【感想・ネタバレ】深夜特急4―シルクロード―(新潮文庫)【増補新版】のレビュー

あらすじ

パキスタンの長距離バスは、凄まじかった。道の真ん中を猛スピードで突っ走り、対向車と肝試しのチキン・レースを展開する。そんなクレイジー・エクスプレスで、〈私〉はシルクロードを一路西へと向かった。カブールではヒッピー宿の客引きをしたり、テヘランではなつかしい人との再会を果たしたり。〈私〉は冬の訪れを怖れつつ、前へ前へと進むことに快感のようなものを覚えはじめていた――。今福龍太氏との対談「終わりなき旅の途上で」を収録。「あの旅をめぐるエッセイIV 秋の果実」が新たに追加された【増補新版】。※本電子書籍は、令和二年八月発行の新潮文庫(新版)を底本としています。

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Posted by ブクログ

パキスタン、アフガニスタンあたりは、こんな時代があったのか、と生まれてこのかた、この地域の平和を知らぬ自分としていたたまれない気持ちになりながら通過。ここでの人の暮らしや人々の様子が見えてあたたかい気持ちになった。

この巻がいちばん好き。

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2025年12月04日

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旅先で読むととても良い。金を払うか時間を無駄にするか、どうでも良くなって街に埋没すること、他のヒッピーの生気のない目をみてハッとすること、ソ連が健在で、ポーランドから共産主義の若者がインドの物乞いを嫌悪する。インドの病はインドの薬でしか治らない。病と貧困と、

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2025年07月06日

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 この巻ではインドからパキスタン、アフガニスタン、イランと旅を続けていくが、特に中央アジアから中近東にかけての日本と文化的にかなり異なる地域を歩いており、紙面からカオスな感じの臨場感が伝わってくる。アラブ商人との日常的な買物でも生じる値段交渉や発展途上国の衛生環境の劣悪さ、衛生環境の悪さに伴う病気の発症等の描写がリアルで、自分がこの地域を歩いて非日常感を味わっているような一体感を感じられた。バックパッカー旅行ルポルタージュの金字塔といわれる理由が分かる本であった。

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2025年04月07日

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前巻のインドはとにかく絵が強烈だったが、今巻は作者の心情の揺れ動きにスポットが当たっている気がした。
旅慣れ、あるいは旅疲れもあるのか、途中「人の親切がわずらわしい」とまで言い出してしまって、”おやおや”と言う気持ちで読み進めた。なんだか、先へ先へととにかく進んで、とにかく値切って...と、”もう少しその町を楽しんで!”と切ない気もしたけども、これが長旅を続けるヒッピーのリアルということなのか...
好奇心が摩耗してきて、それでも旅からは抜け出したくない、そんな心のカオスが伝わってきた。

ラマダンのバスの中で、みんなが「勧めあいっこ」して食べ物を18時より前に食べるきっかけを作ろうとしてるところが、ちょっと可愛くて一番印象に残った!

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2025年01月30日

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また面白くなってきた!
中東を日本人がこんなにふらっと横断できた時代があったのかとか(知らないだけで実は今もできるのかもしれないが)、タリバンの名前も出てこないアフガニスタンではこんな穏やかな時間もあったのかとか、中東の現代史を知りたいなと思わされた。

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2024年12月28日

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パキスタン、アフガニスタン、イランを巡る旅。
イランのイスファハンでの、バザールの時計屋との価格交渉が印象的。
既に旅を始めて1年になろうとしていて、旅という長いトンネルに入ってしまったと感じている。トンネルの向こう側にあるものとうまく折り合えることができるのか?感情の揺れ動きが感じられて面白い。

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2024年05月28日

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心身が健康じゃないと他人の親切が鬱陶しくなるのは日本にいる私にもすごく共感できた。こんなふうに感じる自分が嫌で、余計に病んでいく。作者は自分なりに克服していたからすごい。
この旅行が終わり帰国してから元の生活に戻れるのかという不安は、リアルだなと感じた。スケールが違うが、夏休みが終わって学校が始まると、いくのが億劫になるのと似ているかもしれない。
3巻まで少しずつ失速していった感じがあったけれど、4巻からは動き出した気がする。5巻からが楽しみだ。

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2025年11月12日

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香港から始まって寄り道続きの沢木氏の旅も、ようやくデリーを発って本番に。
4巻では街中よりもバスでの移動中の描写が多く、どうやら『深夜特急』の表題通りの内容になってきた。「青春発墓場行」のバスがいい。

パキスタンからアフガニスタン、そしてイランへ。どれも今ではそうそう行けない国だ。もちろん僕自身はいずれにも行ったことはないが、読んでいるうちに何となく、トルコとインドを結んだ線分の中にきちんと収まっている土地という気がしてくるから不思議なものだ。乱暴な言い方だがどだい同じユーラシア、やはりどこか似たところがあるのかもしれない。

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2025年11月06日

Posted by ブクログ

インド(アムリトサル)▷▶パキスタン(ラホール、ピンディー、ペシャワール)▷▶アフガニスタン(カブール)▷▶イラン(テヘラン、シラーズ、イスファハン)

滞在とバスでの移動と半々の描写なので、地図を見ながら読まないと今どこにいるかわからない巻だった。
陸地の上を地続きにグラデーションのように文化が変化していく様子が圧巻だった。

このシリーズを読んで、将来また旅に出たくなっているところに、ペルシャ逸話集「カーブース・ナーメ」より、冷水をあびせるフレーズがドンときて唸った(°▽°)
『老いたら一つ場所に落ち着くよう心掛けよ。老いて旅するは賢明でない。特に資力ない者にはそうである。老齢は敵であり、貧困もまた敵である。そこで二人の敵と旅するは賢くなかろう。』

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2025年10月13日

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テヘランは大都会らしい。イスファハンが古都で美しく静かとあるので少し行ってみたい。
この巻の対談はイマイチ。何の話?と思った。
中東はアジアじゃないからかやっぱりオリエンタル(?)でエキゾチック (?) で異国情緒が強く思える。砂漠だからかな?

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2025年09月13日

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シリーズ4作目。舞台はシルクロードへ。バス旅は波乱万丈。燃料切れで止まるなど日本では考えられない。。
バザールでの買い物では、店主との値下げ交渉がなんともおもしろい。

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2025年08月25日

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沢木耕太郎が、海外放浪経験を記したシリーズの、第4巻です。

「インドのデリーからイギリスのロンドンまで、バスで移動する」という(自分なりの)ルールで旅をスタートした、26歳の沢木青年。

香港、バンコクを経由した航空チケットを選んだこともあり、スタート地点のデリーまで、かなりの日数を要します。
んな沢木も第3巻の最後になってようやく、デリーに到着しました。

立ち寄った土地にしばらく滞在し、人とふれあい、街の空気を味わうという旅を続けてきた沢木。
しかしデリーに着いてからは、目的地であるロンドンに向けて移動することを、意識するようになります。

そんな沢木の、中央アジアから中東にかけての道中が、この第4巻には記されています。

パキスタン、アフガニスタン、そしてイラン。
交通・情報のネットワークが発達した現在でも、日本人の自分には遠くに感じられる、イスラム教徒の国々。
これらの国で沢木が経験した出来事は、足を踏み入れたことがない自分には新鮮に、魅力的に感じられました。

東南アジアで沢木が出会った人々や、経験したこと比較すると、退廃的な人が少ない、規律が守られた土地柄のように、感じられました。

また、ここまでの旅でもたびたび書かれていましたが、宿泊や食事、物の購入において、沢木が値段の交渉をするシーンが多く登場することも、印象に残りました。

ここまできたら最後まで、沢木の旅を見届けたくなりますね。
引き続き第5巻も、Audibleで聴いていこうと思います。
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2025年03月24日

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旅を続ける上での筆者の悩みがつづられていく回。
これまで物乞いには一切の恵みも渡さなかったが、同じバスに乗ったヒッピーが自分も他の旅人に残り物をねだるほどお金がないのに、子供になけなしのお金を渡す姿をみて、筆者は自分の旅での目的を見失ってしまう。
人の温かさが伝わってくるエピソードが多かった。

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2025年02月18日

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いよいよデリーを出発し、パキスタン・アフガニスタン・イランへ向かう。テヘランにいる磯崎新(あの建築家の!)夫妻にご馳走になるため先を急ぐ。

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2024年12月14日

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クレイジーなバス旅が熱かった。
乗りたくはないけど…。
値引き交渉について、恥ずかしいこと、はしたないこと、ではなくて、他者との濃密なコミュニケーションだと思えば、楽しめるのかもしれない。

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2024年12月10日

Posted by ブクログ

この巻は本編もいいけど、ラスト数ページの対談がアツい。頭の良い方同士の本気の対話がおもしろくないわけがない。やっぱ沢木耕太郎って相当にクレバーな方なんだなと。

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2024年11月22日

Posted by ブクログ

香港やインドに比べると西に進むにつれて街の混沌さは減ってくるが、心の内は混沌としてきている感。
それでもやはり旅では色々と起きるもんで読んでいで面白くも怖くもある。
食べ物がどれも美味しそうなのもいいなぁ。

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2024年07月28日

Posted by ブクログ

だらだらと滞在したインド・ネパールから打って変わって移動の面白さが光る西アジア編。
チキンレースを繰り広げるパキスタンの高速バスには爆笑したが、青春初地獄行きバスは特に良かった。イランの警察官が面白く、イッテQやクレイジージャーニーでコーディネーターが大当たりだったときのような充実感。
“親切”について考えすぎてスランプになってしまうのが寄り添って読んでいるとひしひしと伝わってきた。

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2024年04月09日

Posted by ブクログ

若い頃、バックパッカーとなり楽めたなら
たった今の自分はどんなだろうかと思いを馳せながら
一緒に旅をしている気分になれる本

ロンドンから来たという、あの病気がちで無愛想だった若者はあのあとどうなったのだろう

連日値段の交渉をした老人との思い出

まるで自分が体験したかのような気分

豊かな気分になれるとはこのことだろう

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2024年03月25日

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インドから移動してパキスタン、アフガニスタン、イランと移動。イランってペルシャだからアラブとは違うみたいだけど、バリバリのイスラム教。昔は入れたんだな。この70年代はまだ少しは親米だったのかしら。インドから西に移るに連れ、値段が高くなって行くと言うのは面白い。確かにこれがヨーロッパに入ったらお金なくて恐怖だな。パキスタン、アフガニスタンと今でも入れるのかしら。アフガニスタンは無理そうだな。やはり行ける時に行っておくというのは大事なんだな。しかしペルシャは行ってみたい場所だな。巻末の対談は難しかった。

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2024年01月15日

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アフガニスタンとイランの国境から凄まじいバスの長旅でテヘランへ
テヘランからシーラズ、イスファンへ

今回は心身ともに疲れが溜まっている様で、淋しさや恋しくなるシーンが増え、温度も下がり気味

印象的なのは、
今まで以上に日本語や活字が恋しくなり、出逢った日本人に本を貰うシーン
たまたま知り合った者同士7、8人の日本人がいるヒッピー宿に毎日通い詰めるシーン
大都会のテヘランで公衆電話の中で笑いながら話をする人達を見て、淋しく思うシーン
何としても日本人夫婦に会いたいと頑張ってテヘランへ向かうシーン

何の為に旅行をしているのか?
楽しむ為に旅行をしているのに、お金が無いという現実
物乞いに対する今までの自分の考えと向き合う
そして旅というトンネルの向こうにあるものと、上手く折り合う事ができるのであろうか、と不安が忍び寄ります

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2024年07月24日

Posted by ブクログ

他の賞よりも物悲しさを感じる章だった。
老いと旅、寝込む青年を置き去りにした時の気持ち、物乞いにお金をあげた時の気がつき、等々。出来事は他の章と同じように色々起こっているけど、旅の中で感じ方が変わったりしたのかなと思った

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2025年11月28日

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ネタバレ

インドを抜けて、パキスタン、アフガニスタン、イランあたりの旅
バスの運転の恐ろしさなどが印象的
シラーズの宿の無口な少年がよくわからなくて、後からも気になる

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2025年10月29日

Posted by ブクログ

インドを出発して、パキスタンを一気に通り抜け、アフガニスタン、イランへ。
ソ連の侵略でめちゃくちゃになる前のカブールや革命前のイランなど、既に失われた世界を旅していく様子に感慨を覚えました。
この本の終わりで、ペルシャ説話集の一節として、若いうちは若者らしく、年を取ったら年寄りらしくせよ、という言葉が出てきます。これが正しいかは別として、その時々にしか感じられず経験できないことがあるのは確かなことに思われます。
ある世界が失われるのと同じように、自分の時間もまた失われていく、というつもりで日々過ごさないといけませんね。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

やっぱり旅行に行きたくなる!

このシリーズは絶妙なボリュームで分割されてますので最後まで飽きずに読めますね。

今回は中東ということで日本とは文化も気候も大きく違うシルクロード編でしたが、相変わらず刺激に溢れた旅路だったようですね。

特に印象だったのはペルシャ商人の時計屋との値引き勝負、難しいですよね、向こうの言い値とこちらの値踏みが合致しないと上手く購入できないとは…定価がありふれている日本の社会ではなかなかできない体験ですよね!

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2025年10月08日

Posted by ブクログ

このシリーズを読み進めるに連れ「繁華な通り」というワードに一種の恍惚を感じ始めていたが、4巻では激減する。パブロフの犬化していた私はお預けを食らった。
それもそのはず。4巻では主に長距離バスで移動している。
冬が来て、雪の降る車窓が鮮やかに目に浮かんだ。
「これは日本にあるか?」という質問を繰り返す現地人がとてもかわいかったし、探せばあるようなものを「ないかな。」と答える主人公の優しさが好きだ。真実だけが優しさじゃない。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

巻を読み終わる度に、凄まじい環境で旅行していることに感服。孤独と闘いながら旅で自分を見つめ直して行く様子に、我が身が疑似体験しているような錯覚に陷る。アフガニスタンとかイランとかイラクとか、危険なイメージのとこにブチ込んで行く著者がすごいとしか言いようがない。時計の値切りシーンは面白かった。諦めたらアカンを教えてもらいました。

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

間違えて5を先に読んでしまっていた。無事4も読み終えた。イギリスの青年とのやりとりが印象的だった。親切にしたなら最後まで親切にすればいいのに、と思ったりもしたけれど、それもまた難しいんだよね。青年には何があったのだろうと気になった。

バスのチキンレースも時計屋の交渉も、どこか斜に構えて見ている著者の文章がクセになる。実際に自分が体験したら耐えられないだろうな、すごいなと思うような出来事ばかりで、尊敬が止まらない。

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2024年06月25日

Posted by ブクログ

テヘランで建築家の磯崎新夫妻と合うんですね。と言うかこの若造(当時)が磯崎新氏と交流が有った事にビビりました。その現地で出会うまでがフィクションのようなノンフィクション。当たり前ですがスマホの無い時代です。手紙と感だけで会えるもんなんですねー、いや、普通は無理だわw

旅っていいなあと思いつつ、こんな貧乏旅行は50歳の私には死にに行くようなもんですのでお断りいたします。読んでるだけで大満足。さあ、次の目的へレッツラゴー!

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2024年04月01日

Posted by ブクログ

今までの旅行記とくらべて熱量が落ちている。長旅で疲れているのが文章からひしひしと伝わってくる。それでもおもしろいことに変わりはなくてパキスタンの映画館や高速バスとかカマルの話とか印象に残る話もいくつかある。

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2024年02月22日

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