小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレてっきりそれぞれの話が完全な独立しているものだと思っていましたが、ちょっとした繋がりもあって、一冊で連作短編集となっているのですね。
そしてその一篇一遍がレベルが高い!
『老歌手』
ヴェネチアという舞台設定がもうロマンチックなんですが、内容もウェット。愛し合っているけど、これからの自分達の先のために別れる、という芸能界ならではの価値観も、元共産圏の主人公だからこそ、色眼鏡がつかずに、スッと読むことができました。
『降っても晴れても』
カズオ・イシグロはコメディセンスがある、と解説で言っていましたが、本作は確かに然り。切れ味のある台詞の応酬もそうですが、散らかした部屋を偽装するために犬の真似 -
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元看護師だからこそ描けるリアルで、そしてどこまでも温かいホスピスの日常。
今作もページを心がぎゅっと締め付けられて、最後には温かい涙が溢れて止まりませんでした。
今回の物語では、卯月が新人ナース・麗奈の教育担当に。感情を素直に出しすぎてしまう麗奈から投げかけられた、「患者さんが亡くなることに慣れるものですか?」という真っ直ぐな問い。
その言葉に、胸を突かれるような気持ちになりました。「慣れる」ことなんてないけれど、それでも目の前の「いのち」とどう向き合い、寄り添っていくのか。卯月自身が改めて自分の仕事や心と向き合う姿に、深く共感し、何度も目頭が熱くなりました。
作中で描かれる、夢を追いかけ -
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今年読んだ本の中でいちばんよかった
自然と涙があふれる場面が何度もあり、心を大きく揺さぶられました。
きょうだい児
(障害や重い病気のある兄弟・姉妹がいる子どものこと)
から見た現実を描き、「良心とは何か」を問いかけている作品です。
見て見ぬふりができますか。
これまで、どうしてきましたか。
あなたなら、どうしますか。
今までの自分を振り返り、世の中の見方が変わる、行動が変わる、そのきっかけになるかもしれません。(ミズアイス)
課題図書にしてくださり、ありがとうございます。この本に出合えて、本当によかった。
私の火もゆらめいた。
これからも、きっとゆらめくだろう。
だけど、葉澄の言 -
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ネタバレいつか読みたいな、と思いつつ10年も経ってしまった。
今年の直木賞の発表を機に読みました。
分厚い上に上下巻。
でも読み始めると引込まれてしまいダレることなくあっという間に読むことが出来た。
終始表紙のような色彩の映像が流れてくる文章。
でも三次予選前の4人で海に行くところ、三次予選2日目に塵が駅前に行くところ、最後に塵が海に行くところなどたまに入るシーンで彩度の低い映像が流れてくるのがとても印象的だった。
文庫版では最後にコンテストの結果が載っていたが、連載版では結果は載っていなかったようなのでその余白もとても素敵。
コンクールの勝敗よりも音楽を通した亜夜・塵・マサルの変化や関係性に惹かれ -
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ネタバレ物語の構造が面白い。それぞれのお話がどう進んでいくんだろうと思うんだけど、どのお話にも入っているドラマの展開も気になる。タイトルにハッシュタグがあるのはそういう意味かと合点がいく。
ままならないキッチン、ままならない人生…五十五歳の女性。夫は退職してボランティアで海外へ。子どもたち二人は独立。寂しさと人生の苦みを感じた。最後は「理想」の冷蔵庫ではなく、自分の欲しい冷蔵庫を買おうと新宿に向かう。読後感「前向き」
半殺し…社会人五年目。恵比寿で彼氏と同棲。何かにつけて彼女のすることなすことに難癖。同棲時に持ち込んだ「テレビ」にも難癖。最後は「自分の人生の計画を立てよう」と踏ん切りをつける。読後 -
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ネタバレ「ウェルテル効果」という言葉を知らず、雑誌でたまたま知ったので。
これが300年前の話だというから、驚きです!
エキセントリックで、直情的すぎると思うべからずです。
近年の、メンヘラノンフィクションや作話に、頻繁に出るシチュエーションな気がします。
つまり、それだけ普遍的な価値観を描いているということですよね。
しごとも、こいも、何もかも思い通りにならず、絶望……いやむしろ「死」をある種の希望として命を絶つ刹那的な様が、若者に熱狂的な共感を呼んだのは、正直頷けます。
これは、受けるだろうなと。
光文社古典新訳文庫、酒寄進一さんの比較的新しい訳は、読みやすかったです。 -
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親戚のたけしおじちゃんが亡くなったのは、
社会人2年目の冬だった。
私の実家は一階が車庫で、
その中に小さな事務所があった。
父の実家がやっていた電器屋の名残りみたいなもので、そこにはいつもたけしおじちゃんがいた。
ひいおばあちゃんの血の繋がらない息子。
私の親戚で、一番好きなおじちゃんだった。
学校から帰ると玄関に入る前に、
たけしおじちゃんのいる事務所に向かった。
おじちゃんは、当たり前のように「おかえり」と
言ってくれてその頃はディアゴスティーニが出してた戦艦大和の模型を作っていた。
「これおじちゃんが作ったの!?」
「そやで。綺麗に塗れとるやろぉ」
そう言って頭を撫でてくれ -
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ネタバレ下巻もめちゃくちゃ面白かった。映画でさらっと流されていて(なんかわからんけどとりあえず上手くいったんだな)と感じていた部分の試行錯誤がふんだんに描かれていて、それがとても面白かった。
地球に戻れるだけのアストロファージをロッキーが分け与えてくれるシーン、映画ではハグをしていてそれがとてもよかったが、原作にはない映画オリジナルであることに驚いた。映画を先に観ておいてよかった。原作が先だったら余計なオリジナルだったなと思っていた可能性がある。映画でのハグは、3時間という短い時間で彼らの親密度を描くのに効果的だったと思う。
アストロファージを採取し分析、そしてタウセチで釣りをして大気を採取。この採取 -
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高山の春慶塗り。
高山に行きたくなる
親子孫三代で親のルーツをさぐる旅なんていい
母の春慶塗りのかんざしを元に孫である真緒が高山の漆の森を訪ねていく
最初に漆を見つけた人はどんな人なんだろう
漆のような伝統工芸を守ってきた人たちに感謝である
「苦しいとき、よくひとりであのかんざしを出してみてたんだ。漆の艶のうつくしさを見てると、いろんなことがどうでもよくなる。この世にはこんなにきれいなものがあるんだ、と思うと元気が出た」
母が心を保っていられたのは、漆の力なのかもしれない。母の子供時代が母の壊れそうな心をつなぎとめていた。P303
金継ぎも一度経験してみたい
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