あらすじ
莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
青春の時代が過ぎた自分が読んでも十分面白い。何者でもない自分が何者かになるため苦労し、涙し、同年代の活躍に嫉妬したあの頃を思い出す。そのような舞台のもとにミステリー的要素などがあり非常に読み応えのある一冊であった。読後の爽快感の余韻はしばらく続き、この年になってももう少し頑張ってみるかなと思わせてくれています。自分の娘がもう少し大きくなればこの本を読ませてあげたい。
Posted by ブクログ
とにかくたくさん好きなシーンがある小説。ただ、最終章での伏線回収がとにかく良かった。
公輝が高いテレビを買ってすぐに友人に譲ったことや、ケーキばっかり食べてたことが繋がっていくのがすごく良い。
黒木さんが一緒にケーキ食べてくれるのも好き。なんだかんだでこの2人の関係性が親友な所が面白い。
(can/ableは難しすぎる笑)
全体を通してスロウハイツの住人1人1人が上巻から丁寧に描かれていて、非常に魅力的だった。
作家が集まったアパートでの物語らしい正義の最後のセリフも良かった。
「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛なんだよね」
Posted by ブクログ
個人的には人生でも上位に入るくらい好きだった。
恩田陸のネバーランドが高校時代にとても刺さったのだが、それの大人バージョンだなと個人的には感じた。あるいは容疑者Xの献身的な要素もあり。
ジャンルとしてはミステリでもあり青春群像劇とも言えるし。とはいえミステリを求めるなら多分違う(やっぱりそうね、とかこの記述ってもしかして?通りに基本的にはなる)
とはいえシェアハウスという閉じられた環境で進行していく事態は緊張感もある一方で青春の楽しさみたいなのも味わせてくれるので一気読みできるし、伏線回収で描かれるドラマは感動的で美しいなと個人的には感じた。
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ良かった、泣いた!!
1つの家に暮らす登場人物の背景や個性が丁寧に描かれていて、それぞれに愛着が湧く。
そして伏線回収のされ方や、見えない部分での物語の交差が美しい…!!
公輝のあの事件後、2年も廃人になっていた彼に光を与えたのが、環だった。彼女の純粋で切実な想いとそれによる行動。そしてそれを知って、自分が出来る精一杯を陰ながら行動に起こして環の生活に光を与えていたのが、公輝だった。
会ったこともない人気作家に、そして自分の存在を伝えることができない一人の少女への純粋な愛情が、ここまで双方に活力を与えてくれるのかというのにも心打たれた。
そして、思いもよらない再会による「お久しぶりです」という一言が後に引っ張られながらも、共に暮らしを交えた時間を経て、全く違った捉え方をされる形で、再度使われる。
再会後の自然な流れに思えたメールでのやりとりや、一緒に住むことになったこと、同居の中で明らかに他の入居者とは違うお互いの特別な想い合い…
そして、公輝の偽物により公輝が傷つくことを避けるために、隠れて自身の身を粉にして代替案に行動を移す環の姿に、めちゃめちゃ好きじゃんと胸を打たれた。
あのトラウマになったシーンを想像して環が急いで家に駆けつけ、公輝の前で初めて涙を見せながら、ただただ相手のことだけを想う言葉を洩らす姿を、真っ直ぐ見つめて言葉を返し、頭に手を添える公輝。目の前で自分を想って涙を流す相手こそが、10年前にまさにその状況から救ってくれた相手だということも知っていたのかと思うと…!!
環がアメリカに行くのも、あの時の公輝を救ったのが「アカデミー賞を取った日本人俳優」だったことがキッカケで、書くのが大好きなことはもちろんだが、人生を前に進める最も影響のあるものが、環にとってはコウちゃんなんだと。
そして、実は環をキッカケに執筆再開の要になった「マディ」は、まさに環を想ってつくられたキャラクター。日本で別れる前も、マディのつけている指輪を想起する宝石の指輪をつけた指を公輝の前に出すことも躊躇っていたくらい純粋な想いを持つ環が、この作品の実写映画の脚本家としてコウちゃん本人からアメリカに逢いに来てオファーをもらえるという最期。そして再会の言葉は、「お久しぶりです」。
あらゆる物語のテーマは、結局愛だよね。
はぁ、めちゃくちゃ良かった。
Posted by ブクログ
上巻であんなにも楽しくて平穏だったスロウハイツに次々と変化が。え、それも伏線だったの?の連続。見事。終始あまり感情を見せないと思っていたコーキの後半の激情に心打たれた。スーと正義はお互いに自立した姿で、よりを戻してほしかったな、環とエンヤの心からの再会をみたかったな、という気持ちもちょっぴり。でも全体的に満足のいく結末だった。全員が大成して、それぞれの幸せを掴んでほしいな、と描かれていない行く末を願う作品。
Posted by ブクログ
2026.2.23
特に物語後半のたたみかけるような辻褄合わせのストーリー。上下の長編小説ですが飽きることなく読み込みました。
どうしよう、辻村深月さんにはまってしまったかもしれない・・・。なぜかこれまで読んでこなかった辻村作品、他にも読みたくなりました。
Posted by ブクログ
環とコーキの関係性が悲しいながらも ちゃんと強まっていく感じや、頼りなさげな コーキが実はめっちゃ男前だったり、 ほかのスロウハイツの住人もみんな素敵。 チヨダコーキのVTRも読んじゃいました 読んだ後ほっこりできる作品でした
Posted by ブクログ
長編物語ようやく読み終わった。
登場人物の過去も詳しく表現されていて…ちゃんと繋がってる。読み進めるうちに早く最後知りたいのに、読むのがちょっと辛い部分もあったり勝手に物語に感情移入しちゃってたり。辻村ワールドだと読み終わってスッキリした。伏線回収でえって驚かされたり、そうすると物語が繋がっていき…何年ぶりかの再読だったけど、無の状態から読み始めて物語にどっぷり浸かって最後読み終えることが出来た。やっぱり買い直してよかった作品。
Posted by ブクログ
本作の魅力は、まず何よりも登場人物ひとりひとりの造形が際立っている点にあると思う。
創作者特有の矜恃、他者の才能に向けられる嫉妬、そこ絡みつく恋情といった関係性が入り組んでおり、物語がいわゆるミステリー要素に依拠することなく、「スロウハイツの神様」の世界へ没入させられる。
終盤、チヨダ・コーキの過去が回想される局面では、それまで周到に張り巡らされてきた伏線が怒涛の如く回収される。その鮮やかな展開によって、彼が秘めてきたひとつの動機を軸に、何気ない場面のそれぞれが新たな意味を帯び、物語全体の構造が違う世界として見えてくる。結果として本作が極めて緻密に設計された物語であることを強く感じた。
表層的には和やかな主題でありながら、骨格としては正統派ミステリーであり、これぞ辻村深月という作品。
読後は物語世界から離れ難く、彼らの未来をずっと眺めていたいと感じた。
Posted by ブクログ
こんなに心が温まるストーリーは他にあるでしょうか?
あえてミステリーと言わせてもらいますが、殺人事件だけがミステリーではないことを、がっつり教えてもらいました。
伏線が色々な場所に散らばっています。
わかりやすいのや、想像しやすい伏線もありますが、回収時に登場人物の感情を足すことで、予想以上の結果を魅せてくれました。
キャラクターも個性があるし、最後の最後まで楽しませてもらいました。
Posted by ブクログ
伏線を回収する感動の嵐のような下巻でした。
自分の行動は誰かしらに影響を与えることになる。
その影響はプラスのものであってほしいと願いたくなりました。
Posted by ブクログ
上巻の伏線回収本
みんなの優しさが詰まっていて、もどかしい愛もしかり、狭い世界なのに、なぜか広くて、「あー、そうだったのかー。」と何度も思うところあった。
誰も死なないし、オススメしやすい本ダ。
Posted by ブクログ
後半にかけて伏線回収がどんどんあって読むスピードが上がっていった。あれはそういうことだったんだという連続で。
公輝が環のことをずっと追いかけていたのは確かにストーカーとも言えるかもだけど、愛だなと思った。
Posted by ブクログ
上巻は割とゆっくり話が進んでいたけど、下巻は一気に話が進んで行く感じでした。
下巻は気になって最後まで一気に読んでしまいました。
少し泣いたり、笑ったり、ほっこりしながら読みました。
Posted by ブクログ
上巻の伏線が回収されたり、登場人物の過去が明かされたりで、登場人物全員にさらに深みが出ていた!
全員のこれからの関係をまだ見たいと思えるような読後感だった
伏線回収すごい。
最近この作者さんの作品を追いかけてるので、よんでみました。
人の死なないミステリーが好きで、後編は読むページが止まらなかったです。あれもこれもあのセリフまで伏線。あっという間に終わってしまって、まだまだよんでいたい気持ちでいっぱいです。
スロウハイツの神様
かつて藤子不二雄や手塚治虫が過ごした「トキワ荘」をモチーフにした作品です。下巻は怒涛の展開で一気に読み進めました。伏線の回収もあってスッキリ!素敵な結末で幸せな気分に浸りました。
青春です
何だか久しぶりに思い出した、若い頃の記憶。何にも上手くいかなくて、自分を表現することが怖くて下手くそだった頃。私はエンヤの事が最初イマイチ好きになれなかったけど、それは過去の自分にちょっと似ていたから。コウちゃんが不器用ながらも環姉妹のためにやった行動が明かされていく終盤、グッときました。良かったです。
Posted by 読むコレ
上巻で散りばめられた伏線を一気に回収してかなり爽快感があります。
悪人は一人も出てこなくてとても心温まります。
そして…
千代田光輝のなんとも言えない不器用さと優しさの混じった人間性がたまりません!
じんわり涙が( ; ; )
千代田光輝のファンになってしまいました。
下巻を読み終わった後にもう一度上巻を読み直すと、最初は特に意味のないと思って読み飛ばしていたことに意味があったり、何度も楽しめます。
辻村深月さんの本の中で一番好きな作品です。
Posted by ブクログ
「コーキの天使ちゃん」であることを匂わせて入居した加賀美と時期を同じくして、突如売れ始めた模倣作家の鼓動チカラ。暗躍する黒木と、何かおかしいと気づく環。なぜ環はおかしいと気づくことができたのか、そして「コーキの天使ちゃん」は誰なのかーーー。
環の過去の回想や、コーキと環の出会いのシーンにまで遡り、何でもない描写の端々に張り巡らされた伏線が回収され、気持ちよかった。誰も不幸せになってほしくない作品だったので、とても前向きなラストで非常に安心した。
Posted by ブクログ
上の伏線も下の伏線も全部回収するのに話の濃度が濃い
時系列が行ったり来たりするから自分で整理しながら読む必要がある
途中で伏線がどうやって回収されていくかなんとなく検討つけながら読めた
多分環は自分と似ている
Posted by ブクログ
ヒューマンドラマでもあり恋愛小説でもありミステリでもあり、非常に楽しめる作品。これほど綺麗に伏線回収されるとは、お見事、圧巻!伏線だと気づかないほどの細かなセリフやエピソードも、しっかり最後に回収される緻密さ。辻村作品はやっぱり面白い。
Posted by ブクログ
上巻は正直、スロウハイツの住人の関係だとか時系列が分かりづらく読み進めていくのも少し辛かったのですが、下巻で全ての伏線が回収されスッキリしました。
Posted by ブクログ
最後まで読んでよかった、、
約半年前に上を読み終わり、正直下をなかなか読む気にならなかったけど、下の最終章が特に。全部結びつく感じがスッキリ、分かりやすくて好きだった。
やっぱり辻村さんの作品読みやすいなあと思う。
駅で姉妹を見守るシーンがじんわり、良かった
Posted by ブクログ
途中、泣きながら読んだ。
一方通行が交差する美しい世界。
コーキのあの言葉の回収が凄かった。
読み終わった後、もう1回上巻にもどらないわけにはいかなかった。
美しい···。
やっぱもう1回読もう。
Posted by ブクログ
後半にいくにつれてだんだん伏線回収していくところが読んでいて気持ちよかった。環の芯の強さとすこし見栄っ張りで人間くさいところ、チヨダコーキの謙虚さと優しさが好きだった。
Posted by ブクログ
上巻で張られていた伏線を怒涛の勢いで回収してくれる。
公輝が実はめちゃくちゃストーカーだったのがなんかおもしろい。環の片想いだと思ってたら、実は公輝が先に環のことを想っていたという環と公輝の関係が尊くていい。公輝を救った手紙の主だと名乗りでないのも、ダメ男と付き合っちゃうのも、異常なプライドの高さも、難儀な性格だけど愛らしい部分なのかもしれない。
夢を追って下積みをしていると思っていた狩野が高額納税者だったとわかったシーンで、勝手に裏切られた気分になった。
成功者が何人も出てきたスロウハイツの中で、まだ夢を追っているスーやエンヤの存在はリアルだなと思う。2人とも現実を生きながら前向きに夢に向かっているのはうれしい。
拝島さんは結局どうなったんだろう?環の本心を知って身を引いたのかな。
莉々亜があまりにも悪役だったな。結局事件に巻き込まれたクラスメートは好きでもないんかいっていう。
黒木さんが公輝と一緒にオズのケーキを食べるシーンが好き。黒木さんは計算高くて冷たい印象だけど、公輝に対して友情のような気持ちはちゃんとあるんだなと思って微笑ましくなった。
長い双方向片思いの末に
最後は愛、で締めますか。しかも急展開、なようでいて、実はそれまでの全てが最終話の振りだったと。
最初はトキワ荘のような、作家の卵の集まるアパートでの個性的な住人にそれぞれ降り掛かる悲喜こもごもの人生劇場を描いてるのかな、と思ってたら、あら不思議。まるで関係ないように思えた1つ1つの小さなお話が、最後にミステリー小説の謎が解ける瞬間のように1つに繋がっていく、辻村深月小説の醍醐味、最終話での大どんでん返しが待ってます。
上巻は盛り上がり処に欠け、主人公の環にも共感できず、そんなに面白くないなと思ってたら、下巻になってからストーリーが深くなっていき、一気に面白くなってきます。なので最後まで読み切って欲しいです。
Posted by ブクログ
下巻。一気に読み切ってしまった。
途中からはこの物語の終わりを観たくない思いだったが、
それでも止まらず一気に終わりを迎えてしまった。
チヨダ・コーキという男。天才小説家として名を馳せた彼だが、
物語の中の実在の彼は、とても好感の持てる人の好さだった。
だからこそ、読んでいて彼の心情にドギマギしたのだが、
それはこちらの勝手な解釈であったのが最後にわかった。
ちくしょう。最後の最後で彼に全て持って行かれた。
どこまでも格好良くて、どこまでも強い男だった。
伏線の回収もお見事。やはり物語を語る上で、伏線というものは
ある種のスパイスのようなものなのだろう。
かけ過ぎて、味がわからなくなる作品も多々ある。
それこそ、もろ刃の剣の様な、そのような危険性もはらんでいる。
だがしかし、この作品においての伏線は最高のスパイスだった。
特にこれといったミステリーでいうトリックがあるわけではない。
それでも、心地よいのはたくさんの愛情がそこに含まれていたからだ。
この作品を語る上で、何が必要なのか考えてみる。
陳腐な言葉しか浮かばないのだが、やはり愛というやつではなかろうか。
ここまで、愛おしいという気持ちを代弁する作品はそうそう無いだろう。
ここまで愛情という、時には物語にとって陳腐になるものを、
惜しみなく注ぐその強さに感激した。素敵なことではないだろうか。
Posted by ブクログ
今月のオーディオブル5冊目。
登場人物1人1人の掘り下げが大変丁寧。
ハチクロみたいだな〜と思いながら聞いてた。
辻村美月なのでミステリーやファンタジーを内心求めてたので若干眠くなってしまったけど、きっとドラマにしたらすごい映えるだろうなと思った。
コーキの天使ちゃんとタイトルの神様は双になってたのね〜
住人たちの生活を描いたほのぼの小説かと思いきや壮大なビッグラブストーリーだった。
Posted by ブクログ
物語の舞台は、脚本家、漫画家、画家といった、表現を切望する若きクリエイターたちが集うシェアハウス「スロウハイツ」。 そこは、世俗の喧騒から隔絶された「表現者のための聖域」です。しかし、単なる青春群像劇だと思って読み進めると、結構裏切られる。ここで描かれるのは、和気あいあいとした共同生活だけではなく、さまざまな人間模様や、人生の苦しみも感じられます。これらが、辻村深月特有の繊細かつ鋭利な筆致で、緻密に編み上げられています。
個人的には展開がゆっくりで、読み進めるのが少し疲れるような内容でしたね。
Posted by ブクログ
幹永舞と鼓動チカラの正体とか、全員で環を助けるシーンとかはとても良かった。
エピローグも、締めとしてとても良い。
ただ、詰め込みすぎに感じる。
これは辻村深月さんの初期作品ほぼ全てに言えるけど。
ほぼ全員のエピソードをその人主観で丁寧に。それはすごいんだけど、主軸がわかりにくくなるし、長くなる。
既出の話に再度触れるため、引用。それが多いのも毎回長長編になる要因じゃなかろうか。
今回は登場人物にあまり心惹かれなかった。
環もスーも加々美も黒木さんも好きじゃない。特にスーはすごく嫌い。
チヨダコーキは好きだった。
「チヨダ・コーキはいつか、抜ける。」
この言葉の意味が最初全然わからなかった。さすがに説明不足じゃなかろうか。