【感想・ネタバレ】神様のカルテのレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2024年03月06日

『スピノザの診察室』がとても面白かったので、こちらの作品も読みました。この作品も最高でした。。

主人公の栗原が田舎町の病院で日々仕事に忙殺されながら、患者に向き合い、悩みつつも、周りの人の支えられながら前を向いて生きてく物語。

何か大きな事件が起きるわけでもなく、とんでもない悪役が出てくるわけで...続きを読むもない、ですが笑いあり涙ありの心温まる素晴らしい作品でした。

栗原の変人で小難しい言葉を喋るキャラも最高だし、友人や同僚とのコミカルなやりとりもクスっとさせられて読んでて楽しい。
そんな中で患者の死や友人の悩みに対して真摯に向き合う主人公に感動させられ、元気をもらいました。

まだまだ続編があるので読むのが楽しみです!

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

何年も前に読み、その後本棚にひっそりと在り続けたこの本。海を跨ぐ引越しの際も手放せなかったこの本。

医療従事者の端くれとなり、病棟勤務となった今、読み返すとその世界に更に引き込まれた。優しくも厳しく、答えの出ない医療の世界。

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Posted by ブクログ 2024年03月01日

劣悪で激務の総合病院で働く内科医、栗原一止の、なんとも表現し難い暖かみのある、でもそれだけじゃないお話でした。

前半は、口調が夏目漱石の「草枕」調で古くさいと変人扱いされる一止が面白く、またその一止が語りを担っているのが効いていて人の生死を扱うようになってくるあたりのシリアスさを重く引きずらせず、...続きを読む泣き笑いに似た感情になった。

一止の住み家の住人のスタイルも良きで、本作は嫌な人が登場しない。
全員あったかい人物で読んでいて心地よかった。

あと、すこし森見登美彦氏の、夜は短し~、四畳半系に文体やキャラクターなど似ていた気がしました。

3月初めから良い作品に出会えました。

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Posted by ブクログ 2024年02月27日

久々に再読。やっぱりいいなぁ…。
身近に医師として働いている人ができて、改めてリアルな現場の話を聞いた上で読んだ今回。以前とは感慨というが、感じ方の強さが違いました。

いつか、向こうに逝く日が来たら、安曇さんのように心配りのできる人になっていけたら…と思いました。

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Posted by ブクログ 2024年02月09日

出てくる登場人物みんなが暖かい人ばかり
主人公のちょっと変わってるけど根はしっかりしていて人間味のあるところが患者さんにも看護師さんたちにも慕われているんだなも思います。
あと、細君がとにかく可愛いし癒し!疲れた日々での心の拠り所なんだなあと思いました♡

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Posted by ブクログ 2024年01月02日

そういえばこのシリーズ、読んでなかったな、
と手に取った本。

安曇さんのところは泣けてきます。

こういうお医者さんの話を読むと
医者を目指したらよかったかな。。。
とも思いました。

次作は日本酒の
「夜明け前」「佐久の花」
を探し出してきて、飲みながら読みたいと思います。

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Posted by ブクログ 2023年11月18日

私も晩年、こんなお医者様に出会えたら幸せだろうなあ・・
安曇さんのように穏やかにお迎えを待つには難しいことだろうけれど、
でも何か希望が持てる…そんな本でした。

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Posted by ブクログ 2023年10月29日

こんなお医者さん、本当にいてほしい。
思い悩む事柄ひとつひとつに、自分の心も揺さぶられる。
周りのキャラクター設定も素晴らしい!

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Posted by ブクログ 2023年10月08日

悲しくて寂しくて感動で涙が止まらなくなります。ですが、登場人物みんなが優しい言葉を紡いでいて心が温まります。変わり者の集まるあのアパートに私も住みたいです。
櫻井くんの実写映画が原作から飛び出してきた世界観で好きでした!

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Posted by ブクログ 2023年09月27日

終始読んでいて心地良かった。最初の方は主人公の毒づくセリフや登場人物の滑稽なキャラクターに笑わされていたが、終盤は感動の展開だった。医師という職業が大変なのは知っていたつもりになっていたが、こんなにも「体力」「知力」「精神力」が要求されるものだとは思わなかった。自分には到底務まらないなと思わされた。...続きを読むしかもこの著者は医師をしながらその傍らで小説を執筆するなんてどんな体力オバケなのか。少子高齢社会の今、AI医療が発達し、少しでも医師の負担が減るようになればいいと思うし、自分自身も感染症等に負けない身体作りに努めていきたい。

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Posted by ブクログ 2023年09月19日

昔から大好きな小説で、もう何回読み返したか分からない。
読み始めてすぐに引き込まれる主人公の人柄や、リアルな医療の描写や、細君の榛名さんをはじめ個性豊かで面白い人々。
理由を言葉にするのは難しいが、穏やかで、爽やかなこの小説の雰囲気が好きだ。
新章の続編も待っている。

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Posted by ブクログ 2023年08月30日

映画もドラマも良かった。
ストーリーが分かってるから期待せずに読んだけど、いい塩梅で映像が頭に浮かんで心地よかった。
続編おっかけ決定。

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購入済み

神様のカルテ

2015年04月24日

Good


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Posted by ブクログ 2024年05月04日

□読むことになったきっかけ

 GWを前にして読むものがなくなり
 退勤後 慌てて
 閉店間際のワングーに駆け込んで
 手当たり次第にパパパッと すみません・・・


□夏川草介さん

 初めてです 文章は読みやすく
 登場人物は個性的で みんな愛がある
 文豪の書がちらほら
 未読の書 多々にて ...続きを読む気になる


□オススメ

 疲れない文章 ちょっと医療現場
 心地よい読後感を味わいたい時に


□好きなフレーズ

 ・五里霧中とはこのことか。人生とは晴れぬ霧に包まれた手探りの放浪にほかならぬ。
 p.58

 ・川を堰とめ山を切り崩して猛進するだけが人生ではない。そこかしこに埋もれたる大切なものどもを、丁寧に丁寧に掘り起こしてゆくその積み重ねもまた人生なのだ。
 p.246


□感想

 ・主人公・イチさん
  漱石先生を敬愛しすぎていて
  話し方がおかしい おもしろい 愛しい

 ・舞台
  信州一地方都市の24時間365日対応病院
  松本城の近くの「御嶽荘」

 ・好きな登場人物 砂山次郎
  黒い大男 外科医 酔うと核心を突く

 ・好きな場面
  【 “どくとる、どくとる・・・”
    と妙な音が聞こえた。
    思わず耳を済ます。
    “どくとる、どくとる・・・” 】

 ・神様のカルテ
  2・3・4・5も おいおい
  後味が悪くないやつを読みたい時に
  読み進めていこうと 思ったよ

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

スピノザの診察室がとても良かったので、今更ながらこちらを読んでみることに。

実際、変わり者でもいい先生っているよなぁ。。一止のような先生に出会えたら、例え病気になったとしても、余命宣告されたとしても救いになるだろうなと思いながら読んだ。
過酷な現場なのに、登場人物がみんな優しくてほっこりする。ほっ...続きを読むこりしながらも、命の意味を考えさせられる物語。

一止やハルたちの続きを読みたい。

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Posted by ブクログ 2024年04月06日

心温まるいい作品だった。
主人公の口調は変で難しい単語も良く出てくるものの、何故か心地よい感じがする。

全体的な雰囲気もほのぼのしており、死にゆく現場にありながら、前向きな展開になっているのが良かった。

次作も読もう。

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Posted by ブクログ 2024年03月23日

スピノザの診察室を読み凄くよかったので早速こちらの本も気になって読みました。
ドラマ化されてるのは知っていたのでかなり期待していました。
スピノザの主人公とは同じ医療系とはいえ全然違ってどちらかというとかっこいいより変態?笑
喋り方も夏目漱石の草枕に影響されまくっていて古風。
登場するキャラクターも...続きを読む個性豊かでみんないい人。
ほのぼのしました。
でもスピノザの方が僕は好きだったかな。

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Posted by ブクログ 2024年03月02日

お医者さんが主人公の病院が舞台のお話で、人も亡くなるのですが、読み終わった後に温かい気持ちになりました。
人の生死にかかわるお話はそれだけでドラマチックで重たい感じを受けがちで、少し苦手なのですが、この小説は夏目漱石の「草枕」が愛読書で古風な話しぶりのお医者さんが主人公でその語り口で進んでいくことや...続きを読む、主人公を取り巻く魅力的な登場人物たちとのやりとりもあって、始終安心して読み進められたと思います。
主人公とその「細君」である榛名さんとのやりとりがとても素敵で、この後の展開も気になります。
今回のお話しに登場した高齢の末期がん患者、安曇さんの人生を終えるにあたっての態度には感銘しました。私も自分が人生を終える時にはそんな風にできたら、と思いました。

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Posted by ブクログ 2024年01月15日

高度医療を手掛ける大学病院と底辺と言われる地方病院
インスタントのブラックコーヒーと豆からひいたミルクコーヒー
どちらもそれぞれの良さがあるし、望むものも人それぞれ違う。
どれが正解とかではなくて、ふと立ち止まった時に自分が幸せならばそれでいい。
前ばかり見てなくてもいい、私の幸せは私にしか分からな...続きを読むいのだから。

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Posted by ブクログ 2024年01月10日

夏川草介さんの医療小説。初読みとなります。
舞台は信州にある民間の大病院。ネットで見て知りましたが、夏川さんは信州大学ご出身で実際に長野の病院に勤務されている現役の内科医なのですね。(現時点はどうなのかわかりませんが)

本作を書かれたのは既に十数年前ですが、地方医療に関する人手不足の問題や地域の人...続きを読む々の高齢化といった様々な課題が背景となっています。これらの課題は現時点では解決するどころかむしろ大きくなっている。別に地方に限った問題ではなく、今や日本全体がこの大きな課題に立ち向かっていると言えるでしょう。

夏川さんはこの作品の中で、地方医療機関に勤める一人の医師が、この大きな課題に対してどのように対応していくのか、どのように戦っていくのか?について描いています。厳しい環境にある医療現場の中で戦っている人々とそれを取り巻く人々を心温まるストーリーで展開していました。

読み始めるとすぐに分かるのですが、主人公の語り口が「漱石」風になっている。決して古風で堅い感じがするものではありません。これがまた気持ちの良いテンポを生み出しています。身の回りの人々の描写についても軽妙な「あだ名」をつけてその性格や特徴を的確にユーモラスに表現している。まさしく漱石風ですね。(「草枕」というよりも「坊ちゃん」に近いような気がします)

登場する人物は皆さん良い人たちで、信州の雄大な大自然の鮮やかな風景と相まって、思わずストーリーの中に溶け込んでしまいました。ストーリー自体は素直でシンプル。そして暖かい。

医療関係を主題とした作品は色々と読んできました。作品によっては手術や診療の過程などに「生々しさ」を感じてしまうこともありますが、この作品に限っては「思わず目を背けたくなる」様なことはありませんでした。専門的な表現や名称が出てくるのは当然でしょう。でも、生々しく感じることはなかった。柔らかく暖かい。そのあたりの作風が夏川さんらしいのだと思います。

そして、延命治療・終末期医療について考えさせられる内容でした。先端技術を用いて自力で呼吸できず、意識が無くなっても心臓だけを動かし続けるのか?果たして機械に繋がれて心臓だけが動いている状態が「生きている」ということになるのか?

現代の医療現場では様々な最終判断が医師に委ねられています。その最終判断を下すにあたって医師自身も様々な選択肢を前に葛藤している。

葛藤しながらその判断を下している主人公と患者、それを取り巻く人々の描写に思わず涙腺が緩んでしまいました。

「神様のカルテ」は既にシリーズ化しているので、第二作にも早々に手を出してみます。新たな本との良い出会いができました。

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Posted by ブクログ 2023年12月30日

映画を視聴済み。
夏川さんの安曇野診療記を読み、とても好きだなと思ったので夏川さんの作品を全て読みたいと思い、まずはやはりこちらのシリーズから。

一止さんが思ったよりも変わっているけれども、医療に対して患者さんに対して真摯で、ハルさんも映画動揺、包容力が大きく、好きです。
シリーズ楽しみたいと思い...続きを読むます。

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Posted by ブクログ 2023年12月27日

心地よい物語だなぁ……。
上橋菜穂子さんの解説1行目。もうこれに尽きるなぁという感じなんですが、それでは感想にならないので、、、
持って回った様な普段の発言の面倒臭さと、奥さんのハルさんを褒める時の臆面のなさが素晴らしい。
理屈っぽい普段の言葉遣いにカモフラージュされて、通常ならば失笑する様な奥さん...続きを読むへのストレート過ぎる褒め言葉がするりと頭に入ってくる。
このシステム、覚えがあるなぁと考えたら、森見登美彦さんの黒髪の乙女システムですね。
同じ関西出身の理系だからかなぁ、でもそういう人は他にもいるしなぁとか考えながら読みました。
買うだけ買って、積読していた本ですが、続編も買おうと思います。

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Posted by ブクログ 2023年12月16日

最先端医療を行う大学病院ではなく、24時間365日体制で市井の生き死に付き合う田舎の総合病院で、只管患者に寄り添う医者、栗原一止(いちと)の物語。

第二話『門出の桜』がよい。
男爵が、故郷出雲へ帰る学士殿へ叫ぶ台詞、
『こいつは敗北ではない、門出だぞ、学士殿!』
『この一歩は前への一歩だ。前進なん...続きを読むだ。そのための花道だ。絶対忘れるな!』

安曇さんの夫が泥棒少年を見逃すだけでなく、米一俵を持たせた後の話が泣ける。情けは人の為ならず、という言葉を思い出す。

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Posted by ブクログ 2023年10月16日

医療ものは難しそうで、あまり読む気がしないのですが、先日読んだ「本を守ろうとする猫の話」を読んで夏川草介さんに興味が出できたので読んでみた。多少医療用語は出てくるけど、ほとんど気にならない。ハルさんや学士、男爵など他のキャラも立っていてとても面白い。信州の地方病院の苦悩や人情がじんわりと伝わってきて...続きを読む、とてもほっこりさせられるいい作品でした。夏目漱石の草枕が読みたくなった。

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Posted by ブクログ 2023年08月30日

じんわり感動しました。
登場人物が個性的で魅力的です。
可愛らしい奥さん、豪快な同僚、同じアパートに住む奇妙な住人、そして患者さんたち。

舞台が長野県ですが、その情景が目に浮かんできました。
人生には岐路がいくつもあります。
正解なんてないのかもしれないし、どの道も正解なのかもしれません。
人に優...続きを読むしい人間であれたらいいな、と思いました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年08月08日

当時気になってた人からおすすめされた本。私も人生の最後に寄り添える人になってたのかなあ。
桜の花道で送り出すのよかった!

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Posted by ブクログ 2023年08月01日

10年ぶりくらいに再読した作品。

地方病院の人で不足の厳しさを描きつつ、そこに携わる心優しい人々の交流。一止の古風な話し方も相まって、そんなに昔の設定でもないのにノスタルジーを感じる。一止とハルの柔らかなやり取りは、何度読んでもほっこりさせられる。特に第三話の終わりのやり取りが良いと思う。

都会...続きを読むや未来にばかり良いものがあるように見えることもあるけど、身近にも大事なものがある。

『足もとの宝に気づきもせず遠く遠くを眺めやり、前へ前へと進むことだけが正しいことだと吹聴されるような世の中に、いつのまになったのであろう』(作中より引用)

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購入済み

 

 
2021年09月01日

直向きに誰かの幸せのために
不断の努力を尽くす。
このことがどれ程、輝いて見えるか
そう思える一冊でした。

明日から自分の公私と共々
精一杯生きていきたい!
あとこの本の影響で言葉遣いが
古風になりそう笑

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購入済み

深く考えさせられます

2021年03月03日

消化器病棟で働く看護師です。もともと医療系の小説やドラマは好きでいろいろ読みますが、長編ということでなかなか手を出さずやっと読みました。主人公の言葉遣いが難しいことや、描写が事細かに書かれている印象があり、苦手なタイプの文章が多かったですが、医療者として、人として、考えさせられることが多く、そういっ...続きを読むた意味では面白かったです。エゴとか、倫理とか、答えの出ない問題を抱える辛さに共感を覚えました。続きも読みたいと思います。

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購入済み

よかったーーー

2016年03月19日

難しい言葉で話すので、なんとも読みにくさもあったけどとてもよかった。

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購入済み

良かったです

2015年04月24日

最近涙腺が弱くなってきて、こういう作品は困りものです。(笑)

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Posted by ブクログ 2024年05月01日

静かで暖かな物語。地方の病院で医師をしている、少し変わり者の先生が主人公。誰も悪い人が出てこなくて、安心して読めます。個人的に最近ヒリヒリざわざわするような話ばかり読んでいたので少し物足りなく感じたけれど、これ自体はとても素敵なお話でした。文体(特に主人公の話し言葉)が堅苦しいけれど、おかげで、夏目...続きを読む漱石に傾倒しているという主人公のキャラクターの濃さが伝わりやすかったです。

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Posted by ブクログ 2024年03月31日


過去に読んだのですが、ストーリー覚えておらず再読。
病院の過剰労働や生死がすごく柔らかい文章で書かれていて、読んでいて緊迫感などは感じず心地よい。主人公の口調は特殊すぎだけど、それがこの柔らかさになっているのかも?
細君がどこまでも素敵なひとすぎる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月17日

地域医療の激務と日々闘う栗原先生
本当に大変さがわかる内容でした。
確かに患者に寄り添い地域医療に人生を捧げる生き方もありだが私だったら大学医局にいくなぁ。
この医師不足の問題は栗原先生一人だけでは解決できないと思う。



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Posted by ブクログ 2023年10月16日

大学病院は日進月歩する
最先端の医療が学べる場所であり、高度な治療が
受けれるのかもしれないけれど、
多くの人間が持つ病気は慢性疾患であったり、
治る見込みのない病気であったりする。
医療の底辺と言われるような
地方の病院こそが、必要な受け皿だったりする。
治る見込みのない患者さんに
どこまでな延命...続きを読む治療をするのか。
医療行為で、何日か長く生きたとして
果たしてそれが、生きるということなのか。
きっと、医者、看護師が
生きるということ。
を視点で患者を見た時かならず
起きる葛藤

栗原一止は、
本来ならば、
絶食、安静を指示しなければいけなかったであろう患者に
最後に食べたいと言っていた
文明堂のカステラを渡し、
好きだった山を見れるよう
屋上に連れて行く。その患者は
「夫を亡くし、病気になりずっと自分の人生は虚しく寂しかった。でも、最後のこの時間は幸せだった気がする」と
話す。
たとえ、1人であってもそう思わせることができた
栗原はすごい。

緩急としては
私は、御嶽荘に住む変わった
人たちのやりとりに何度か吹き出す。
夏目漱石ぽい喋り方も面白い。

なんと解説は上穂菜穂子さん。

また、これが素敵な文章で。
死という、テーマを扱う時の作家としての
技量をこう述べている。
「現実に深く思いの針を落とした人でなければ
心地よい物語は書けません 冬をよく知っているからこそ
書ける春 」
医療にも通じていて、
深く、生きるということを考えたとき
よい看護、医療ができるんだな。と。

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