小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ【シークレット・オブ・シークレッツ】 ダン・ブラウン 著
これはすごいです! さすが、ダン・ブラウン!
「トラブルの中心地に居合わせるという厄介な習性」のあるラングドン教授のミステリー&アドベンチャーのハラハラ・ドキドキはいつもの通り。すごいのは今回の主題です。脳(脳科学)、意識とは何か(局所性・非局所性)、夢や幻覚の原因、遠隔透視、さらには、死ぬときに何が起こるのかという「秘密のなかの秘密(Secret of Secrets)」を解き明かしているところです。トンデモ本かと思いきや、冒頭には「実験、テクノロジー、科学的成果はすべて事実」と書かれており、ほぼ一気読みでした。
舞台が一 -
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今日のリンチョコでのコーヒータイムに、この色鮮やかな名作絵本を再読しました。何度ページをめくっても、心に優しさが広がるような、そんな魅力が詰まった一冊です。
• タイトル: にじいろのさかな
• 著者: マーカス・フィスター
• 訳者: 谷川 俊太郎
• 出版社: 講談社
• 出版年月日: 1995年11月15日(第1版)
• 対象年齢: 2歳~4歳くらい
物語の最大の魅力は、やはり主人公のにじいろのさかなの絵です。
キラキラと輝くホログラムのうろこが本当に美しく、ページを開くたびに子どもだけでなく大人まで夢中にさせてくれます。
美しいにじいろのさかなが、その宝物を分け与えることを通して**「 -
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ネタバレ途中から長岡友梨奈に自分を重ねていた。彼女は理不尽にあふれる社会に怒っているから。私も常に同じように社会に怒りを抱えて生きているから。
友梨奈は怒って怒って怒っている。ペンの力から実力へ。この世の理不尽とペンで闘っても正義は果たされない無力感。
セクハラ編集者や「ぶつかりおじさん」男性と闘うことになる経緯は私には痛切に伝わる。
40歳を過ぎたからこそ、ただ嘆くだけではなく、次の世代のために目に見える形で闘いたくなる。友梨奈のように破滅的に闘うことはできないけれど。
友梨奈の死後の木戸の気力復活は理解できていないので再読したい。
最後に出てくるリコちゃんは救い。
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ナバテアから続きで読んだ。
巻末の解説のスホーイの乗り手の方の臨場感がすごかった。
新装版は、フォントが綺麗なので、リーダビリティが上がってる。一度読んだものだけど、久々すぎて全てが発見だ。このシリーズは本当に好きなので読めて嬉しい。
クサナギスイトは礼儀を知っている。敬礼をすべき時にはし、座るのを待つときは待つ。心配もする。
当たり前のことだけど、そういうのができない人なのかと思っていたが、そうではなかった。人の名前も覚えるし、電車にだって乗れなくはない。地下鉄だけは嫌なのだそうだけど。
そのクールさとは裏腹に、整備士のササクラには抱きつくし、カンナミにも触れる。
そう言う人間ぽいとこが、 -
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ネタバレ臨界点を超えた関係の根拠は、どんなに丁寧に言葉にしても全てこじつけにしか聞こえないのだ。(P、37)
この砂漠のように灼かれた大地を裸足で飛び跳ねながら生き続けることに、人は何故堪えられるのだろう。爛れた足を癒す誰かの慈悲や愛情でさえもまた、誰かを傷つけるかもしれないというのに。(P、72)
寂しさは人を狂わせ、寂しさを盾に、人は人を傷つける。こんなに惨めなことはない。苦痛のない世界を求めているだけなのに、どうして人は傷つき傷つけてしまうのだろう。(P、88)
酔っぱらっている時ほど、きちんとメイクを落としコンタクトを外し歯磨きをする。疲れている時ほど眠れないように。喪失感に苛まれて -
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地方自治の現場を長く歩いてきた者として、本書『過疎ビジネス』は胸を締めつけられるほどリアルだった。小規模自治体に人員も専門知識も足りず、複雑な制度の前で思考が止まり、コンサルの提案を十分に吟味できないまま事業が動き始めてしまう——そんな“構造的な弱さ”が、鮮烈であり、痛々しいほど描かれている。
特に福島県国見町の救急車リース事業は圧巻だ。合理性が見えないまま突き進む行政、形骸化した議会、常駐できず深掘りしきれない地方メディア。町にとってどんなメリットがあったのか、なぜここまでのめり込んだのか——この「動機の闇」は最後まで完全には解き明かされない。しかし、その“説明不能”こそが地方行政の危うさ -
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ネタバレほんと、この人の言葉が好き。私が大切にしたいと思ってることを掬い上げてくれるよう。
動画やゲームなどの人から与えてもらう楽しみだけではなく、自分で楽しみを創り出せる人になるためには、「感じる」「分かち合う」経験をいかにしてきたかだなと思った。
・今回改めて実感したのは、虫や草花や木々や土など、人間でない者たちの存在がいかに、子どもたちの才能を引き出していくかだ。「教室」で「人間」の話だけを聞くという特殊な環境に「education」を閉ざしてしまっては、あまりにもったいないのである。
・食べ物や、資源を社会で分け合うときも、厳密な数値や計算を提示すると、いかにも公平感を演出できる。だが、分 -
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北海道に住むようになって四季の移ろいというのをとても強く感じるようになった。私が住んでいるのは都市部だけど、少し足を伸ばせば原生林が残っている。そんな場所に住むようになり自然や環境に対する関心が増したこの数年はちょこちょこと自然の美しさを感じられる本に手を伸ばすようになっていて、その中で読んだ一冊。
20世紀前半に環境倫理学を提唱し、この分野の古典と呼ばれる本とのことですが、とても良かった。説教臭さやいたずらに危機感を煽るような雰囲気はまったくなく、著者が自然をどのように見つめ、何を感じてきたのかが表された美しいエッセイがまずあって、その流れで適切な自然管理・自然保護とはどのようなものなのかが