あらすじ
祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。ドビュッシーの調べも美しい、第8回『このミス』大賞・大賞受賞作。
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Posted by ブクログ
音楽×スポ魂×ミステリーのハイブリット小説であり、読む人に勇気を与える一冊。
ベートヴェンやショパンなどの有名な楽曲が度々出てくるが、YouTubeで曲を聴きながら演奏シーンを読むと、臨場感が10割増しになるからおすすめ。
隣の芝生は青く見えるのはよくあることだが、自分を卑下する必要はなく、自分には自分の芝生がある。それをどう育てるか、どんな想いを込めて水を与えるかが重要である。
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終盤に訪れる2度の衝撃。
1度目でも十分なのに、2度目は「えっっっ」と思考回路が停止してしまう程の威力。
初めて読んだのは10年以上前ですが、その衝撃が忘れられず、今でも本棚に置いて、時々読み返す大好きな作品です。
ミステリー、音楽、いじめ、障害などのテーマをキレイにまとめている作品だと思います。
特に音楽に至っては、音楽の知識が皆無な私でも、文字から音や情景が浮かんでくる程の表現がされています。
そして、主人公がコンクールで披露する2曲の演奏場面は特に圧巻。息をするのを忘れてしまう程の場面となっています。
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ピアノを弾きたくなった。
有名なクラシック音楽は題名をきいたらメロディ浮かぶといいなあと思った。
イスラムの癖とか首を傾げる癖とか良い伏線だった。火傷は想像するだけで痛いし顔面を再現できるものなのか。。(フィクションだからいいけど!)
それにしても入れ替わりに家族が気づかなすぎだろ!とは思った。
演奏の描写すごい。何小節目かってそんなに把握してるものなの?
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【タイトル回収が秀逸すぎる】
思わずおぉ、と言ってしまってた。
自分が自分でいられる場所がピアノのある世界。
貪欲さを持って取り組むことで、自分のことを客寄せパンダとか同情してもらいたい人とかって思うことがどーでも良くなってくる。
「周りには勝手に言わせとけ。」
くらいの気持ちを持って真っ直ぐピアノに取り組む主人公の姿には純粋に応援したい気持ちを持てたし、ガムシャラに頑張れる何かを見つけたいと思った。
Posted by ブクログ
ミステリーと言うことを忘れるくらいの激動の展開があり、一心不乱にピアノに打ち込む主人公に圧倒されて、ページをめくっていると、すっかり忘れた頃にミステリーだった事を叩きつけられる作品です。一見の価値ありです!
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騙された……!
タイトルが秀逸で唸らせられました。
榊さんと遥のバディ感がたまらなく、障害を負った身から駆け上がる反骨精神が眩しかったのですが、要所要所で不穏なところがあり、最後の種明かしに思わず声が出てしまいました。
いい読書体験だったー!
Posted by ブクログ
青春小説であり、音楽のスポ根物語であり、ミステリー小説でもある。
クラシックには触れてこなかったからこそ敬遠していたのに、読み始めたら先が気になってページを捲る手が止まらない。
ピアノが分からなくても面白かったです。ところどころで抱く違和感があとから丸っと回収。どんでん返しが見事で、勘が鈍い私には先の展開が全く想像つかなかったです。
少し時間をおいてまた読み返したい作品。どこに違和感を抱いたのか探しながら読んでみようと思います。
タイトル回収が綺麗。この先のシリーズ作品のタイトルの意味をそれぞれ読んで知れることに今から楽しみです。
Posted by ブクログ
面白い
中山七里の作品なのである程度構えて読んでいても感情輸入したところでひっくり返されて、えーっとなってしまった。
音楽に対しても鬼気迫る描写が多く、最初は冗長とおもえる表現も主人公とともに好みになってくる良い作品。
音楽をやったことない自分でも刺さった作品なのである人ならかなり面白いのではと思った
Posted by ブクログ
読んだ後、「こんなことあるのか…。」と思い、暫く呆然としてしまった。
本当に、最後の最後まで騙され続け、まさに、「このミステリーがすごい!」という言葉を呟いてしまったほどに。
改めて読み直し、伏線を確認していきたい思った。
本作は、音楽×ミステリーということで、先ほど述べたように、ミステリーとしても勿体ない作品だが、音楽小説としても素晴らしい小説だと思う。
私も、芸術分野で高みを目指しているので、共感できる部分も、参考にできる点も多かった。
やっぱり、ピアノでクラッシック音楽を弾けるようになりたいなと毎度のように、ピアノが出てくる小説が出てくると思う。
もう少し、クラッシックにも造詣を深めていきたい。
スペシャルドラマと映画があるみたいなので、1度見てみたい。
あの感動を映像でも味わいたい。
今後の岬洋介シリーズも気になるから読んでみたい。
Posted by ブクログ
ミステリーとして音楽物の小説としても面白かった。
完全に引っかかったし、読み返すと伏線の連続だった。
岬先生の物事の考え方がとても素敵だし、説得力があった。
また読み返したい。
Posted by ブクログ
ピアニストからも絶賛!ドビュッシーの調べにのせて贈る、音楽ミステリー。ピアニストを目指す遥、16歳。祖父と従姉妹とともに火事に遭い、ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲で不吉な出来事が起こり、やがて殺人事件まで発生する。第8回「このミス」大賞受賞作品。めっちゃ面白かった
Posted by ブクログ
物語の伏線回収だけでなく、最後にタイトルの意味も分かるので、すっきりとした気持ちで読み終わることができた。クラシック音楽に詳しくない人も、作中に出てくる曲を聴きながら楽しんでほしい。ミステリーという枠組みに囚われない作品で、何かに直向きに取り組む大切さや、偏見・差別についても考えさせられる小説だった。
予想外の結末
表紙の美しさと、タイトルから、ピアノの青春小説かと思って読み始めたところ、途中で「このミス」の大賞受賞作だと気が付きました。そこからは謎解きしようとメモってみたりしたものの、しっかり騙されちゃいました。
あのピアニストの清水氏で映像化されているらしいので、そちらも見てみたいし、シリーズ化された話も読んでみたい。
Posted by ブクログ
すでにいくつか中山七里を読んでいるが、これがデビュー作だったのか。最初っからどんでん返しやったのね。なんか、すごいし、結末が悲しいような希望があるような。そして、演奏シーンの描写がすごい。ドビュッシーのみならず、この本に出てくる曲目は全て聴きたくなった。
Posted by ブクログ
タイトルそういうことだったのか…!
え?え?え?が多いです。
起承転結の随所に驚きがあって、引き込まれる本です。
描写も緻密で一シーン一シーンが脳裏に浮かびあがってくるかのような印象を受けました。
個人的には、序盤の悲劇が1番ショッキングでした。
Posted by ブクログ
タイトル回収が美しい!
ぐいぐい読みたくなる文章で、1日で読破。
随所に、"あれ?"と思う箇所があったのに、まんまと騙されてしまった。どんでん返し抜きにしても、熱くて素敵な作品。
Posted by ブクログ
印象に残った一文。
「向き不向きなんて、その人の我儘じゃないかと思う時があります。
その職業を選択した時点で、その道のプロになろうと努力するのは最低限の義務だと僕は思います。」
──まるで頭をガンと打たれたようでした。
抗うことは簡単じゃない。けれど、諦めることだって簡単ではないと思う。
諦めるには、それなりの覚悟がいる。
二度と振り返らない覚悟なんて、自分にはまだ持てないから。
だからこそ、わたしも必死に抗って、悪あがきしながら生きていきたい。
Posted by ブクログ
ピアノの旋律を聴くことができない頁の上で、動き・記憶・感情の表現に重ねて想像させられ、盛り上がりを感じられるところが面白い。結末は違う方向が良かったが、、
Posted by ブクログ
障害者かつ芸術家の卵としての葛藤はもちろん、最後は裏切られて、今までの話が一気にひっくり返ったような気にすらなった。
外面で人のことを判断するのがどれだけ難しいか、色々な角度から分からせられた。
Posted by ブクログ
1度しかない人生。
どんな境遇にあっても、もがきながら精一杯に生きるしかない。
どのような人生を送るかは、本人次第だと。
ちから強く生きる活力を与えてくれる作品でした!
Posted by ブクログ
中山作品なのでもっとミステリー寄りと思っていたら、ピアノの描写多めで想像していたのとは大きく違った。十分推理可能だったのに真相にはまったく気づかなかった。ピアニストになる夢を断念せざるを得ない程の大火傷を負ったにも関わらず、努力して特待生の名に恥じぬ演奏ができるまでに回復させた遥の執念が凄まじく、そこが最初の違和感だった。演奏シーンがやや長いが、物語に惹き込む力が強くノンストップで読めた。次作からは登場する音楽を聴きながら楽しみたい。
全身大やけどのケガからピアニストを目指し復活にかける少女の話。
少女の頑張りに思わず応援してしまっていて、スポ魂ものとして引き込まれるところのある作品でした。
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ラストのどんでん返しに驚かされた。途中までは少し読みにくく、物語に入り込みにくいなと感じていたけれど、それが全部伏線だったなんて。面白かった。
Posted by ブクログ
ChatGPTに勧められて
途中までは中だるみ感あって、演奏の描写の詳細とか適当に読み飛ばしてたけど、後半は一気に読めた。
登場人物少ないし、犯人って言ってもねぇって思ってたんだけど、
オチは、なるほど、そゆことーーー!って
ピアノをひくのは個人的にに好きなので、作曲家の生き様とか個性まで把握して、演奏するのも奥が深いな、と思った。
Posted by ブクログ
後半はおもしろかったけど前半冗長だったな
登場人物の細かな描写も多かった(レポーターとか)
私が編集者なら
ページ数3割ぐらい減っていた気がする
お母さんが亡くなったところから
「?!」ってなって勢いよく読み終えた
構成はいいけどもっと簡単にボロが出そうなもんだ
伏線いうほど多くなかったよね?
あんまり点と点が繋がる感じがなかった
身内に命狙われているならもうちょっと
疑心暗鬼になったり警戒してもいいものだが。
それにしても父親、陰薄すぎやせんか〜
読んでて引っかかったのは治療の一部で可能な限りタンパク質を摂取するのくだり。
「苦手な豚肉料理が少なくなったのはありがたいけど」って、豚肉もタンパク質では?と思っていた(豚肉がタンパク質なのは事実だが、その箇所も伏線だったみたいね)
みちこさん、子どもが遺産目当てに親族を殺すとほんとうに思ってたんだとしたらそれはそれでうーんだけどなあ。あとみちこさんからしたら少女の中身が誰であっても祖父を殺したひとと判断していたのなら同じでは?(=魔法の呪文のところで気づくかなあ)というのが拭えなかったな。母親より先に気づくというのも。
あとあと、雨のなか買いに行こうとした生理用品はどうなったん…
男性作家が生理持ち出すのちょっと生理的にうーんてなる
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伏線回収のために2回目
ミステリーはこれがあるからたのしいね
64 お母さんから祖父とルシアが助からなかったと聞かされて狼狽えている
76 『肉親』を亡くしたばかりなのに
110 苦手な豚肉料理
163 母の一瞬不安そうな目
168 部屋を出たのはたったの一度きり
179 お父さん、ゴメンナサイ
231 石段での事故を詳細に話す刑事
264 本来の自分とは異なる何者かにされるのは悲劇
296 ショパンについて知らない(冒頭ですきといっていたのに)
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派手なラフマニノフの方が弾きたかった。でも技術も手も未熟で発表会での演奏は地味なドビュッシーを弾かされた。そんな小学生の頃の記憶が脳裏に浮かんできた。
この話を読んでもうひとつ思い浮かべたのはピアニストの辻井伸行さん。彼の「月の光」や「水の戯れ」を画面越しに聞いた時は鳥肌が立った。盲目なのにではなく盲目だからあんなに魅力的な演奏ができるのだろう。本作の情感溢れる演奏描写は彼のような演奏を聴いているとなんら誇張ではないと思ってしまう。
私にしては珍しく動機もトリックも犯人もピタリと当ててしまったが、ミステリとしての魅力が半減しても、音楽青春小説として素晴らしいことに変わりはない。
岬洋介のキャラクターも良く、次作のラフマニノフにも期待大。ただ、少し前までブルグミュラーの「アラベスク」に苦戦していた少女に、超絶クソ難度の「熊蜂の飛行」をリハビリで弾かせるのは指導者としてどうかと思うぜ岬さん…(笑)
Posted by ブクログ
最後に大どんでん返しがあると帯に書いてあったため意識しながら読んでしまい、いちばん大事な部分に早々に気付いてしまった。
作品自体のせいではないけれど、気持ち良くどんでん返されたいタイプなので少し残念。
それでも最後まで楽しめた。
ちょっと無理があるような気がする点もいくつかあったけれど。
Posted by ブクログ
ピアニストを目指す16歳の遥は、祖父と従姉妹と共に火事に遭い、一人だけ奇跡的に助かるも全身に大火傷を負う。それでもピアニストになる夢を諦めず、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。しかし、その周囲では遺産相続を巡る不吉な出来事が次々と起こり、ついには殺人事件まで発生する。音楽とミステリーが融合した物語。
・・・
私、音楽は好きですが、クラシックはあまり分かりません。
それでも過去のバンド経験やフラメンコギターの経験から、音楽へ打ち込むことの楽しさと辛さ、難しさ等は分かるつもりです。
で、本作主人公の遥の、文字通り起死回生の並々ならぬ努力、ドビュッシーへの憧憬と感動がダイナミックで壮麗に描かれている点は、迫力を感じました。
もうね、自分も明日にでもピアノレッスンを申し込みたくなる、ってなくらい感情移入できました。
その迫力のある書きぶりはとても好き。
思えば、食レポとかも、本当に食べるのが好きな人がことばを尽くしたとき、迫力と重みがあると感じます。本作では筆者の音楽好き(だと思いますが)がさく裂しているのでは、と感じた次第です。
というか、これで中山氏は音楽が好きでもないとしたら、その表現力の豊かさにむしろ引きますよ。
・・・
他方。
これは良さでもあるのでしょうが、エンタメに寄りすぎな点が個人的には好みではなかったかもしれません。
火事にあった遥。そこにイケメンで優しく熱いのピアニストが先生になってくれる。しかもそのイケメンは司法試験も通っている。そして障害すら持っている。
また遥は姿の見えない誰かに命すら狙われる。そこを度々イケメン先生が助ける。
そして極めつけはラスト十数ページで分かる母親の殺人犯。
そんな展開あるかよー、と心で突っ込みたくなったのです。
ただこれは、エンタメ。そう、エンタメと割り切って味わうべきだったのかな、と感じた次第です。
遥の造形からすれば、スポ根的サクセスストーリーで純文学的に読みたかったかも、というのが我儘な読者の感想ですかね笑
・・・
ということで中山氏の作品、初めてでした。
定期的にお邪魔するブログで氏の作品が度々取り上げられていたことから気になっていたんです。またお値打ちな作品があれば試してみたいと思います。
音楽やミステリーが好きな人にはおすすめできます。漫画チックな読み口の小説です。