【感想・ネタバレ】スロウハイツの神様(下)のレビュー

あらすじ

莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に128通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った1人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った1つの荷物が彼らの時間を動かし始める。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

よかった!
上を読んだ時は、みんな絶妙に嫌な部分あるから絶対スロウハイツ住みたくないって思ったのに、今は住みたい。みんなが出て行くことにした時も切なかった…。

話として特にすごいなと思ったのは、矛盾とか無理なこじつけが一切ないこと。
例えば、自分が大好きな作家が自分を探してくれてたら、どんな理由があっても名乗り出るでしょって思ってたけど、母親が詐欺をして、そのことで学校でも、嘘つき!嘘つき!と言われてきたんだとしたら、たしかに名乗り出ることができない理由として納得感がある。あと私の予想は、環の性格だったら、自分の力でチヨダコーキに会えるところまで売れたいって思いそうだな、と思った。
あと、ダークウェルの作者が自分だとしたら、絶対みんなに自慢したいはずなのに、それをわざわざ隠すのは何故?と思ってたけど、狩野は過去の経験と、環が泣いてくれたことがあって、絶対に綺麗な話で売れたいと思ってたから、言いたくなかったんだなというのも理解できた。

最後少し悲しかったのは、正義とスーが結局ヨリを戻さなかったこと…。たしかに戻れる感じではなかったと思うし、話的に戻るべきとも思わないんだけど、やっぱり仲の良かったカップルが別れてそのままっていうのが切なくて辛い。
正義も未練は全然なさそうだし、もしあの時別れてなくてもいつかは別れてたのかな。
それとも、あのまま付き合ってたら今でもスーのこと大好きだったのかな。
別れたら段々好きじゃなくなるのは当然のことかもしれないけど、じゃあ本当の愛ってなんなんだろう…?

コウちゃんが環たちにケーキを渡して、走って逃げて、月を見ながら泣いたシーンは、私も泣いた。
すごくよかった。

再読はなさそうだけど、手元に置いておきたい本。

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2025年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

今年読んだ本の中で一番面白い(2025年11月時点)
読み終わった後も余韻が続いて、環とチヨダコーキへの愛おしさが止まらなかった…… スロウハイツの神様の世界にもっと浸っていたい気持ちになった。
下巻から畳み掛けるように伏線回収がきて、最後はページを捲る手が止まらないくらい夢中になれました。現実を忘れて物語の中に没頭できる貴重な時間でした。
最終章のチヨダコーキの過去は涙涙涙でした。
本当にいい作品だったなー。
近々また読み返すと思います。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

怒涛の伏線回収、後半は読み進める手が止まらない、、、
環の叶わぬ恋(もはや愛)切なくてたまらないと思っていたが、千代田の過去編で度肝抜かれた。
蓋を開けてみればスロウハイツメンバーの中で凡才だったのはエンヤだけだったね、、
家庭を持ちながら叶わぬ夢を持ち続けるエンヤ、、
でも夢は追いかければ追いかけるほど叶った時の感動は大きいんだもんね、頑張れ!エンヤ!
カリノもエンヤ側の人間かと思いきや、、、
スロウハイツメンバーが解散になったときは、高校を卒業したときくらいの喪失感に襲われました。このメンバー達の日常エピソードだけで小説一本読めるわ、、、

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2025年10月09日

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ネタバレ



辻村深月には、いつも"してやられる"
読み終わった時の、やるせなさ。もどかしさ。

登場人物みんながとても愛情深い。
それでいて、噛み合わない、すれ違うことばかり。
それぞれが想っている愛や気持ちは、ほんの1ミリも伝わっていないことばかり。
どうしてこんなに想っているのに、当の本人は事実を知らないんだろう。
それがとてつもなくやるせないのに、それでも良い、それでも彼らの愛情は嘘でも無駄でもないんだと感じられるのが不思議。

作品を通して、チヨダコーキは終始、無知で無垢で、作品を作ること以外生きることは苦手な人物として描かれる。恋愛や執着からは程遠いように見える彼こそが、この物語を動かしていたことがわかる終盤では鳥肌が立つ。

本人たちがどう想ってどんな行動をしていたか、それをお互いにいつか知る時が来たのかどうか、という部分には全く触れられない。それがもどかしい、でもそれでこそ美しく、リアルなところが、まさに辻村深月の作品だと感じる。

もう一度読み返すとしたら、今度は環の視点に寄り添って読んでみたい。

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2025年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最高でした!
今まで読んだ本の中で一番かもです。

夢を持った若者クリエイターたちの物語です。
私も若い時に、この登場人物たちより若い頃にこの物語に出会っていたら、なんか人生かわったかも(笑)と思ったものの、
いや、若い時、読書に不慣れだった私には、この本を読む力、読書力は私にはなかったな〜(汗)と思い直しました。
だって、スーを表す形容の言葉がハッキリ示されてなかったり、セリフのはずなのにカギカッコ付いてなかったり…
国語の問題でこの物語が出てきたら、私は解けません(TT)

テロの時期に高校生だったという描写があり、「おお、なんと私も同世代だ!」と、嬉しくなりました。ということは、ここの物語の方々も今や、もうアラフォー。立派になってるんだろうなぁー。フィクションの話ではあるけれど。

辻村さんの本は、他の作品と繋がりがあるみたいなので、次は、「V.T.R.」読んでみたいと思います!


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2025年09月18日

ネタバレ 購入済み

青春です

何だか久しぶりに思い出した、若い頃の記憶。何にも上手くいかなくて、自分を表現することが怖くて下手くそだった頃。私はエンヤの事が最初イマイチ好きになれなかったけど、それは過去の自分にちょっと似ていたから。コウちゃんが不器用ながらも環姉妹のためにやった行動が明かされていく終盤、グッときました。良かったです。

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2020年12月28日

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ネタバレ

後半にいくにつれてだんだん伏線回収していくところが読んでいて気持ちよかった。環の芯の強さとすこし見栄っ張りで人間くさいところ、チヨダコーキの謙虚さと優しさが好きだった。

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2025年11月20日

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ネタバレ

上巻で張られていた伏線を怒涛の勢いで回収してくれる。
公輝が実はめちゃくちゃストーカーだったのがなんかおもしろい。環の片想いだと思ってたら、実は公輝が先に環のことを想っていたという環と公輝の関係が尊くていい。公輝を救った手紙の主だと名乗りでないのも、ダメ男と付き合っちゃうのも、異常なプライドの高さも、難儀な性格だけど愛らしい部分なのかもしれない。

夢を追って下積みをしていると思っていた狩野が高額納税者だったとわかったシーンで、勝手に裏切られた気分になった。
成功者が何人も出てきたスロウハイツの中で、まだ夢を追っているスーやエンヤの存在はリアルだなと思う。2人とも現実を生きながら前向きに夢に向かっているのはうれしい。
拝島さんは結局どうなったんだろう?環の本心を知って身を引いたのかな。
莉々亜があまりにも悪役だったな。結局事件に巻き込まれたクラスメートは好きでもないんかいっていう。

黒木さんが公輝と一緒にオズのケーキを食べるシーンが好き。黒木さんは計算高くて冷たい印象だけど、公輝に対して友情のような気持ちはちゃんとあるんだなと思って微笑ましくなった。

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2025年08月27日

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ネタバレ

幹永舞と鼓動チカラの正体とか、全員で環を助けるシーンとかはとても良かった。
エピローグも、締めとしてとても良い。

ただ、詰め込みすぎに感じる。
これは辻村深月さんの初期作品ほぼ全てに言えるけど。
ほぼ全員のエピソードをその人主観で丁寧に。それはすごいんだけど、主軸がわかりにくくなるし、長くなる。
既出の話に再度触れるため、引用。それが多いのも毎回長長編になる要因じゃなかろうか。

今回は登場人物にあまり心惹かれなかった。
環もスーも加々美も黒木さんも好きじゃない。特にスーはすごく嫌い。
チヨダコーキは好きだった。

「チヨダ・コーキはいつか、抜ける。」
この言葉の意味が最初全然わからなかった。さすがに説明不足じゃなかろうか。

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2025年12月13日

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ネタバレ

公輝の環への「お久しぶりです」の伏線が(;_;)

環の過去と公輝が見守ってきたことがリンクするところに感動。

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2025年10月25日

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ネタバレ

芸術家はめんどうだな

売れるためなら色々と裏工作

大人になるのを支える文学

莉々亜はニセモノ チヨダ コーキ鼓動チカラ

各務(カガミ)環 赤羽環  公輝が全て仕組んでいた 『お久しぶりです』

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻よりあっという間に読めた。でもやはり上巻の印象と同様、動機や設定がなかなか違和感がある。とくにコーキが環と桃香姉妹をストーキング?してるところ。ケーキも。ちょっと作り込み過ぎと思う。他の作品を読むかどうか悩み中。

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2025年10月05日

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