小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
クレア・キーガンは「Walk the blue fields」と「Foster」は原書で読んでいて、読むのはこれが3作目ですが、これまで読んだ3作品の全てが本当に素晴らしい。
丁寧な日常の描写の中にふと差し込まれる違和感と、主人公が自らの生い立ちを振り返って、後悔をしないための選択をするまで、彼の感情の流れを読みながら一緒に追体験できるような臨場感のある描写がすごく良かった。
この先、彼には多くの困難が待っているはずだけど、それでもなお、その選択は「後悔しないための決断」というよりも、彼が彼である以上そうするしかなかったもののように感じられた。
しかし、この出来事が1980年代だというの -
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シリーズ第3段。
主人公、館林優希は、不動産屋で派遣社員として働いているが、1人社員が辞めて忙しくなり、週休2日を週休1日に出来ないか打診される。かつ、社員登用の検討もしていると。
辞めた女性社員は、朗らかで周りに気遣いしてるてる素敵な人であったが、頑張り過ぎたのか、鬱になって会社に来れなくなったらしい。
優希は、前の会社を辞めた自分と重ね、ここで社員になるよりも、菜の花食堂でスタッフとし働きたいと思った。この本の中で、不動産屋は辞めて、菜の花食堂で働きだす。
それて、菜の花食堂の売上を上げるべく、ピクルス作りに精を出し、イベントで販売も。そこで知り合ったパン屋さんにもピクルスを販売しても -
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中島京子の突拍子もない(褒め言葉)歴史小説です。
主人公はスランプの作家で、スランプ脱出のための旅先で不思議な窯元に出会う。その窯元が語るのは、水神=河童一族で伝わる水神夜話。そしてそれは、ウンビの器と、水神、秀吉朝鮮出兵にまつわる壮大な歴史物語だった。
水神たちは、戦争を止めようとする。戦いを好まない水神たちはどこかおっとりとしていて、戦をしたり、平気で嘘をついたりするヒトのことがいまいち理解できない。
水神さんたちがせっかくおっとりして、良い感じのお話になっているのに、史実のおかげで語られる物語は凄惨である。
史実とファンタジーの境目で、ふわふわした世界観のなか、ラストはけっこう重た -
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ヒットメーカーである編集者がこれまで培ってきた人生観、仕事観、キャリア観、パートナーシップ観、死生観を綴ったエッセイ。
特に、
"(どうして?こんなに心を尽くしてあげているのに)
それは、きっと愛じゃない。
自分の信じる"正義"を、"正しかった"と証明したいだけ。"
という部分は自分の今までの問い、こんなに私はエネルギーを注いでいるのに相手は変わらないのかの真理をついていてとても響いた。
本当に仕事のできる人の思考はこんなふうになっているんだ、世界にはこんな人がいるんだと知れたのもよかった。
つまらない日常、もしくは少しの揺らぎを感じた時のお -
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著者の本は3冊目。
やっぱり小野寺史宜氏の小説、いいな、好きだな。
主人公の瞬一は、純粋で真っすぐな心を持った青年。
少しものたりないキャラなのでは・・とも思いながら読み進めましたが、現実にこういう青年っていると思ったし、いて欲しいと思った。
日常の中の静かなドラマが描かれています。
「繋がる」と「ツルム」・・は違う。
「助け合う」と「依存」・・を混同しちゃいけない。
「独り」と「孤独」・・はイコールではない。
「繋がる」も「助け合う」も「独り」も、前提として「自立心」「芯」がしっかりしている必要があるんだなぁ・・・と、そういうようなことを感じました。
自分が独りだなぁ・・と感じている方 -
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ネタバレ天上の葦、上下巻読み終わったのでまとめて感想を。
老人がスクランブル交差点で天を指差して死亡ふるという印象的なシーンから始まり、終わりまでずっと物語に引きつけられた。おなじみの3人が公安に追われることになり、犯罪者、幻夏以上に緊迫した状態が続く。
そして、何よりも印象に残ったのは戦争描写。今まで色々と本を読んだりドラマや映画を見たりしてきたが、1番戦時下の状況がリアルで、夢にまで出てきて途中で読むのを休憩したほどだった。今回のテーマは報道であり、国から報道が規制されることの危機感、危険性を真っ向から取り上げている。戦時中に徐々に報道の自由が失われていった過程と、国からの発表を信じて亡くなってい -
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著者は、ドイツ語文学翻訳者であり、20年間ベルリンで暮らしていたが、十年ほど前、ポルトガルの、人口が10人の限界集落に空き家を買い、数年前にドイツ人の夫ともども、引っ越した。
この本は、海外滞在記が好きな人なら、たぶんみんな楽しめると思う。
文章がとても理知的で、一方的に決めつけるのではなく、冷静に書いているのだが、ユーモアもあり、飽きさせない。
村の人たちとも、うまく、楽しく交流しているのだが、それも、よそ者であるからだということも冷静に見ている。
自分が悪くても、絶対に謝らないドイツ人に比べ、笑顔で、ごめんごめんとすぐに謝るが、仕事にルーズなポルトガル人は、生活するには困ったところもあ
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