あらすじ
バーナム・クロネッカーはアメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校に通う17歳の少年。彼は8歳のとき三葉虫に魅せられ、今ではその化石を熱心に集めつつ、静かな高校生活を送っている。そんなバーナムへのいやがらせが、ある日突然にはじまった。ロッカーの扉を接着され、頭にジャガイモをぶつけられる。体育会系の人気者コール・アボットのしわざだった。バーナムは、コールの行為を〈攻撃〉と呼ぶ謎めいた同級生、タキオ・グリーンと友人になる。そのときすでに、バーナムを驚愕の事件へといざなう運命の歯車は回りだしていた……。現代アメリカ社会の闇に光を当てながら、新しいヒーロー像を描きだす超絶エンターテインメント。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「テスカトリポカ」で佐藤究さんを知り、本作も手に取りました。
人の心の中にあるクソみたいな感情の猛りを描くのが本当に上手いと思います。
戦争が人を壊す、スクールカースト上位のいじめっ子が対象を壊す様はわかりやすくてのめり込めました。
ラスト、バーナムはどうなったんだろう。 タキオが逃げるルートは教えてくれたんだろうけど、母も死んで…
地下のシェルターで死ぬまで過ごして化石になるのかなぁ。
Posted by ブクログ
三葉虫って何?本作におけるモチーフとか意味合いとか。
なんか難しくないか?
退役軍人の話は読んでてただただ辛かった。
ヘリ飛ばすのやめてやれよ!(読解力皆無かな?)
アメリカ社会ってヤバいな…。
家庭環境ヤバいのも辛かったな。疲弊してる父親辛すぎる。
やっぱアメリカって銃社会だから元服的なノリで父親が息子に銃の扱いとか教えたりするのか?それを母親は当然嫌がる、というのもあるあるなのだろうか。
バーナムはガンダム主人公ならよくある境遇だよな。本作ではガンダムに乗らずに変身する…ていうかこれカミーユに見えて仕方ない。カミーユみたいに怒りを細切れに爆発させられるといいんだけど。
そういや昔アメリカ留学してた友達が、アクティブシューターに遭遇しかけたヤバかった、みたいなこと言ってたなあ。
銃社会怖すぎますよ。
佐藤究作品としては「サージウス」「QJKJQ」とか近いかな?主人公に見えてるおかしな世界が描写されるなど。
全体の感想としては、やはり一言目の「三葉虫って何?」だな。再度読み返してヒントを拾っていきたい。
Posted by ブクログ
ただいじめられているだけではない、バーナムの秘められたエネルギー、小さなヒーローとして少しずつ成長していく様子が気になり読み進めた。
タキオがバーナムを認めるラストがとても良かった。全男子が好きな展開ではないか。
三葉虫といった日常とかけ離れたモチーフと出会える点も小説の魅力を再認識させてくれる。
Posted by ブクログ
アメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校で銃乱射事件が起こる、その犯人達の心の中と、決意に至るまでの過程を細かく描写されてるお話。
バーナム・クロネッカーは、ダークヒーローなのかな?
独特の世界感だよね、、、相変わらず。
バーナム、どこ行ったー。
タキオ、優秀なオタクだった。
二人して、屈折してて面白い、会話が、なんとも言えない雰囲気を醸してて好き。
アボットくん、標的にされても文句はいえないよね、、、頭が悪いって表現が一番シックリくるわ、嫌い。
それはそれとして、最後、これは、どう解釈すれば?ここで終わりなのよね。
バーナムどうなっちゃうのかしら、、、。
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家さん
出版区で誰かの回で紹介されてて気になって読んだ、読みやすくて映像が浮かびやすい
面白かった、男心くすぐられる作品
三葉虫に目をつけるところがイカしてる、不気味だけどなんかカッコ良い、ダークヒーロー感ある
夢という単語がよく出てきたけど、実際に夢で見そうな映像が浮かんだ
バーナムがいじめられた理由がわからない
化石オタクで静かだから?急に矛先が向いた事がよくわからない
バーナムの境遇がきつすぎる、信頼してた父さんは死ぬし、母の当たりはキツイし、不倫してるし、バーナムの性格は環境のせいだろうなあ
そんな中でもタキオを想って行動したことはかっこよかったな
Posted by ブクログ
三葉虫好きの男子高校生と退役軍人を主人公で進んでいくスリラー
正直三葉虫好きの要素は必要をあまり感じなかった。
いじめられてる高校生が父の死により狂気に呑み込まれるのと退役軍人のPTSDを対峙させていたアイディアはいいが乱射事件をもっとダイナミックに描いて欲しかった。
後半は迫力あって読むスピードが上がった!
文章力は高いと感じたので同作者の別作品を読んでみようか
Posted by ブクログ
普通。まあまあ。好きなところはあるけど、総じてあまり楽しめなかった。
アメコミヒーローのような超能力持ち!?という煽るようなコピーが付いてたけど、聴力が過敏で、元軍人との共鳴さがそれかな。
タキオの話は面白かった。お前も考えてたんかい。
俯瞰して考えれば、何かの電波やらなんやらで銃撃戦を起こすような何かがあって、三人はそれに誘導された、みたいな。リチウムイオン電池の発火みたいな。
カフカの変身と掛けてるのはまあまあ面白い。
でもやっぱ好みはスティーブン・キングの『ゴールデン・ボーイ』なんだよなあ。
結局、バーナムは逃亡しタキオが手助けする、裏のヒーローに変身、ってことか?
続編読みたいとは思わない。
なんというか、文学書きてえ〜〜っていうのが見えてきて、エンタメとしてはあんまり。エンタメが読みたいので。悪くは無いけど、文学寄りならもっとなんか欲しかった。映像化したら良さげになりそう。