小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
(読んでる途中の感想)
この本にストーリーはない。
人々の心情描写があるのみだ。
もちろん、話は前に進んでいく。
でも、結局はそれも人々が経験した思いをかたっているだけであり、事実として進んでいくわけではない。
テーマは「時代とともに変化する価値観」なのかなと思った。
その時代、その文化の中にいれば生贄だってするかもしれない。
いまの価値観が絶対正しいとか、あの頃はよかった、ではなく、変化する価値観を受け入れろって話かと。
(読み終わった感想)
面白い、というと語弊があるが、面白かった。
続きが読みたいと思った。
それはなぜか?なぜだろう。
この人がなにを考えているかを知りたい、この -
Posted by ブクログ
今村翔吾氏の圧倒的傑作。
城を守る石垣職人と城を落とす鉄砲職人の物語。
テーマは無論「矛盾」
戦国時代を舞台に武将メインではなくその裏側の職人にフォーカスしたこの作品はそれぞれの職人の技巧や組織体制、そして葛藤が圧倒的解像度で描かれている。
その職人たちの視点で展開される実際の歴史をベースにした戦乱描写も至高。
その時々で色を変える戦況とそれぞれの心情描写に感情移入し常に鳥肌でした。
現代にも通ずる矛と盾を担う者たちの葛藤、それでも譲れない信念をもった男たちの戦の行方をぜひ貴方に見届けてほしい...
今最も語り合いたい本のうちの一冊、是非に。 -
Posted by ブクログ
熱く、面白かった。
将棋に少しでも知見があれば、一読をお勧めしたい。
若者の生き方や成長。
若手棋士としての姿。求める場所へ到達するための努力・葛藤。心の揺れ動く様の書き方が上手く、のめり込んで読まされてしまう。
実力者と呼ばれる程になっても更に上を目指す生き方。神に沿うのか抗うのか、どうすれば頂上へ近づけるのか。そこに師匠や弟子はどう作用するのか。
もう、様々な人の様々な状況があるが、とまれも無駄な事なくとても面白い。
将棋に詳しく無くてもいいです、少しでも知ってるならぜひ読んだほうがいい。
ただ、しょを全く知らないのであれば読んでも魅力はなかなかつたわらないかもと思いました。 -
Posted by ブクログ
スープ屋しずくシリーズの第三弾
主人公の理恵としずくのオーナーが店以外の場所でも出かけるという、2人の関係が少しづつ近くなってきたように感じた本作。
本作の中で印象深かったのは、第四話。
妻を亡くした六朗が突然娘の前から姿を消す。
しばらく連絡はとっていたものの、どんな生活をしていたのか知らなかった娘のもとに、六朗が亡くなった知らせが届いた。
姿を消したあと、六朗がどんな生活をしていたのかを娘と常連客と一緒に巡る。
というストーリー。
わたしはまだ大事な人を亡くしたという出来事がないので、想像が甘くなるところだと思うが、もし大切な人が亡くなったらあなたはどんな行動をとるのだろうか?