小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ小市民シリーズ6作目となる短編小説。
生徒が教師の思惑に気づき謎を明かすストーリー展開は、同作者の著作古典部シリーズの「連峰は晴れているか」を想起させた。
しかし本作で最も重大なシーンは、美術教師甲村と小鳩君の解答パートだろう。先ほど挙げた"連峰"は想像上の話として教師と主人公の生徒が会話することはなかった。対して、本作は全ての顛末が明らかになり甲村の処罰が下されたとき、主人公は真っ先に黒幕かもしれない美術教師に会いにいっている。
これは小市民シリーズと古典部シリーズの主人公の謎に対するスタンスの違いだと私は感じた。
古典部シリーズの折木は本人が自称するように省エネ主義を -
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出産を経験した夫婦とは、もともと他人であったふたりが、かけがえのない唯一の他者を迎え入れて、さらに完全な他人になっていく、その過程である。
著者が産後クライシスの不眠と出産の後遺症?で精神的にボロボロ、男性というものに対して憎しみが止まらなかった時期に残していたメモの一文らしい。
結婚している男性としては、この一文にはゾッとするし、一方で確かになとも思わされた。
結婚は仲のいい恋人の延長で、何があっても言うて他人だしな〜で済ませられることが大半である。
しかし、出産というイベントを通してわかるのは、二人から生まれた生命への関わり方を通して、どうしたってこの人とは完全には分かり合えないという -
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ネタバレさすがは名作本。天晴、めちゃくちゃ面白かった。読んで良かったと心から思った。
どういうこと!?って最初から読み返したくなった。いつから女性に?この男が真犯人なの!?コイツ関係ないんかいと。
医師との掛け合いが面白かった。死なない程度の、本当に死ぬ気のない自殺未遂を何度も行って、最終的に正しい自殺行為が行われたのも伏線回収というか気持ちの良い展開だった。
医師が本人格かと思わされたが、父親に抑制された人格が少しだけ出てきて、掛け合っていたふたりは本物ではないというか、あとから作られた人格だと分かったのも驚かされたし、人格が作られたキッカケのようなもののチラ見せがありスッキリ。
傍から見たら美人 -
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「宙わたる教室」のとき小学生で、メンバーの発表を見て感銘を受けた作那が主人公だけど、連作短編形式で、つぎつぎと加わってくるわけありのメンバーたちのドラマがえがかれる。
研究材料はペットボトルロケットからデンプンを燃料にして飛ぶロケットへ。実在の研究を元にしているらしくリアリティは高い。話が後半へすすむにつれ、「伝説」の科学部のOBOGたちがアッセンブルしてくるのも胸熱。彼らもまた今の人生でそれぞれ行き詰まりを感じていたりするんだけど、現役の子たちを励ましつつ、自分も励まされて困難を乗り越えていくのがいい。ベタなところもありつつ、それも持ち味というか、素直なきもちで読める秀作。
そのうち藤竹 -
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これまでさんざんアホの子扱いされてきたサンディが大人になった回。
ロンドン出張を一人で行かなくてはならなくなって、都会にドキドキして早く帰りたくなるサンディ。
自信もないし、勉強ができたこともない。だけどペレスを尊敬し、必死に期待に応えようとするサンディが愛おしい。
毎回この作者の描く、家族に対する複雑な感情は、世界共通に共感できる人たちがいるのではないかと思う。上は殺人事件の犯人探しをするミステリだが、下は悩みながら生きる人たちの心理描写が流れている。
みんな一緒だ。仕事をしながら家族や恋人のことを考える。それが当たり前で、みんな行き来しながら毎日を生きている。それがものすごく自然に描写 -
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人は何故愛するのでしょうか?
何故妻の事をこれほど愛しているのに他の女性と関わってしまうのだろう?
何故この妻は夫の浮気を知ってもただ夫の情事を静かに眺めている事が出来るのか?
そして著者は2人の娘なのに何故この小説を書く事にしたのか?そして作中では妻の内心や葛藤や夫の心の様子は全く最後まで謎のままなのである。
更に言うならば瀬戸内寂聴と井上光晴の妻の視点で描かれた小説である事は映画を観て知っていた。
しかし小説家である「みはる」の視点では白木との関係が始まって変化してやがて終わるも何某かのものは続いていく。一方「笙子」は二人の関係をつぶさに感じ取りつつもいつも心の内にとどめておく。
不思議だ -