小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
11巻の大団円の後、この巻を読むのが怖くて躊躇していましたが、読んで良かったです。この先何があっても個性豊かな面々が協力して乗り越えていくと思える真の大団円でした。
本巻での中心は次世代へと移っていますが、ずっと見てきたこの2人について。1巻を初めて読んだ時、なんという悪餓鬼、なんと頼りない神官…と思いましたが(こんな期待値の低い主人公はなかなかいません)、見違える程立派になって感動しました。鶏冠は天青のために、天青は鶏冠のために強くなる。そうして様々な苦難を乗り越えていく2人が眩しくて尊くて…ここまでこの物語に夢中になったのだと思います。
「いる」という言葉に鶏冠が大勢の前で怒ったことを思 -
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Posted by ブクログ
昭和元年に生まれた4人の子どもたちと、その親たちの生き様を、太平洋戦争開戦までの約15年間にわたって描いた物語。
奥田英朗さんらしい読みやすい文章のおかげで、膨大な情報も自然と頭に入ってきた。
博徒の矢野辰一、陸軍中佐の竹田耕三、婦人運動家で雑誌『群青』の編集者・森村タキ、大連で米国ジャズのダンスホールを営む五十嵐譲二。まったく異なる世界に生きる4人の視点から昭和初期の日本が描かれる構成がとても面白い。
特に印象に残ったのは、女性の社会的地位や婦人運動が丁寧に描かれていたこと。女性の基本的権利を訴えるだけでもソ連共産主義者や非国民と見なされた時代の中で、堂々と信念を貫くタキと、母の生き方 -
Posted by ブクログ
面白い。大当たり!
『ハイ・ファンタジー』+『サイバー・パンク』+『シャーロック・ホームズ』+『ゴジラ』(なんだこのバカっぽい煽り文句は)
でも面白い!
神聖カナム大帝国は、雨季になると東の海から姿を現す巨獣リヴァイアサンに悩まされている。辺境の町ダレタナで政府高官が不可解な死を遂げた。司法省捜査官助手になったばかりで、見たもの全てを記憶できる“記銘師”のディンは、変人の上司アナと共に捜査に乗り出すが…。
入念に創り込まれた『ハイ・ファンタジー』の世界観。独自の技術で“生体改変”された人々が、中世ヨーロッパ風のダークな異世界で捜査し、戦い、暗躍する。SF小説やダーク・ファンタジー好きにはう -
Posted by ブクログ
ネタバレ庚民世は、強い人とは他人も自分も許せる人だと言っていましたが、信じられる人も強いと思います。人は1人では何もできない。周囲の人を信じることで道が拓ける。11巻は鶏冠や天青、みんなが信じ合ったことで掴んだ大団円だと思います。誰よりも天青の力を信じ、全力で守ってきた鶏冠。鶏冠を信じ、師と仰いで成長してきた天青。互いに信じ合ったからこそ強い絆が生まれた。2人の結びつきは麗虎国の未来を明るく照らし出す、そんな素敵なラストでした。
そしてこの人についても語らずにはいられない。苑遊が本当に欲しかったものが富や権力ではなく、大切な人と穏やかに過ごす時間だったとは…。憎まれるのは悲しい、でも手の内から失うよ -
Posted by ブクログ
子供の頃から身近にあったけどいつしか手放ししまった辞書。いつから手元にないのかすら記憶にない、だけど皆手にしたことがあるもの、そんな辞書を作る人々の物語。
辞書は言葉一つ一つに意味を与えてそれを多くの人に伝える役割を担っている。“多くの人に”、“伝える”、というのが辞書にとっても重要であり、この物語においても鍵である。辞書は意味や言葉の選定に偏りがあってはならないし、その言葉を読んだ人がどんな気持ちになるかまで想いを馳せなければならない。“愛”という言葉を調べて、対象が異性に限定されていた場合、それを見た同性愛者はどう思うか。多様な読者を想定した書物であるからこそ、繊細な気遣いと想像力が試さ