あらすじ
1万部を突破した伝説的ヒットの自費出版エッセイ集、
新たに17篇を加え、待望の商業出版!
一生懸命生きれば生きるほど空回りするすべての人へ捧げます。
◎又吉直樹さん・蓮見 翔さん・松本壮史さん 大推薦◎
笑いも、恥も、傷も、忘れ去った記憶さえも尊いものだと気づかせてくれた。
感情が論理を超え、愚かさに光が宿る。そんな本当の瞬間が綴られた作品を、心から祝福したい。
(又吉直樹さん)
何にもいいことないなって思ってる人は読んでみてください。
あ、これ確かにいいことだわって気づけるものがたくさん詰まってます。
僕はこの本を読んでから、外を歩く時に楽しいと思える瞬間がちょっとだけ増えました。
(蓮見 翔さん/ダウ90000)
ぼんやり不安を抱えながら、のんきな文体で東京の街を軽快に彷徨う。
磯丸水産で、バルト9の帰り道で、荻窪のスーパー銭湯で。
すごく個人的なことばかり書かれているのに、たまに記憶の奥底とシンクロしてはちきれそうになった。
みっともないことばかりだけど、よく見たら日々はそれなりに光ってるのだと教えてくれる。
(松本壮史さん/映像ディレクター)
23区に上京したある女の子の東京での生活を中心としたエッセイ集。
せわしない日々からこぼれていく感情や体験をユーモアたっぷりに掬いあげる文章に心がほぐれる全40篇。
※挿絵・装画:佐治みづき
感情タグBEST3
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すごくピュアで、それでいて日常やら人生やらの雑多な感じも詰まった素敵なエッセイ。
歌手の声に一人ひとり個性があるように、文章にも書き手一人ひとりに個性があって、小原晩さんの言葉選びとリズムにうっとり酔いしれる感覚をいただきました。
Posted by ブクログ
みくびっていた。若い人には文才はないのだと。とくに、大学も行かずに、飛び出すみたいに家を出て、その日暮らしをしてるようなやつには、文章で、人の気持ちの機微なんて書けないはずだと。
そうではなかった。タイトルから察すると、しょうもない日常ののほほんとした日々で、まぁ読んだことも忘れそうな、重い本を読んだあとの箸休め的に読めたらいいなと思っていた。
そこには、確かに、脈略もなく父の死に鳴らさせる和太鼓や、学校の友達の靴の中に入っていたクワガタ虫のことがかかれているけれど、そう言うことではなかった。
ということで脈略もなく、昔友達になった年上のおじさんのとこを書きます。
そのおじさんは知り合ったときすでに38歳だった。
朝、自分の口が臭くて目が覚めるとか、
スタミナうどんを食べたらスタミナが減るとか、
自虐ネタで生きてる、ひょろひょろのメガネのおじさんだ。
ぼくは当時18歳で20年も先輩だった。なんでも知ってる人だった。今思い返したら、あの見た目で38ってちょっと老けてる。
当時僕は家でいろいろとあったので、それをおじさんに聞いてもらったりしていた。落ち込んだときはとりあえず海でも見よかと、大阪の南港に連れて行ってもらった。コンクリートの、煌々と明るい夜の南港で、しとしきり僕の鬱屈した悩みを聞いてもらったあと、おじさんは言った。
おれな、人工肛門やねん。
言葉の意味はわかった。けど、それがいま隣の人がしてるものだとは予想もしてなかった。どんな顔をして、おじさんをみたか、忘れた。おじさんは海を見てた。
ほら、あれ明石海峡大橋ちゃうん。
そう言ったおじさんのメガネに、南港の灯りが反射してた。
Posted by ブクログ
東京の日常をゆるく切り取ったエッセイ。小原さんの“なんてことない日々”の描き方がすごく好きで、一気読み。
読んでいるのは作者の日常なのに、気づくと自分の昔の記憶がふわっと重なって、ちょっとだけ胸があったかくなる。そんな本でした。
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あまりにもよかった。
涙が出てくるところも多かったし、声を出して笑った。これはやばい。だいぶ好きかもしれない。
以下好きだった言葉など抜粋
「そうか、わかったぞ、神様はいるんだ」
神様はいるいないいるいるいないいるひまわりもぎ取り占いましょう
「笑顔が支えになってたからなあ」
彼女は言った。しくしくとしくしくの間に言った。
「あのね、いつ戻ってきてもいいからね。人生はがんばらなくたって、いいんだからね」
プラスチックでできたビールジョッキをぐっとあおると孤独の味がする。孤独はおもしろい。なにを見て、なにを感じても、だれにも責められない。それがとてもおもしろい。
私など死んだらいいわ生ビールのんだらいいわ生きてるうちは
食べてる間はそれがすべてでありがたい。
その人の言葉や自由で私がいつかばらばらになることは、すでに決まっているように思えた。
パンとか焼いて生きていきたい
幡ヶ谷の三人暮らし
全文好き
Posted by ブクログ
誰にでもありそうで、ないような。
友達の話を聞いているような
エピソードでありながら、
やっぱり、違う。
日常の中に、ひっそりと隠れている哀しみの気配が
あたたかく、時に楽しく描かれていて
ぐいぐいと惹きつけられる。
どの話も、一気に読んで、読み終わった後
何か心に残る、そんな感じ。
とても評判が良くて、手に取ったのだけれど、
これは、そうだよな。惹きつけられて
読んでしまうよな。と、しみじみ。
次作も楽しみ。
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おもしろかった!!
朝井リョウ氏のゆとりシリーズが好きな人は、気に入るかもしれない(私も好き)。
くすくす笑わされていたら、次の一文で急に感動したり。
感傷的な気持ちで読んでいたのに、次の一文で思わず声を出して笑ってしまったり。
くだらない生活の中の些細な出来事でも感情を揺さぶられることがある。それを見逃さずに面白おかしく書かれていて、でもどこか繊細で。
さくさく読めて文量も多くないので、あっという間に読み終えてしまった。
エピソード自体はそんなにインパクトがなかったりもするけれど、ユーモアのある言葉選びと ゆるさのセンスが私は好き。
改行の有無でテンポ感を変えたり、平仮名のままの表記があったり、その文字の印象から 友達とお喋りしているようなゆるい空気感として伝わってくるのも好きかな。
ダサかったこと、切なかったこと、なんとも形容しにくい感情になったこと、、、そういう記憶に残らず忘れてしまいそうな日常も、こんな感じでおもしろがって生きていけたらどんなことも消化できそう。
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なぜか、目のつけどころ、と、表現の仕方、と、あるある(人には言えないけど)、が混じって笑。冒頭〜美容師時代、特に面白かった。なんにせよ、一生懸命、生きてる、ってところが素敵。
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名前から男の人だと思っていたら女の人で、しかも最初の唐揚げ弁当の話から想像がつかないほど繊細な感覚を持っていて、一気に読んだ。江國香織が一般人として生まれ、育ち、生活していたらこんな文章を書くんじゃないかと思った。特に「急につめたくなるもの」とか。
20歳の誕生日の夜、めちゃくちゃ頑張って仕事を早く切り上げたのに職場に家の鍵を忘れたとき「私の人生ずっとこんな感じなんだろうな」と思った話に、あーわかる、とうなずきながら、似たような感覚の人がいて安心した。小原さんの生き急がない感じは心地いいけど、もちろんダメダメな失敗をして盛大に落ち込む日もあるわけで、そういうのをまるっと受け止めて前に進めるようになると、もっと軽やかに生を謳歌できるんだろうな。
人生に疲れたらパンとか焼いて生きていきたいと思う感覚もすごくわかる。で、実際にやってみると、パン屋は逃げ場にはまったくならないとわかるところまで、色んな分野で思い当たる節がある。
それから、もちもちのタピオカミルクティーの謎のいたわり感も、こんにちはと言えない人をこれ以上増やしたくない話も、言葉がこぼれてくるのはきもちのゆるんでいるときであることが多いのも、先に言語化された!と悔しくなるくらい共感した。恋人への想いや言葉は、ちょっと詩的すぎて置いていかれたけど。
そういうふうに共感ベースで読んでいたら、とつぜん「兄はガニ股」の章で漫才がはじまって、笑いを堪えるのに必死だった。兄のぶっ飛んだキャラや小原さんのツッコミはもちろん、「果てしなく広いローソンが『あ』で埋め尽くされた頃」とか、マンガのワンシーンを切り取ったみたいな表現も好き。出てくる人が動いたり喋ったりするのが脳内で再生されるようで、たぶん人の見た目や言動を観察して言葉に変換するのがすごく上手なんだと思う。この人の書いた小説を読んでみたい。
Posted by ブクログ
こんななんでもない部分を切り取って文に仕上げるってある種、才能。瞬間忘れていそうなことを形にする才能。
またゆっくり読もう。
でもね、小説が読みたいのよ、あなたの。
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タイトルに惹かれて買いました。
著者の心境の変化が読み進めていくうちに分かっいく場面が良くて、身の回りの変化、自分の変化などが読者自身と重なる部分も多いのではないかと実感しました。
良いことが無くても、良いことがあると願い続けるような気楽さが文章から伝わってきました。
新たなエッセイの名手の誕生です。
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かわいい感性。
ふふって笑える。たまにこれが人生、って悲しくなる。でも前を向ける。
人生に疲れたときにまた、小原晩さんの他のエッセイを読もうと思う。
普段本とか読まない人とかにも勧めれる。
これが好きな人とは、友達になりたい。
Posted by ブクログ
短かめのエッセイが優しい言葉で、淡々と、独特のリズムで、軽やかに、丁寧に綴られている。
時折パスワードのように句読点のない文章が要約として差し込まれていて、それは短歌のようで意外と心に沁みた。
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読まなくてもいい
けど、日常に溶け込んだ小さな幸せをごく自然になんの抵抗もなくさらっと感じさせてくれるエッセイだった
常にうっすら微笑みながら読める本
別になんでもない
なにが起きるわけでも感情が揺さぶられるわけでもない
よしがんばろ!ってなるような強めの前向きさもない
ただ等身大の日常が連なってるだけ
でもなぜか自分の日常までほんの少し柔らかく、ほんの少し大切だと感じさせてくれるようなそんな本でした
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青春の青さが燦々と、控えめに輝いている】
「うちで勤めてた子みたいなんですよね、この子」。ある日、通っている美容院の方に言われて、エッセイ好きなわたしがその場で購入したのが、この一冊でした。「天才肌って感じの子でしたねぇ〜」。いつものように天真爛漫な店長に、この本の感想をどう伝えるか迷っている。しかしね、どうしたらこんなふうに書けるんだろうなぁ。
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急につめたくなるもの。蕎麦屋のあつあつのおしぼり。忙しいともだち。他のひとといい感じになりつつある私。ひさしぶりの姪っ子。氷を入れてがしゃがしゃとかき混ぜたら。秋。ささみの焼き鳥。
父の頬を指の先でさわってみると、真冬の早朝みたいにひんやりつめたくて、母がやっていたように足先まで毛布でくるんであげたくなった。私はおととい、握手をしたから知っているのだけれど、彼はたしかに温かった。
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よくもまあこんなに面白いことに出会うなぁというのと、周りの出来事の見え方の違いに愕然とする。
そうだよね〜そう思ってもいいんだよね〜と思う。自由な物事のとらえかた。
20歳の誕生日の回、切なかった。切ないけど、未来への野望?みたいなものに満ちていた。
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ことばのチョイスが斬新で個性的。
気になる!のは、本の題名だけではなく、内容にも通じるものがありました。
わー、
なんと!
なるほどね~
って心のなかでつぶやきながら読みました。
力まずに、さらっと読める、よい1冊。
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もやもやする日は歩こうと思えた作品。
銭湯でみる自分の体は醜いとしか思えていなかったけど、ちゃんと生きてる証拠だと、自分の体を認められるような日はくるかなと思った。
何気ない日常のエッセイなんだけど言語化がすごいってひたすら思った。すらすら読めた。一編ごとの 終わりに綴られた句がすてきだった
友達といつかルームシェアしたいな
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私がエッセイを好きな理由は何でもない日常が面白くて尊いと思わせてくれるから。
いいことばかりじゃないけれど、日常をこんなふうに切り取って書けるって素敵!
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筆者の日常について書いているエッセイ。
強烈なタイトルに惹かれて読んでみたが、良いことでだけでなく、悪いことも含めて、自分の感情を大切にしようとする著者の姿勢に好感が持てた。
私もネガティブな感情を避けるだけではなく、受け止めて大事にする姿勢を持ちたいと思う。
Posted by ブクログ
なんだろうこれは?
エッセイ?
詩のようにも思える
ユーモアと幸せと自嘲と
人生への賛歌に溢れている
作者について全く分からず
男女どちらかも知らず
(読み進めて女性か〜となったが)
先入観無しに読むのもいいなと思った
言葉のチョイスがいい
Posted by ブクログ
アンニュイ…
物憂げな若い頃の仕事、恋、お金、そんな日常の話
八王子から23区内に引っ越し、極貧でファミマの唐揚げ弁当を青山の隙間の道で食べていたある日、食べないでください、の張り紙…バレてた!笑
なんとも言えないエッセイ集
烏兎匆匆/ 月日が早く過ぎ去っていく様子をあらわす四字熟語
目に涙、心に神様
Posted by ブクログ
軽いテンポで読みやすく、言葉のチョイスにセンスを感じるエッセイだった。若い頃を思い出しながら読んだらして〜憂いを感じつつウエットにならない軽快さが良かった。
Posted by ブクログ
1つの物語が短く区切られているので読みやすかった。「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」という、張り紙が貼ってあるのを見た時、きっと背中は汗ダクだっただろうなと思ってしまった。
Posted by ブクログ
⭐️ここで唐揚げ弁当を食べないでください
小原さんの何気ない日常のエッセイ。日々の喜びあり、悲しみあり。若さのあまり羽目を外す小原さんだが、不思議なエネルギーを感じる。暗闇に光だ。「銀座、二人きり」「回転寿司と四人家族」「急につめたくなるもの」が好み。
Posted by ブクログ
ちょっと期待しすぎちゃったかも…。
BSテレ東の番組で紹介されていて知る。
東京での生活を中心としたエッセイ集。
生活の中での何気ない、普通ならさらりと流れていくいろいろなことを、うまく言葉にしている。
う~ん…と思うこともあったけど、さくさく気軽に読めた。
Posted by ブクログ
この作者、すごく面白いことに遭遇する日常送ってて、読んでいてくすっと笑えた笑
しかも短編だから読みやすい!!!
題名通り、本当にその通りしていたの面白い。張り紙される具合も面白い。笑
Posted by ブクログ
日常のちょっと惨めな瞬間も尊いものだと感じさせてくれるエッセイ集。
読みやすいしちょっと笑える。
くどうれいん、上坂あゆ美的な、日常で起きてることをつらつらと綴り、ポエミーでちょっとエモいみたいなあの感じ。
一気に惹きつけられる表題作が良い。