小説・文芸の高評価レビュー
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特別養子縁組をテーマに、男の子の育てのお母さんと、産みのお母さんの、双方の視点から各2章ずつ描かれる本作。
仲介団体のベビーバトンが掲げる、"この制度は子どもが欲しい親のための制度ではなく、産まれたが育てられる環境にない子供のための制度である"という理念が本作の全体構成に大きく影響していることが、とてつもなく長く、壮絶で、こちらの感情を何度も揺さぶられる、3章目を読んで気づく。
そして20ページほどしかない4章で、こんなラストが待っていたなんて、と久々に涙が溢れました。
まだ義務教育を受けている年齢の産みのお母さんの環境やキャラクターの描かれ方について2点。代表作の「傲慢と -
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社会的コミュニティでの役目を仰せつかり、ここしばらく忙しくしておりました。焦りも、不満もチラリ・・・そんな私を救ってくれた一冊です。
どのページを開いても、どの言葉も宝石のように、輝いています。88ページ(なんだか運命的な割り付け、と、私だけが思う)の『ありがとう』の抜粋です。
『空 ありがとう
今日も私の上にいてくれて
曇っていても分かるよ
宇宙へと青く広がっているのが』
私の、この心の状態とのタイミングですね、
泣けました。
生きていることの有り難さとか、
感謝の心とか、言葉の中にある『想い』や
『心』に気がつかなければ、見過ごしてしまうことなのだと思います。
いのちの愛おしさ、生きている -
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ネタバレ本作は、前作「高宮麻綾の引継書」の続編!
前作のメンバーも登場するものの、本作からでも十分楽しめます!!
(前作読んだ方が面白さ倍増◎)
●パワハラ疑惑
●産業スパイ探し
●敵企業に潜入
高宮。
最初から、アクセル全開で、ぶっ飛ばしすぎでは。
全巻よりかなりパワーアップしてるだろ。
読んでいて、本当に面白い!!
本社に異動になったら、TSフードサービスのメンバーが出ないのかと不安になったけど、時々、登場してくれて嬉しかった!!
これは、次巻も要期待!
今後、高宮が何を起こすのかワクワクする!
〜次巻以降で期待したいこと〜
天恵と綿貫の念願の対面が叶うか!?
天恵と高宮の関係性に変化 -
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・土地に狂わされた(あるいは狂わされたと思っている)人たちの話
・彩花の描写を読んでいると、タワマン文学のキャラ造形(特に麻布競馬場の)には湊かなえイズムが流れているように思う
・ピエロ的な立ち回りをする小島サトコを筆頭に、単一の価値観では一概に善悪を判断できないというか……その複雑さゆえに対立が生まれているんだろうけど、二項対立で生まれる分断とは毛色が違うとはっきり感じた。単純な対立の方が意外にも解決の糸口がないというか。
個人的な感想としては、彩花の暴力描写になるたびに胸がひゅっとした。腹が立って死にそうなときに思いきっきり物を投げれたら、と思ったことがあるけど、それを実行している人を見 -
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ネタバレ『クトゥルフ神話』の創造者として今日まであらゆる分野で影響を与えている怪奇幻想作家のH.P.ラヴクラフトの作品と生涯を独自の目線で語った、小説家ミシェル・ウエルベックのデビュー作。
1991年に発行した本文に、作者本人による「はじめに」(1999年)とスティーヴン・キングによる序文「ラヴクラフトの枕」(2005年)を加えた普及版を底本にしているとのこと。
怪奇幻想文学を読む上でラヴクラフトは外せないとのことで、最近発売されていた新潮文庫のシリーズを読んでみたがいまいちノリが掴めず断念していた。魅力を知る人の感想は作家の世界に入る足がかりになるものなので、ラブクラフトを「熱烈な偏愛で語る -
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ネタバレネメアのライオン
レルネーのヒドラ
アルカディアの鹿
エルマントスのイノシシ
アウゲイアス王の大牛舎
スチュムパロスの鳥
クレタ島の雄牛
ディオメーデスの馬
ヒッポリュテのオビ
ゲリュオンの牛たち
へスペリスたちのリンゴ
ケルベロスの捕獲
ポアロが引退を間近にして、自身のクリスチャンネームであるヘラクレスに因んだ事件を解決していく短編集。
ポアロの長編より好みだったかも。
「彼には、あなた方の祈りが必要です」
「では、その方は不幸なのですか?」
「あまりにも不幸だったため、幸福とはなんであるかを忘れてしまったんです。自分が不幸であることを知らないほど不幸なんですよ」
院長はやさしくいった。 -
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知り合いからおすすめされて。
テンポがよくあっという間に読み進められた。
読書に没頭して気づいたら朝になっていた中学時代に戻ったような感覚で、そのくらい夢中になってた。
ワードセンスが自分好みで、特にブーメランが刺さって死ねは声出して笑った。全体的に尖りすぎてる。
完全に好みは分かれる尖り方してるけど、学生に読んでほしいかも。てか自分が学生の時に出会いたかった本。いや出会わなくて逆によかったかも。今でもこんなおもろいと思うのに学生の頃に読んでたら影響されすぎちゃって、死ぬほど尖った奴になり、とんでもない黒歴史が生まれてたかも。
展開はいい意味で裏切られた。あの題材でよくこの展開にもってけたな。 -
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日本から出たことのない自分にとって、とても学びの多い本だった。
英国に住む著者とその家族、特に息子の学校生活にフォーカスを当てた、エッセイ?ジャンルとしてはノンフィクションらしい。ほぼエッセイ。
息子さんがとても賢くて、中学生とは思えない。
とても理性的で博愛的?というのか、成人している私なんかよりよっぽど大人っぽい。
タイトルのイエローでホワイトでちょっとブルー、この言語感覚は遺伝なのか、すごく詩的でいいなーと思った。
イギリスの教育事情がリアルに描写されているんだけど、日本と違いすぎる。
まじで海外ドラマ。学んでいることも全然違う。
私は日本での教育で、こんなに人種差別やジェンダー差別のこ