪くなる程。最悪なのに最高だった。

0
2025年04月27日

Posted by ブクログ

最悪にも程があると思ってしまうほどに最悪。よくもまあここまで最悪にもなるものかと背筋がゾッとする。かなり長編なのに読み進めるにしたがって一気に読みたくなる。
奥田さんの作品は以前読んだインザプールなどのシリーズでコメディー系で本当に面白く、好きな作家さんの一人なのだけれど、この最悪は3人の群像劇で犯罪小説。
追い込まれていく3人の心情が細かく表現されていて、読んでいくにつれどんどん気持ちが3人と一緒に落ちていく。
最後は最悪から抜け出せて安堵している3人と共にあーよかったと思っている自分がいた。

0
2024年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「最悪」というタイトルだけに、この三人に最悪なことがおきるんだろと こわごわよみすすめて 
途中、鉄工所の川谷さんがどんどん最悪になっていく様は 読むのをやめたくなるほどでしたが、

本当の最悪は三人+めぐみちゃんが出会ってからでした。ここからは、最悪なんだけど なんだか滑稽で笑ってしまうところもありました。
すごく 読み応えありがあり面白かったです。

0
2023年02月19日

Posted by ブクログ

あーあー
と読みながら何度も言ってしまう小説
歯車が狂って動き出すとこうも上手くいかないのか
「最悪」という言葉は簡単に使ってはいけないのだなと学習できる小説

0
2025年09月08日

Posted by ブクログ

切羽詰まった主人公達が悪い方へ悪い方へと追い詰められ、まさに最悪。特に和也、なんでそんなにアホなのよ、ケーキが切れない系か?信次郎さん、選択全部ミスってる。最悪すぎてページを捲る手が止まらず一気に読みました。あー最悪だった!(褒めてます)

0
2025年07月29日

Posted by ブクログ

最悪。
本当にこの言葉につきる
最初はいつ3人が繋がるのかハラハラして、繋がった時は嬉しさもあり。
太田は大嫌い。
その後からは、うわっ最悪と何度思ったことか。結末も最悪かと思いきや・・・
面白かったです。読んでる途中で「邪魔」と「無理」を買いに行きました。楽しみ。

0
2025年05月13日

Posted by ブクログ

人が悪い方向へ流れていく時の心理状況を丁寧に表現していて、面白かったです。過多なストレスがかかると冷静な判断ができないようになる人々がどんどん悪い方向へ行き、自分にとって都合の良いことを考えたり、主張したり(明らかにそうはならんだろと思うようなことでも)、正常でない時の人間行動が表されてると思いました。
その行動がまた小さな積み重ねで、だんだん大きな悪い方向に流れていくことが非常にリアリティがありました。

0
2024年07月22日

Posted by ブクログ

読んでいて、胃が痛くなりそうなくらい登場人物が最悪な状況に追い込まれていく…
展開が早くて続きが気になるので、かなりの長編ながら一気読みした。
みんな崖っぷちだけど、川谷さんが1番気の毒というか切なかった。

0
2024年06月11日

Posted by ブクログ

いまさらながら初の奥田英朗。一言で言うと、人物描写の繊細さとテンポの良い展開に圧倒されっぱなしだった。架空の登場人物に対して心配してしまうくらい引き込まれて、久しぶりに楽しい!と感じる一冊でした。
若干終盤の展開が急すぎたので星は四つ。

0
2024年04月12日

Posted by ブクログ

本当に最悪な事が立て続けに起こって読んでいて心が痛かった。

後半、後戻りできなくなった川谷さんが「刺してくれ。怪我でも負わないと(世間や家族が)許してもらえない気がする」と迫る気持ちは、なんだかわかるなぁ、なんて。他にも社外イベントで女子行員が冴えない男性行員に二言三言だけ話しかけて「義理は果たしたと言わんばかりに去る」とか、松村みたいなヤバイ若者とか、奥田先生は表現がめちゃくちゃ上手いなと思う。


 みどりの最大の不幸は妹の存在だと思う。
結局バラした犯人は誰だったのだろうか…

0
2024年02月06日

Posted by ブクログ

次から次へと最悪なことが起こってくる!
ごとにでも起こりそうな出来事に3人の心理描写も相まって、自分のことのように考えてしまう部分もあった。
後半はドタバタ劇な感じで、これはこれで面白い。
最後は少し救われたか。

0
2023年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

半分過ぎたあたりから最悪すぎて心が苦しかったが最後は誰も欠けることなく終われたのでまだ救いがあって良かった。タカオだけは許せない。川谷さんに1番感情移入してたけど少しでも感じた違和感は大事にしたほうがいいのかなと思った。

0
2023年08月22日

Posted by ブクログ

本当最悪な事が次から次へと起こっていくのではじめの方は辛い。
途中から怒涛に話しが進んでいくので一気に読んでしまった。
最後の方はコミカルな雰囲気も感じ、面白かった!

0
2023年08月07日

Posted by ブクログ

もう、まさに最悪。
町工場社長の川谷、銀行員のみどり、チンピラの和也。三者三様の日常がつぶさに描かれ、それぞれが抱える小さなトラブルの種が、解決へ向けて動けば動くほど良くない方向へ流れていってしまう。
真面目にコツコツと働いてきた川谷が、一番悲惨で可哀想。
中盤以降、もう どうなるの⁈が、止まらず、ページの分厚さが気にならないくらい一気に読めた。

0
2023年07月30日

Posted by ブクログ

 タイトル通り終始嫌な気分で鬱々と進みしんどかった。鉄工所社長の川谷さんの章が1番辛かった。和也は元々定職に就かず強盗や恐喝をしているので同情の余地が少ないが、反面川谷は真面目に働いており養うべき家族がいて理不尽な目に遭う度合いも3人の中では高いと思う。終盤の収集のつかない展開には目が点になったが、それぞれが一応の安息を得られたのは良かった。
 苦境に陥った時に正常な判断力を失くしどんどん悪い方へ転がっていってしまうのは私も経験があるのでよくわかる。傍観者たる読者は勝手なことを思うが、実際自分がその立場になるとなかなか冷静になれないもの。その恐ろしさを思い出した。

0
2023年03月17日

Posted by ブクログ

3人の登場人物のストーリー全部が本当に最悪過ぎて、心では応援しつつ続きが気になり、引き込まれて、かなり長編だったけれど中だるみもなくテンポよく進んでいくので、一気読みでした。イライラしてる時に最悪が重なったり、思いつきで言ったことがタイミング最悪だったり、最悪事態の連鎖の連鎖で、読んでてあーあ、もうー!と何度も叫びたくなる展開。3人それぞれに自分ではない誰かへの思いやりが働いた結末にもぐっときた。ハッピーエンドではないけれど、最悪でもない「最悪」のラスト(笑)

0
2025年10月07日

Posted by ブクログ

ここまで悪運が強い人間が集まったらもう笑うしかない。
一章ごとに次々と主人公が入れ替わっていく、いわゆる複数の人物の話が同時に進んでいくストーリー展開。その誰もが本当に不憫。まさかまさかの連続ですべての曲がり角を間違った方向に進んでいく。読んでいて顔をそむけたくなることも度々。
そして、クライマックスがまた凄い。急にテンポが上がってグイグイと来て、ドーンと落とされて。やっぱり運悪いやん。となる。トホホ。

0
2025年08月01日

Posted by ブクログ

タイトルから、素敵な爽やかな作品でないことは想像していた。

しかし、どこかで救いがあると光があると思っていた。

バッドエンドは嫌いだ。

嫌いだが、読ませる。楽しませる。この作家は凄い。

最悪というタイトルのエンターテイメント。最悪をエンターテイメントにまで引き上げる作家の力が凄い。

0
2025年04月06日

Posted by ブクログ

タイトルどおりの最悪な展開で読み進むのが苦痛になるくらいでした。アウトロー、ヤクザ、反社には嫌悪感を感じます。

0
2025年03月14日

Posted by ブクログ

奥田英朗さんは3冊目。
と言っても、『インザプール』、『空中ブランコ』からの3冊目なので、実質2冊目、

上記の2冊がしっかりコメディだったのに対し、こちらはしっかり絶望感を食らわせてくる長編。
まさに最悪。

かなり分厚い本だが、読みやすさ抜群のため内容とは裏腹にグイグイ進む。
そして救われなすぎてグイグイ凹む。

いや、これはなかなかの後味悪い系のやつだな。
ねっとりした感じではなく、すっきり後味悪いやつ。
すっきり?w

いつの時代も1番怖いのは人間なんだよな…。

有意義な読書タイムをありがとうございました
この読後感を噛み締めつつ

にしても誰かを守る力ってのは凄いんだな。
俺にもそんなポテンシャルがあるのだろうか…。

0
2024年11月24日

Posted by ブクログ

奥田英朗のクライムノベルは初読なんだけど、あんまりスッキリしないラストだった。
半分以上物語を過ぎた時点であまりにも展開が不快で、読んでいてかなりストレス高かった。ここまで読者の気持ちを落とす必要があるのか、あるのならそれなりのカタルシスを持ってきてくれよ、と思ったんだけど、結局心の澱は消えず。
半は「そうきたか」という方向に物語の舵を切って、最後まで読み切った。
けど、やっぱりラストが釈然としない。終幕が粗すぎる。
じゃあどういう終わり方をすれば良いのか?という話だけど、結論としては助走をつけすぎだったんじゃないか、と思う。
さっきも言ったけど、けっきょくこの600ページ超える作品で半分以上が悲劇的で嫌な空気がずっと醸成されているし、その運命的なものが本当に読者にとって胸糞。
さらに、登場人物ひとりひとりもなんとなく同情しにくい。展開だけが同情できて、キャラクタの性格にいまひとつ同情しきれないのがなんともいえない。
それだけにラストの大団円が、大団円になってない。
それぞれ罪を背負っているだけに、途中で助走つけすぎた不快なストーリー展開を覆すだけのカタルシスがない。
伊良部シリーズとかのんびり日常奥田作品はぜんぜん好きだったし、またクライム系も読むけど、次に期待としか言えないな。

0
2024年08月05日

Posted by ブクログ

3
3つの最悪なストーリーが描かれて最終的にどう行く着くのか
最悪にするのは自分自身、最悪だと決めるのは自分自身
捉え方次第でどうにでもなる
どれだけポジティブに前向きに考えられるか
自分も悪く捉えがちだからプラスに捉え、楽しく生きていけるメンタルを養っていきたい
イライラしちゃ駄目、生い立ちを言い訳しても駄目、強く生きる
それか1人で抱え込まない

因みに鉄工所のストーリーが嫌な気持ち、読んでて辛くなりました

0
2023年09月20日

Posted by ブクログ

内容(「BOOK」データベースより)
不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった三人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化。

0
2023年03月10日

Posted by ブクログ

群像劇で進んでいく物語。それぞれありそうでありながらも内容にグイグイ引き込まれていきました。
ただ、結末に向かっていくための話の交わり方が今ひとつでした。

0
2023年02月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

準工業地帯で鉄工所を営む川谷は、近隣との騒音トラブル、下請け業者であるがゆえの、取引先の無理な頼み、従業員のふたり、やる気のなさそうな松村と、外国人にも、娘の進学問題などたくさんの事柄に頭を抱えていた。
銀行員のみどりは、妹の家出や店長のセクハラに悩み、親友に手伝ってもらい、セクハラを訴えるが、握りつぶされ、退職を考えていた。
チンピラの和也は、トルエン盗みを巡ってヤクザに弱みを握られた。落とし前をつけるため、タカシとつるんで、悪巧みをするが、現金を持ち逃げされてしまう。

3人とも、悪い人間ではない。よく居そうな、普通の人々。で、要領が悪い。どの選択をするときも、良くない方を選んでしまうような人。そのため、どの人にも、少しずつ親近感がある。

その3人が、思わぬところで出会い、プラスみどりの妹のめぐみまで一緒に4人で、警察に追われるようなことになる。ここでまた、選択をいくつも間違う…

鉄工所の川谷が一番リアルで気の毒に感じる。いい人だからつけこまれる。せめてもの救いは、隣の同業者の山口。この人が最終的に、川谷を大きく助けてくれる。
ラストは、3人とも、今までより、少しだけ前に進めるようになる。身の丈の暮らし、幸せとは何かと考えさせられる。

0
2023年01月02日

Posted by ブクログ

文庫の解説に載っていましたが、こういうの“群集劇”っていうんですね。この小説では3人での群集劇ですが。勉強になりました。

読み続けるのが辛くなるほど「最悪」に向かっていくのに何だかちょっと笑けてしまうところもあって…何というか…本当に痛快です。

0
2022年12月14日

Posted by ブクログ

あー、最悪最悪。
読めば読むほどこの言葉しか出てきません。

一番かわいそうなのは川谷さんかなあ。
和也はある程度自業自得って感じだし。
川谷さん、一生懸命働いてるだけなのに。
町工場が多い地域って、こんな風に新しく建った住宅とのいさかいがあったりするんだろうな。

最後……というか、車で逃げ出してからがドタバタしてて、本人ら真剣なのでしょうがなんか笑える。

0
2023年08月28日

「小説」ランキング