あらすじ
バーナム・クロネッカーはアメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校に通う17歳の少年。彼は8歳のとき三葉虫に魅せられ、今ではその化石を熱心に集めつつ、静かな高校生活を送っている。そんなバーナムへのいやがらせが、ある日突然にはじまった。ロッカーの扉を接着され、頭にジャガイモをぶつけられる。体育会系の人気者コール・アボットのしわざだった。バーナムは、コールの行為を〈攻撃〉と呼ぶ謎めいた同級生、タキオ・グリーンと友人になる。そのときすでに、バーナムを驚愕の事件へといざなう運命の歯車は回りだしていた……。現代アメリカ社会の闇に光を当てながら、新しいヒーロー像を描きだす超絶エンターテインメント。
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なんだか哀愁のただよう雰囲気で、夢中で読んでしまいました。
バーナムの三葉虫への愛が切ない。人間もいつか滅び、条件が揃えば化石になるのだと思うと、なんとも言えない気持ちになります。
終盤に起こる事件がどのように起こったか、ゆっくり丁寧に描かれているため、「犯人は頭のおかしい狂人」と切り捨てられない何かがあります。恐ろしすぎるのは確かですが。
そしてトライロバレットはどこに行ってしまったのか・・・。
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三葉虫をこよなく愛する少年
バーナムは同級生から壮絶な嫌がらせを
受けることになる
そしてもう1人タキオも
またターゲットだった
2人は仲良くしつつ
お互いの知らないところで
とてつもないことを企てていた
そんな中全く別のところで
退役軍人のフランクは
仲間が次々と自殺することに
苦悩しつつ
自らも悪夢にうなされる毎日を送っていた
そしてある日バーナムの高校で
それは起こった
生々しい戦場の出来事が
頭から離れないフランクと
なぜか予知夢のような妄想を見てしまう
バーナムはどこか同じで病んでいる
なんだかモヤモヤの残る小説
Posted by ブクログ
乾いた鉄みたいな作品だなと感じました。
最初は変身という帯に機龍警察のような特撮ライクな話かと思ってたら重厚なクライムサスペンスでした。
アメコミ的ヒーローとかダークファンタジーでは無いような気がします。キック・アスみたいなイメージなんでしょうか。それにしても骨太すぎる気がします。子供には読ませられません。
鋭い狂気が誇張されてエンタメになる前に塊で出されてきたような感覚です。
さぁ狂ってクールな主人公が登場です!はい!ここが見せ場!とかが無い。
淡々と内面の狂気と向き合い、超えては行けない線を散歩のように超えていくいい意味でエンタメ性のない暴力と狂気が味わえます。
映画のタクシードライバーやフォーリング・ダウンと精神は一緒な気がしますので、好きな方は読んでみて欲しいです。
洋画好きにおすすめできます。
Posted by ブクログ
佐藤先生ワールドを感じれる作品でした。
最初はどんな事件かと思い読んでいましたが、
最終的にはなるほどという展開になっていきました。
いじめのシーンは学生の
低俗な理不尽さがしっかりと描写されてました。
手軽に佐藤先生を感じたいならおすすめの作品です。
Posted by ブクログ
テスカトリポカの時にも思いましたが、この圧倒的な取材力とリアリティー、描写や展開もそうですが文体ももちろんオマージュしてるものへの筆致が凄まじい。それがオリジナルで、この人にしか描けない世界だった。これからも風呂敷広げまくって、マジ?全部やるの?と思わせて、本当に全部やる気持ちよさを楽しみにしています。
Posted by ブクログ
「テスカトリポカ」で佐藤究さんを知り、本作も手に取りました。
人の心の中にあるクソみたいな感情の猛りを描くのが本当に上手いと思います。
戦争が人を壊す、スクールカースト上位のいじめっ子が対象を壊す様はわかりやすくてのめり込めました。
ラスト、バーナムはどうなったんだろう。 タキオが逃げるルートは教えてくれたんだろうけど、母も死んで…
地下のシェルターで死ぬまで過ごして化石になるのかなぁ。
Posted by ブクログ
暗めのお話、最後はちょっとすっきりする。
会話のカギカッコがなくて最初はしんどかったけど
途中からはなんだかスピード感が出て、
特に主人公とタキオの会話がトントン進む感じが
漫才みたいで心地よかった。
佐藤究の他の作品も難しそうだけど
ミステリーよりの作品は読んでみたいかも。
Posted by ブクログ
プロローグ
2026年1月3日
気付くとそこは断崖絶壁、眼前は海だった
カモメが弧を描いてスレスレを飛び交う水面は、
陽の光を弾いてさざ波が微かにたっている
出し抜けに海へ飛び込んだ
海水に目が慣れてくると、そこには無数の三葉虫が
漂っていた!
2億年以上前にタイムスリップしたのか!?
目の前の光景に只々茫然自失している己がいた!
本章
『トライロバレット』★4
佐藤究氏がまたヤッてくれた!
三葉虫をこよなく愛する学生と
実はホワイトハッカーでイジメを受けている長身の学生と
そして、イカれた退役軍人のオッサンとが微妙にして絶妙に絡み合うこれまたぶっ飛んだ物語
その物語とは、、、
カフカの『変身』とコロンバイン高校銃乱射事件を足して二で割った中に2人の学生とオッサンを
解き放った、トンデモ小説だ!
説明不可なこの小説は、三葉虫と兜蟹とアンモナイトの違いを説明するくらい難解だ
何となくそう思った!
だけど面白いぞ!
そうも思った!
エピローグ
海中にいたはずが、気付くと砂浜に立っていた
寄せては引き、引いては寄せる波打ち際に立ち
裸足の下の砂が土踏まずのみに残されており、
何だかむず痒くて不安定だ
手には何かが握られている
手を開くと、そこには三葉虫の化石が収まっていた
意味もなく太陽に化石を翳してみるが、当然何も
視えない
2026年も何も見透せないと言うことか、、、
だからこそ、面白いんだよ人生は!!!
最後にそう思った(¯―¯٥)8v♪
完
Posted by ブクログ
サージウスの死神を読み終えた興奮冷めやらぬまま読み始めたトライロバレットという作品。
今作でも独特の世界観に浸り楽しむことが出来た。
佐藤究という世界観や伝えたい事をより鮮明に感じとるることが出来た。
フードコートでの描写はストーリーの分岐点でもあり、印象的だった。
Posted by ブクログ
主人公が、かわいそうなような。でも、父親とはいいかんじだったし、そんな不幸でもなかったのかな。どこの国でもカースト底辺界隈は、地獄なんですな。うん、個人の感想なんで、書きますが、これまでに読んだ佐藤究の作品と比べると、一段階下の、ちょっと出来の良くない作品のように感じました。
フラニーとズーイと並行して読んでたもので、フラニーの苦しみ?悩み?葛藤が、なにかとても贅沢なように感じました。本作は日本人の作家によるものなので、実態がどれだけ正しく反映されているものかわかりませんが、アメリカも日本と同様、二極化が進み、下層に属する人々は荒んできているのかなぁ、なんて思いました。
Posted by ブクログ
終盤の急展開に熱くなった。
序盤、物語の盛り上がりはそんなに無いので、正直、焦れったい気持ちで読んでいた。
読み切れてよかった。SNSの短い文章に慣れて堪え性が無くなっている実感があり、子供の頃本の虫だった自分を取り戻そうとしているのかもしれない。
ティーンエイジャーの鬱屈した日々は全世界共通なんだなと思った。
あとは、論理の飛躍が突飛であればあるほど脆い、でもその脆さがないと高く飛べないという部分に共感した!
Posted by ブクログ
サージウスの死神味のある内容だった。
めっちゃ上からっぽいけど、書籍を出した順に読んでくと、この人めちゃくちゃ文章上手くなっててすごいなあって思う。
読みやすかったし、テロ起こしちゃう人ってこんな感じっぽいよね、っていうのが伝わってきて面白かった。
Posted by ブクログ
舞台は銃社会アメリカ。学校でいじめられている2人の少年と、戦争の後遺症に苦しむ元軍人。佐藤究作品にしては前半暴力要素は少ないけど登場人物全員どこか頭がイってて読んでいてハラハラする。狂人の思考をあまりにも滑らかに文章化されるので、途中から狂人の定義がわからなくなる錯覚が読んでいて心地良い。
Posted by ブクログ
ただいじめられているだけではない、バーナムの秘められたエネルギー、小さなヒーローとして少しずつ成長していく様子が気になり読み進めた。
タキオがバーナムを認めるラストがとても良かった。全男子が好きな展開ではないか。
三葉虫といった日常とかけ離れたモチーフと出会える点も小説の魅力を再認識させてくれる。
Posted by ブクログ
ハイスクールカーストをふんだんに感じるいじめられっこギークの視点とPTSDに悩まされる退役軍人視点が交錯して銃乱射事件へ繋がる最高にアメリカを感じるストーリーに何故三葉虫が介入できるのか。何故こんなに格好良く神秘的に感じてしまうのか。佐藤究にかかると古代の虫も最高にクールなスーツと銃弾に変貌してしまう
Posted by ブクログ
アメリカの高校に通うバーナムは、三葉虫に魅了された少年で、静かな高校生活を送っていた。そんなあるとき、バーナムに対し、人気者から嫌がらせが始まる。一方、金物店で勤める退役軍人のフランクは、戦場での傷が癒えず、精神的に追い詰められていく。バーナムは、物語が進むにつれてとても辛い境遇に晒されていきますが、予知夢のような幻覚に導かれ、新ヒーローへと変貌していきます。
この新ヒーローが、なんだかちょっとダサい、けどリアルなヒーローといった感じで良かったです。アメリカでの社会的な問題を背景に、三葉虫とヒーローを合わせるといった変わった設定も、佐藤究さんが描くとカッコ良くなってしまう。
さすがでした。
Posted by ブクログ
アメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校で銃乱射事件が起こる、その犯人達の心の中と、決意に至るまでの過程を細かく描写されてるお話。
バーナム・クロネッカーは、ダークヒーローなのかな?
独特の世界感だよね、、、相変わらず。
バーナム、どこ行ったー。
タキオ、優秀なオタクだった。
二人して、屈折してて面白い、会話が、なんとも言えない雰囲気を醸してて好き。
アボットくん、標的にされても文句はいえないよね、、、頭が悪いって表現が一番シックリくるわ、嫌い。
それはそれとして、最後、これは、どう解釈すれば?ここで終わりなのよね。
バーナムどうなっちゃうのかしら、、、。
Posted by ブクログ
三葉虫とかショットガンとか
とくに興味があるわけじゃないし
現実と幻想がいったりきたりして
なかなか集中できず
冗長に感じていたけれど
エピソード2に入り
主人公たちが動き出してから
スピードがどんどん加速し
ゴールまで一気だった。
ちょっと、あっけないほど。
前半の細やかさが
結末を嘘っぽくさせず
より引き立てていることに気づかされた。
主人公と友人の後日譚を期待。
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家さん
出版区で誰かの回で紹介されてて気になって読んだ、読みやすくて映像が浮かびやすい
面白かった、男心くすぐられる作品
三葉虫に目をつけるところがイカしてる、不気味だけどなんかカッコ良い、ダークヒーロー感ある
夢という単語がよく出てきたけど、実際に夢で見そうな映像が浮かんだ
バーナムがいじめられた理由がわからない
化石オタクで静かだから?急に矛先が向いた事がよくわからない
バーナムの境遇がきつすぎる、信頼してた父さんは死ぬし、母の当たりはキツイし、不倫してるし、バーナムの性格は環境のせいだろうなあ
そんな中でもタキオを想って行動したことはかっこよかったな
Posted by ブクログ
面白かったです。
ミニシアターで掘り出し物の当たり映画を観たようなそんな読後感。
二周目三周目を読んだら、まだ新しい発見がありそうです。
言い換えれば、作者の散りばめたヒントにまだ気がついていないような気がしてムズムズしてます。
それこそ、岩の中から化石を見つけるみたいに。
時間のあるときに、じっくり二周目いきたい。
三葉虫は正直ビジュアルが苦手なのですが、読み進めるにあたってちょいちょい画像検索していくと(薄目で)
なるほど、ずんぐりむっくりしたやつとか、割とシュッとしたようなのもいてなかなか面白いです。
自分からは一生調べることはないであろうカテゴリのものに出会えるのも本の醍醐味です。
登場人物の中ではタキオが一番気に入りました。
ただ毎日淡々といじめられているアジア人かと思いきや、内に秘めたエネルギーとのギャップがよかった。
色々と想像のふくらませがいのある終わり方も好きです。
Posted by ブクログ
三葉虫好きの男子高校生と退役軍人を主人公で進んでいくスリラー
正直三葉虫好きの要素は必要をあまり感じなかった。
いじめられてる高校生が父の死により狂気に呑み込まれるのと退役軍人のPTSDを対峙させていたアイディアはいいが乱射事件をもっとダイナミックに描いて欲しかった。
後半は迫力あって読むスピードが上がった!
文章力は高いと感じたので同作者の別作品を読んでみようか
Posted by ブクログ
なぜ、作者はここで三葉虫を選んだのだろうか。
カバーの白い部分は三葉虫の形状。
カフカ『変身』の先“あの虫”の形状を思い描いたとき、作者のイメージに近いものが三葉虫だったのではないか?そんな想像をしてしまう。
カフカ『変身』は、お好きなようで作中でも
語られています。
舞台は、アメリカのハイスクール。依然としてカースト制度が根強く残っているという。私はその種の物語をあまり読まないため詳しくはないが、本作ではカースト下位に置かれた生徒が、日々、上位の生徒からの嫌がらせに耐える姿が描かれる。
そしてある日、彼は自ら“三葉虫的な形状”を具現化し、いわばカフカ的な「変身」を遂げる。
だが興味深いのは、その後の物語が意外にもコミカルな方向へ転じていく。変身という重いテーマを扱いながら、どこかユーモラスに物語は進む。その軽やかさが、私には少し掴みかねる不思議さとして残った。
Posted by ブクログ
普通。まあまあ。好きなところはあるけど、総じてあまり楽しめなかった。
アメコミヒーローのような超能力持ち!?という煽るようなコピーが付いてたけど、聴力が過敏で、元軍人との共鳴さがそれかな。
タキオの話は面白かった。お前も考えてたんかい。
俯瞰して考えれば、何かの電波やらなんやらで銃撃戦を起こすような何かがあって、三人はそれに誘導された、みたいな。リチウムイオン電池の発火みたいな。
カフカの変身と掛けてるのはまあまあ面白い。
でもやっぱ好みはスティーブン・キングの『ゴールデン・ボーイ』なんだよなあ。
結局、バーナムは逃亡しタキオが手助けする、裏のヒーローに変身、ってことか?
続編読みたいとは思わない。
なんというか、文学書きてえ〜〜っていうのが見えてきて、エンタメとしてはあんまり。エンタメが読みたいので。悪くは無いけど、文学寄りならもっとなんか欲しかった。映像化したら良さげになりそう。
Posted by ブクログ
所はアメリカユタ州ニューオグデン。戦場におけるPTSDを抱えた元少尉、虐めを受けている三葉虫オタクの高校生とコンピューターオタクの高校生。それぞれの魂の必然に従ってとある計画(偶然に同じ)を立てる。たんたんと遠くから語っていく佐藤究の文体。前半なかなか何がどうなるのか分からずもどかしいが、二部の事件の顛末は面白い。三者三様結末は違った立場になるのも面白い。しかし、今回も『テスカポリトカ』ほどの興奮は感じられなかった。やはりあの傑作を超えるのは難しいのか。それとも当方の読みの力が足りないのか。
Posted by ブクログ
三葉虫マニアの高校生が主人公。スクールカーストで言えば底辺とも言える。そこに現れるスクールカーストの頂点の男。毎日ロッカーの扉を接着剤で固められる。
同じくいじめを受けていたもう1人の人物。いじめられっ子同士意気投合。放課後も遊ぶようになる。
主人公、現実に嫌気がさし、壮大な計画を準備。
新学期、主人公は自身が考えたヒーロー?『トライロバレット』に変身して、いじめていた奴を銃殺しようとするが、先に現れた近所の金物店のオヤジ。
オヤジとの対決、もう1人のいじめられっ子の計画、主人公の逃亡。
ヒーロー小説との触れ込みではあるが、よくあるヒーローものではなく、ややダークで、悪を退治するようなヒーローではない。三葉虫に変身する斬新さ。主人公からすれば三葉虫は人生であり彼のヒーローであることは間違いない。
Posted by ブクログ
【2025年46冊目】
バーナム・クロネッカーは三葉虫を愛する男子高校生である。スクールカーストで言えば下の方に位置し、目立たない学生生活を送っている。ところが彼のロッカーが接着剤で癒着される事案が発生。同級生のタキオも同じ目に合っており、スクールカースト上位者のコール・アボットの嫌がらせなのだという。妄想と夢の狭間で彼は次第に現実を失っていく。
なかなかの難解さ!読みやすさはピカイチなんですけど、これは夢?現実?いや彼らはどこから狂っていたのか?それともずっと正気なのか?と、こっちも迷宮に迷い込んだ気持ちで読んでいました。そして、まさかの結末。メリーバッドエンドじゃないか…?
なんとこの小説、普通の小説にあるはずの2つのものがないんです。それは「」と解説。「」なくても小説って成り立つんだという衝撃と、解説をなくしたことで最後の最後まで現実味を奪っていくという建付け。
物語をどう味わうかは難解な一作ですが、これはこの作者じゃないと書けないなと思わせてくる筆力の高さ。
1周回って怖い笑