あらすじ
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小(タイスウ)」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ! 山口文憲氏との対談「出発の年齢」を収録。「あの旅をめぐるエッセイI 孤寒」が新たに追加された【増補新版】。※本電子書籍は、令和二年七月発行の新潮文庫(新版)を底本としています。
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Posted by ブクログ
2025年44冊目『深夜特急1』
旅好きは読むべきと聞いて、読み始めた深夜特急シリーズ一作目。
私は、有名スポットを効率よく回るタイプだったけど、沢木さんの旅はまるで逆。
気の向くまま歩きながら、頭の中に“自分だけの地図”を作っていく。
同じ香港・インドでも、見える世界ってこんなに違うんだ…と思わされた。
普段は本をザーッと読みたくなる私も、
この本だけは一つ一つ情景を思い浮かべながらゆっくり読みたくなった。
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旅エッセイ。
さらっと読めるから寝る前や出先での読書にピッタリ。
旅先で出会う人たちとの交流が味わい深い。
そしてマカオにてギャンブルの底なし沼に落ちていく描写の面白さと恐ろしさよ…笑
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海外へ旅がしたい、それもプランを立てずに。
そう思わせてくれる小説。
中国編からマカオ編に変わった時、「なんだよ~もっと中国の続き聞かせてくれよ~」と思ってしまう自分がいたが、マカオもこれまたよくて、どんどんその世界に引き込まれていった。
黄金宮殿に泊まりたい。カジノをしてみたい。
とにかく、好奇心を沸かせられた。
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多分20歳の時に読んで、いてもたってもいられなくなって香港行き航空券を取った思い出。いい一人旅やった。熱量ある文章は割と本当に人を動かすと思う。
旅の適齢期は26歳らしい。気づいたら超えてた。
Posted by ブクログ
2025.7.14
学生の頃読んで以来の完読。やっぱり面白い。冒頭出発地点であるインドの場面から始まるんだけど、本章はそれまでの「途中で寄った」香港とマカオ。ぷらっと寄り道で1冊書けちゃう沢木さんはすごい。10年以上前、バックパッカーでインドにいた頃も愛読書だったけど、今読んでも変わらずワクワクする。改めてすごいな。
Posted by ブクログ
何年も前にこの巻だけ読んで、それっきりにしていたのを再読。改めて読むと、旅それ自体の魅力と同じかそれ以上に、著者の感傷やイマジネーションが旅を彩っていることに気付かされる。
もちろんそれは著者の文筆家としての力量やデリケートなな感性によるものだろうが、巻末の対談「出発の年齢」を読んで、当時26歳という著者の年齢にも思うところがあった。
沢木氏と対談相手の山口文憲氏いわく、26歳ではじめて海外に行くのが一番いい。26歳というのは、一応の世間知がついた上で最後のぎりぎりの自由な年齢なんだとか。
2人ともが26歳ではじめて海外に行ったということから冗談半分で提唱された説だが、当時の2人とそう変わらない年齢のぼくには一笑に付しがたいものがある。
例えばマカオ編の終盤、カジノであわや一文無しになりかけた著者がマカオを後にする際の述懐。
「行くところまで行かなかったが、そこへ向かう一種の狂熱は味わうことができた。これからは、その狂熱のレールに、いつでも自在に跳び乗れることだろう。乗るか乗らないかは単なる選択の問題にすぎなくなった。
私はまたひとつ自由になれたような気がした。」(222P)
あくまで想像にすぎないが、もし著者がこの時26歳より歳若かったら、破滅願望に身を任せきれなかったことを恥じるばかりで、このようなある種大人な折り合いのつけ方はありえなかったのではないか。
また、もしうんと年取っていたならば、こうした「狂熱」への感傷は失われ、博奕を打った人のあたりまえの感想以外のものを抱くことはひどく難しくなっているのではないか。
そう思うと、著者のような破天荒でないぼく自身にとって今が最後の、『深夜特急』を面白く読める時期。そんな気がしてくる。
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バックパッカーの伝説的旅行記。
かく言う私も26歳の時に読みました。
今回は久しぶりに一巻を読み直し。
相変わらず香港の香りとか、マカオでのカジノとか、目の前での臨場感が伝わってくる文章。
旅することが昔よりも身近だった世界。
私もいつかリュック一つで世界を回りたい。
現実は小説より奇なり、な一冊。
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約15年ほど前、ボロボロになるまで読んだ文庫を再読。前の座席の子と意気投合し、いつかこんな旅がしたいなーと語り耽ったのを覚えている。彼は今、地歴の先生をしているらしい。
当時の私のバイブル的存在だったこの本は、今も変わらず、けれど違った角度で私に語りかけてくれ、もっと海外生活を楽しめ!異文化に浸れ!と叱咤してくれたような気がする。小さな事でもいちいち感動していた当時の自分は何処へ、スルー力がつきまくった今の私は、深掘りすればもっと楽しいはずのポイントもスルーしてしまい、もはや異文化不感症である。淡々と送る海外生活もいいが、もっとディープな部分に浸かるべきだな〜と、本書を読んでしみじみ思った。
にしても、深夜特急のような旅は実行するのが難しくなったなあ。旅に行ってもGoogleマップで迷うことはないし、困ったら翻訳アプリがある。ふらっと入ったレストランが激まずで苦い思いをすることもなくなったし、予約も何もかもネットでポチだ。
るるぶの付録地図を握りしめて歩いた台湾旅行が懐かしい。東浩紀さんの弱いつながりにも書いていた気がするが、検索エンジンから離れ、偶発的な出会いの多い旅がしたいなあ。深夜特急のような、浪漫感じる旅がしたい。
Posted by ブクログ
まるで海外には興味がなく、情報さえあればいいと思っていた固定観念が見事に破壊された。
自分は物事を全て計画立てて完璧な準備をしてから物事に臨みたい、で、その準備が面倒になって途中で飽きるという無頓着なタイプなのだが、行き当たりばったりのこんな旅も悪くない。
登場人物たちも非常に好感が持てる。現実の人間、とても生き生きしている。様々な人々が登場する。金をせびりまくるインドの青年に、少しだけ話す香港の娼婦、仲良くなった澳門の子供たちに床で転がる放浪者たち。そのどれもが生き生きとした描写で語られ、「熱」を感じられる。とても40年前に記されたとは思えない、熱の籠もった生き生きとした、そんな本だった。
Posted by ブクログ
これからがめちゃくちゃ気になる。
ページ数少なめで、もっと読みたい!と思わせられる分量。
この生活できる人すごいなって思うし、楽しそうだと思うけど、自分にはできないな〜と思う。
でもめちゃめちゃ一人旅したくなった!
ギャンブルハマっていく様子がリアルだった!
Posted by ブクログ
私はタイとインドネシアにそれぞれ教育のボランティアで行ったことがあるが、その時の異国の生活が思い出された。観光客として世界遺産などの観光地を見て、美味しい名物を食べ、買い物して…という旅もたまにはいいが、現地の生活に溶け込むことでしか見えないものがあり、それが描かれていたのがとても良かった。あとお金の心配というのは長旅あるあるだから、いくらお金があっても足りなくて節約旅になっているのがなんともいい味を出していた。マカオの大小では、読んでいるこっちからしたら、「もうやめておきなよ」と思ってしまったが、落ちるとこまで落ちるという決心は潔くてこういう旅にも憧れた。
Posted by ブクログ
旅とは非日常である、という感覚を思い出させてくれる作品。
心の望むまま日常から逸脱して旅に出たいと考えていたが、社会の歯車となり、家庭を持つうちに冒険をしなくなってきた。
旅行に出る際は、移動手段は?宿泊先は?どこを観光するか?と事前に計画の上出発するようになった。
そのような旅行も楽しいが、心の底にある、日常から逸したいという欲求は満たしていないと気付かされた。
本作からは、情動に突き動かされるままに旅を進めんとする筆者の勢いが伝わってくる。行き交う人々の熱気が伝播して自分にも活気をもたらしてくれるような気になる。
Posted by ブクログ
非常に面白く読めた。言葉が自由に効くわけでない異国の地でのことゆえに、所謂会話という感じでないコミュニケーションが中心に書かれているのが新鮮味を感じる。ここに描かれた地も、今はどんなふうになっているのだろう。失われた色々に思いを馳せる。
Posted by ブクログ
自分も旅に出たような気分で、先の読めない旅行ならではのスリルが味わえる。あとシンプルに文章が上手い、あまり期待せずに読んだが続きも買って読もうと思った。ちなみに「深夜特急」という名前ではあるが列車に乗る話ではなく、あくまで比喩としてのタイトルということは知らなかった…
Posted by ブクログ
海外に行ったことはないのに香港の夜の屋台街の描写はとても懐かしい気持ちになった。
(そこに行けば何かしら楽しいだろう…)と思って赴けるような場所を持っているという感覚は小学生時代に感じた記憶があった。
現地の人たちもそうなのかなぁと思うと羨ましかった。
今後そういう感覚を持てると嬉しい。
マカオでのギャンブル問答はシンプルながらかなり熱く面白かった。
Posted by ブクログ
マニラ旅行を経験し、異国の空気が鮮度を保っているうちに読めた。香港での沈没と、マカオでのギャンブル体験が物凄い粘度で書かれていた。後半の描写は恐怖を覚えるほど生々しかった。喉が渇いた。
30代の今だからこそ自分の軸で読めるけど、20歳そこそこでこれを読んだら人生が変わっていたのかもしれない。
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バックパッカーのバイブル書をやっと読み始めた!面白いです、これは自分が同じような年にバックパッカーしてたからかな?電子版で読んだけど後半の対談部分は要らなかったな、続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
小説だがノンフィクションぽく描かれている。1作目は香港とマカオがメインで描かれているが、描写が細やかで実際の情景がありありと伝わってきた。マカオでのギャンブルはその興奮がものすごく良く伝わってきて特に印象深かった。インドでの話を冒頭に持ってきた意味はよくわからなかった。
Posted by ブクログ
沢木耕太郎さんといえば、東北新幹線のトランヴェールの巻頭エッセイ。
名前は知っているけど今まで読んだことがなかった。
本当に若い頃しかできないような危なっかしい旅。
スマホもないのによくこんな無茶な旅をできたもんだな、と今の人なら思うだろうな。
だけどそのぶん冒険があったんじゃないかと思う。
Posted by ブクログ
【20年前に読んでいたら】
ことあるごとに深夜特急はおもしろいという情報を見聞きし読んでみたいとは思いつつ、機会がなく気が付けば20年前という年月が経ってしまいました。
しかし香港に旅行へ行くことになったので、ついに手に取って読みました。
出版された当時、こんなに携帯電話とインターネットが普及していない時代に読んでいたらもっと未開の土地にわくわくしただろうと想像に難くなかったです。今読んで香港に行くと、本で受けた印象とはまた異なり、沢木さんが訪れた香港とはどのくらい変化したのだろうと考えながら旅をすることになりました。
「人のためにもならず、学問の進歩に役立つわけでもなく、真実をきわめることもなく、記録を作るためのものでもない」旅をしてみたかった、という気持ちは分かる気がしました。
ギャンブルをしないので、マカオ編はちょっと読み進めるのが難しい時もありましたが、カジノの部分だけを切り取ってあれほど詳細を描けるのはさすがでした。
Posted by ブクログ
chatGPTに当方のMBTIタイプと真逆の本を紹介してほしいといわれ、選んで読んでみた一冊。
当方は旅好きだし、行き当たりばったりも嫌いではない。最終目的だけ決まっている、という旅はなかなかできるものではないと関心した。読んでいて眠気に襲われることもしばしばあった。ただ終盤のカジノからは最後まで眠くなることはなかった。
最後まで読んでみたいとは思った。
Posted by ブクログ
カジノのところがよかった。もうやめとけ、もうやめとけと思いながら読んだ。ギャンブルの沼にはまっていく、狂気の一端を感じることができた。
観光地へ行く煌びやかな旅ではなく、現地の生活に触れるというか入り込む土着的な旅で、それがいいなぁと思った。旅に出たいと思って買った本だったが、旅に出たいなとなお思った
Posted by ブクログ
今更ですが、初めての深夜特急です。
1巻目はまだ旅の始まり(始まってもいない?)香港。今とは全然違う街の印象に逆にノスタルジックな旅心をかき立てられるようでした。
冒頭、旅の途中のインド デリーでくすぶっているところから話が始まりますが(そこから旅の始まりに話が戻っていく)、倦怠感にまみれてインドの安宿に寝そべる若者たちの描写に、昔、インドやネパールで会ったバックパッカーたちを思い出しましたし、パキスタン国境を越えるビザの情報が旅人たちの間で口伝えに共有される様子に、ああ、昔の旅はこんなふうだったな、と、ふと思い起こしました。
Posted by ブクログ
少し古い時代の話ですが、楽しく読める旅行モノを探している人にオススメです。
ハラハラドキドキの部分も多々ありましたが、楽しく読めました。読んでいてワクワクする小説でした。
Posted by ブクログ
以前おすすめされていたので読んでみた。
香港でひょんなことからカジノにどっぷりはまる主人公。結局ちょい負けで済んだが危ういところ。次巻はどうなることやら。
Posted by ブクログ
カジノのとのろがヒヤヒヤ、読みいってしまった!物事を深くみながら考えながら、でもフラフラと好奇心のままに旅していて、読んで楽しかった。旅に出たくなる。