小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
小川哲がどういうことを考えて小説を書いているかを知ることができて、とてもおもしろい。
よくある小説の書き方をレクチャーするような本とは、ちょっと趣が違う。
私は小川哲が好きだし、それより前提に文章が上手くなりたいと日頃思っているので、この本は驚いた上に眉唾ものだった。よくある小説の書き方本とは違うが、「小説がどのように成り立っているのか」「どのような小説が評価されて多くの人に読まれるのか」「小説の面白さとは一体何なのか」とか、「小川哲は伏線が嫌いなこと」とか知ることができて、中にはクスッと笑える例文があったりして、小川哲全開でとても良かった! -
Posted by ブクログ
2025/11/29
10年前に刊行された本ですが、機会があって今になって読んでみました。
青春系の小説イメージが自分の中で強かった額賀澪さんですが、この「ヒトリコ」という作品は青春のキラキラした世界の裏側の人間模様に焦点を当てたような内容になっています。
主人公の深作日都子は小学校のときに起きたできごとがきっかけで人と関わることをやめ、1人でいることで学校生活を過ごすようになりました。
その件に関わっていた海老澤冬希という男の子は小学校のときに転校。
幼馴染の堀越明仁は日都子に寄り添おうとしますがシャットアウトされる…というのを高校まで繰り返します。
無理に人と関わる必要がない人が主人公なの -
Posted by ブクログ
ヒューマン小説
主に女性に焦点を当てた物語であった。北九州市が舞台となっており、方言や実際の土地や建物がより一層リアリティを増していた。
男尊女卑、発達障害、虐待、共依存など、さまざまな問題が浮き彫りになっており、残虐な事件が多い現代の課題提唱をしている物語であった。
家庭の形、愛情表現は様々であるが、やはり歪んだ価値観の犠牲になるのは子ども。そして循環してしまう現実。その歪みに、一声かけられる周囲との繋がりがいかに大事であるかをひしひしと感じた。 人との関わることは必ずしも素敵なことばかりでなく、傷付け、傷つかれ、しんどい事もあるけど、結局救うのも人。