あらすじ
祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。ドビュッシーの調べも美しい、第8回『このミス』大賞・大賞受賞作。
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Posted by ブクログ
著者の巧みな物語構成、鮮やかな情景描写にすっかり魅了された。
火事で周りを炎に囲まれている様子、聴いたこともない音楽やその劇場の様子、人の感情・表情…。
自分も火事に巻き込まれた気分になったし、すごい音楽を聴いているような気分になった。
物語の途中では遺産相続、障害を持つ人が生活する過酷さ、いじめ、嫉妬、思い込み…、人の「汚い」部分までしっかり描写されていて、読んでいて苦しくなる時もあった。
しかし、最後のコンクールでは、「彼女自身」のそれまでの努力の成果やピアノへの執着心・貪欲さが力一杯表現され、多くの人の心を動かし、岬洋介のおかげで周囲の思い込みからも鮮やかに解放された。爽快な終わりで気持ちよかった。
Posted by ブクログ
面白かった。
次が気になる小説。
不自由なく生活していた15歳の女の子が、
祖父と従妹で火災に巻き込まれ、大やけどおってしまう。
その苦境の中、ピアニストを目指して頑張るが、
殺人事件に巻き込まれる。
ピアニストを目指す再起の物語と思いきや、
特異状況下での推理小説にびっくり。
身体障害を超越する物語かとおもいきや、
最後はどんでん返し。
物語はかなりおもしろかったんだけど、後味が悪かった。
最後は花さかせる物語が好きだから。
Posted by ブクログ
「このミス」の大賞受賞作ですが、一言でミステリーとは言えない作品だと思いました。音楽の知識やピアニストになるための激しいレッスンの描写に圧倒されます。全身大火傷の状態から、みんなの想いを背負いピアニストになるために必死で努力する姿には頭が下がります。岬先生のピアノの指導力と卓越した推理力に脱帽です。物語の結びで用いられるタイトルの表現に切なさがこもっていました。遥として過ごさざるを得なかったルシアが、自分として生きられるピアノの世界はどんなにか自由なものだったかと思うと切なくなりました。
Posted by ブクログ
ピアノ演奏時の描写が長すぎやしないか?と思った(感受性が低い人間なので)。あとそんな大火傷を負った人間がコンクール優勝できるような腕前まで回復できるか?そしていくらフィクションでもご都合主義がすぎやしないか?松葉杖の人間をそこまでいじめる高校生っているか?とか諸々突っ込みどころはありつつ…。
ただ最後のどんでん返しは、ミステリ古くからの手段でありながら気がつかず…これがデビュー作とは驚きでした。
Posted by ブクログ
演奏の描写が美しい。ドビュッシーの月の光は私も大好きな曲なので、流しながら読んでみた。
酢豚や首をかしげるクセなど、所々に伏線がはられているので綺麗に回収された印象。でもこれ、ミステリー好きなら割と早い段階で気づきそうだな〜とか思った
Posted by ブクログ
私に音楽の教養が無いことが残念すぎる。音楽を知らなくても面白いけど、知っていたらもっと楽しめたと思うと悔やまれる。
最後のタイトル回収でスタンディングオベーション。悲しい物語だったかもしれないけど、私的にはハッピーエンドだった。
読み進めていくなかで、引っかかっるところが所々あるのに真相に辿り着けず、最後にしっかり驚かされた。これを言ってはおしまいなんだが、皮膚移植の前にDNA鑑定できたのでは…と読後3日間くらいモヤモヤし、ルシアちゃんの今後の幸せを祈った。
Posted by ブクログ
このミス大賞の本、オススメで知って読んだ。
音楽に絡めたミステリだが、事故にあった高校生、遥が怪我に負けず(それも火傷から)立ち上がっていく物語だった。
火災で亡くなった祖父の莫大な遺産を受け継ぐことにはなったが、自分も重度の火傷で目指すピアニストへの道が閉ざされようとした。
そこに、先生の知り合いで天才ピアニスト(岬)が指導をしてくれるとになる。
彼は、諦めかけた彼女を、心身ともに支え、音楽家として、ピアニストとして立ち直らせていく。
五体が満足でも険しい道程を、音を使って世界に伝える(繋がる)と言う意味を教え、そこに達する技術の指導をする。
彼女も不自由な手、特に大切な指や下半身を、苦痛を乗り越えて鍛え、真の音を探りつつ成長する。
感動的で力が入る。コンテストの課題になった「月の光」に向かって、感性を深めていく様子は、読んでいても、音楽を聴く、深さを教えられるようだった。
遺産を巡って起きる事件は、岬の驚異的な観察力で解決する。彼は司法試験にトップで受かったが、ピアニストを目指した変り種だった。
ミステリの部分は、母親が亡くなり、遥も命に関わるような犯人の妨害に合うが、岬に助けられ、犯人も挙がる。
全体を通して、ミステリ小説とは言うものの、重点はピアノにあるようで至極あっさり片付いている。
力を入れたコンテストを目指す練習画面は面白い、「月の光」と言う曲についても読みながら理解できるようになっている。
これは読者がわかりやすいような表現で語っているのだが、成功していると思う。
指使いや、少し出てくる音楽記号など、その分野に触れることが出来る。
最初は「月光の曲」と間違っていて、岬の指導や音の並びでハテと思い気がついた。
我ながら迂闊ものだ(^∇^)
TVの特集番組で、留学中のピアニストが弾くリストの超絶技巧練習曲をみた。感じのよい青年だったので岬さんのイメージはこの人にした(笑)
超絶技巧練習曲の「鐘」はピアニストが絡むドラマなどで時々聞く。
心身の障害、家族の不幸を乗り越えていく感動と、ミステリの融合という面白いテーマを書いた中山七里という作家を覚えた。
読みやすいが、より深みの或る作品を読ませて欲しい。面白かった。
Posted by ブクログ
(オーディブル)
・クラッシック音楽がテーマの少女の成長譚かと思いきや全然ミステリーだった。ミステリー初心者なので大どんでん返しにちゃんとびっくりさせられた。きっとミステリーを嗜む方には分かりやすい筋道だったんだろうな~と読後に思うなど。
・楽器を演奏していて指が重くなってくる感覚を思い出した。演奏や音楽の描写が好きだった。
・前情報一切なしで読み始めたので、読後に岬洋介シリーズの一作目であることを知った。上記「思いきや」の部分の少女が悲劇に遭いながらも逆境を乗り越える・精神的にも成長するというストーリーの大枠もある程度楽しめた。しかし岬というキャラクターがやりたい放題てんこ盛りの設定なので、今後シリーズを純粋に楽しめるかと言われると微妙かも。サブキャラ・憧れのお兄さん・探偵役としてはいいかもな~と思ったが、メインに据えられるとちょっと脂っこいというか。もう一作続きを読んでみようかと思う。
Posted by ブクログ
ミステリー×音楽 ピアノ要素がおまけではなく本格的に描かれている 知っている曲が多くて、本を読んでいるのにどこからか音が聞こえてくるような感覚。 ドビュッシーやショパンエチュードを聴きたくなった。 中山七里は楽器を弾けないのにこの作品を作るために研究した時いてさらに驚き。