小説・文芸の高評価レビュー
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「まいまいつぶろ」の世界観を補填する短編集。主人公は特になく、あくまで御庭番である「万里」の見聞きから書かれた物語。
とにかく、言葉選びが美しい。
「次の将軍」の章で。家重と息子の家治はとある事を機に仲違いをした。
御隠居の吉宗は、家治に伝える。
「家重が将軍となった御座前。そなたが家重と忠光を助けた。今後もし、二人が人心を侮り、偽計を画策するようなことがあれば、そなたが諌めよ。次の将軍は家治が。助け舟を出した者から言われれば、家重は将軍を辞すであろう。」
吉宗の居室から去る家治に、侍従が付き従う。
家治は彼に言う。
「私は、父上と仲直りをするべきであるか?」
侍従は言う。
「上様が -
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言葉というものは、どんな人が、どんな状況で、どうやって使うのかで、こんなにも様々な効果を発揮するのだなと、改めて言葉の力に感心した。そして、著者が鮮やかに言葉を使いこなす様に圧倒される。
個人的にホスト歌会の話が斬新で興味深かった。なんとなく暴力的で、搾取的なイメージから、なんとなく敬遠していた世界だが、短歌の大会に向けて切磋琢磨するホストたちの様子を想像すると、イメージとのギャップが凄まじくかつ微笑ましく思う。
「光る君へ」に登場する短歌の新しい解釈も面白かった。
とにかくエピソードひとつひとつが面白く、丁寧に描かれている。
俵万智さんの息子さんの目の付け所や、聡い感じ、言語化能力が凄まじく -
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ネタバレいっっちばん好きな本になった。
この本を読んでいる間、薄い緑の柔らかい世界にいるみたいに心が穏やかで、益江の人生にお邪魔させてもらってる気分だった。読み終わりたくなかったな〜〜。読み終わってとりあえず宇佐美まことさんの作品を探し漁った。
明日どころか1分後の命の無事の保証もない環境で生きて生き抜いてきた人にしか辿りつかない感情と感性が確かにあって、ただ生きていることに心から大きな価値を感じるんだろうなあ。
自分の祖母も台湾で空襲に遭って弟を守りながら河川敷を転がったことがあるとか聞いていたから、益江を祖母に重ねながら読んだ。
アイと富士子のバックグラウンドにも不倫だの詐欺だの子供への相 -
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椹野先生とは多分同世代。
なので読んでいて、とても懐かしかった。
ファンタ!おばあちゃんちにケースで買ってあったなぁ。
オレンジとグレープ。自分はグレープの方が好きだった。
立川までのバスでのお出かけで、いつも酔ってしまう自分のためにバスを降りてすぐに高島屋2階の喫茶店で、クリームソーダを飲ませて貰ったなぁ。
クリームソーダには、きっとそれぞれの思い出あるのではないだろうか。
でも、赤いのは知らない~。青もあるのか。
実家に帰ったときは、お母さんの手料理も食べたかったし、でも普段一人暮らしでなかなか注文できないお寿司や釜めしのデリバリーもお母さんに楽しんで欲しかったし、私が何か作ってあげ -
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ネタバレ高橋一生演じる、少し変わった大学講師・相河一輝が、周りの人たちと関わりながら成長していくヒューマンストーリー。脚本は「僕の生きる道」や「僕と彼女と彼女の生きる道」の橋部敦子。主演が高橋一生、助演が榮倉奈々ということで、面白そうだな、という軽い気持ちで見始めた。結果、めちゃくちゃよかった。盛り上がる場面は多くないが、固定概念やこうあるべきという常識に静かに訴えかけてくる内容で、心にじわじわくるドラマ。人生の中で何度も見返したくなる作品。(実際もう3回は見た。)このドラマで一番いい味を出しているのは、榮倉奈々演じる“the優等生”の水本先生。歯科医として親から受け継いだクリニックを経営しながら、料
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「学問をするのに必要なのは、気概であって学歴ではない。」
これがこの小説に通底するメッセージではないかと思う。高度医療だけでは救えない命があるし、看取れない命がある。大きな歯車だけではカラクリは精緻に動かない。小さな歯車と大きな歯車がうまく組み合ってこそのカラクリだろうし、社会もそうあるべきなのだろう。この小説には決して大きな歯車ではないが魅力的な人たちがたくさん登場する。主人公の一止先生も大学病院で高度医療を極めることより街場の医者として患者と向き合う道を選ぶ。どちらが優れてるとかどちらが良いということではないけれど、私自身も目の前の患者さんと真摯に向き合うような生き方をしたいと思う。
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