あらすじ
莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
とにかくたくさん好きなシーンがある小説。ただ、最終章での伏線回収がとにかく良かった。
公輝が高いテレビを買ってすぐに友人に譲ったことや、ケーキばっかり食べてたことが繋がっていくのがすごく良い。
黒木さんが一緒にケーキ食べてくれるのも好き。なんだかんだでこの2人の関係性が親友な所が面白い。
(can/ableは難しすぎる笑)
全体を通してスロウハイツの住人1人1人が上巻から丁寧に描かれていて、非常に魅力的だった。
作家が集まったアパートでの物語らしい正義の最後のセリフも良かった。
「まぁ、なんていうか。あらゆる物語のテーマは結局愛なんだよね」
Posted by ブクログ
めちゃめちゃ良かった、泣いた!!
1つの家に暮らす登場人物の背景や個性が丁寧に描かれていて、それぞれに愛着が湧く。
そして伏線回収のされ方や、見えない部分での物語の交差が美しい…!!
公輝のあの事件後、2年も廃人になっていた彼に光を与えたのが、環だった。彼女の純粋で切実な想いとそれによる行動。そしてそれを知って、自分が出来る精一杯を陰ながら行動に起こして環の生活に光を与えていたのが、公輝だった。
会ったこともない人気作家に、そして自分の存在を伝えることができない一人の少女への純粋な愛情が、ここまで双方に活力を与えてくれるのかというのにも心打たれた。
そして、思いもよらない再会による「お久しぶりです」という一言が後に引っ張られながらも、共に暮らしを交えた時間を経て、全く違った捉え方をされる形で、再度使われる。
再会後の自然な流れに思えたメールでのやりとりや、一緒に住むことになったこと、同居の中で明らかに他の入居者とは違うお互いの特別な想い合い…
そして、公輝の偽物により公輝が傷つくことを避けるために、隠れて自身の身を粉にして代替案に行動を移す環の姿に、めちゃめちゃ好きじゃんと胸を打たれた。
あのトラウマになったシーンを想像して環が急いで家に駆けつけ、公輝の前で初めて涙を見せながら、ただただ相手のことだけを想う言葉を洩らす姿を、真っ直ぐ見つめて言葉を返し、頭に手を添える公輝。目の前で自分を想って涙を流す相手こそが、10年前にまさにその状況から救ってくれた相手だということも知っていたのかと思うと…!!
環がアメリカに行くのも、あの時の公輝を救ったのが「アカデミー賞を取った日本人俳優」だったことがキッカケで、書くのが大好きなことはもちろんだが、人生を前に進める最も影響のあるものが、環にとってはコウちゃんなんだと。
そして、実は環をキッカケに執筆再開の要になった「マディ」は、まさに環を想ってつくられたキャラクター。日本で別れる前も、マディのつけている指輪を想起する宝石の指輪をつけた指を公輝の前に出すことも躊躇っていたくらい純粋な想いを持つ環が、この作品の実写映画の脚本家としてコウちゃん本人からアメリカに逢いに来てオファーをもらえるという最期。そして再会の言葉は、「お久しぶりです」。
あらゆる物語のテーマは、結局愛だよね。
はぁ、めちゃくちゃ良かった。
Posted by ブクログ
上巻であんなにも楽しくて平穏だったスロウハイツに次々と変化が。え、それも伏線だったの?の連続。見事。終始あまり感情を見せないと思っていたコーキの後半の激情に心打たれた。スーと正義はお互いに自立した姿で、よりを戻してほしかったな、環とエンヤの心からの再会をみたかったな、という気持ちもちょっぴり。でも全体的に満足のいく結末だった。全員が大成して、それぞれの幸せを掴んでほしいな、と描かれていない行く末を願う作品。
Posted by ブクログ
後半にかけて伏線回収がどんどんあって読むスピードが上がっていった。あれはそういうことだったんだという連続で。
公輝が環のことをずっと追いかけていたのは確かにストーカーとも言えるかもだけど、愛だなと思った。
青春です
何だか久しぶりに思い出した、若い頃の記憶。何にも上手くいかなくて、自分を表現することが怖くて下手くそだった頃。私はエンヤの事が最初イマイチ好きになれなかったけど、それは過去の自分にちょっと似ていたから。コウちゃんが不器用ながらも環姉妹のためにやった行動が明かされていく終盤、グッときました。良かったです。
Posted by ブクログ
「コーキの天使ちゃん」であることを匂わせて入居した加賀美と時期を同じくして、突如売れ始めた模倣作家の鼓動チカラ。暗躍する黒木と、何かおかしいと気づく環。なぜ環はおかしいと気づくことができたのか、そして「コーキの天使ちゃん」は誰なのかーーー。
環の過去の回想や、コーキと環の出会いのシーンにまで遡り、何でもない描写の端々に張り巡らされた伏線が回収され、気持ちよかった。誰も不幸せになってほしくない作品だったので、とても前向きなラストで非常に安心した。