ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 人間失格

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    人と関わることへの恐怖や自己否定の感情が、痛いほど率直に描かれていると感じた。
    主人公は常に他人の顔色をうかがい、道化を演じることで社会に適応しようとするが、その姿は次第に自分自身を追い詰めていく。

    有名なフレーズ、「恥の多い生涯」という言葉に象徴されるように、主人公が自分を許せず、社会からも切り離されていく過程は、弱さや醜さを隠さずにさらけ出す語り口でやや不快ですらあるが、その正直さゆえに強い説得力を持っており、それに惹かれ読み込んでしまう。

    暗く救いのない物語でありながら、人が人として生きることの難しさを突きつける作品である。
    読む側の心の状態によって、共感にも拒否にも変わる点が、何度

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    2025年12月21日
  • らんたん

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    最近『翠雨の人』という女性偉人伝ものを読んだばかりだったので、つい比較してしまうが、同じように史実をベースにしながらも、こちらはぜいたくに津田梅子や新渡戸稲造などを中心に、明治の文化史を彩るスーパースターを山ほどぶちこんで、面白いエピソードがふんだんに出てくるので、単純に好奇心をかきたてられる。またそれ以上に河合道さんのキャラクターがとっても魅力的だった。戦前のああした雰囲気の中で、アメリカでの生活で身につけた自由主義と女性の権利拡大という理想を掲げながら、表面的には相手を立てつつも、実質的な実を取る良い意味での「ずぶとさ」が小気味良い。対立する相手をも魅了し、協力者に変えてしまう姿には、「格

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    2025年12月21日
  • 香君4 遥かな道

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    ネタバレ

    オリエさま、幸せになって欲しい…とずっと思いながら読んでいたので本当によかった…。

    海外の蝗害のニュースを見たことがあったから、あっこれは…とうっすら思いながら読み進めていた。
    何のために存在するか分からない規則がより現実的な損得勘定の前に徐々に失われてしまうのも仕方のないことだと思うし、被害を直接目にしていない人をいくら説得したところで分かりました稲を焼きましょう、とはならないのも当然だよなとは思いつつ、災厄を予期していても、やがてそれが現実になっても対応が後手後手になってしまうのがとても歯痒かった。
    しかしああなる前にアイシャたちに他に何ができたか?と考えると、何もない…というか既にでき

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    2025年12月21日
  • 令和反逆六法

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    動物が裁判にかけられる、酒は自家醸造するのが当たり前(酒を作れない女は肩身が狭い)、現金を所持してたら弾圧され取り締まられる、などなど、あり得ないけどありそうな世界線の話。法律のこととか設定とか、ホントによく練られていて読み応えがあった。面白かった!

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    2025年12月21日
  • 氷点(上)

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    人の善意や正義が必ずしも幸福につながらないことを静かに描かれていると感じた。
    登場人物それぞれが抱える秘密や葛藤、現実が物語全体に張りつめた空気を生み出している。

    特に印象的だったのは、愛情と罪悪感が絡み合う親子関係である。
    誰かを守ろうとした選択が、別の誰かを深く傷つけてしまう様子は痛ましく、「知らないこと」の残酷さを強く見せつけられた。

    人間の弱さや心の冷たさが、なぞるように丁寧に描かれており、下巻へ進まずにはいられない重みのある一冊だった。

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    2025年12月21日
  • 三浦綾子 電子全集 氷点(上)

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    人の善意や正義が必ずしも幸福につながらないことを静かに描かれていると感じた。
    登場人物それぞれが抱える秘密や葛藤、現実が物語全体に張りつめた空気を生み出している。

    特に印象的だったのは、愛情と罪悪感が絡み合う親子関係である。
    誰かを守ろうとした選択が、別の誰かを深く傷つけてしまう様子は痛ましく、「知らないこと」の残酷さを強く見せつけられた。

    人間の弱さや心の冷たさが、なぞるように丁寧に描かれており、下巻へ進まずにはいられない重みのある一冊だった。

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    2025年12月21日
  • ブータン、世界でいちばん幸せな女の子

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    ネタバレ

    女の友情はむずかしい。ライフステージや環境が変われば、あれだけ仲が良かったのに、離れていく。それは悲しくて寂しいものだと思っていたけれど、そんなことはなくて、マイナス面だけを見ていただけだと気づけた。自分の人生でその友だちと過ごした時間があること、それ自体が幸せで尊い。社会人になり、学生時代の友人と環境が変わっていくことに寂しさを感じていたわたしは、この本にとても救われたと思う。
    この物語と、解説の「幸せぶることから、幸せは見つかる。」という言葉は、これからの人生で大切に抱きしめていきたい。

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    2025年12月21日
  • ボタニカ

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    とても面白かったです。朝井まかてさんのユーモアあふれる文章に惹かれます。富太郎のおとぼけぶりの描写が最高です。

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    2025年12月21日
  • 家守綺譚 下

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    人と自然が近かった頃、不思議なことが不思議でなかった頃のお話。
    原作の世界観そのままに、澄み切った世界を描きだしています。
    忙しい現代人がホッと一息つける優しい世界が広がっています。
    『冬虫夏草』の漫画化も希望します!

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    2025年12月21日
  • 殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス

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    ネタバレ

    言葉のチョイスひとつひとつが面白かったです。セリヌンティウスの弟子とメロスの会話で、弟子がもごもごしてる時に、メロスが「もう、匂わせは、いらぬ!」ってバッサリ言うのが特に面白かったです
    時々、作者の方がひょっこり出てくるのも新鮮でした。
    最後のイマジンティウスのおち、びっくりしました!
    私は叙述トリックに騙されていたのである━━━

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    2025年12月21日
  • 問題。 以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい

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    読み終わった感想はやっぱり「やられたー」が当てはまるような気がします。
    タイトルからは分からない「家族」という存在が
    いい形で表現されていました。
    中学受験に挑もうとする十和はとっても大人びてたけど、今の小学生はこんなふうな感情を抱くのかなと思いました。それにしても中学受験にかかわらず、受験というものは家族を巻き込んでしまいます。でもそれがいい形で家族の絆を結ぶことができたらとても素敵だなと思いました。家族とは何かを考えされられた素敵なお話でした。

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    2025年12月21日
  • 魅入られた瞳~南青山骨董通り探偵社II~

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    五十嵐貴久さんの探偵を主人公にしたシリーズ第2弾!主人公の井上が探偵社に正式に就職したけど地味な仕事続きで不満気味…そんな折任された仕事が商社マンの美人妻の送迎の仕事…それが予期せぬ事件に発展していき…後半の疾走感と緊迫感が秀逸でした!

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    2025年12月21日
  • 透明な夜の香り

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    恐ろしくタイプな本
    朔さんがタイプすぎる
    繊細で過敏で鋭くて深くて
    たぶん発達障害の人
    結局自分はこういう歪な人間に
    惹かれてしまう人間なんだなあと思った

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    2025年12月21日
  • グッドバイ

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    本書は朝井まかて著書の中で一番の女性商人成功記だ。

    本業は油商である大浦屋あるじ主人公、希以。
    その本業とは違う茶葉貿易という世界に挑む勇気。
    そして行動力には尊敬に値する。

    女性の視点で外国人との交渉する姿。
    幕末の志士との面白い交流の場面。
    そして経営を通じて、大きな失敗をした後の
    後悔を跳ねのけて、また前を向かうという
    生き様がかっこいい。

    本書を通じて、改めて、作家『朝井まかて』の
    作品をもっともっと読みたくなってきた。

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    2025年12月21日
  • デウスの城

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    面白かった。
    何かしらの戦記物を期待して読むと期待外れになるが、3人の旧小西家家臣のその後のキリシタン弾圧の時代にそれぞれが何を考え、どう生きていくか、というストーリーだった。それぞれの生き方を否定する事はできず自分の経験や置かれた環境に影響を受けながら自分の人生を決めていく様子は学ぶ事が多く興味深かった。

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    2025年12月21日
  • 十戒

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    ネタバレ

    また騙されたという感じです(笑)
    面白すぎました。方舟に続いてとんでもないお話。。
    全てを知ってから読み返すと全く違う観点で読めて没頭して読んでしまいます。

    前作方舟では予想もしなかった人物が犯人だったので、もう騙されるまい!と意気込んでいたこともあり、当初はひょっとして綾川さん犯人なのでは?と実は思っていました。
    ただ、読み進めていく中でいやさすがに綾川さんがそんなことすると考えにくいなあ...なんて感じ、父を犯人だと予想しましたが、まんまとやられました(笑)

    今思えば綾川さんのおかしな部分がたくさんあります。
    例えば、11月で肌寒い時期なのに、朝起きた時に綾川さんが汗をかいたジャージを

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    2025年12月21日
  • I

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    ネタバレ

    Nの時はおそらく時間も一緒のはずだったけど
    今回は最初に決めた⬜︎のところで事象の順番が変わるってこと…?
    その文章に辿り着いたとき「なるほど〜…!!」って唸った。どちらでも齟齬が出ないように練られてるんだろうな…。傘〜!

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    2025年12月21日
  • 彼女は頭が悪いから

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    個人的には、今年読んだ小説の中で間違いなく1番の作品という前置きをした上で、作品自体や筆者を批判する意図は全く無いけど、とにかく読書中(特に終盤にかけて)は胸糞悪く、いやな感情が渦巻いていました。
    作者もあとがきで「いやな気分といやな感情を探る想像小説」と述べられてるように、まさにそんな作品でした。

    本章を、「東大ではない人間を馬鹿にしたい欲」だけだった、と締めくくってますが、この"東大"の部分は、どんな身分、肩書、環境にも置き換えられて、誰しもに宿る感情だと思うと、この作品で描かれているような被害者&加害者というのは、そこら中の日常に潜んでいると思うと怖くなりま

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    2025年12月21日
  • 犬はどこだ

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    とても好きで何度も読み返している作品。
    仕事で一度精神的にまいってしまった男が探偵業をするという話。
    平穏を望んでいる主人公が受けた依頼をこなしてい作業を、作者お得意の読者を序盤ミスリードさせて、のちにひっくり返すという手法で描いていく。
    主人公と妹の掛け合いなどいい感じで読み続けていたいと思える内容だった。
    続編を読みたいが続編がないのでがっくり。

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    2025年12月21日
  • ししりばの家

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    琴子の物語。感情移入しやすかった、1作目の琴子の姿を知っていると。
    ゴーストスイーパー美神にも、超常者のホームセキュリティがあったなぁと、読後思い出した。
    半永久的に作動する、確かなシステム。カフカの城も併せて思い出した。

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    2025年12月21日