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深夜特急2
マレー半島・シンガポール編。
ニューヨークからシンガポールへ渡ってきて、移住することになってみて、やはり読みたい、という衝動に駆られたのがこの本。シンガポールの記憶は、Zoukというクラブ、暑くて、訳わからず歩いた道、カジノでは短パンで入るのを断られ、小さなマーライオンを見ながらため息をついていた。20年以上前だろうか、でも、暑くて、熱気のあるこの国で戦っていくために、自分の原点の一つを読み直した。
本作は、東京から香港からマレー半島に渡った後の沢木耕太郎のシンガポールまでの旅である。バンコックからペナン、そしてマレーシアの田舎町を経由して、KLへ。そしてそこからシンガポールへ渡る。学生時代の自分は、シンガポールからインドへ一気に渡っていたけれど、彼はマレー半島をじっくりと電車で移動している。改めて読んでみると、タイもマレーシアも、あまりにも普通で感動がないことがわかる。香港の興奮が、ほとんど味わえずにイラッとしている、逆にトラブルに巻き込まれたそうな雰囲気さえする。おそらく、実際の旅は、小説よりも普通だったんだろうなと思う。それでも、旅をしていて、シンガポールという国のべたっとした暑さを感じられるのが幸いだ。本来は、日本から来ると相当暑さを感じるのだけれど、フルーツジュースを飲むシーン、ニュージーランド人と一緒に飲むビールに、汗を感じる。ここで、旅の目的を改めて考えさせられたのも、面白い。半年でかえる予定だったのだけど、その必要はない、見たいところまで、じっくり味わったらいい、そんな境地に至ったのもシンガポールだったようだ。旅は、人を育ててくれる。海外生活、世界を旅して、もう10年以上経つけれど、本書が色褪せないのが本当にすごいと思う。
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この旅の明確な目的はなくとも、「誰にでも可能で、それでいて誰もしそうにないことをやりたかった」デリーからロンドンまで乗合いバスで乗り継ぐことの、ジャーナリズム精神にワクワクと感動を覚えた。
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係員の適当な情報に踊らされて右往左往、前の客が使って軽く拭いただけのコップ、ぼったくり、汚いトイレ…
旅行をするとあり得ない経験をすることもありますが、それも何故だか忘れられないネタになり、また旅に出たくなります。そんな病みつきになる刺激がたくさん詰まった本だと思います。
そしてそんな刺激について、
旅は自由を与えくれる、と描写されているところが
ますますこの本にハマってしまう理由の一つかなと思いました。
(自由=自分のつまらない常識、固定観点から解き放ってくれる)
まるで自分も旅をしてるかのように、
面白くてさくさく読めてしまいます。
インド編も楽しみです!
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あっという間に、
読み終えてしまった。
次の本も、買おうと思います。
とにかく、面白くて、ついつい、
毎回、
最後の方は、
読むスピードが上がります。
高倉健さんとの、対談も、
とても興味深かったです。
とっても面白い本との出会いに感謝。
続きも、楽しみです。
ありがとうございました。
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香港を経て、マレー半島からシンガポールへ。
マレー半島最南端まで来ても、香港に後ろ髪を引かれている様子が素直に伝わってきた。
巻末に、旅を素材にしたミニエッセイがついている。2巻は少年時代の思い出、がテーマだった。
ユーラシア大陸を横断した経験がしっかりと引き出しにしまわれて、その前後の経験と上手くリンクさせていると思った。
人生のある時点での強烈な経験はその後の人生を温め、救ってくれるものだなと思った。自分にはそんな引き出しが果たしてあるのだろうか。無ければこれからでもまだ間に合う、そう思わせてくれた。
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夜中の覚醒、時間と空間の旅に出つつぼんやり過ごしている。目を閉じているけど、鮮やかに情景が浮かび上がる、audible版の斎藤工さんの朗読がとても良い。
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バンコク・ペナン・シンガポール編
今回も期待を裏切らない珍道中の旅
「金がない」著者は、いつも売春婦が出入りしている様な如何わしい安宿に滞在するので、しつこい誘惑が多い
そして薬の誘惑も多いので、読んでいてハラハラしますσ(^_^;)
我慢しろ〜我慢しろ〜
でも本当は一回や二回ぐらいは誘惑に負けてしまったのではないかと、勝手に思っています
今回は旅慣れて来たと同時に、自分自信と向き合う事で、心の成長が見られます
バンコクでは、ことあるごとに「金がない」と言い続けて来た自分
金がない自分が、その土地の人の親切を受けるのは当然だと心の何処かで思っていたのではないかと気づきます
シンガポールでは、自分と同じ様に旅をしている若者に、一種の旅の仕方の知恵を伝えたり、兄貴風を吹かせます
何処に行っても著者の基準は気に入った香港であり、香港のコピーを求めていたので、バンコクもペナンもシンガポールもつまらなく感じでいたことに気付きます
そして香港とは違う文化をもつカルカッタを次の旅先に選びます
何が起こるか、楽しみです♪
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沢木耕太郎には響かなかったマレー半島。
私は大好きなんだけどなぁ、とくにタイ。
年齢、季節、出会い、経験値…旅はその人のタイミングによって、だいぶ感じ方が変わるもの。
著者は香港で感じたなにかがよほど強かったのだろう。
それでも、現地の人や旅人との出会いを楽しんでいる様子にワクワクします。
日本ではつつましい生活をしている人も、後進国に来てしまうとレートの違いでお金持ちになってしまうこと。海外旅行をしている、というだけでお金持ちであるということ。それなのに、現地の人々は気前よく食事を奢ってくれたりすること。
この辺の事に対する考え方は、この本で学んだ気がします。
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著者の好奇心、人との出会い、未知の土地での生活 旅に出るきっかけを知ることができる。
先の事を考えすぎ不安が先走り日々モヤモヤしている私の心に若かりし頃の自由気ままな思い出が甦る。たくましく生きる子供達の事を思うと甘ちゃんな自分が恥ずかしくなる
香港の幻影ばかり追い求めていたことに気づいた著者 次の旅にどう影響が出るのか出ないのか…
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マレー半島やシンガポールは香港ほどの興奮がないと書かれていたが、最後の最後でそれは筆者の内面的な問題が原因と気づいており、そのための1冊だったのではないかと思った。
タイ・マレーシア・シンガポールの3か国での旅が描かれている。
タイはとにかくいい加減でつまらんという調子で描かれていたが、バンコクのあの混沌とした雰囲気のどこがつまらないのかと問いたくなった。
寺院のあの豊かな色彩やキックボクシングのあの無秩序さがまさにタイという感じだろう!と言いたい。
筆者は現在もタイはつまらないと思っているのか、気になる。
日本人の友人を紹介してほしいというタイ人は謎だった。どういうことなのだろうか。
マレーシアのペナン、娼婦の宿の話は非常に面白いと思った。
まさか娼婦が養っているヒモがいるとは。
そんなペナンのヒモ男が日本企業は他の外資企業と比べて、単純な労働を必要最低限の賃金で雇っていることを批判していたが、当時から現在まで状況が変わっていないと感じた。
上手いやり方なのだろうが、うーん。
1週間もしないうちにマレーシアに行く予定を立てているが、ペナンも含めるべきだったと少し後悔している。
シンガポールは当時からマレー半島諸国の中では物価が高い街だったのかと再確認できた。
開発されていてつまらないというような描かれ方をしていたが、激しく共感。
旅行の醍醐味は思いっきり異なる文化に触れることだと考える。
シンガポールは現代的すぎて物足りなく感じそう。
ニュージーランドの新米バックパッカーに東南アジアの旅の手ほどきをしている場面は親しみを感じられた。
旅を終えた後、筆者と再会しているといいな〜。
Posted by ブクログ
楽しみにしてたマレー半島・シンガポール編。
シンガポール帰りの飛行機で読んでみた。
旅してる気分にさせてもらえて、読んでて楽しい!
シンガポールにどこか物足りなさを感じて、香港の熱気を追い求めてしまうというのを読んで、行きの飛行機で読まなくて良かったと思った笑
その国それぞれに良さがあると思うけど、やっぱり熱気と活気が溢れる国に魅了されてしまうんだな〜と思った。
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香港の熱狂に囚われ、コレジャナイ感に苛まれられながら南下するマレー半島の旅。
沢木さんが文句ばかり言ってる回も面白い。
最もホットだったのはやはりペナンの娼館での滞在で、青春のような日々を過ごした仲間に対して“私は口の中で「じゃあな」と小さく呟くだけでその前を離れた”という別れ方が好きすぎる。
終盤にかけて日本の回想も良かった。
Posted by ブクログ
著者は現地の人の暮らしに溶け込み観光地が見せる表の姿ではなく国民がどんな生活を送り社会と関わっているのかという本当の国の姿を垣間見ようとしている点に毎度尊敬する。
その土地の人が勧めてくれた宿や店を辿れば普通の観光では出会う事が出来なかったであろう沢山の人との出会いがありそこに彼らの暮らしがある。
宿には必ずといっていいほど怪しげな人が来る。しかし彼らは必死に今を生きようとしている。職業を選ぶ事が出来たなら今の様な仕事はしていなかったのかもしれない。これもまた暮らしの事実なのだろうと考えさせられた。
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前作を読んでから間があいてしまったが、この本単体でみると★4だが、前作と比較すると★3だ。
著者も終盤で気づいているが、香港の熱気や怪しさを探し求めており、香港は香港で別物であり、シンガポールにはシンガポールならではの魅力があったはずなのだ、そこへ目を向けていなかったばかりに拾うことができなかった。
勿論、今作も面白かった。
宿に泊まるとここぞとばかりに女を売りに来るボーイ達や、娼婦の住まう売春宿に泊まり、彼女らや彼女のヒモ男らと交流したり、似たような旅行者だったり、乗り合いタクシーで知り合った人だったりと、食事をしたり、招いてもらったり、一期一会な出会いが面白い。
しかし、前作の方がいかがわしさというか、冒険的な面白さがより強かった。
最後に"死に場所を見つける"と題して、著者と高倉健さんとの対談。
「香港とは別の楽しみ方が発見できていさえすれば、バンコクも、クアラルンプールも、このシンガポールも、もっともっと刺激的な日々を過ごすことができたのかもしれない。だが、すべてはもう手遅れだ。人生と同じように、旅もまた二度と同じことをやり直すわけにはいかないのだから…。」p208
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深夜特急シリーズ第2弾_
刺激的だった台湾やマカオを離れ
次はタイ・バンコク、マレーシア・ペナン…
そしてシンガポールへと旅を進めていく
親切な旅人との出会いや
現地の方との交流はあるものの
刺激的だった台湾やマカオの幻影を
どこかで求めているような旅を続けていく…
心を残してまで急ぐような旅ではなく…
行きたいところに行き
見たいものを見るような
心の赴くままの旅をしてみても良いのでは…と
少しずつ旅の本質に気づきはじめる
シリーズを追いかけるごとに
旅情が駆り立てられる!!
旅に出る前は 自分自身は何者でもないのに
どんな世界でも その世界を知ろうと
人々の生活に溶けこみ
束の間でも その世界を生きてみることで
何者にでもなることができるのだと感じました!!
Posted by ブクログ
香港は凄く魅力的な場所なんだな。マレーシア、シンガポールは香港と比べ何かが違う。香港と比べることが駄目だと気付く。その土地で出会う人々とのやり取りが面白い。自分は人見知りだし、潔癖なところがあるほうだから、こんな豪快な旅はできないな。
Posted by ブクログ
初めて日本以外の海外を意識した瞬間というのは人によって大きく違うだろう。一般論的に言えば、海外を旅する、というのがその瞬間の王道であると思う。しかしながら、直接旅をしなかったとしても間接的に海外、ひいては世界を意識するというのは可能でもある。
私自身にとって海外を意識したのは、大沢たかおが主演する本書のドラマ版であった。というのも、高校1年生のとき、必修の地理の授業で教師が授業時間を使ってこのドラマの映像を流してくれたからである。とはいえ、全体のストーリーなどは忘れてしまっていて、強烈に印象に残っているのは冒頭の香港の猥雑なシーンくらいなのではあるが(ただし、それは大学生になって初めての海外旅行で香港を訪れ、深夜特急にも出てくるチョンキンマンションに滞在した、という影響も大きいかもしれない)。
高校1年生のときから、四半世紀の年齢を重ねた今、ロバートキャパの一連のノンフィクション等で著者の作品を読んではいるものの、その原点たる本書を読んでいなかったということで、5月の連休を利用して一気に読んだ次第。
広い意味では旅行記という括りになるだろうが、実際にユーラシア横断の旅をしてから、かなりの年月を経て本書が執筆されたという経緯もあるのだろうが、単なる事実や時系列の積み重ねには堕しないストーリーテリングの才に満ち溢れている。そして本書を読むことで強い旅情を誘われるのは、やはり本書の持つ高いエネルギーの力に他ならない。
Posted by ブクログ
20年くらい積読していた本をやっと読めた。
コロナで海外に行けない日々が続いているのでせめて脳内だけでも旅情を味わいたい。。。と思い紐解いてみた。
だけど何故かこの2巻目から。笑
1980年代の海外、バブルの頃なので珍しいことではなかっただろうけど、まだ一般的ではなかっただろうし、特に当時発展途上だった国々を個人旅行するというのはハードルが高かっただろうと想像する。
ネットもないし、情報も今ほど充実していなかっただろう。
海外旅行に行くときに必ず手に取る地球の歩き方はいつごろ創刊されたのかなと調べてみると1979年とある。
ということは著者が旅に出た時点で世に存在していたことになる。とはいえ、まずは旅行者の多い国からの創刊だろうから、当時はやはり情報としてはかなり少なかっただろうことが想像できる。
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著者は、香港・マカオからバンコクへと飛ぶ。ここで見つけた安宿の名はゴールデン・プラザ。香港で常宿として利用したゴールデン・パレスと似た名前で、ここもまた、売春宿だったボーイがしつこく女性を斡旋に来るのに辟易した著者は、翌日、宿を変える。
著者にとって、バンコクは交通騒音がすさまじく、街を行く人々の表情には鋭さ、暗さ、疲労感が漂っており、関わり合えても、深いところで了解できない場所。
香港やマカオでの興奮が感じられないことにも、場違いな思いにかられ、鉄道でマレー半島を南下、一路シンガポールへと向かう。
途中、滞在したペナンの娼婦の館では、陽気な女たちとそのヒモになっている若い衆との交流があり、著者には、それが居心地のいい空間になった。これについて書かれているのが第5章で、およそ100ページに及び、本書のハイライトとも言える。
少年時代を過ぎてから大勢で遊ぶことが得意でなくなった著者にとって、彼らと映画やピクニックに出かけるなど、意外なくらいの振舞いをしたとのこと。彼らの飾り気のない陽気さに巻き込まれたそうだ。
シンガポールでも、様々な人と出会うが、やはり、刺激が乏しく、物足りなさを感じ、好奇心が磨耗したような気分を味わう。ただ、世界一周の旅をしている二人のニュージーランドの若者との出会いは著者の心を動かした。3~4年もかけて旅を続けるという二人の旅行感が、著者に自らの旅の意義を見つめ直したり、過去の自分を振り返るきっかけを与えた。
大学を卒業し、就職した会社を1日でやめたこと、大学のゼミの教官が紹介してくれた雑誌社でルポライターになりながら、それも天職と思えなくなったこと、そして、仕事の依頼をすべて断り、未来を失う「刑」の「執行猶予」を望んで出た旅などが述懐される。
巻末には高倉健との対談が収録されているが、独特の世界にいる二人の話しが面白い反面、平々凡々の生活を送っている自分には何か禅問答のようにしか伝わらないところもあった。
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1巻の、何かに取り憑かれたかのような熱狂と禍々しさが薄れ、形骸化しつつある旅を自覚する沢木耕太郎。それを言語化し、それでも旅は続くということに旅の本質があるとでも言いたげな2巻。
売春宿を本拠地にして、束の間の友情を育んでみたり、そっけなく出発してしまったり、何かに固定され抱かれることを厭う心性が、20代半ばにたしかにあったよね、と語りかけてくるよう。そして読者は、自らの青春ってやつを振り返っては赤面するのさ。
子供の頃に買い物に行かされた豆腐屋のくだりは自分も体験した世代なので、胸を締め付けられた。
道端に置いてあった大豆の搾りかすの塊とその腐臭に魅了されたあの頃をいとおしく思う。
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序盤に出てきたホテルのボーイとのやりとりが印象的だった。「金がない」なんて言いながら自分で選んで安宿に泊まって好きなことをして好きなように暮らしている。親切を受けながらも現地の人々をどこか見下している。1冊目を読んだときに少しモヤモヤしたそんな部分に焦点が当たっていた。あとヒモの日本企業批判も印象的だった。
文章は淡々としているけれど人々との関係を見ていると愛想が良くコミュニケーション能力が高いんだろうなと思う。
次の作品も楽しみ。
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香港・マカオで刺激的な体験をした後、タイやマレーシアは退屈で物足りなさを感じたようですね。
そんな中でも一期一会の人との出会いが旅を彩っているのが伝わってきます。