あらすじ
不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢(あつれき)や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
「最悪」というタイトルだけに、この三人に最悪なことがおきるんだろと こわごわよみすすめて
途中、鉄工所の川谷さんがどんどん最悪になっていく様は 読むのをやめたくなるほどでしたが、
本当の最悪は三人+めぐみちゃんが出会ってからでした。ここからは、最悪なんだけど なんだか滑稽で笑ってしまうところもありました。
すごく 読み応えありがあり面白かったです。
Posted by ブクログ
半分過ぎたあたりから最悪すぎて心が苦しかったが最後は誰も欠けることなく終われたのでまだ救いがあって良かった。タカオだけは許せない。川谷さんに1番感情移入してたけど少しでも感じた違和感は大事にしたほうがいいのかなと思った。
Posted by ブクログ
準工業地帯で鉄工所を営む川谷は、近隣との騒音トラブル、下請け業者であるがゆえの、取引先の無理な頼み、従業員のふたり、やる気のなさそうな松村と、外国人にも、娘の進学問題などたくさんの事柄に頭を抱えていた。
銀行員のみどりは、妹の家出や店長のセクハラに悩み、親友に手伝ってもらい、セクハラを訴えるが、握りつぶされ、退職を考えていた。
チンピラの和也は、トルエン盗みを巡ってヤクザに弱みを握られた。落とし前をつけるため、タカシとつるんで、悪巧みをするが、現金を持ち逃げされてしまう。
3人とも、悪い人間ではない。よく居そうな、普通の人々。で、要領が悪い。どの選択をするときも、良くない方を選んでしまうような人。そのため、どの人にも、少しずつ親近感がある。
その3人が、思わぬところで出会い、プラスみどりの妹のめぐみまで一緒に4人で、警察に追われるようなことになる。ここでまた、選択をいくつも間違う…
鉄工所の川谷が一番リアルで気の毒に感じる。いい人だからつけこまれる。せめてもの救いは、隣の同業者の山口。この人が最終的に、川谷を大きく助けてくれる。
ラストは、3人とも、今までより、少しだけ前に進めるようになる。身の丈の暮らし、幸せとは何かと考えさせられる。