小説・文芸の高評価レビュー
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2017年に発売が開始された、主人公の社労士ヒナコシリーズの第4弾。シリーズは、ヒナコの成長と労働法制の変化やコロナ禍を経て、社労士として活躍するお仕事ミステリー。今回は、退職代行、カスハラ、やりがい搾取、シニアの深夜労働など、昨今の労働と労務に関する話題をふんだんに取り入れた短編集。小気味よいリズムで進む展開で次が読みたくなると思ったら一気読み。最後に待ち受けた結末は、一気に伏線回収した大逆転のミステリーは著者の水生大海さんならでは。昨今の労働問題に挙げられる、コンプライアンス、ハラスメント、働き方改革、SNSの普及、女性の社会進出など、作品に織り交ぜる妙。個人的に気になった「人って、育て
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「わたしは車イスではなく、霊長類ヒト科ホモサピエンス、人間です。」
まだ序盤の手探りな状態から、読み手も驚くような六花の強烈なワードに目が覚めた。車イスユーザーの六花と、ちょっと不器用な少年、伊澄。高校に入学した2人を中心に物語は進む。
車イスユーザーと、周囲がどう関わっていくのか。答えのない問いに対し、差別とは何かをクラスで話し合う場面は、こちらも多いに考えさせられ、その真剣さに胸が熱くなった。知らない、怖いから遠ざけるのではなく、理解するために向き合い話し合う。頭では理解できるけど、とても勇気がいることだ。
真面目な話しだけでなく、高校生にしか味わえない苦悩と喜びも詰まっていた。登場 -
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緋鼬(あかいたち)に立ち向かう火消たちの戦い
緋鼬は火災旋風のことを指す。
火災旋風をざっくりいうならば、大規模な災害時に局地的な火災を起こすつむじ風。
燃えるものから遠ざかると弱くなり消えるため、通常の火災とは違い消すことすらままならない。
今回の主役は、風読みに秀でてる星十郎。彼がいないと緋鼬は消えるわけがない。
初めて目にした緋鼬を見て消せる手段があるのか…と諦観するぐらいの勢いは
いくら星十郎が風が読めたとしても、川に囲まれ密集する大坂の地で
できあがった緋鼬を消し止める方法を模索するのが難しい。
星十郎と山路連貝軒と組み(双風神というタイトルに繋がる?)、ぼろ鳶たちが大坂の火消た -
- カート
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試し読み
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2024年本屋大賞2位。この年の1位は「成瀬は天下を取りにいく」だったらしい。成瀬の方が「元気が出る」ヤツで、こちらは「シンとした気持ちになる」だ。
8歳が38歳になっていく流れる日々の出来事。登場人物は酷い家族を持つ人が多いが、同じような境遇の人もそうでない人も、とにかく気にかけあって生きていく。「助け合っている」と書くと大袈裟で、一方通行なこともあり正確な感じがしない。「気にかける」ぐらいの範疇で皆ができることをしている、というのがじんわりと、まったく説教くさくなく伝わるのが嬉しい。
あとがきで「本書が誰かの友人に」なることを願っているのもまた味わい深い。そうだ、こういう小説を人生の友 -
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ネタバレ江戸川乱歩と、杉原千畝。名前と、大まかな業績ならわかるという人がほとんどだろう。私もそうだった。しかし、探偵・推理・怪奇・恐怖小説を多数執筆した乱歩と、数千人のユダヤ人を救うためにビザを発給した外交官の千畝。生きた時代はかぶるものの、まるで世界が違うこの2人が並び立つ物語とはなんだろう??という疑問と好奇心から、この本を手に取った。
年は乱歩が6歳上で、2人とも早稲田大学の学生だった。これを起点に、2人が友人同士だったというフィクションを、ノンフィクションの中に上手く落とし込んである。主に描かれる大正、昭和初期といえば、日本が活発に躍動していたイメージ。早稲田大学周辺の学生街や、猥雑な浅草な -
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生まれついての天才的な数覚(数学的感覚)に恵まれた瞭司。
協和大学に特推生として入学し、
狂気的ともいえるストイックさで研究に没頭する姿が印象的だった。
研究に行き詰まったあげく、もともと好きでもなかったお酒に溺れてしまい、それが結局瞭司の命を奪う原因になってしまったことが何とも切なくて胸が締め付けられた。
また熊沢の、瞭司に対する友情と嫉妬で揺れ動く心情も切なかった。
コラッツ予想もリーマン予想もムーンシャインもさっぱりな私だが、瞭司の語るプルビスの魅力は分かるような気がした。
ラストで現れた瞭司2世(?)に数学の果てしない世界に想いを馳せてしまった。
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