あらすじ
医師の話ではない。人間の話をしているのだ。
栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家である妻・ハルの献身的な支えもあり、多忙な日々を乗り切っている一止に、母校の医局からの誘いがかかる。今の病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。
新年度、内科病棟に一止の旧友・進藤辰也が東京の病院から新任の医師としてやってくる。かつて進藤は“医学部の良心”と呼ばれていた。しかし、彼の医師としての行動は周囲を困惑させるものだった。そして、さらに大きな試練が一止たちを待ち受けていた――。
感情タグBEST3
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人命とは儚いもので、季節が巡るように人はやがて死んでどこかでまた新しい命が生まれる。日々に忙殺される中で、気がつけば病気に蝕まれていて、大事な人との別れはほんの一瞬の時間しか待ってくれないという現実。人の「死」を実感できることが容易でないように、人の「生」も実感するのが難しい。どうしようもない「死」というものを受け入れなければならない時、やりようのない感情で胸がいっぱいになる感覚。1の時もそうだったが、やはり人が死ぬということは辛い。古狐先生の死も読んでいて心が苦しく涙が止まらなかった。
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神様のカルテ1を読み速攻で購入
面白くないわけがない。
1に引き続き、平常運転の栗原だが、2では感情を露わにする場面がある。
論理的思考と毒舌が得意な栗原が見せる感情剥き出しの描写は新鮮で趣がある。
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「神様のカルテ」が、現場の泥にまみれて葛藤する若き夏川先生の原点であり、「スピノザ」、「エピクロス」は到達点(理想と達観)である、と強く感じるのである。
「スピノザ」、「エピクロス」を読む前にこちらを読んでいたかった、と思ったが、それもタラレバに過ぎないか。まだどちらも読んでいない方は、本書から先に読んで欲しい。そして「1と2」は一気読みをオススメする。
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「1」に続きオーディブル。
耳が慣れたこともあるかもしれないが、「1」以上に引き込まれた。
描かれている人の心と哲学。それらがサクサクと刺さってくる。まさに、
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角(とかく)に人の世は住みにくい。」
だ。
街の描写も魅力的。松本市、訪れてみたい。
そして、オーディブルに導かれて「3」へ
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素晴らしい本でした。
死生観と仕事に対する哲学があり、医師の大変さと素晴らしさがわかる本です。涙なしには読めません!
はやく続編が読みたくなります。
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思わず泣いた。
心が揺さぶられた!生きていること自体が奇跡みたいなのだと痛切に感じた。
地方の医療施設に勤める医者の「気概」、「使命感」が事細かく読み取れる。また、周りにいる人もいい人ばかり。
このシリーズは一気読みすべきである!
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”人間”の話でした
医療の最前線で自らの身体そして心、つまり命を削りながら現場に立つ医師たち
そんな彼らに我々患者は何ができるのか?何を返すことができるのか?
そんなことを考えました
彼らはきっと言うでしょう
感謝されるだけで十分だと
だけどそこに甘えてしまって本当にいいんでしょうか?
「ありがとう」と引き換えに彼らを聖人君子という名の牢獄に閉じ込めてしまってはいないでしょうか
患者としてできることはないか?そんな考えがそもそも間違っているのかもしれません
我々もまた患者である前に人間なのです
彼らが医師である前に人間であるように
答えは見えないけれど、スタートは見えた気がします
我々は皆等しく”人間”なのです
そこから始めましょう
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良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である。24時間365日診療できる病院を維持することを忠実に守りながら、家庭を犠牲にする古狐先生。小さい子供の世話をしながら、医師としての仕事を悪評を浴びながら続ける進藤先生。いずれも医師であり、人間である二面性のバランスをどうとるか、が大きなテーマとなっている本作。非常に悲しい結末ではあるが、医療現場の苛烈さを痛烈に描写したメッセージ性の高い小説だと思う。1人の人間が亡くなるということは、そこに紐づく絆が途絶えること。のような文言があったが、そんな絆を1つでも増やし、後世に繋げられるような人生にしたいと思った。
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ほっこりするけどやっぱり泣ける。
人は必ず家族の誰かを看取らねばならないし、自らの死からも逃れられない。人生、出会いの数だけ別れがあり、関係が深くなればなるほど別れは辛くなる。どう自分らしく生きるかに重きが置かれる昨今、どう死ぬか、どう別れるかは見落とされがちではないかと思う。
神様のカルテはそんな事実に目を向けさせると共に医療が患者の死とどう向き合っているのかということに気付かせてくれる。当たり前だけど医者をはじめとする医療従事者が全ての病気を治せるわけではない。死は公平に訪れるけれど、それは辛いし不条理でもある。だからこそしっかり生きたいし家族や友人を大切にしたい。
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一止の医学部時代の同期進藤辰也が東京の病院から赴任してくるけど夜間に連絡が取れなかったり意外と不評で、、、。
悲しいお別れもある今作。
夢中で読み進めました。
物語の舞台である松本に行きたくなる。
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文句なし。第一作で感じた微かな違和感が無くなった。慣れたからなのだろうか。
新しく登場した主人公の同級生の秘密は、予想の範囲、でも読ませる。
古狐の話は意表をつく。新人があればいなくなる人もいると言うことか。
ハル、いいな。
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積み重なる澱は、誰が気づくであろう。気づかないことが悪ではなく、気が付いた時からが勝負。命のやりとりは難しい。だから、懸命になるのであろう。そんな気持ちが強まる作品。
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人を救うために自分の命を削って働くドクターたち
それでも鋭利な刃で切られるかのような心許ない言葉を浴びせられる
自分の命のみならず家族までを犠牲にして
本当に何のために自分は生きているのだろうと
でもドクターは生きている人たちの命を救うと同時にその死に様にもしっかり責任を持って向き合っているのだ
最後には夜空に輝く満点の星空が一人一人の人の命の輝きに見えてくる
ドクターである前に皆んな一人の人間であるのだと
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この本は小説であり、物語という立て付けだが、
一般の人は、普段は患者としてしか医者に関わらないので、知ることのない、医者目線からみた医療の現場で起きている課題がよくわかった。
物語については、
とにかく登場人物の個性が話し方や過去なども含め、際立っているところが素晴らしく、みんなそれぞれの主人公との距離感ではあるが、やさしく信念を持って生きていると思った。
読み進めるごとに明かされる各々の登場人物の過去から、自身が主要な登場人物をみんな好きになっていくのを感じた。
とてもリアルなのに、ドラマがあり、人のあたたかさや、いのちについて思いを馳せることができた。
文体は、主人公(筆者自身を投影?)が夏目漱石が好きな文学オタクなので、昭和のような硬い文体なのに、内容や伝わる感情が濃密で唯一無二の作品。
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医療に近い仕事をしているので、いわゆるライフワークバランスについて私も思うところがありましたが、主人公や細君たちの思い、言葉にジーンとくるものがありました。やや理想を善として貫いているところが読む人にとってどう思うかな?と感じますが、私はとてもよかった。読後感もよく続きをすぐに読もうと思ってます!
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大狸と古狐の固い絆の理由に、涙が止まらなかった。。。
夏川さんはなぜこんなにキレイな文章を書けるんだろう。。。男爵に屋久杉くん、大蔵省含め、みんな一癖あるけど、嫌味が全くない。
いつもこのシリーズを読むたびに、どんな女優さんがハル役にぴったりかなぁ?と想像してしまう。とても、素敵な女性だと思う。。。
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ものすごい一冊だった。
以下ネタバレ含みます。
前半。
栗原と再会した旧友の進藤先生にまつわるエピソードが始まる。
連絡に出ないことや早く帰ってしまうという苦情が溜まっていく中で、私生活を犠牲にして働くことは狂っているという、進藤先生の言葉が響く。
それなら医者にならなければいい。
そうなのだろうか?
自分を擲つ覚悟をしなければ就けない職というものの意味を、少し考えてしまう。
そうして、その覚悟に身を投じてきた古狐先生が倒れていまう、後半。
ゆっくり二人の時間を作ることもままならなかった、妻の千代さんは何を思うのだろう。
そうして、栗原先生の横にいるハルちゃんもまた、何を感じるんだろう。
最後の、労いと慟哭のシーンは、すさまじい対比だ。
千代さんと大狸先生、二人それぞれの、それまでの感情、表情を、まるで入れ替えたかのようなシーン。
生きてきた姿が死になる。
けれど、私は進藤先生の苦悩の問いから、まだ離れられずにいる。
自分が今感じている問いに近いものがあるからかもしれない。
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人が死ぬということは、
大切な絆が無くなるということ
良心に恥じない。それだけが医者の報酬
この2つの言葉が素敵。
朝も昼も夜も無く働くお医者様、
昨今は直美なるお医者さんも多いと聞くけれど、良心に恥じないという尊い言葉が胸を打つ。
タツとイチの互いに相手を尊重し信じ合う友情がいい。
また、凛とした千代の佇まいや言葉遣いが美しかった。
年齢はおそらく私と変わらないはずなのに。
千代さんを目標にします!
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医者の過酷の労働環境の中で身近な人の死を通して、医者である前に人間として向き合う情動を美しい自然の描写と合わせて書き切ってある。すっとのめり込める作品。
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美ヶ原の王ヶ頭ホテルからの王ヶ鼻。高遠の桜、ロープウェイで登る御嶽山。花桃の花、どれも見てみたい。その様な美しさを感じることのできるハナさんがギリギリのイチさんを支えているのだろう
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悲しい別れが描かれていても、なぜか心が苦しくなることなくあたたかみさえ感じるのは、著者の文章力と個性的な登場人物のキャラクターのためだろう。医師である前に人間だ、という言葉は読み手の立場で他のことにも置き換えることができると思う。医療の常設ということもあるが、前作ともに生きていく上で大切なことを思い起こさせてくれる作品。
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二作目は,以前の同級生が,同じ病院にやってくる。
商品紹介を転載。
新年度、内科病棟に一止の旧友・進藤辰也が東京の病院から新任の医師としてやってくる。かつて進藤は“医学部の良心”と呼ばれていた。しかし、彼の医師としての行動は周囲を困惑させるものだった。そして、さらに大きな試練が一止たちを待ち受けていた――。
進藤辰也の豹変ぶりはどこから来たのか。その旧友が,この病院でどのように変わるのか。まだ,主人公の一止が旧友の言葉から何を学び,医者としての成長に繋げていくのか。
れいによって,理解のあるステキな妻・ハルさんに勇気づけられながら,物語は進んでいくのである。
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夏川草介氏の『神様のカルテ2』を読んだ。前作に続き、信州・松本の本庄病院を舞台に、内科医・栗原一止を中心とした医師たちの姿が描かれている。今作では、医学生時代に一止の初恋の相手を射止めた親友・進藤辰也が、東京から本庄病院へ赴任してくる。久しぶりの再会を喜ぶ一止だったが、辰也の様子はどこかよそよそしく、周囲とも距離を置いていた。一止はその理由を知ろうとし、少しずつ辰也の心を開いていく。
辰也が抱えていたのは、妻の育児放棄や家庭の問題だった。患者を救うことに全力を尽くす医師であっても、家族がいれば悩み、病気にもなる一人の人間である。医師だからといって、常に強く、正しく、他人を支え続けられるわけではない。仕事と家族のどちらを選ぶのかという辰也の葛藤を通して、医師もまた自分の人生を生きているのだと感じた。
さらに、突然大病を患ってしまう先輩医師の姿も印象に残った。これまで患者を診てきた医師が、今度は自分自身が患者になる。その立場の変化によって、医療を受ける側の不安や孤独が浮き彫りになる。医師も病気になる人間であるという当たり前の事実を、私は改めて考えさせられた。
本作には、心に残る夫婦の姿も数多く描かれている。七十年間連れ添った妻の亡骸の前で、朗々と木曾節を歌い、その二時間後に自らも息を引き取った九十五歳の夫・マゴさんの姿には、長い年月をともに生きた夫婦の深い絆を感じた。また、古狐先生の奥様が、通夜の弔問客が去った後、棺の前で三つ指をつき、「お疲れ様でした」と語りかける場面にも胸を打たれた。長年連れ添った相手への感謝と敬意が、その短い言葉に込められていた。
ハルさんの姿にも感動した。夫の一止に付き合って酒を飲みながら、「苦しいお酒はイチさんの分まで飲みます。おいしいお酒は、イチさんと一緒に飲みます」と言う場面である。苦しい時も楽しい時も夫と分かち合おうとするハルさんの優しさと強さに、深い夫婦愛を感じた。マゴさんの木曾節、古狐先生の奥様の「お疲れ様でした」という言葉、そしてハルさんの酒にまつわる言葉は、いずれも感涙を誘う場面だった。
特に心に残ったのは、副部長とその奥様との約束を果たすため、一止が屋上から星空を見せようとする場面である。一止は周囲の電気を一分間消すが、その結果、翌日、会議室に呼び出され、事務局長から厳しく問い詰められる。病院の規則や経営上の都合を優先する事務局長に対し、一止は患者や家族の思いを守ろうとする。そして、「医師ではない、人間の話をしているのだ」と反論する。この言葉には、医療を単なる業務や数字として捉えるのではなく、そこにいる人間の人生や感情を見つめようとする一止の信念が表れている。組織の論理に屈せず、人間のための医療を訴える一止の姿に、深い感銘を受けた。
また、一止が常に「患者のために他に何ができるか」と問い続ける姿にも胸を打たれた。病気を治療するだけでなく、患者や家族が最後までその人らしく過ごせるように何ができるのかを考える。その姿勢こそが、医師としての心意気なのだと思う。
『神様のカルテ2』は、医療現場の厳しさだけでなく、友情、家族の問題、夫婦の絆、老いと死、そして人が人を思いやる温かさを描いた作品である。医師も患者も、誰もが悩み、傷つき、支えを必要とする一人の人間である。読み終えた後、「医師の話ではない。人間の話をしているのだ」という言葉が強く心に残った。本作を通して、医療とは病気を治すことだけではなく、人の人生に寄り添うことなのだと感じた。
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栗原一止
イチ。本庄病院に勤務する五年目の内科医。信濃大学医学部卒。夏目漱石を敬愛している。南3病棟。御嶽荘の桜の間の住民。御嶽荘でのニックネームはドクトル。当直の夜は普段の一・五倍の患者が来る“引きの栗原”というジンクスがある。学生時代は将棋部に所属。
栗原榛名
ハル。一止の妻。一見すると華奢な普通の女の子。幾つものカメラを抱えて世界を飛び回り、数々の驚くべき写真を撮影してくる山岳写真家。
1年前に一止と結婚した。元松の間の住人。旧姓片島。
大狸先生
消化器内科部長。太った腹をゆすりながら豪快な笑い声で患者たちを魅了する。一止は大狸先生と呼んでいる。驚くべき内視鏡のテクニックの持ち主で、信州のゴッドハンドと呼ばれる。
外村
救急部看護師長。年齢三十?歳にして独身、有能で美人の看護師。
後藤
松本平広域救急隊の隊長。
進藤辰也
本庄病院に加わった医師。東京の有名病院で血液内科を専攻してきたエリート。一止の学生時代の数少ない友人。タツ。松本城近くの路地裏にある老舗そば屋の一人息子。学生時代は将棋部に所属。医学部時代は“医学部の良心”と呼ばれていた。
古狐先生
内藤鴨一。消化器内科副部長。痩せぎすで三日徹夜で働いても三日ゆっくり休んでも変わらず顔色が悪く、大狸先生とは対照的な姿から古狐先生と呼んでいる。
東西直美
二十八歳にして病棟の主任看護師にまでなった極めて優秀な女。頭がいい上に、危急の際にも絶対慌てない冷静さに定評がある。南3病棟。
砂山次郎
北海道の牧場農家の生まれの大男。一止とは医学部生時代からの知己で、学生のころは同じ寮の隣りの部屋で四年間も生活してきた腐れ縁がある。
卒業後は大学病院の外科医局に入局、三年後に大学病院の人事にもとづいて本庄病院の外科へ派遣される。水無陽子と交際中。
水無陽子
病棟看護師。栗色の髪をショートカットにした笑顔が可愛らしい。気立ても良く気のつく性格。
留川トヨ
九十二歳。一止のファンクラブの最高齢。
男爵
御岳荘の桔梗の間の住人。一見すると四十代にも五十代にも見えるが、ふとしたときには少年のようなそぶりを見せる年齢不詳の男。売れない貧乏絵描き。
鈴掛亮太
二浪して信濃大学の農学部に入学。御岳荘の銀杏の間の住人。ゼミの研究課題から屋久杉君と呼ばれる。
留川孫七
トヨの夫。九十五歳。
御影美雪
本庄病院に勤務する、新人看護師。
四賀藍子
二十五歳。女性。再生不良性貧血。
進藤千夏
旧姓如月。辰也の妻。医学部時代に将棋部に入部。一止の後輩。東京の帝都病院の小児科医。ICUとかに子供が入院すると、何日でも泊まり込んで家に帰らない。
マスター
居酒屋「九兵衛」のマスター。
内藤千代
古狐先生の妻。一止は弥勒様と呼んでいる。古狐先生とは学生結婚。
会田
糖尿病患者。
自若
循環器内科の先生。いつも泰然自若としているから自若先生と呼んでいる。心疾患のエキスパート。
進藤せつ
辰也の母親。夫を失ってからも蕎麦屋しんどうを守ってきた。
進藤夏菜
辰也の娘。三歳。
松前徳郎
本庄病院検査科の技師長。
乾
乾診療所の院長。昔本庄病院の外科部長をしていたベテラン中のベテラン。外科の河馬親父。
本庄忠一
本庄病院五代目の院長。
金山弁次
本庄病院の事務長。
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医師の話ではない。人間の話をしているのだ。
栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家である妻・ハルの献身的な支えもあり、多忙な日々を乗り切っている。新年度、内科病棟に一止の旧友・進藤辰也が東京の病院から新任の医師としてやってくる。かつて進藤は“医学部の良心”と呼ばれていた。しかし、彼の医師としての行動は周囲を困惑させるものだった。そして、さらに大きな試練が一止たちを待ち受けていた――。(紹介文より)
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大号泣。
進藤辰也の奥さんの働き方も、
小狐先生の病気も、
涙があふれてとまらない。
寝ずに働いて当たり前、ずっと病院にいることでいい医者と喜ばれる、
でもその医者にも家族があり、人間である
じゃあ、限界がきている医療現場でどんな働き方ができる?
答えの無い問いに、
イチが立ち向かう姿が心に刺さる。
個性的な登場人物たち。
医学の良心ともいえる内容。現実では難しいからこそ、涙がとまらない。
Posted by ブクログ
まさかまさかの古狐先生が。。。
本庄病院での医師は多忙を極め、帰宅できないこともしばしば。
患者さんが困らないように、尽力してきた先生との別れは、本当に悲しく、理不尽に感じる。
奥様も素敵な方で、ご夫婦の時間がもっと持てればと思ってしまう。
Posted by ブクログ
前作は「主人公は地域医療を続けるべきか?」といった、主人公目線での話でした。一方今回は「医療従事者のワークライフバランス」にフォーカスしていたため、読者側もかなり考えさせられる内容だったと思います。面白かったです。
命を相手にする仕事に休みはありません。しかし、命を救うために、医療従事者も命を削っている状況は、果たして望ましいのでしょうか。よりよい医療に向けた、今後の科学技術の発展を期待します。
Posted by ブクログ
栗原一止の務める本庄病院に、彼とともに大学時代を過ごした進藤辰也が着任することになります。しかし、栗原や砂山とともに理想を追っていたはずの彼は、かつての彼の姿からは信じられないような生気のない態度で仕事をし、悪評を受けることになります。やがて栗原は、進藤が結婚した如月千夏の身に起こったある出来事が、彼の変化の背景にあることを知るようになります。
さらに、大狸先生とともに本庄病院を支えてきた古狐先生が倒れ、深刻な病にむしばまれていることが明らかになります。栗原たちは、彼の命を支えようと一丸となって力を尽くします。
今回は、前巻よりもわかりやすいクライマックスをつくっていることもあって、エンターテインメント小説の醍醐味を十分にたのしめました。