あらすじ
2011年8月27日、全国東宝系にて映画公開!
第十回 小学館 文庫小説賞受賞、2010年本屋大賞 第2位。
神の手を持つ医者はいなくても、この病院では奇蹟が起きる。
栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
そんな一止に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった…。
日本中の書店員が感涙し、発売1年足らずで映画化が決まった大ヒット小説。映画では櫻井翔さんと宮崎あおいさんが、初の夫婦役で競演!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
松本市にある救急病院の内科医が主人公の医療小説。
作者の日常を小説にしているからか、目の前で起きているような臨場感がある。
特に安曇さんのエピソードは親しい人の病と同じだったので涙が止まらなかった。
患者にとって主治医は心の支えであり、人生の最期のかけがえのない出会いになる。
また、終末期医療と聞けば「死」がイメージされるが、逆に「生」との向き合いの方が問われるのではないか。人生の最期、いくつものポンプにつながれて死に行く人、家族の都合で延命治療を余儀なくされる人、幸せな死とは何か、生きることの本質を考えるきっかけになった。
読後、ドラマも観たが小説の方が小気味よく、何倍も物語に没入できる。
ドラマで本作を見た人にも小説を読んでほしい。
Posted by ブクログ
文体、表現、ユーモアが、センスの塊のような文章。
どのページを見ても面白い。
どのエピソードも心が揺さぶられるストーリー。
映像化されているが、文章で読まないと、この面白さは伝わらないと思う。
Posted by ブクログ
大好きなミスドで読書することが多いので、読みながら泣けてきて大変でした。
私はこの病院で働く人たちのように、周りの人たちを思い遣っているか、安曇さんのように感謝して死んでいけるのか、ハルさんのように夫に幸せと安らぎを与えることができているのか。毎日少しずつでも心に留めて生きて行きたいと思う。
Posted by ブクログ
信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、内科医の栗原一止の喋り方が独特で夏目漱石を尊敬している面白い内科医。
経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、狸のような先輩内科医とか登場人物の例えとか主人公とのやり取りが面白い笑
Posted by ブクログ
医者という職業に驕らず、過酷な労働環境の中、ひたむきに患者と向き合う主人公。クールで知的ながらも内に秘めた思いやりが心に響く。周りの登場人物もそれぞれ個性的であるが、共通して熱い思いが伝わってくる。生きているからこそ人に感謝することができ、優しさを与えることができる。命の尊さを考えさせられる一冊。是非シリーズを読み進めたい。
Posted by ブクログ
医療をテーマにしている小説は初めて読んだが、誰でも読めるように配慮されているなと感じた。
また、登場人物のキャラクターと安曇野の描写がとても自分好みで早く2を読みたいと思った。
Posted by ブクログ
主人公・栗原一止(くりはらいちと)は、信州松本にある本庄病院に勤務する内科医である。彼が勤務している病院は、地域医療の一端を担うそれなりに規模の大きい病院。24時間365日などという看板を出しているせいで、3日寝ないことも日常茶飯事。自分が専門でない範囲の診療まで行うのも普通。そんな病院に勤める一止には最近、大学病院の医局から熱心な誘いがある。医局行きを勧める腐れ縁の友人・砂山次郎。自分も先端医療に興味がないわけではない。医局に行くか行かないかで一止の心は大きく揺れる。
そんな中、兼ねてから入院していた安曇さんという癌患者がいた。優しいおばあちゃんという様相で、看護師たちには人気者だが、彼女は「手遅れ」の患者だった。「手遅れ」の患者を拒否する大学病院。「手遅れ」であったとしても患者と向き合う地方病院。彼女の思いがけない贈り物により、一止は答えを出す。
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あぁ・・・最高な医療小説ですよね・・
ずっと読みたかったのですが、やっと巡ってきました。
大きな感動というよりは、心の奥底を少しずつえぐってくるような感動を覚えます。
そして、ときどきかまされる「ユーモア」栗原先生のキャラクターが本当に愛すべきです!夏川草介さんの描くお医者様は本当に素敵過ぎます。
勢い余って、映画も少しかじってみたのですが・・・主人公が全然イメージと違って・・・「ちがーーーーう!!」と心で叫びつつ、見ています。。
もう少し考えて欲しいものです。。うぅぅ
それから、長野の話なのでおいしい地酒の話がでるのもいいですよね
私の大好きな「佐久の花」があったときは 目がハートでした。
佐久の花は爽やかなりんごの香りがしてとてもジューシーなところがお気に入りです!
夜明け前・飛露喜もいい♪
とにもかくにも、この先2~3+新 と続きますが、全て読破します!!
Posted by ブクログ
何年も前から読んでみたかったが、シリーズ何作もあり、読むなら全部読みたい自分はなかなか手に取らなかった。
何の予備知識もなく一気に読み終えることとなった本作は、人の死を扱っているにもかかわらず温かな物語と強く感じた。それは登場人物のキャラクターによるところが大きく、特にハルさんには大変惹かれ楽しませてもらった。
と同時に病気についてもあらためて唸らされた。
病むということは、とても孤独ということです、という一文には強く共感した。
30年以上にわたり持病を抱えている自分にとっては沁み入った。
ただそれさえも前向きな物語としている本作はホントに素晴らしい。
出版と同時に読んだ読者は、この作品がこれから何作にもわたるシリーズになることを予想していたのだろうか?
今頃初めて読んだ私は幸運にもシリーズ化を知っているので、この温かな物語をゆっくり味わっていきたい。
Posted by ブクログ
夏目漱石が好きな主人公らしく(?)難しい言葉が多く辞書を引きながら読み大変語彙の勉強にもなりました
作者は医者ということである程度現実に近いものという前提で地域医療の凄まじさに感服した。まさに命を削って日々奮闘しているけどやっぱりその姿勢には疑問が大きい。それでいいのか?と
物語としては
砂山先生東西さんに安曇さん大狸先生古狐先生、ハルさんに男爵、学士殿、魅力的な人物が沢山出てきてそれぞれの関係も素敵だった
信州には行ったことないけど1度行ってみたいな
Posted by ブクログ
栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。(紹介文より)
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再読なのに号泣の1冊。
スピノザの診療室を読んで、やっぱり好きだなと感じ
神様のカルテシリーズを一気買い。
久しぶりに読み返してみたけど、安曇さんのくだりで涙が止まらない。嗚咽。
医者とは、命とは、という、それぞれが信念を持っているようなテーマで、
ひとつの核となるような考え方を学ばせてもらったような。
医療はこうあって欲しい、という理想の物語。
「病で怖いのは孤独」というセリフが染みる。
それを救ってくれるような医者が現実にいるのだろうか。
心揺さぶられる。
イチとハルの関係性も素敵で、
ハルの動じなさや包み込む雰囲気が憧れる。
Posted by ブクログ
描写や感情が丁寧に表現されていて、映像を見ないと伝わらないような景色が、この文章を読むだけで想像できたのですごく驚きました。
主人公・一止の医療に真摯に向き合いながらも葛藤をしている感じや、一止の優しくさんの通った良い人という特徴が伝わってきて、読んでいて心が温まるような感覚になりました。
Posted by ブクログ
何かオチがある訳ではないけど、心がふわふわするような優しい雰囲気の話だった。
かといって完全に暖かいだけの話ではなく、医療現場の厳しさや人の死にも関わってくるので、しっかりと考えさせられる話でもある。
学士殿と男爵とのやり取りは何処となく森見登美彦っぽさがあって自然に受け入れられたが、それ以外における主人公の話し方は過度なキャラ付けに感じてしまった。
ハルさん可愛い。
Posted by ブクログ
最近続いているが、これもまた再読かもしれない。
ところどころ微かに記憶に引っ掛かるものがある。
とはいえ、そんな程度の記憶なのでしっかり読んだが。
じんわりじわじわ
読後あたたかい気持ちになれるイイ話だった〜
御嶽荘がとても気になる。
シリーズのようなので、続きも読みたいなー
たぶん続きは未読だと思うし。
題字のフォントが美しい。
特に「の」のくびれとか、「テ」の接続部分
上橋菜穂子さんの解説に同意です。
Posted by ブクログ
医療現場のリアルや生きることの本質に気付くことのできる良本。前を見続け、苦しみながら成長を追い求め続け、目の前にある足元にある幸せを大切に出来ずに見失う。自分自身は悩まない方であるが、それは考えないようにしているだけで、足元の幸せを大切に出来ているかと問われればイエスとは言えないかな。続編も読みたいですな!
Posted by ブクログ
一止って名前がいいですね〜なんか好きになった!
簡単に言うと…医療現場は色々忙しくって大変だけどお仕事頑張って続けます!というタイプの本
奥さんもいいし周りの人もいいし…続編も気になりますね〜
Posted by ブクログ
どんな仕事をしていても、忙しい時に人の本性が出てしまう。
忙しい医師は、人の死に慣れていかないとやり切れないのだと思うけれど、こんなに心優しい自分を保てる栗原先生みたいなお医者さんも、きっとどこかにいるんだと思う。
昔の医療だったら、
できる限りのことをして!
というのがちょうどよかったけど、
今では医療が発達したので、
身体を痛めつけるだけの延命
になってしまうことがあるという話には、心から同感。
私の祖母は、脳梗塞で倒れてから、大好きなお喋りもできず、美味しいものも食べられず、テレビさえ見れなくなって、ただ病院の白い壁を見ながら3年寝たきり。
歩き回るのが大好きで、いつも笑っていて、明るくぽっちゃりしていた祖母が、痩せ細ってただ生かされている姿は、本人も望んでいなかったと思う。
口は悪いけれど、心優しい栗原先生。
ユーモアもあってとても心地よい気持ちになる小説でした。
Posted by ブクログ
医者というのはキツイ仕事かも知れないが、主人公の周りの人物はみな優しく愛嬌があり、心が重くなることも無くやんわりと読むことができた。
やはり面白かった。
Posted by ブクログ
地方の救命救急病院で働く若い内科医が、過酷な毎日に辟易し自分の進む道に迷いながらも、友人や患者との触れ合いを通して未来を見定めていく。
読み易く、低年齢向けに配慮されていると思われる一方で、あえて難解な言い回しを多用して文体を古風に近づけているように感じるのは「難読漢字に慣れてもらいたい」という作者から子供たちへのメッセージだろうか。
キャッチコピーは『神の手を持つ医者はいなくても、この病院では奇跡が起こる』だが、作中では難病患者が劇的に回復するような奇跡は何も起こらない。当たり前の日常として、当たり前に患者の死を看取ること、それも一つの奇跡ということかもしれない。医者の本分は何か?という主人公の迷いを通して人生や生命の意味を問いかける秀作。
Posted by ブクログ
読んでいて心地の良いお話だった。
一止が悩みながらも地方病院の内科医としての生き方に確信を持つまでの過程に、胸がじんと熱くなった。
それにしても、ちょっと変人の一止と次郎に可愛くてよくできた奥さんや彼女がいるのはどうしてだろう。そこが現実離れしてるなぁと思いつつ、この作品の魅力でもあると思った。
Posted by ブクログ
一に止まると書いて「正」を意味する。
主人公の栗原一止は医者不足の中、地域医療に従事するが、その中でも人との関わりの大切さだけは忘れない。
高齢者ばかりで、死を待つのみの人に対しても、真摯に向き合い、そして、自分の医療に対して葛藤する。そんな姿が美しい。
自分の名前に込められた哲学を体現できる人って実は少ないんじゃないかと思う。けど、それが実現できる主人公はかっこいい。
読んでいて、心が落ち着くような物語だった。
Posted by ブクログ
古風な言い回しや
特定の街並みを行き交ったり
気持ちの良い登場人物など
kojiさんが好きな
森見登美彦センセの
世界と繋がっているのでは?
なんて、思わせるくらい
雰囲気が似てて
好き☺️
Posted by ブクログ
良かった。
仕事の昼休みに読み、危うく涙しそうになった。
安曇さんの手紙は展開としてはベタだが、それでも良い。
非常に読みやすく、すぐに読み終わる。
なんだか、もっと読んでいたい気分になる。
続編も引き続き読みたい。
直向きに誰かの幸せのために
不断の努力を尽くす。
このことがどれ程、輝いて見えるか
そう思える一冊でした。
明日から自分の公私と共々
精一杯生きていきたい!
あとこの本の影響で言葉遣いが
古風になりそう笑
深く考えさせられます
消化器病棟で働く看護師です。もともと医療系の小説やドラマは好きでいろいろ読みますが、長編ということでなかなか手を出さずやっと読みました。主人公の言葉遣いが難しいことや、描写が事細かに書かれている印象があり、苦手なタイプの文章が多かったですが、医療者として、人として、考えさせられることが多く、そういった意味では面白かったです。エゴとか、倫理とか、答えの出ない問題を抱える辛さに共感を覚えました。続きも読みたいと思います。
Posted by ブクログ
面白かった(笑)現役のお医者さんが書いたんですね~。医療制度や地方医療の問題なんかも難しくなくわかりやすく書かれているのが良いですね。読みやすいし登場するキャラクターたちが良いですね(笑)「御嶽荘」に住む学士や男爵、患者の安曇さんみんな好きです(笑)そして泣かされましたね。これはもっとシリーズとして書いて欲しいですね(笑)そして夏目漱石が読みたくなった(笑)
Posted by ブクログ
十分楽しめる内容。しかし妻であるハルの描写に思わせぶりな箇所が多く、何か叙述トリックが潜んでいるのか?と気になって本編に集中できなかった ・御嶽荘の住人としかハルが話している描写がない ・ハルの話を出すと東西看護師とかが妙な反応をする ・いかにも非モテ男性の理想像のような外見、性格 ・貧乏独身男性しか住まないようなボロ家に同居 ・不在が多く多忙な医者に都合の良い設定 ・性的な接触をしている気配がない いかにも怪しい。 2巻目途中でギブアップし、ネタバレ調べたらハルは実在する普通の女性らしい。紛らわしすぎる
Posted by ブクログ
栗原一止は、信州になる病院で、殆ど休みなしで働く内科医。母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶ事ができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医者でありたい.悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者、安曇さんからの思いがけない贈り物だった。2010年本屋大賞2位。
私が一番心に残ったのは仏師が仁王を彫る話「あれは木に仁王を彫り込むじゃない.最初から木の中に仁王が埋まっているのを掘り出すだけだから、容易なものだ」思えば私の仕事も同じようなものかもしれない.点滴やら抗生剤やらを用いて絶える命を引き延ばしているなどと考えては傲慢だ。もとより寿命なるものは人智の及ぶところではない。最初から定めが決まっている.土に埋められた命を掘り起こして光を当て、より良い最期の時を作り出していく、医師とはそういう存在ではないか。
Posted by ブクログ
2025/05 オーディオブック
優しい話、あまり病気の技術とか病気そのものについてというより、病気の人たちとの交流とか、周りの人との交流がメインで、医療ものというよりはヒューマンドラマな感じ。
Posted by ブクログ
この小説の主題は何かを考えたところ、勿論人の死に対しての、宿命性と周囲のありようというところが見え隠れするところだが、サブタイトルとしては逼迫する地方医療と人材不足か。
24時間、365日対応の本庄病院内科医の栗原一止を通しての病院激務を説明する。
そしてこの作者の好みなのであろうか主役をして夏目漱石の影響を受けたとして、古文的な話し方といい、登場人物の渾名のつけ方も大狸先生、男爵、学士なども坊ちゃんかとツッコミを入れたくなる。
医療系小説にしては説明すぎず、サラッとした文体であり、少し主役の住む御嶽荘の個性的な面々の設定はありなのである(個人的には御嶽荘の話しのところは好みである)が、あまりにサラッとしているためか、生命を取り扱っている題材にしては重さを感じない。計算してそうしているのか、もう少し何処か踏み込みが欲しくなるのは自分だけだろうか。