あらすじ
莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
本作の魅力は、まず何よりも登場人物ひとりひとりの造形が際立っている点にあると思う。
創作者特有の矜恃、他者の才能に向けられる嫉妬、そこ絡みつく恋情といった関係性が入り組んでおり、物語がいわゆるミステリー要素に依拠することなく、「スロウハイツの神様」の世界へ没入させられる。
終盤、チヨダ・コーキの過去が回想される局面では、それまで周到に張り巡らされてきた伏線が怒涛の如く回収される。その鮮やかな展開によって、彼が秘めてきたひとつの動機を軸に、何気ない場面のそれぞれが新たな意味を帯び、物語全体の構造が違う世界として見えてくる。結果として本作が極めて緻密に設計された物語であることを強く感じた。
表層的には和やかな主題でありながら、骨格としては正統派ミステリーであり、これぞ辻村深月という作品。
読後は物語世界から離れ難く、彼らの未来をずっと眺めていたいと感じた。
Posted by ブクログ
こんなに心が温まるストーリーは他にあるでしょうか?
あえてミステリーと言わせてもらいますが、殺人事件だけがミステリーではないことを、がっつり教えてもらいました。
伏線が色々な場所に散らばっています。
わかりやすいのや、想像しやすい伏線もありますが、回収時に登場人物の感情を足すことで、予想以上の結果を魅せてくれました。
キャラクターも個性があるし、最後の最後まで楽しませてもらいました。
Posted by ブクログ
伏線を回収する感動の嵐のような下巻でした。
自分の行動は誰かしらに影響を与えることになる。
その影響はプラスのものであってほしいと願いたくなりました。
Posted by ブクログ
上巻の伏線回収本
みんなの優しさが詰まっていて、もどかしい愛もしかり、狭い世界なのに、なぜか広くて、「あー、そうだったのかー。」と何度も思うところあった。
誰も死なないし、オススメしやすい本ダ。
Posted by ブクログ
後半にかけて伏線回収がどんどんあって読むスピードが上がっていった。あれはそういうことだったんだという連続で。
公輝が環のことをずっと追いかけていたのは確かにストーカーとも言えるかもだけど、愛だなと思った。
Posted by ブクログ
上巻は割とゆっくり話が進んでいたけど、下巻は一気に話が進んで行く感じでした。
下巻は気になって最後まで一気に読んでしまいました。
少し泣いたり、笑ったり、ほっこりしながら読みました。
Posted by ブクログ
上巻の伏線が回収されたり、登場人物の過去が明かされたりで、登場人物全員にさらに深みが出ていた!
全員のこれからの関係をまだ見たいと思えるような読後感だった
Posted by ブクログ
よかった!
上を読んだ時は、みんな絶妙に嫌な部分あるから絶対スロウハイツ住みたくないって思ったのに、今は住みたい。みんなが出て行くことにした時も切なかった…。
話として特にすごいなと思ったのは、矛盾とか無理なこじつけが一切ないこと。
例えば、自分が大好きな作家が自分を探してくれてたら、どんな理由があっても名乗り出るでしょって思ってたけど、母親が詐欺をして、そのことで学校でも、嘘つき!嘘つき!と言われてきたんだとしたら、たしかに名乗り出ることができない理由として納得感がある。あと私の予想は、環の性格だったら、自分の力でチヨダコーキに会えるところまで売れたいって思いそうだな、と思った。
あと、ダークウェルの作者が自分だとしたら、絶対みんなに自慢したいはずなのに、それをわざわざ隠すのは何故?と思ってたけど、狩野は過去の経験と、環が泣いてくれたことがあって、絶対に綺麗な話で売れたいと思ってたから、言いたくなかったんだなというのも理解できた。
最後少し悲しかったのは、正義とスーが結局ヨリを戻さなかったこと…。たしかに戻れる感じではなかったと思うし、話的に戻るべきとも思わないんだけど、やっぱり仲の良かったカップルが別れてそのままっていうのが切なくて辛い。
正義も未練は全然なさそうだし、もしあの時別れてなくてもいつかは別れてたのかな。
それとも、あのまま付き合ってたら今でもスーのこと大好きだったのかな。
別れたら段々好きじゃなくなるのは当然のことかもしれないけど、じゃあ本当の愛ってなんなんだろう…?
コウちゃんが環たちにケーキを渡して、走って逃げて、月を見ながら泣いたシーンは、私も泣いた。
すごくよかった。
再読はなさそうだけど、手元に置いておきたい本。
Posted by ブクログ
今年読んだ本の中で一番面白い(2025年11月時点)
読み終わった後も余韻が続いて、環とチヨダコーキへの愛おしさが止まらなかった…… スロウハイツの神様の世界にもっと浸っていたい気持ちになった。
下巻から畳み掛けるように伏線回収がきて、最後はページを捲る手が止まらないくらい夢中になれました。現実を忘れて物語の中に没頭できる貴重な時間でした。
最終章のチヨダコーキの過去は涙涙涙でした。
本当にいい作品だったなー。
近々また読み返すと思います。
Posted by ブクログ
これを読みまして…
久しぶりに読む手が止まらなくて、「読むの疲れた…」ともならなくて、夢中になってあっという間に読み進めてた!!!!!!
そして私は最近『ロウ・アート』、見くびってたなとなった。
自分を殴りたい。
『ロウ•アート』って何?って話だけど、欧州の方では元々伝統的には『ハイ・アート』=「オペラとか演劇とか絵画とか、一定の教養がいるような作品」と『ロウ•アート』=「労働者階級にも親しまれる大衆的なカルチャー」っていう線引きがしっかりとあった。階級社会だけに。(今ではアンディ・ウォーホルのポップアートの時代を通してなくなったけど。でもそう言われつつも、何処かで区別しちゃう人もまだまだいると思う。私もその嫌な人になりかけてしまう。)
でも日本ではとても良い意味で、サブカルとかカルチャー・芸術とかの境界線が曖昧だなと思っていて。
思っていてというか、学生時代に芸術家の村上隆さんの文章を読んで、彼が作った『スーパーフラット』という言葉がとても印象に残った。(村上隆さんは作品そのものよりも、文章がとても上手くてすごく惹かれる!笑)
日本の芸術やカルチャーには、「日本の伝統美術の平面性や、アニメ・漫画の表現形式を融合」させたアートの動向=『スーパーフラット』があるって言ってるんですよ!!
それがとっても面白いと思っていて!!
長くなりましたが、この小説を通して感じたことは、何が『ハイ・アート』だとか、何が『ロウ•アート』だとか、そんなん関係なく、サブカルも“高尚“なカルチャーも、良い作品は素晴らしいし、その裏で魂込めて作るプロたちはかっこいいし、人間にしかない、何かを「作る」ということは見事だってことです!!!
読み終わった今、大量のありとあらゆるジャンルの『作品』を摂取したくて堪らない!!
アニメ、漫画、映画、小説、絵画、演劇などなど。
人間には『物語』が必要!!創作物が必要!!
だから、作る方々ありがとうございます!!!
自らの命を削って作ってくれてありがとうございます!
お陰で人生が潤います!!!
という気持ちでいっぱい。
辻村深月さんのエッセイ、装丁が名久井さんというもあるけど、すぐ買いました。
辻村深月さんが好きなものを沢山知りたい!
私の人生の楽しみ方がぐんと増えるきっかけになる本でした!!!
Posted by ブクログ
怒涛の伏線回収、後半は読み進める手が止まらない、、、
環の叶わぬ恋(もはや愛)切なくてたまらないと思っていたが、千代田の過去編で度肝抜かれた。
蓋を開けてみればスロウハイツメンバーの中で凡才だったのはエンヤだけだったね、、
家庭を持ちながら叶わぬ夢を持ち続けるエンヤ、、
でも夢は追いかければ追いかけるほど叶った時の感動は大きいんだもんね、頑張れ!エンヤ!
カリノもエンヤ側の人間かと思いきや、、、
スロウハイツメンバーが解散になったときは、高校を卒業したときくらいの喪失感に襲われました。このメンバー達の日常エピソードだけで小説一本読めるわ、、、
伏線回収すごい。
最近この作者さんの作品を追いかけてるので、よんでみました。
人の死なないミステリーが好きで、後編は読むページが止まらなかったです。あれもこれもあのセリフまで伏線。あっという間に終わってしまって、まだまだよんでいたい気持ちでいっぱいです。
スロウハイツの神様
かつて藤子不二雄や手塚治虫が過ごした「トキワ荘」をモチーフにした作品です。下巻は怒涛の展開で一気に読み進めました。伏線の回収もあってスッキリ!素敵な結末で幸せな気分に浸りました。
青春です
何だか久しぶりに思い出した、若い頃の記憶。何にも上手くいかなくて、自分を表現することが怖くて下手くそだった頃。私はエンヤの事が最初イマイチ好きになれなかったけど、それは過去の自分にちょっと似ていたから。コウちゃんが不器用ながらも環姉妹のためにやった行動が明かされていく終盤、グッときました。良かったです。
Posted by 読むコレ
上巻で散りばめられた伏線を一気に回収してかなり爽快感があります。
悪人は一人も出てこなくてとても心温まります。
そして…
千代田光輝のなんとも言えない不器用さと優しさの混じった人間性がたまりません!
じんわり涙が( ; ; )
千代田光輝のファンになってしまいました。
下巻を読み終わった後にもう一度上巻を読み直すと、最初は特に意味のないと思って読み飛ばしていたことに意味があったり、何度も楽しめます。
辻村深月さんの本の中で一番好きな作品です。
Posted by ブクログ
上巻は正直、スロウハイツの住人の関係だとか時系列が分かりづらく読み進めていくのも少し辛かったのですが、下巻で全ての伏線が回収されスッキリしました。
Posted by ブクログ
最後まで読んでよかった、、
約半年前に上を読み終わり、正直下をなかなか読む気にならなかったけど、下の最終章が特に。全部結びつく感じがスッキリ、分かりやすくて好きだった。
やっぱり辻村さんの作品読みやすいなあと思う。
駅で姉妹を見守るシーンがじんわり、良かった
Posted by ブクログ
途中、泣きながら読んだ。
一方通行が交差する美しい世界。
コーキのあの言葉の回収が凄かった。
読み終わった後、もう1回上巻にもどらないわけにはいかなかった。
美しい···。
やっぱもう1回読もう。
Posted by ブクログ
後半にいくにつれてだんだん伏線回収していくところが読んでいて気持ちよかった。環の芯の強さとすこし見栄っ張りで人間くさいところ、チヨダコーキの謙虚さと優しさが好きだった。
Posted by ブクログ
この物語の静かな深さに心を打たれた。
スロウハイツという場所が家族のように感じられ、そこに住む人々の繊細な心の動きが丁寧に描かれている。物語は派手な事件ではなく、日常の中にある葛藤と優しさをじっくりと紡ぎ出している。特に主人公たちの内面の揺れや成長がリアルで、自分の家族や人間関係を見つめ直すきっかけになった。伏線が巧みに張られていて、最後に感動的な収束を迎える構成には驚かされた。読み返すごとに新しい発見があり、心の奥まで響く作品だと実感した。
辻村作品のスゴロクもあるようなので、今度はぜひその順で読んでみたいです。
Posted by ブクログ
読むのが大変だった上巻とはうってかわって、伏線が回収されていく下巻は読むのが楽しかったー!丁寧に描いてくれているおかげでだいたいは予想通りだったけれど、予想を超える感動を得られました。
山登りに似ているかも。上りは険しくて挫けそうになるけど、それがあるから頂上から見る景色は感動するし、登ってきた道も上から振り返ると新たな発見がある、みたいな。
Posted by ブクログ
良かった!暫くは上巻同様、各人物描写中心ではあるものの、ちょっとずつ動きが出てきます。スロウハイツ住人の人となりがわかってきたというか、入り込んでいける感じが徐々にしてきました。そして、中盤から最後にかけては、話の展開が急加速的に進んでいった印象。結果的に最終章がとても良かった。この最終話を読む為に読み進めてきたと言っても過言ではないかと、、散りばめられている伏線をしっかり回収した感じです。個人的にはちょっと長かったなという印象は否めません。
Posted by ブクログ
下巻の途中から物語が一気に動き出し、環ちゃんとコーキの関係性が語られる。上巻では敢えて描かれなかった二人の人間味が紐解かれて思わずほろっとしてしまいました。黒木自身と黒木目線のコーキのことも読んでみたい。
Posted by ブクログ
上巻で張られていた伏線を怒涛の勢いで回収してくれる。
公輝が実はめちゃくちゃストーカーだったのがなんかおもしろい。環の片想いだと思ってたら、実は公輝が先に環のことを想っていたという環と公輝の関係が尊くていい。公輝を救った手紙の主だと名乗りでないのも、ダメ男と付き合っちゃうのも、異常なプライドの高さも、難儀な性格だけど愛らしい部分なのかもしれない。
夢を追って下積みをしていると思っていた狩野が高額納税者だったとわかったシーンで、勝手に裏切られた気分になった。
成功者が何人も出てきたスロウハイツの中で、まだ夢を追っているスーやエンヤの存在はリアルだなと思う。2人とも現実を生きながら前向きに夢に向かっているのはうれしい。
拝島さんは結局どうなったんだろう?環の本心を知って身を引いたのかな。
莉々亜があまりにも悪役だったな。結局事件に巻き込まれたクラスメートは好きでもないんかいっていう。
黒木さんが公輝と一緒にオズのケーキを食べるシーンが好き。黒木さんは計算高くて冷たい印象だけど、公輝に対して友情のような気持ちはちゃんとあるんだなと思って微笑ましくなった。
長い双方向片思いの末に
最後は愛、で締めますか。しかも急展開、なようでいて、実はそれまでの全てが最終話の振りだったと。
最初はトキワ荘のような、作家の卵の集まるアパートでの個性的な住人にそれぞれ降り掛かる悲喜こもごもの人生劇場を描いてるのかな、と思ってたら、あら不思議。まるで関係ないように思えた1つ1つの小さなお話が、最後にミステリー小説の謎が解ける瞬間のように1つに繋がっていく、辻村深月小説の醍醐味、最終話での大どんでん返しが待ってます。
上巻は盛り上がり処に欠け、主人公の環にも共感できず、そんなに面白くないなと思ってたら、下巻になってからストーリーが深くなっていき、一気に面白くなってきます。なので最後まで読み切って欲しいです。
Posted by ブクログ
下巻。一気に読み切ってしまった。
途中からはこの物語の終わりを観たくない思いだったが、
それでも止まらず一気に終わりを迎えてしまった。
チヨダ・コーキという男。天才小説家として名を馳せた彼だが、
物語の中の実在の彼は、とても好感の持てる人の好さだった。
だからこそ、読んでいて彼の心情にドギマギしたのだが、
それはこちらの勝手な解釈であったのが最後にわかった。
ちくしょう。最後の最後で彼に全て持って行かれた。
どこまでも格好良くて、どこまでも強い男だった。
伏線の回収もお見事。やはり物語を語る上で、伏線というものは
ある種のスパイスのようなものなのだろう。
かけ過ぎて、味がわからなくなる作品も多々ある。
それこそ、もろ刃の剣の様な、そのような危険性もはらんでいる。
だがしかし、この作品においての伏線は最高のスパイスだった。
特にこれといったミステリーでいうトリックがあるわけではない。
それでも、心地よいのはたくさんの愛情がそこに含まれていたからだ。
この作品を語る上で、何が必要なのか考えてみる。
陳腐な言葉しか浮かばないのだが、やはり愛というやつではなかろうか。
ここまで、愛おしいという気持ちを代弁する作品はそうそう無いだろう。
ここまで愛情という、時には物語にとって陳腐になるものを、
惜しみなく注ぐその強さに感激した。素敵なことではないだろうか。
Posted by ブクログ
今月のオーディオブル5冊目。
登場人物1人1人の掘り下げが大変丁寧。
ハチクロみたいだな〜と思いながら聞いてた。
辻村美月なのでミステリーやファンタジーを内心求めてたので若干眠くなってしまったけど、きっとドラマにしたらすごい映えるだろうなと思った。
コーキの天使ちゃんとタイトルの神様は双になってたのね〜
住人たちの生活を描いたほのぼの小説かと思いきや壮大なビッグラブストーリーだった。
Posted by ブクログ
物語の舞台は、脚本家、漫画家、画家といった、表現を切望する若きクリエイターたちが集うシェアハウス「スロウハイツ」。 そこは、世俗の喧騒から隔絶された「表現者のための聖域」です。しかし、単なる青春群像劇だと思って読み進めると、結構裏切られる。ここで描かれるのは、和気あいあいとした共同生活だけではなく、さまざまな人間模様や、人生の苦しみも感じられます。これらが、辻村深月特有の繊細かつ鋭利な筆致で、緻密に編み上げられています。
個人的には展開がゆっくりで、読み進めるのが少し疲れるような内容でしたね。
Posted by ブクログ
幹永舞と鼓動チカラの正体とか、全員で環を助けるシーンとかはとても良かった。
エピローグも、締めとしてとても良い。
ただ、詰め込みすぎに感じる。
これは辻村深月さんの初期作品ほぼ全てに言えるけど。
ほぼ全員のエピソードをその人主観で丁寧に。それはすごいんだけど、主軸がわかりにくくなるし、長くなる。
既出の話に再度触れるため、引用。それが多いのも毎回長長編になる要因じゃなかろうか。
今回は登場人物にあまり心惹かれなかった。
環もスーも加々美も黒木さんも好きじゃない。特にスーはすごく嫌い。
チヨダコーキは好きだった。
「チヨダ・コーキはいつか、抜ける。」
この言葉の意味が最初全然わからなかった。さすがに説明不足じゃなかろうか。
Posted by ブクログ
芸術家はめんどうだな
売れるためなら色々と裏工作
大人になるのを支える文学
莉々亜はニセモノ チヨダ コーキ鼓動チカラ
各務(カガミ)環 赤羽環 公輝が全て仕組んでいた 『お久しぶりです』