あらすじ
小学校図書館司書のまふみは製本工房に暮らす中で様々な人と出会い本が人の心を救いうることを学んでいく。本好きに贈る心温まる物語
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Posted by ブクログ
夢を諦め司書として働く主人公が、2人の天才製本家と本の修理や製本を進める中で自分の人生そのものを綴じ直す再生のお話
インクや本革、花や工房の香りが漂ってくるような描写が多々あり、紙の本を大切に読みたくなった
訳あってずっと引きこもっている天才製本家と主人公が壁一つ隔てて会話するシーンやそれぞれが悩みを克服していくシーンが美しく何より優しくて好きです 映像化されたらぜひ観たいと思えるほど綺麗な描写がたくさんある!
「失敗しないうちは、先に進むことなんかできやしないから」という親方の言葉が特に響きました!
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日常で起きる小さな事件に揺れながらも、主人公が製本の世界に触れ、前を向いていく姿がとても素敵。ディスレクシアの子どもが、文字を正しく認識できる“武器”を手に入れる場面や、ラストの“本の結婚”のエピソードに特に心を動かされた。
同じ内容の本でも、その背景には手に取る人それぞれの物語がある—その当たり前のことを改めて気付かせてもらえて、読みながら自分にとっての大切な一冊のことを思い出した。
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今年イチの本だった。まだ9月ですが。
本屋で背表紙だけ見て、ルリユールって何だろうと手に取ったらスミレ色が素敵で即購入。本をテーマにした本は数あれど、この物語には各章に主人公まふみの生き方が丁寧に綴じられており、同時に1冊1冊の本とその持ち主、場に宿る無数の生も重厚にルリユールされていた。
ついでに製本の本も買ってしまった。製本やってみたい。
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美しい装丁に惹かれて手に取りました。
めくるめく手製本の世界にうっとり。
本への愛が溢れていました。
本を扱う仕事にはロマンがあるなあと感じました。
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色々な悩みを持った人達が、とある製本工房と出会い、人生をルリユール(もう一度~し直す)していく物語。
とにかく、何かと足を引っ張ったり、ぐちゃぐちゃに引っ掻き回すような、悪い人がいない!(そりゃお話を進めるうえで多少は「?」って感じる人はいるけども)
そして、表現や描写などの、紡ぎ出す言葉がステキ!
頭の中で、製本される本たちの生き生きとした様子が想像できちゃうし、あの、青のお店、本当にあってほしい。入り浸りたい(笑)
コメントに、流れが予想ついちゃうってのを見かけたけど、それで良いのです!
そこは、予想できてよいのですよ!
その先にある事がもっと大事だから。
温かくて優しい世界で、急にウルウルさせられながらも、前向きになれる、良い一冊でした!
私もこの街に住んで、師匠に教わりながら製本してみたかったなぁー。
私なら、何を製本しよう
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読んでいると本からふわっとスミレの香りがしてきそうな、上品で優しい物語でした。
瀧子親方の工房の様子や製本に使う素材選び、ルリユールの工程の描写にとても惹きつけられて、これはぜひ実写版を望みます。
ルリユールによって大好きな本同士を一冊の本に=本の結婚なんて考えたこともなかったけれど、すごく素敵!でも、完成形を文章だけであんまりイメージ出来なかったので、やっぱり実写化お願いします。
登場人物の心の機微も繊細に描かれていて、良かったですが、こんなふうに本を活かす方法があるんだなと新しい本の世界を見た気がして、素敵な読書体験でした。
Posted by ブクログ
ルリユールを仕事とするおばあさん(親方)と美しい引きこもりの孫娘。ルリユールの親方が大家さんのアパートに住むことにになった司法書士の試験をあきらめ小学校の司書として働くまふみ。昔と今が交差しながら、美しく製本された本を通してそれぞれが一歩を踏み出していく美しいお話でした。
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ルリユールという言葉は初めて聞いた
紙の表裏や目についても考えたことすらなく、日頃当たり前のように触れている本の奥深さを改めて知ることができた
何度も何度も読み返した本を私なりにルリユールしてみたいな
Posted by ブクログ
古くなったり破れたりしてしまった本も修復できるように、人生につまずいたと感じたら年齢なんか関係なくいつでも再起することができるんだよ、と背中をポンと押された気持ちになる綺麗な物語でした。
本と人生のルリユール
読み終わった時、本がもっと好きになると思います。
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ルリユールされた本を実際見てみたいと思った。由良子さんの装丁はどれだけ素敵なんだろうと。青が好きなのでお話の中に出てきたラ・グロッタ青の小部屋というお店に是非行ってみたいと思った。その後の活版印刷所の話で、活字拾いのバイトというのがどういうものか私も主人公と共にやっと理解した。本の結婚も面白い発想だった。続編があれば是非読みたい。
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綺麗な物語。
たくさんの登場人物の背景がぎゅっと詰め込まれているので、ちょっと1つ1つが薄くなってしまってぐっと引き込まれるまでには行かなかったが、好きな雰囲気のお話だったし、面白く読めた。なんだろう…内容はとても丁寧な生活をしている人たちの話で、デジタルの気配も感じられないけど、詰め込み方は、タイパだな…時代だなー
あくまで個人の感想です。
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本が、本の装丁が好きな人へ響く優しく美しい物語。製本家の瀧子と由良子のルリユール(製本)があまりにすてきで、こんな仕事に就いたならきっといくらでも没頭していられるに違いない。司法書士の資格はすごいけど司書の仕事は羨ましいし人の心に寄り添えるまふみにはとても似合っている。悲しく切ない境遇や後遺症を持つ由良子の製本したスミレの花が生じ香りたつ本や青いグラデーションの本があまりに素晴らしく、ぜひ見て手に取って感じてみたい。白紙の原稿が文字で埋め尽くされた本へと姿を変えた時、更なる感動。すてきなルリユールだった。
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優しい気持ちになれる話し
不本意なまま母校の小学校に学校司書として働く主人公
さまざまな悩み
苦しみ
息苦しさ
抱えてる人が
少しずつ明るい未来に歩いて行く
そして主人公も
話しの中に出て来る本を改めて手に取り読み直したいと思えた
本に出会い
人と出会う
本に救われ
人に救われる
Posted by ブクログ
本を読むのが好きな人、なにかに挫折した人、長い間悩んでいる人、大切なものを失った人、誰かに優しくしたい、されたい人…そんな人達におすすめの1冊。やわらかくてあたたかい。
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本好きの者には何とも言えない素敵な物語だ。ルリユール、製本、活版印刷、図書室、青色の文房具屋、本の交換所のカフェ……。これ、本好きのユートピアのような世界観では!!と思う。まふみも由良子も、自分がとらわれていたものから一歩踏み出していく素敵な余韻が残る。製本、やってみたいなぁ。
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本や冊子の中に広がる物語を大切にすることと、それをどんな風に包み込むのかという製本(ルリユール)技術が出会った時に新たな世界が拓けるようで。やさしい気持ちになれる素敵なお話。そしてこの本の装幀にもグッとくる。菫が匂い立つようです。
Posted by ブクログ
『ダ・ヴィンチ』2025年6月号のプラチナ本。
ということで。
司法書士になる夢をあきらめ、母校である花園小学校の図書室の司書として働き始めた主人公まふみ。赴任するために引っ越してきた釣り堀近くのアパートには、『ルリユール工房』という製本所が併設されていた。アパートの大家さん兼製本所の親方である瀧子(たきこ)と孫の由良子(ゆらこ)を通じて、手仕事の製本(ルリユール)の世界に魅せられていき…
図書室に来る小学生が起こす、ちょっとしたトラブル。そのやり取りがとても可愛らしく、優しい気持ちになる。
心にしみたフレーズを1つ。
ディスクレシア(識字障害)の子に由良子が作ってあげた窓あきの装置に記した言葉。
“これは世界の覗き窓”
希望に溢れた優しい言葉。
そして、本への愛情やリスペクトも感じた。
手製本については全く知らなかったけど、ちょっと面白そうだな〜
Posted by ブクログ
本の装丁が好きなので、本の修復作業もどんな風にやるのか興味を持った。素敵な仕事だと思う。
「ディスレクシア」や「相貌失認」、親方までも、脳梗塞による麻痺など、少し詰め込み過ぎな感じも否めない。
本の結婚に至っては、読んでいて少し恥ずかしくなってしまった。
ひたすら本の修復するだけでは物語が成り立たないのだろうけど…
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人は生まれ持った病のせいで不自由を抱えていたり、突然大切な人を失ったり、どうしても先が見えなくて暗闇でもがくこともあるかもしれない。
そんな時には、つまずいたところで大きな息をするために、悲しみを一まとめにしてルリュールにしてしまうのはどうだろう。
そして、少しだけ明るく歩めるようになった時、また改めてルリュールし直してもらおう。そんな日の為に、シークレットベルギー装でかがってもらっておこう。
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とても綺麗な物語だった
後半 本の結婚が出てきたあたりからちょっと楽しさが半減してしまった
たくさん失敗してください
失敗しないうちは、先に進むことなんかできやしないからね
由良子さん 相貌失認
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不思議なタイトルで興味を持った初読み作家さん。手製本工房の職人と学校司書の話。識字障害は今の世の中ならピンときそうだけど、本当にふざける子たちがいるからこそ発見しにくいのか。2冊の製本方法は想像力が追いつかずイメージできずに終わった。
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知らない仕事の話は読んでいてワクワクします
それが本のことなら尚更です
本を作るという話は専ら工場での話で、こうやって手作業で製本する世界は初めてだったように思います
本の中で他の本を紹介されるのが、またいい!
どんどんその本が読みたくなってきます
ボロボロになった本は新しく書い直ししかしていなかったけれど、あまりにも思い入れが強かったら製本という選択肢もあるのだと知りました
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製本の繊細で緻密な作業にわくわくした。本大好き人にはたまらない話。いい人やマニアックな登場人物ばかりで、それもまた楽しかった。まひろの成長にもホッとした。
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製本家さんの仕事の世界を覗きみれたようで楽しかった。
メモ帳や紙、ノート類にお気に入りの表紙をつけたりしたいなぁと思っていたりするので、製本の世界って体験しに行きたくなる。
自分で製本できれば、自分の本も作れたりするな。
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「ルリユール」とは本書にもあるように手作業による本の製本、装丁のこと。
度重なる司法書士試験の失敗に疲れた主人公が引越したのは、装丁業を営む瀧子「親方」と孫娘由良子が経営するシェアハウス(アパート)。
出身小学校で主人公が務める臨時雇いの司書と瀧子親方たちのお仕事小説の流れが、「銀河鉄道の夜」が絡みながら徐々におとぎ話寄りになっていく。
由良子が相貌失認だったことはある種謎解きの鍵となっているが、本と本との結婚式や白紙原稿の製本などは読者の好き嫌いが分かれるだろう。
Posted by ブクログ
本好きにはたまらない本と聞いていた。製本工房、とても惹かれた。親方も素敵。菫にまつわる、由良子さんの姿が素敵。
でも司法試験をずっと目指しあきらめた主人公の葛藤は少し薄いかな。
最後の方がよくわからなかったが、途中までは引き込まれてぐいぐい読んだ。あの製本工房にお邪魔してみたい。
Posted by ブクログ
読み終わった第一の感想は「絵本の雰囲気を纏った小説だなぁ」
文章はかなり読みやすく、地の文による感情・思考の描写が少なめで、その分場面・場所の雰囲気には力を入れているのかな。
また、登場人物の口調や行動がなんとなく劇の台詞のようなこと、出てくる製本の描写が童話のような雰囲気を纏っているため、現代日本が舞台ですがファンタジー味、絵本味を感じました。
上記のこれらがハマらなかったこと、山場が感じられなかったこと、小説内の描写に対し「あれ何のためだったんだ?」と多々感じることがあるのが少しネック
最後の点に関しては
・主人公の「製本酔い」「文字が踊りだす」などの描写がどこにも生きてない(主人公独自の特殊能力?かと思いきやそうでもない。由良子の能力を示すためなら双子の時に文字が踊りだすのはなんかややこしいし…)
・双子の弟が几帳面なことに対して掘り下げがない(ディスレクシアに関するものかと思ったが何もなく、単なるキャラ付けなんだなぁと感じた)
・学校の先生が「教育に口出すな!」と言っていたこと、司書が軽んじられていることに対するアンサーがない。(口出すな!と言われてるのに勝手に子供のお願いを聞く。それで揉めるわけでもなくそも伝えていないのになんかいつの間にか認められている)
などなど引っかかりました。
あと個人的には主人公が何を感じているのか、何に執着しているのかの描写が薄すぎて不完全燃焼でした。
・司法書士の本を製本している時に泣くシーンがあるのですが司法書士への憧れの描写、頑張った過去の描写がないのでえ?そこまでだったん?となる
もし何も成せなかったことに対する涙ならその葛藤を書いてほしい
・最後「司書を一生の仕事にする」と言っていたが主人公が『司書として』成し遂げたことが無さすぎてなんでぇ?となる
などなどがありました。全体的に登場人物の描写がなさすぎでモヤ…とする物語の都合に動かされてる感じもちょっと絵本ぽいなぁと思いました
でも読んでいてイライラなどは無いですし舞台感は嫌いではないし普通に読めたので☆3となりました。