小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
大好きな本になった。"閉塞感に満ちた日常に開放をもたらす"というカバーそでに書かれた言葉の通りの、8つの短編集。特に「幽霊の心で」「光っていません」がとても好きです。皆生きるのに必死でリアリティもある。心に重く冷たいものを秘めているけど、ファンタジックで不可思議で、奇妙な出来事を通じて、悲しみと向き合ったりかすかな希望をもらったりして、静かで穏やかな光を感じる終わり方をする。人の心の動く過程を本当に丁寧に優しく描いている。翻訳の表現も、とても綺麗な文章で、ため息が出るほど素敵でした。手元に置いておきたい本。イム・ソヌさんの今後の作品も楽しみです。小山内さんの他の翻訳本も読ん
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Posted by ブクログ
ネタバレ御子柴が最初はどうしようもない悪徳弁護士であるという印象が、後に自戒の念から自分が殺した少女の遺族に贖罪をし続けていたという事実の発覚から、完全に転覆する構成がめちゃくちゃ面白かった。
以下、読書中のメモである。
渡瀬がミステリ小説読むのおもろい
御子柴はお金目的でなく国選弁護人として仕事する側面もあるのか
御子柴が報酬の少ない仕事を引き受けなければならなかった理由とは
島津のピアノを聴いて御子柴は、犯した罪の自戒の念に駆られる日々を過ごした
稲見の言葉の、「謝るな、行動で埋め合わせをしろ」という言葉が印象的
自分が殺した遺族に毎月お金を送金しているとわかったシーンが印象的だった -
Posted by ブクログ
ネタバレ終わってしまった。
追いかけ読みをしていて、途中で追いつき、毎巻発売日を楽しみに読んできた。
様々な謎を解決するだけじゃなくて、それぞれの人生が絡み合って、仲間もいて。
全ての人達が、それぞれにあった幸せに向かっていて(真凛は失恋したけれど、ちゃんと告白できてよかったし)よかった。
途中、正義にあんな事が起こるとは予想していなかったので、びっくりしたし、その時のリチャードの姿にもびっくりした。涙なしでは読めなかった。
みのるくんがいて、よかった。
正義とリチャード、お互い大切に想いあっているとは思っていたけれど、10年経って本当に結ばれて感動した。
最後に実験と言いつつ、キスをしたのもふたり -
Posted by ブクログ
【あらすじ】
マンションの火災で住むところを失ったチェーン系レストランで店長として働く南雲みもざは会社の計らいで会社の元社員寮だった倉庫に身を寄せることになる。
仕事上のストレスもあり、不眠症気味だったみもざは倉庫の管理人である金田から、路地裏で夜から朝にかけてオープンする〈キッチン常夜灯〉を紹介される。
【感想】
喜多嶋さんの潮風シリーズで知った角川ごちそう文庫から3シリーズ目にして、大当たりが来た感じです。こういうお話が読みたかった!
美味しそうなお料理と、優しいお店の雰囲気が丁寧に描かれているでの、それを想像するだけでも癒されました。
現時点で4冊目まで発売されているようなので