小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
学び満載の本だった!
〈本から〉
オープンエンド
俳句は間口が広くてだれでも気楽に入っていけるけれど、一度入ったら奥は深い。そこが俳句の優れた点だと僕は思うのです。(茂木健一郎)
俳句のしくみを知ろう
①五七五
②季語が入る
③切れ(切れ字)がある
俳句は五七五の間を一字ずつあけず、一行で縦書きにするのが原則です。
季語
(略)
季語は便利な言葉ですが、一つの句に季語は一つ、「一句一季語」というのが定石になっています。季語は俳句という舞台の主役にあたる言葉です。
切れ
俳句における「切れ」は、詠嘆や強調を表現するとともに、カット(映像)を切り替える働きもします。代表的な「切れ字」でもある「や」「仮名」「蹴り」は、調べるを整える働きもします。
微小な変化をとらえるというのが、やはり俳句の命だと思うのです。
脳科学では、脳について「一つのことで訓練した回路は、ほかのいろいろなことにも応用可能である」という考え方をします。(茂木健一郎)
どんな試練も「句材」になる
物の考え方がすごく前向きになるというか、プラス思考になっていくのを感じます。(夏井いつき
)
人生の中で、辛い出来事に出会ったときには、せっかくこんなに辛い経験をしたのだから、何句か作っておかなければ、と考えるんです。(夏井いつき)
日常の中にある出来事を、短い形でパッと切り取ることで、ちょっとだけ幸せになるということが身につくと、現代に生きる人たちにもすごく役立つ、助けになると思います。(茂木健一郎)
俳句が一句完成するまでには、自分の言いたいことが充分に表現できたなというところまで推敲を重ねて整えていく場合と、何かの拍子に一発でポンとできるとき、この二通りがあります。いずれにしても、「できた」と自分で感じた瞬間の達成感はとても大事なことだと思うのです。(夏井)
俳句の作り方には、大別すると①一物仕立て ②取り合わせの二つの方法があります。
紅梅や枝々は空奪ひあひ 鷹羽狩行
白梅や父に未完の日暮あり 櫂未知子
「取り合わせ」は、ある季語に、それと一見関係のない季語以外の言葉を取りり合わせる作り方です。これにより、相乗効果が生まれ、連想が広がることから「二物衝撃」ともいいます。
夏井 散文を作る脳と、韻文を作る能は違うと
いうことですか。
茂木 そうだと思います。基本的に脳は、
モジュール構造になっているので、
処理する情報の性質が違えば違う回路、
もしくは回路の組み合わせによって
処理が行われるので、当然違います。
「季語とは関係のない十二音のフレーズ」を、私は「俳句の種」と呼んでいます。
先輩俳人の方々は「俳句には生憎という言葉はない」とおっしゃいます。俳人は、雨が降ったら降ったでその風情を喜ぶ。風が吹いても喜ぶ。俳句の目で眺めたら、人生はどんなことがあっても、「生憎」ではない。
散文のように、正しい意味を伝達するというのとは違うところに、詩歌の世界は存在します。(夏井)
いいたいことをそのまま表現したり、説明したりすれば、散文になります。俳句は一行の詩ですから、思いは季語や事物に託して表現します。限られた字数の中でどれだけ読み手の想像力をふくらませられるか。「こんなこともいいたい」「これも盛り込みたい」という思いをどんどん捨て去っていく。その作業に尽きる思います。(夏井)
茂木 夏井先生が「才能アリ!」とされる
俳句ってどんな俳句なんですか?
夏井 発想が面白いか。うまく描写されて
いるか。その上で一行の詩になっているか
どうかを見ます。
「類想類句」
「に」という助詞は後ろに静的な動詞がくるときに機能するものであり、「で」は後ろに動的な意味を持った動詞がくるということがわかってきます。
「炬燵『に』」といったときと、「炬燵『で』」といったときの違いを、理屈で理解できると、どちらを使うのかというときに迷わなくなるのです。
基本の型
中七は七音に収めるのが定石です。
季語の入れ方
作者の気持ちを表現してくれる季語を探しましょう。
作者の意図を表現してくれる季語を見つけましょう。
表現を明確に
だれの動作なのかを明確にしましょう。
具体的な言葉を使うことで場面が見えてきます。
感情語に注意
喜怒哀楽を表す言葉はそのまま使わず、読み手に想像させましょう。
「つらい」という感情を述べるのではなく、具体的な現場を描写しましょう。
効率のよい言葉選び
情景や場面が浮かびやすいキーワードを探しましょう。
語順を工夫することで映像が浮かびやすくなります。
作者の状況を明確にする動詞を使うことで躍動感が生まれます。
抽象名詞の是非
明確な形を持たない抽象的な表現を使うのはソン。より具体的な言葉を探しましょう。
助詞の効果
「に」を「や」に置き換えたことで生まれる効果を味わってみましょう。
重ね塗るペンキの文字暮早し
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重ね塗るペンキの文字や暮早し
助詞「で」を「に」に置き換えたり、あえて助詞を取ったり、ケースバイケースで考えましょう。
管理室で仮眠しており去年今年
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管理室に仮眠しており去年今年
詠嘆の助詞「かな」「や」の違いを味わってみましょう。
一円を合わす作業に氷柱かな
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一円を合わす作業や夜の氷柱
動詞の効果
言わずもがなの動詞を省略し、より焦点を当てたい事物の表現に字数を託しましょう。
雪の日に届く朝刊ゆびのあと
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雪の日の朝刊にある指の跡
表現の精度
複合動詞を上手に使えば時間の経過を詠み込むことができます。
誘導の帽子に積もる雪深く
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誘導の帽子に雪の積もりゆく
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Posted by ブクログ
よく書店で棚陳や平積みされてるのを見てて、
気にはなっていましたがスルーしてました。
この度、ふとファンタジー名作を読みたくなり、
気になってた本作に手を伸ばす…。
めっちゃ面白い!!
文体が自分に合っているのか、
世界観が波長に合ったのか、
描かれている描写から、絵が目に浮かぶんです。
自分なりの映像イメージを掻き立ててくれる!
そんな素敵な文章。
読んでいる感覚としては、
若かりし頃に読んだ『ロードス島戦記シリーズ』
はたまた、北方謙三の『水滸伝シリーズ』あたり。
作品は全く違う雰囲気ですが、
それらの作品から受けたインパクトと
近しい印象を、本作に持っています。
さて、第一巻。
主人公の陽子の置かれている状況と同じく、
読者にも全容ほとんど見えてこないままに、
話は進んでいきます。
陽子に降りかかる数々の災難や理不尽に、
心苦しさを抱きながら読み進めました。
私は特に蒼猿の精神攻撃がしんどい。
自分の力不足や不安や人への不信感に、
飲み込まれそうになる時に、
同じような思考に振り回されることがありますが、
そんな時の自分と重なって、
じわじわと苦しみが伝わってくる…。
きっと物語のどこかで、
蒼猿の存在の意味とか、乗り越えたりとかが、
陽子が成長する大きなポイントになるのでしょうが、
そんなところも楽しみにしながら
次の巻も読んでいこうと思います。 -
Posted by ブクログ
香りは記憶の『嘘』と『真実』を見抜く
シリーズ3作目。『燻る骨の香り』とは。
10年前に遡る、朔と京都の『瑞雲堂』の真奈。
暴かれる『嘘』と『真実』。
すべて香りが纏い、残された人たちの心の隙間にスルリと入る。
香りを嗅いだその人の記憶をたどり思い起こす。
朔の言う「嗅覚は呪いのようなもの」「誰かと楽しめるわけなどない」
喜怒哀楽が潜んだ記憶。
香りに敏感であればあるほど記憶のフラッシュバックが蘇ること。
真奈や父、親族からすれば嗅いだ記憶は果たしてどんな香りだったのだろうか。
その時その時嗅いだ香りを向き合わなければならない時に真奈は妹の丹穂が持つ『嘘』と『真実』が苦いものだったとしても、前に進まないといけないということだったのかもしれない。
今まで出会ってきた本の中で、本に香りがついてるのかと思うぐらい、ほのかに感じる香りを漂わせる物語で、とてもおもしろかったシリーズでした。
それが人間の記憶の不思議。五感の一つ、嗅覚が呼び起こすもの。
自分の人生で香りを感じることは様々な場面であっても、香りが好きと言ってる中でもなぜ好きなのか嫌いなのかまでの判断がつかないけども…。
記憶が蘇る程の香りに出会った時に、私は前に進められるのだろうか? -
Posted by ブクログ
続編もよかった。
今回は、満月ではなく、クリスマスがテーマだったので、満月ではない日の物語。まぁ、お月様は毎晩出てるから、これもよし。
Subtitleにあるように、本当の願い事…、私の願いってなんだろう?願い事は多分いっぱいあって、どれも偽物でない願い事だと思う。でも本当の願い事って言われると難しい。なかなか気づきにくいものなのかもしれない。自分の心に問いかけてもすぐに答えは見つからない気がするが、自分のためには見つけてあげることが必要な時もあるのだろう。その瞬間に、満月珈琲店はやってくる。いつか私のところにも来て欲しい。
奇しくも、3日前は、中秋の名月だった。あいにくの雨だったけど。 -
Posted by ブクログ
緻密に練られた設定と魅力的な風景や人物の表現で世界観に没入できて、やっぱりファンタジーって面白い!と思わせてくれる作品でした。
もっと早くに読めばよかったー!
ユリアも、トリスタンも、ヘクトルも、自分の進むべき道を切り開く強い意志を持っていて、でも弱さや葛藤もあって、勇敢だけど普通の女の子であり青年であり娘想いのお父さんなんだとわかる描写が多くて感情移入できるが故に、途中から話が不穏な流れになってきたときは先の展開がどうかるのか想像して続きを読むのが辛くなりました。
私はハッピーエンド史上主義ですが、最後は切ないけど、みんな命の限り自分のやるべきことを全うしてずっとずっと先の時代まで希望を託していったので、不思議と悲しさはありませんでした。
最期に悲しみや後悔を感じさせないことで、彼らの物語を見守ってきた身としてはとても救わます。
トリスタンとユリアが別れ際、恋人としてではなく、同志として言葉を交わしたのも出会った当初の関係と繋がっていてよかった。
何がすごいって、こんなに魅力的な人物ばっかりなのに2作目以降からは彼らはもう登場せず時代も変わり、シリーズを通しての主役はあくまでも「レーエンデ」ということ。
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