あらすじ
「ただ普通でありたかった」
誰か教えてください。
ぼくはどう生きればよかったのでしょうかーー。
三通の手紙に刻まれた魂の叫びが、現代の精神的堕落をあぶりだす。
中学受験、トー横、起業サークル、悪徳コンサル、闇バイト。
「普通」が壊れた時代に漂う「自己本位」への誘惑。
【あらすじ】
ある青年から届いた手紙には、幼少期から「普通」を願って生活を送ってきたことが書かれていた。普通の家庭、普通の教育、普通の交友関係。多少の挫折はあっても、彼は「普通」の軌道に乗り続けている--はずだった。今、彼はとても困難な状況にいる。どこでそうなったのか。どうしてそうなったのか。両親が不仲だからか、トー横に行ってしまったからか、それとも大学時代の起業サークルが原因か、それとも重くのしかかる奨学金のせいだろうか。三通の手紙があぶり出すのは、あらゆるものが可視化された現代社会にはびこる精神的幼稚さと、その行く末。
ぼくだけが悪いのでしょうか?
見えますか?この暗黒が。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
普通を目指して生きてきた青年が闇バイトの沼に堕ちるまでを描いた作品です。
現代の闇を色濃く描いた怪作です。
3部の手紙と編集者の覚え書きの4篇構成です。
手紙の章は青年の独白形式で進みます。
最初は「主人公はなんて他責思考で自己中心的な人なんだろう…」という気持ちでいっぱいになりました。
自我が無く、コスパとタイパ重視で、共感能力に乏しく、プライドだけは高いのに挑戦を恐れて何も成さず、承認欲求は高いのに常に受け身で、いかに自分が損をしないかを考えて立ち回る現代の若者そのままの姿でした。
とにかく【薄っぺらい】中身の人物です。
それが読み進めるうちに「何かを間違えれば自分もこんな人間になったのかもしれない…」という気持ちにさせられました。
いつの間にか自分を重ねてしまっていたのです。
それがとても恐ろしく感じました。
編集者の覚え書きである最終章は圧巻でした。
共感の嵐とはまさにこのことか、となるほど頷きながら読みました。
とても記憶に残る作品です…今だからこそ読む価値があります。
間違いなく本作は私の記憶に残ると思います。
Posted by ブクログ
普通の人になりたかった青年が重大な犯罪を犯してしまう
それは単なる不幸の連鎖によるものなのか?
それともか彼の人間性によるものなのか?
または時代のせいなのか?
本書は結論を出していないが、誰しもに起こりうることとしているように思えるため、時代のせいと訴えているようだ
先日、Z世代の特徴について書かれた書籍を読んだが、本書の主人公によく似ている
優秀だが、それは隠し、目立つことを恐れ、出世を望まず、平均的な生活を望む
一方で自己肯定感がかなり強く、自分の能力、判断に自信を持つ
Z世代は闇バイトに陥りやすい特徴を持つのだろうか?
ふとそう考えた
Posted by ブクログ
2月6日再読。
この小説を読む度に、色々なことを考えさせられる。
私は彼と同年代なので、考え方や世の中に対して共感できる点も多々ある。
だけど一方で相容れない部分もあるが、この本を読むと自分の人生の先が怖くなりもする。
今回読んで思ったのは、私たちの社会が何かと意味や物語を求めすぎていることも今を生きる上で息苦しくなっているのではないだろうか。
シンプルに見下されたくない、怒られたくない、傷つきたくない。
こういったことを甘やかしだと過度に批判されるため、それなりの理由をつけて何事も納得する。
自分の感情にも嘘をつきながら、納得する理由を探している。
佐伯ポインティさんの動画のコメントに、Z世代は人生のネタバレを全部見せられていると書かれていたが、世の中を見渡せば、やるべき事、無駄なこと、全ての情報が転がっていて、ネットの世界では誰かを罵ることばかり。
ただこれを社会だけのせいにしてはいけない。
自分がどんな時代を生きているか知ることが大切なのかもしれない。
この本は読む度に感情がぐっちゃぐちゃになる、
改めて今を象徴する本だ。
Posted by ブクログ
どんどんと通っては行けない門を通ってしまい、普通でいたかったのに気がつけば‥という読むのがすごく辛くもあり、でも読むのを止められなかった。
個人的に、東野圭吾さんの殺人の門という本で、殺人の門をくぐってしまったのだ‥という確かフレーズがありそれを思い出した。そんなつもりはなかったのに、だんだんとその門に近づいていて、ついに思ってもない場所にいたという。
Posted by ブクログ
周囲の様子がSNSで見れる現代は、
他人と比較してしまいがち。
「普通でありたかった」
この言葉は切実な印象を持たせるパワーワードだった。
トー横キッズ
奨学金返済による貧困
現代政治かによる世襲と汚職
自分が年齢を重ねて来た結果、
次世代にはそれらを残してはいけないと思える。
普通の人の奨学金返済4万円は
「貧困に苦しむ者にとっては40万円に相当する」
真剣に考えなくてはいけない。
Posted by ブクログ
社会の空気や言説をくみ取りながら構築された架空の物語を読んでいるという感覚と、実在する人物による手記を盗み読んでいるという感覚が交互にやってきた。やっぱりこの書き手が好きだ。
Posted by ブクログ
現代に生きる私たちの核心をついた1冊だった。
正直、最後のジャーナリストの感想のパートを読むまで、なんとも言葉にし難い感想を抱いた。
この本を手に取った時、普通になりたいという言葉には思わず同情してしまうような悲惨な過去や、もしくは知的障害のグレーゾーンな人物を想定していた。
だがあくまでどこにでもいそうな普通な青年。確かに両親が不仲だったことや、トー横に無理やり誘われたことなど可哀想ではあるけれど、それでもここまで道を踏み外すものなのかと考えさせられてしまった。
ただ最後のジャーナリストのパートを読み、彼のそして現代人の私たちを端的に鋭く刺す言葉に納得した。
自分の卒論で若者が推し活に夢中になる理由を調べた時もかなり似たような結論に辿り着いたこともあり、なるほど彼の抱いていた普通という言葉は普通以上の、願いが込められていたのだと気がついた。
Posted by ブクログ
普通ってなんだろう
多分、自分で決めれるものではないと思う。
それこそ自分の普通が他者の普通と思うな!っていう。子供のは胸糞悪くて非常に気分が悪かった。川辺も誰に害も与えない、無害な平凡な人生を望んでいたと思うし、ただただ不運と選択ミスによりああいう結果になってしまった。
いや断ればいいやん!っていうとこで断らない川辺がはがゆい。だから読んでしまうよ。
Posted by ブクログ
読んでいて一番感じたのは、なぜ後々自分を苦しめる選択ばかりしてしまうのだろうというもどかしさだった。周囲に流されているようでいて、実際は自らその流れに身を任せ、「普通」に飲み込まれていくように見えた。彼が思う普通は私から見ると異常だった。でも、彼にとってはそれが当たり前だから、自分がおかしいとも気づけない。その価値観のズレがこの作品の一番怖いところだった。普通とは誰かが決めた絶対的なものではなく、環境や価値観によって簡単に姿を変えるものなのだと考えさせられた。
Posted by ブクログ
普通に生きようとした主人公川辺優人はいかに転落していったのか。道の踏み外しようが現実的過ぎて怖い、こんなん一歩間違ってたら俺だってあり得た話と思ってしまう。
川辺優人の自己中、他責志向、学歴偏重、差別感…そりゃ悪いところは色々あるし、こいつとは友達になりたくないなぁと思うけど、特殊な人ではない、こんなんXとかスレッズ読んでたら気色悪い投稿しているヤツらの一種で、いわばどこにでもいるパンピーである。
転落の要素は誰にでもある、怖いのは這い上がる機会がないこと。弱みを一つ握られてしまったらとことんむしゃぶろうとするもっと悪いヤツらがはびこっていることも怖いが、デジタルタトゥーに代表されるように、その弱みは人生の最後までつきまとって、再就職も難しく、人間関係は絶望的に崩れ、口座は作れず、クレジットカードは作れず、住まいは変えず借りれず…、生きるためならもう一歩深いところに落ちざるを得ないという輪廻に陥る
現世は地獄の一種。だからこそ、真面目さや素直さや優しさをきちんと身に着けておきたいものだと、妬み嫉みは意識して抑制し、やるべきこととできればやりたいことに集中して生きる。ライフハックというにはあまりにも地味だけど、地獄の処世に近道はないのかもしれない
Posted by ブクログ
「普通」を目指して努力を惜しまなかった。
際立つこと、目立つことを避けながらも、「普通」を維持するための努力は凄まじいほどであった。
・・・はずが・・・、
彼の人生の終着点は・・・・・、
Posted by ブクログ
「普通」とは?で思い浮かべる『コンビニ人間』が「普通になれない苦しみ」を描いた純文学なら、『普通の底』はその普通を維持するコストさえ払えない者が、ちょっとした不運で闇に呑み込まれる「構造的社会の歪み」のレポートだ。
根底に、親が金持ちかどうかという「親ガチャ」で人生のコースが決まっていて、二世や三世の政治家たちが自分たちに都合のいいルールを作る裏で、持たざる者は一度レールを外れれば二度と這い上がれない。努力しても報われない「蟻地獄」という今の日本のみんなが薄々疑いながら意識的にあるいは無意識的に目を逸らしている現状がある。
主人公は決して悪人でも無能でもない。ただ「目立ちたくない」「嫌われたくない」と願う、それが安全に生きる手段と信じる。しかし、本人はただツイテなかっただけと、スマホ一つで簡単に「闇バイト」という使い捨ての駒に…
物語のラスト近く、主人公の「僕は本当に普通でありたかっただけなんです」という言葉が、あまりに重く、痛い。
高望みをしたわけじゃない。ただ、当たり前の生活を送りたかっただけ。そんなささやかな願いさえも「蟻地獄」の餌食になり、加害者へと変えられてしまう。今の格差社会では、ただ「普通に生きる」ことさえ…
Posted by ブクログ
普通の人の裏側に潜む、闇や弱さを見た気がする。
私も普通でありたいと思ってしまう人の1人なので、主人公の川辺のように悩んだり矛盾したりしているし、ジャーナリストの章で評される「浅い」にぐさっときた。
きっかけは些細で、運も悪かったかもしれないけど、川辺が引き返せる点はあったと思う。
若者がこの本を読んで、日常に潜む危うさに流されないで欲しいなと思う。
極限状態の描写が圧巻だった。
Posted by ブクログ
「普通」でい続けるって難しいよ。
というか、普通でありたいと願うがあまり、誰が見ても間違った道に踏み出そうとしている時も、「これが普通に違いない」って勘違いしちゃって結局大間違いを起こしてしまう。
私も「悪目立ちだけはしないようにしよう」っていうのは特に中高生の頃は考えていたけど、この川辺の目指している「普通」は「無個性」に近い印象を受ける。そういう人は、結局誰にとっても「都合のいい人」になりがちで、だから高井戸や菊池やケーシンや五十嵐に目を付けられてしまったんじゃないだろうか。
「普通」の人生でありたいと強く願った結果、それが仇となって川辺は人生を踏み外していくけど、一番不幸なのは本人がその原因に最後まで気付けず、すべてを「社会的の理不尽」に責任転嫁してしまった所かなと思った。
Posted by ブクログ
普通とは何なのか?を考えさせられる物語でした。
時代の世相を交えたストーリーでリアリティがあり、主人公の一見合理的な思想も興味深く面白かったです。
本来は恐ろしい犯罪である闇バイトが、滑稽に思える描写でコントのようで面白かったです。
Posted by ブクログ
常に現時点の社会問題と並走するような物語を紡いでくる月村了衛さん。本作もまた、今の時代の空気をそのまま吸い込むような一冊。
描かれるのは、「普通の人生」を生きるために、小学生の頃から細心の注意を払ってきた青年の告白。自分語りの形式で綴られる文章は、読み進めるほどに痛々しさと禍々しさを増していく。それは特異な犯罪者の物語というよりも、「今、普通の底にいる人間の、普通の話」と感じられるからかもしれない。
先のことを考え、踏み外さぬよう行動してきたはずの主人公。しかし人生の途上で、ふとした拍子に闇に引き寄せられそうになる瞬間が訪れる。一度は踏みとどまり、社会人としての道を歩み始めたにもかかわらず、なぜか再び闇へと落ちてしまう。その過程は劇的ではなく、むしろ現実的だ。
本作は、いわゆる「闇バイト」を扱った作品として括られがちだが、焦点は犯罪そのものよりも、そこに至るまでの心理の揺らぎや、自己認識の歪みに置かれているように思う。理性があり、判断力もあるはずの人間が、なぜ抗いきれなかったのか。その問いを告白という形で突きつける。
同じ作者の『半暮刻』を先に読んでいれば、また違った読み方ができたのかもしれない。残念ながら未読ですが、二作は異なる角度から、同じ時代の影を書いているように思います。
Posted by ブクログ
オーディブルで聴いたのだが、すごい作品である。ごく普通の人が、いつの間にか犯罪に巻き込まれ、殺人者として死刑を宣告されてしまう。そんな現実が実際にあるのだろう。闇バイトに従事せざるを得なかった若者の実際はごく普通の人なんだと…。かつては普通の人は普通に生きれたのに、現代社会では普通に生きることさえ難しくなっているのだと思う。
Posted by ブクログ
今までにない月村作品に完全に惹き込まれてしまった。
主人公からの獄中からの手記ということには全く気づかず読み進めていくなかで、なぜ犯罪に手を染めていくのか、第三章に続くまでのその時々の心理状態が丁寧に描写されているけど、見事に薄っぺらい笑
果たしてこんなにもうまくいかない人生ってあり得るのか、逆にうまくいくってどんなことなのか、そして普通って何?と改めて考えさせられる作品であるのは間違いない。
Posted by ブクログ
【ぼくはどう生きればよかったのでしょうか?】
結局はただの責任転嫁の心理、
ただのイイワケにしか値しない、という
この作品の
核心が潜むセリフです。
主人公は獄中からの手紙の中で、
自分が転落した原因を
「両親の不仲」
「奨学金の重圧」
「社会の不条理」
のせいに し続ける
彼は
「自分は悪徳コンサルや闇バイトの
組織に『騙された被害者』であり、
直接手を下して人を殺したわけではない」
と
自己弁護を繰り返す。
他者に流され、自分の意志で選択することを
放棄してきた人間が、
究極の犯罪に手を染めても なお
「自分は悪くない、社会が悪い」と
本気で信じ込んでいる心理の
グロテスクさが、冷徹に描写されている。
とっても後味の悪い、胸くその悪い作品です。
そして、そうなった私は
まんまと、
月村さんのワナに、はまっていたのでした。
月村さんは、読んでる私が必ず胸くそ悪くなる様に
あえて 作ったのです。
そうなるヒトほど、
あなたは、そうならないのか?
そうならないとなぜ言えるのか!
あなたこそ、そうなるかもしれないと
誰でも【普通】ぽい人ほど、
そうなりやすいということを、
突きつけられる、不気味な恐怖がそこに
ありました。
Posted by ブクログ
戻れない分岐点、積み重なる後悔。これは、あなたのそばにある『底』の物語。
普通に生きようともがきながら、少しずつの選択ミスで貧困の深淵へと沈んでいく男。その過程を、本人から記者へ宛てられた「手紙」という形式で綴る一冊です。
物語のトーンは、さながら現代版『私は貝になりたい』。もし映像化するなら、かつての絶望を演じきった中居正広さんが浮かびますが、今の年齢や状況を考えると無理だな。
「普通」の足元がいかに脆いか、その没落の描写は見事です。しかし、納得がいかないのは構成。最終章で手紙の受取人である記者が「考察」を述べるのですが、それが読者であるこちらの感想を先回りして奪ってしまうような内容で、なんだか「感想の横取り」をされたような、ちょっとした詐欺に遭った気分になります。考察に対してツッコミをしようとすると、その点も先回りして炎上しないようにケアされます。これってつまり記者も普通でいたいのです。炎上したくないのです。主人公と同じなのです。あなた自身がいつ普通の底に落ちるとも限らないそんな警鐘なのかもしれない。
没落していく様がこれほどリアルで面白いのだから、わざわざフィルターを通す手紙形式ではなく、一人の男の人生を克明に描く「物語形式」で読みたかった。その方が、より深く彼の「底」に寄り添えた気がしてなりません。
■引用
- 昭和の昔にあったという「貧乏」と、今の「貧困」とはまったくの別物です。昔はがんばって働けば「貧乏」から抜け出せたかもしれません。だけどいくらがんばっても「貧困」からは逃れられないのです。
- 世間の価値観に従って生きることを「普通」と呼ぶのだとしたら、ぼくはひとえに普通でいたかっただけなんです。「落ちこぼれ」って、普通でなくなるって意味ですよね。
Posted by ブクログ
川辺優人は意外と負けず嫌いなんじゃ無いか?
だけどトップは諦めていて底辺の人に負けないように頑張っていたんだと思う。
それが普通って言ってるだけで
職と金が無くなり社会の底辺に陥った時
犯罪に手を染めたという事は
やはり自分の事が誰よりもかわいかったんだと思う
死刑宣告後上告しないって言うのも
自分を美化しいるだけで
その内時間が経てば大好きな自分の命を守りに入る
と思う
Posted by ブクログ
川辺優人には最後まで共感できなかった。
ケーシンや高井戸、菊池との出会いは不運だと思うけど、それ以上に、他責思考で甘ったれで、自分を過大評価しながら他者を見下すような危うさが強く印象に残った。「普通」にしがみつこうとする一方で、その中身は矛盾に満ちていて、読後にはやるせなさというよりも、哀れさが強く残った。
Posted by ブクログ
闇バイトに手を染めた獄中の人物がジャーナリストに向けて書いた手記の体裁をとる本作は、その筆致に臨場感があり、本当に自分が巻き込まれているかのように一瞬のめり込んでしまった。
良くも悪くも目立つところのない「普通」でありたい。なぜなら目立ったところにある人はそれがよほど傑出した長所でない限り、他人からあれこれ口出しされるから。
かといって凡人では終わりたくない。
このような思考は私自身も持っているし、程度の差こそあれ多くの人が少しは持っているのではないかと勝手ながら思います。
凡人として大人になってしまうと、そんな自分を認められず、社会や生まれ育った環境のせいにしてしまう他責思考が生まれることもある。
しかし、他責に終始せず、傑出した成果は残せなくとも、目標に向けて努力することや、日々の糧(家庭、趣味、友人など)を楽しみながら生きるだけでも、選択肢が1つしかないという絶望的な状況に追い込まれることはそうそうないのではないかと思う。
それでも、そうした境遇になったことがないからそう言えるのではないかという本作のような反論も理解はできる。もし幼少期からの環境でどうしても周囲に頼れる人物が少ない場合、もうこうするしかないというような精神状況に陥り、闇バイトのようなものに手を染めてしまうことはあり得る。
従い、親に限らず頼れる人が周囲に複数いるということはどれだけ貴重なことかということは少なくとも自覚はしておきたいと思う。
Posted by ブクログ
途中で読むのをやめようかと迷うほど、正直かなり胸くそ悪い作品でした。
1枚目、2枚目の手紙を読んでいる間は、「どれだけ頑張って努力してきても、出会う人間次第で人生が狂ってしまうことってあるよな……」と、まだ同情する気持ちもありました。
でも、3枚目の手紙は本当に読むのがきつくて、ページをめくる手が重かったです。
フィクションではあるけれど、どこか現実と地続きで、決して作り話として割り切れない怖さがありました。
しばらくは、人が死なない、ほんわかした小説を読みたいです。
Posted by ブクログ
主人公は最終的に特殊詐欺に手を染めることになって警察に捕まるのですが、実際に特殊詐欺をやった若者たちもこういう普通のどこにでもいる人間なんだろうと思います。
貧すれば鈍する、という言葉通り、貧困や借金、失業などで行き詰まったり追い詰められてこうした犯罪に手を出す羽目になるんだろうな、と。
一度、正規のレールを外れてしまうと、そこから這い上がることがほぼ不可能な今の日本社会はおかしい。
闇バイトに手を出す若者を、個人の責任にしている限りこういう犯罪はなくならないのだろうと思います。
Posted by ブクログ
子供の頃から目立たないこと、普通であることを旨として生き続けた男が、人生に躓き堕ちていく姿を手紙という形で描く本編は、先に待ち受けるであろう闇を想像させてただただ陰鬱。
最後まで自分の最悪の選択を「これしかなかった」と言い訳し、親ガチャという言葉でひたすら責任転嫁する他責思考は胸糞悪い。
でも、こういう人身近にもいるよね的な怖さも。
男を取材する手紙の宛先人であるジャーナリストの覚書を読むにつれ、今の世の中に蔓延する空気のようなものへの恐怖がひたひたと押し寄せる。
「社会的炎上せず、叩かれることもない「普通」を望みながら、大衆に埋没するだけの「凡庸」である自己は認められない。親ガチャに代表される他責思考。そんな精神性を持ち合わせないと断言できる人が、今の時代、果たしてどれだけいることだろう」
このくだりが響く。
Posted by ブクログ
怖いなぁ。
どんだけ頑張っても過去の過ちで転落することが往々にしてある。
他責、と言われたらそう思えなくもないけど、やっぱり抗えないことなんて人間たくさんあるし、そんなこと言ってたら人生どこでも気が抜けない、、
確かに他の選択肢はあった。あったけど、これといった明確な正解もなかった気がする。
人生運なのかなぁ、そう思わずにはいられない。
2025.10.19
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Posted by ブクログ
怖い。ただそう感じた、不思議な本だった。
中学受験を体験しているなど、何かと主人公と共通点が多いためどんどん転落していく様子に呆気に取られてしまった。
ひたすら救いのない物語。