ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 果てなき蒼を統べる王

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    一国の当主たる長兄が寝たきりになってしまったことを発端に、権力をめぐる陰謀に巻き込まれ、無実の罪で追放された末弟・狩野夜隆。紆余曲折経て、世の中の理不尽や残酷さと向き合い、海賊の仲間となって、民を救うために帰還する……という王道でまっすぐな貴種流離譚だった。シビアでハードな環境に投げ込まれ、容赦ない現実を突きつけられるのだけれど、夜隆の怒涛の成長ぶりと活躍が爽快なためか、ラストまで爽やかな風を感じて暗くならずに読めた。彼の根底に揺るがぬ善性と人徳があるのも、真の「王の器」を感じさせて、明るい読後感だった。

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    2026年07月04日
  • 宮廷神官物語 十二(角川文庫版)

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    11巻の大団円の後、この巻を読むのが怖くて躊躇していましたが、読んで良かったです。この先何があっても個性豊かな面々が協力して乗り越えていくと思える真の大団円でした。

    本巻での中心は次世代へと移っていますが、ずっと見てきたこの2人について。1巻を初めて読んだ時、なんという悪餓鬼、なんと頼りない神官…と思いましたが(こんな期待値の低い主人公はなかなかいません)、見違える程立派になって感動しました。鶏冠は天青のために、天青は鶏冠のために強くなる。そうして様々な苦難を乗り越えていく2人が眩しくて尊くて…ここまでこの物語に夢中になったのだと思います。
    「いる」という言葉に鶏冠が大勢の前で怒ったことを思

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    2026年07月04日
  • 森田繁子と腹八分

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    今まで読んできた川﨑秋子作とは、全くテイストが違う。びっくり。
    酪農の農業コンサルタントについて聞いたことはあったが、こんな農業コンサルタント、本当にいるのかな。いてほしいな。
    腹八分って、健康維持するための金言だけれど、人と人の付き合いは、お互い八分が1番いい感じに治まる、なるほどそうかもな。いつも10を求めて残念な気持ちになってるかもな、と思った。

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    2026年07月04日
  • さよならドビュッシー

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    このミステリーがすごい受賞作のピアノ関連の小説「四日間の奇跡」に引き続き読みました。どちらも読み応えがありましたが、こちらは不幸な境遇に陥った少女がピアノコンクールに挑戦する話が途中からミステリー的になり、最後のどんでん返しが凄すぎて驚きました。
    言葉の意味はよくわからないのですが、ピアノを弾く描写も迫力があり、臨場感を感じました。

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    2026年07月04日
  • 雲をつかむ死〔新訳版〕

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    面白かった。
    ポアロのシリーズ。トリックや犯人はかなりわかりやすいと思うが、それ以上に良かったのはラストの綺麗さ。ミステリーって登場人物にとって暗いものだから最後にこうやって穏やかにしてくれるとすごく読後感が良い。

    藤沢周平の『秘太刀 馬の骨』なんかもそうなのだが、登場人物はその作品の中にのみ存在しているわけではないから、事件解決と個人の話は別問題なわけで、だからこそ最後に個人の話に立ち入って光明が見えるととても穏やかな気持ちで終われる。すごくハッピーエンドでなくて良い。光明が見えれば。

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    2026年07月04日
  • ルピナス探偵団の憂愁

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    ネタバレ

    摩耶の存在を前回であまり強く感じなかった。
    慈悲の花園を読むことで、摩耶と3人の関係がよくわかる
    ラスト、彩子のシスターへの気持ちに泣きました。
    そうだ君が主人公だ。

    過去へ遡る構成?が新鮮でした。
    全く素人ですが、上手いなぁと
    そんなことがあったんだ、へーそれ知りたいなー、あ、次の話じゃんみたいな…
    伏線をホイホイされてしまう
    読む手が止まらなかったです。

    あと謎の老人は本当に謎でしたね!
    出てくると予想してたのに、まさか前回きりだとは!

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    2026年07月04日
  • 医人の夢

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    医療だけではないが、世の中に完全というものはなく、異常潔癖で何でも白黒つけたがる国民性に、グレーな等身大医療の現実をつきつける、いつもの久坂部節炸裂。大病経験もして、普通にERCPで炎症経験ある身からすれば、至極当然のことが書かれている。医者は病気を治すのではなく、一所懸命に治す手伝いをしているという当たり前のことが理解できない者たちが多いからこそ成立する本だともいえる。

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    2026年07月04日
  • タモリ論

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    ・帯の生放送の番組で大切なのは、「習慣」と「継続」であり、そこに「普遍性」が加わったら最強。

    ・呑気と見える人々も、心の底を叩いてみると、どこか悲しい音がする。

    ・お涙頂戴ほどこの世で簡単な、そして低俗なやり方はない。

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    2026年07月04日
  • 普天を我が手に 第一部

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    昭和元年に生まれた4人の子どもたちと、その親たちの生き様を、太平洋戦争開戦までの約15年間にわたって描いた物語。

    奥田英朗さんらしい読みやすい文章のおかげで、膨大な情報も自然と頭に入ってきた。

    博徒の矢野辰一、陸軍中佐の竹田耕三、婦人運動家で雑誌『群青』の編集者・森村タキ、大連で米国ジャズのダンスホールを営む五十嵐譲二。まったく異なる世界に生きる4人の視点から昭和初期の日本が描かれる構成がとても面白い。

    特に印象に残ったのは、女性の社会的地位や婦人運動が丁寧に描かれていたこと。女性の基本的権利を訴えるだけでもソ連共産主義者や非国民と見なされた時代の中で、堂々と信念を貫くタキと、母の生き方

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    2026年07月04日
  • 記銘師ディンの事件録 木に殺された男

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    面白い。大当たり!
    『ハイ・ファンタジー』+『サイバー・パンク』+『シャーロック・ホームズ』+『ゴジラ』(なんだこのバカっぽい煽り文句は)
    でも面白い!

    神聖カナム大帝国は、雨季になると東の海から姿を現す巨獣リヴァイアサンに悩まされている。辺境の町ダレタナで政府高官が不可解な死を遂げた。司法省捜査官助手になったばかりで、見たもの全てを記憶できる“記銘師”のディンは、変人の上司アナと共に捜査に乗り出すが…。

    入念に創り込まれた『ハイ・ファンタジー』の世界観。独自の技術で“生体改変”された人々が、中世ヨーロッパ風のダークな異世界で捜査し、戦い、暗躍する。SF小説やダーク・ファンタジー好きにはう

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    2026年07月04日
  • 深淵のテレパス

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    ネタバレ

    とても私好みだったー。
    晴子さんがいいね。全体的にとても好き。怪異が起こった仕組みも、かなり特殊だったけど面白い。
    続編も出ているようで嬉しい。

    カレンさんはやばいパワハラ上司のようだけど、全く自覚なさそうでそこはなかなかのホラー。

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    2026年07月04日
  • 宮廷神官物語 十一(角川文庫版)

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    ネタバレ

    庚民世は、強い人とは他人も自分も許せる人だと言っていましたが、信じられる人も強いと思います。人は1人では何もできない。周囲の人を信じることで道が拓ける。11巻は鶏冠や天青、みんなが信じ合ったことで掴んだ大団円だと思います。誰よりも天青の力を信じ、全力で守ってきた鶏冠。鶏冠を信じ、師と仰いで成長してきた天青。互いに信じ合ったからこそ強い絆が生まれた。2人の結びつきは麗虎国の未来を明るく照らし出す、そんな素敵なラストでした。

    そしてこの人についても語らずにはいられない。苑遊が本当に欲しかったものが富や権力ではなく、大切な人と穏やかに過ごす時間だったとは…。憎まれるのは悲しい、でも手の内から失うよ

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    2026年07月04日
  • 楽園のカンヴァス

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    アンリ・ルソーに恋した人たちの愛の物語。

    真相は本人たちにしかわからないけど、
    史実だったら素敵だなって思える余白が堪らなく良きです。

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    2026年07月04日
  • 運命の人(四)

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    長い歴史を早送りで見てきたような4冊でした。
    この本に出会えてよかった。
    運命の人ってどんな人のことだろうと読み始め最後で題名に辿り着けた

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    2026年07月04日
  • 舟を編む

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    子供の頃から身近にあったけどいつしか手放ししまった辞書。いつから手元にないのかすら記憶にない、だけど皆手にしたことがあるもの、そんな辞書を作る人々の物語。

    辞書は言葉一つ一つに意味を与えてそれを多くの人に伝える役割を担っている。“多くの人に”、“伝える”、というのが辞書にとっても重要であり、この物語においても鍵である。辞書は意味や言葉の選定に偏りがあってはならないし、その言葉を読んだ人がどんな気持ちになるかまで想いを馳せなければならない。“愛”という言葉を調べて、対象が異性に限定されていた場合、それを見た同性愛者はどう思うか。多様な読者を想定した書物であるからこそ、繊細な気遣いと想像力が試さ

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    2026年07月04日
  • みとりねこ

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    読み始めからグッときた。こーちゃん家で飼えないとなったらさとる家ではなく、こーちゃん家で飼えるようにとファイトするさとるに星5つ

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    2026年07月04日
  • 孤舟

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    老後の夫婦の小説。ひやひやしながら読みました。浮気、どうなってゆくの?家庭はどうするの?淳一の不倫の小説です。

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    2026年07月04日
  • カンザキさん

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     劣悪なんて言葉では語れない地獄。いやでも、地獄ってのも安いようで、これまた難しい。
     ヤニにまみれた魔王、てか魔神?タイトルに宿るその名を口にしてはならないと、マインドが拒絶する。誰に言われたでもないタブーが、昔観た金ローをフラッシュバックさせた。
     ごった煮のモノローグが駆け抜け、減光されたシーンがスクリーンに映し出される。
     不快だと思ってた夏なんて、屁でもねえんだな。

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    2026年07月04日
  • 風の中のマリア

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    短く儚い命で懸命に努めを全うする姿に打たれた。
    妹たちを本能で守り育てる姿は母親の姿そのもの。
    美しいけど、なんだか切ない物語やったなぁ。

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    2026年07月04日
  • 方丈記

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    小さな家を移動しながら好きなところに住んで、自然の中で楽器と本とともに暮らす。いいなぁ。800年前なのに、感じることは大きくは変わらないんだなと思った。お金をかけて大きな家を建てても、火事や災害があれば一瞬でなくなってしまう無常。ちょうど家を買おうかどうしようか、というところなので共感した。
    方丈記自体はとても短かった。訳者の後書きも良かった。

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    2026年07月04日