ブックライブの高評価レビュー

小説・文芸の高評価レビュー

  • 三千円の使いかた

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    金銭管理がズボラな私には、「あんた、それでいいの?いいの?」とチクチクと叱られているようで居心地が悪い部分もあった。けど、未来をどう描くか、誰と描くか、を「お金」という側面から描き出すのはうまい、と思った。お金とかかわらずに生きていく人はいない。お金を考えるのは人生を考えること。
    お金があることが豊かなのではなくて、お金を上手に使うことが豊かなのだよね。

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    2025年11月29日
  • 朝が来る

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    特別養子縁組をテーマに、男の子の育てのお母さんと、産みのお母さんの、双方の視点から各2章ずつ描かれる本作。
    仲介団体のベビーバトンが掲げる、"この制度は子どもが欲しい親のための制度ではなく、産まれたが育てられる環境にない子供のための制度である"という理念が本作の全体構成に大きく影響していることが、とてつもなく長く、壮絶で、こちらの感情を何度も揺さぶられる、3章目を読んで気づく。
    そして20ページほどしかない4章で、こんなラストが待っていたなんて、と久々に涙が溢れました。
    まだ義務教育を受けている年齢の産みのお母さんの環境やキャラクターの描かれ方について2点。代表作の「傲慢と

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    2025年11月29日
  • 谷川俊太郎詩集 たったいま

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    社会的コミュニティでの役目を仰せつかり、ここしばらく忙しくしておりました。焦りも、不満もチラリ・・・そんな私を救ってくれた一冊です。
    どのページを開いても、どの言葉も宝石のように、輝いています。88ページ(なんだか運命的な割り付け、と、私だけが思う)の『ありがとう』の抜粋です。
    『空 ありがとう
    今日も私の上にいてくれて
    曇っていても分かるよ
    宇宙へと青く広がっているのが』
    私の、この心の状態とのタイミングですね、
    泣けました。
    生きていることの有り難さとか、
    感謝の心とか、言葉の中にある『想い』や
    『心』に気がつかなければ、見過ごしてしまうことなのだと思います。
    いのちの愛おしさ、生きている

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    2025年11月29日
  • ひらいたトランプ

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    やっぱりアガサ・クリスティー作品は面白い!
    そうだったのか!と、何度も予想を覆させられました。
    人間心理の闇と悲しさ。
    名探偵ポアロのシリーズを読み進めていきます。

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    2025年11月29日
  • 高宮麻綾の退職願

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    ネタバレ

    本作は、前作「高宮麻綾の引継書」の続編!
    前作のメンバーも登場するものの、本作からでも十分楽しめます!!
    (前作読んだ方が面白さ倍増◎)

    ●パワハラ疑惑
    ●産業スパイ探し 
    ●敵企業に潜入

    高宮。
    最初から、アクセル全開で、ぶっ飛ばしすぎでは。
    全巻よりかなりパワーアップしてるだろ。
    読んでいて、本当に面白い!!

    本社に異動になったら、TSフードサービスのメンバーが出ないのかと不安になったけど、時々、登場してくれて嬉しかった!!

    これは、次巻も要期待!
    今後、高宮が何を起こすのかワクワクする!

    〜次巻以降で期待したいこと〜
    天恵と綿貫の念願の対面が叶うか!?
    天恵と高宮の関係性に変化

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    2025年11月29日
  • 古本食堂

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    人間模様を丁寧に描かれるのは上手な原田さん、お金のやりくりの話も興味があるので、ぐいぐい引き込まれる。そしてそこに古本と来たらもう最高の組み合わせの物語のオンパレードでした。

    東京なんてなかなか行けませんが、神保町だけに時間を割いてぼーっとしたい。またひとつ本から生まれる夢が生まれました。

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    2025年11月29日
  • バイロケーション

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    自分と同じ容姿の存在によって引き起こされる害に立ち向かう。その害が軽犯罪から身の危険まであり、何されるかわからない箇所に引き込まれた。主人公の生活環境が最後伏線回収されるのも良い。

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    2025年11月29日
  • 連続殺人鬼カエル男

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    ネタバレ

    サイコスリラーの体裁だけど、中山七里って社会性入れてくるから、純粋なサイコ話じゃないんだろうなと考えて読んでいた。
    はじめのどんでんに向けたフェイントが巧み。書き方も、心理トリックも。ピアノ部屋に入って、そういえばコントラバスケースのこと書いてたなーと思い出してから怒涛。動機としてちょっと弱いよなぁと思うのは、次のどんでんの匂いがしてから。
    次作では、おの人が犠牲になるらしいが、それなら誰がカエル男を引き継ぐのか。また同じテーマでそれがやれるのか。読んでみたい。

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    2025年11月29日
  • 月とアマリリス

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    ネタバレ

    読んでいて一番印象に残ったのは、自分の「多分」で描くのは「ほんとう」を見失ってしまうという言葉だった。その言葉がこの小説の芯を食っているんじゃないかと思った。偏見や妄想は邪魔でしかない。
    人と関わる、人と向き合うと痛みを伴う瞬間がある。けれど誠実に向き合えば自分を人として成長させてくれる。前を向かせてくれる。あるいは深みのある人生を送ることができることを思い出させてくれた。

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    2025年11月29日
  • 蛇にピアス

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    11/29夜更かしの読み明かしの影響で再読。こんな話だったけってなった。芥川賞を取っただけあって読みやすくあっという間に読んでしまった。シバさん…、感情の移り変わりが全然わからん。が、そこがいい。

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    2025年11月29日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 想いを伝えるシチュー

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    シチューやポトフ、クラムチャウダーなど、あったかい料理が多くて、今は11月の終わりなんだけど
    ぴったりだなーと思いながら読んだ。

    「悔しい」という気持ちが沸き起こった時、一瞬波乱の予感がしたんだけど、
    最後にその理由がわかって
    主人公のことがまた一つ好きになった。

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    2025年11月29日
  • 夜行観覧車

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    ・土地に狂わされた(あるいは狂わされたと思っている)人たちの話
    ・彩花の描写を読んでいると、タワマン文学のキャラ造形(特に麻布競馬場の)には湊かなえイズムが流れているように思う
    ・ピエロ的な立ち回りをする小島サトコを筆頭に、単一の価値観では一概に善悪を判断できないというか……その複雑さゆえに対立が生まれているんだろうけど、二項対立で生まれる分断とは毛色が違うとはっきり感じた。単純な対立の方が意外にも解決の糸口がないというか。

    個人的な感想としては、彩花の暴力描写になるたびに胸がひゅっとした。腹が立って死にそうなときに思いきっきり物を投げれたら、と思ったことがあるけど、それを実行している人を見

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    2025年11月29日
  • H・P・ラヴクラフト 世界と人生に抗って

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    ネタバレ

     『クトゥルフ神話』の創造者として今日まであらゆる分野で影響を与えている怪奇幻想作家のH.P.ラヴクラフトの作品と生涯を独自の目線で語った、小説家ミシェル・ウエルベックのデビュー作。
     1991年に発行した本文に、作者本人による「はじめに」(1999年)とスティーヴン・キングによる序文「ラヴクラフトの枕」(2005年)を加えた普及版を底本にしているとのこと。

     怪奇幻想文学を読む上でラヴクラフトは外せないとのことで、最近発売されていた新潮文庫のシリーズを読んでみたがいまいちノリが掴めず断念していた。魅力を知る人の感想は作家の世界に入る足がかりになるものなので、ラブクラフトを「熱烈な偏愛で語る

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    2025年11月29日
  • ヘラクレスの冒険

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    ネタバレ

    ネメアのライオン
    レルネーのヒドラ
    アルカディアの鹿
    エルマントスのイノシシ
    アウゲイアス王の大牛舎
    スチュムパロスの鳥
    クレタ島の雄牛
    ディオメーデスの馬
    ヒッポリュテのオビ
    ゲリュオンの牛たち
    へスペリスたちのリンゴ
    ケルベロスの捕獲

    ポアロが引退を間近にして、自身のクリスチャンネームであるヘラクレスに因んだ事件を解決していく短編集。
    ポアロの長編より好みだったかも。

    「彼には、あなた方の祈りが必要です」
    「では、その方は不幸なのですか?」
    「あまりにも不幸だったため、幸福とはなんであるかを忘れてしまったんです。自分が不幸であることを知らないほど不幸なんですよ」
    院長はやさしくいった。

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    2025年11月29日
  • 高校入試

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    イヤミスの女王によるイヤミス小説を読んでイヤな気持ちになるのは、全くもって誉められたことである。はず。

    うわぁ、感じ悪い自分さえ良ければ教師。
    自分の子供可愛さのあまり完全自己中のモンスターペアレンツ。
    自分の向き合うべき方向性が間違っている生徒。

    いやぁ、実社会もこんなんだろうか?
    おそろしや。
    もしかしたらもっとなのかな?

    でも、意外や、意外な結末で、
    終わったらなんだかちょっと気持ちいい。

    とはいえ、すぐに同じ作家のものは手に取れないくらいにはヤられたのだが。

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    2025年11月29日
  • 二木先生

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    知り合いからおすすめされて。
    テンポがよくあっという間に読み進められた。
    読書に没頭して気づいたら朝になっていた中学時代に戻ったような感覚で、そのくらい夢中になってた。
    ワードセンスが自分好みで、特にブーメランが刺さって死ねは声出して笑った。全体的に尖りすぎてる。
    完全に好みは分かれる尖り方してるけど、学生に読んでほしいかも。てか自分が学生の時に出会いたかった本。いや出会わなくて逆によかったかも。今でもこんなおもろいと思うのに学生の頃に読んでたら影響されすぎちゃって、死ぬほど尖った奴になり、とんでもない黒歴史が生まれてたかも。
    展開はいい意味で裏切られた。あの題材でよくこの展開にもってけたな。

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    2025年11月29日
  • 門

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    いったいいつ購入したのやら。定価200円って!
    化石化する前に発掘できたというレベルだが、『それから』があまりにも動きのない小説で、ようやく最後に動き出す気配があったのならば、気になるじゃないの、先が。

    語らずとも物語る2人の来し方。いいねぇ、この奥ゆかしさ。そしてその過去があるからこそ、お互いがお互いだけを頼りとし、信頼し合っている姿は夫婦のある意味理想だと思う。

    好きだ。漱石ものの中でも気に入りに入った。

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    2025年11月29日
  • 砂漠でみつけた一冊の絵本

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    絵本の単なる説明や紹介ではなかった。ひとつ、あるいは複数の絵本について、柳田が主催している読書会の話題で取り上げたり、読者からのリクエストであったり、翻訳絵本をどのように絵本にするを、訳者、画家、絵本作家、出版社と話し合う、というような様々な状況での絵本の話であった。もちろん巻末には推薦する絵本を列挙しているが、それが本文で挙げられた絵本の全てではないような気がする。

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    2025年11月29日
  • ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(新潮文庫)

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    日本から出たことのない自分にとって、とても学びの多い本だった。
    英国に住む著者とその家族、特に息子の学校生活にフォーカスを当てた、エッセイ?ジャンルとしてはノンフィクションらしい。ほぼエッセイ。
    息子さんがとても賢くて、中学生とは思えない。
    とても理性的で博愛的?というのか、成人している私なんかよりよっぽど大人っぽい。
    タイトルのイエローでホワイトでちょっとブルー、この言語感覚は遺伝なのか、すごく詩的でいいなーと思った。
    イギリスの教育事情がリアルに描写されているんだけど、日本と違いすぎる。
    まじで海外ドラマ。学んでいることも全然違う。
    私は日本での教育で、こんなに人種差別やジェンダー差別のこ

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    2025年11月29日
  • かがみの孤城

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    ネタバレ

    本を開いた最初の仮面の子が教室に座り込むイラストが切なくて......
    素敵な作品でした.......
    アニメ映画化されてるのもみたいな。舞台化とかも良いかも。

    マサムネとスバルがゲームを通して出会えていたこと、気づけて良かった(;o;)
    スバル、アキ、ミオのお兄さん・お姉さん組は、年下の子達と再会を果たしていたんやねぇ。くぅ。
    読んで良かった。これはみんなにおすすめしたい。

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    2025年11月29日