小説・文芸の高評価レビュー
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古書店〈深海〉で夜な夜な開かれる“読書会“。そのメンバーが、読書を通じて自分の人生を前に進めていく姿が静かに、また力強く描かれていました。とくに主人公の吉乃ちゃんの成長は、最後に小気味の良さもあり、清々しいものでした。
同じ本を読んでも、人それぞれ感想も、ハッとするフレーズも違いますよね。こちらを読んで、共感だけじゃなく、そういう読み方があるんだという気づきを得てみたいと思うようになりました。
子どもの頃は課題図書も読書感想文も避けまくっていたけれど笑、“おとなの課題図書“なんて絶対面白い!
うまく話せる自信はないけど、私も“読書会“に参加してみたくなりました。
間違いなく、今年読んだ本の中で -
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ミステリ好きで、どんでん返しが好物です!という方界隈では必ず話題になる『ハサミ男』。
約25年前に刊行され、約500ページとなると、
手にはしていたものの半年くらい積まれておりました。 表紙もねぇ、ちと暗いんだよねぇって
思っていたら、私の好きな北見隆のオブジェとのこと。 ステキな表紙ということで。
内容は、美少女連続殺人鬼『ハサミ男』と似た手口であらたな殺人事件が起きる。しかもハサミ男が第一発見者になり、真犯人を探す!というお話ですが、やはり設定が古いんだけど、あまり気にならず、楽しい読書体験でした。
いろいろと感想はあると思いますが25年前の世界でこのストーリーが書けるのがスゴイ。
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はい、というわけで全編にわたり手に汗握る合戦シーンが描かれる第四巻は、村上海賊(毛利水軍)の大勝利によって幕を閉じたのでした!
いきなりのネタバレ?
いやいやいや、本作は史実にある「第一次木津川口の戦い」を描いていますのでね
そんなことは最初から分かった上で読み始めるのが正しいのです
譲りませんよ!
そしてこの和田竜さん
作中のちょっと馴染めない史料のねじ込みからも分かる通り、その辺のところかな〜りこだわる作家さんぽい
なのでこの和田竜さんの想いを汲むならば、本作を読む時は、ちゃんと史実を当たってから読み始める方が、よりしゃぶり尽くせると思うのだ
ええ、譲りませんとも
わい泉州侍でっから! -
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つい先日久しぶりに映画「かもめ食堂」を見ていたので、読みながら始終小林聡美さんの声で脳内再生されて楽しかったです。小林聡美さんとは同世代なので、共感しかないエッセイ集でした。パスポートのお話しでもちょうど私も更新してたばかりなので、すごくすごくそうよね〜、となりました。昔より10年があっという間に感じられますよね。だけど、年齢を重ねるからといって悲観的になるのではなく、肯定的で、チャレンジ精神もあって、とっても好感がもてました。ほっこりとして、心の余裕の持ち方が学べました。タイのホテルで猫ちゃんと同室になったエピソードが特にほっこりして好きです。
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素晴らしい小説でした。
日本時代の台湾を舞台に、妙齢の日本人女性作家青山千鶴子と教養あふれる台湾人女性通訳王千鶴の旅と美食と、お互いが寄せ合う心情の機微とが描かれます。二人の立場の違いのせいで、心を寄せ合っていながらも離れざるを得ない二人がなんとも悲しかったです。
初めて読んだときはこの機微に気づかずに、ちょっと鈍感な青山さんのように、王さんがなぜ離れていくのかわからず、最後の場面で二人の真情に触れた思いでしたが、今回はそれぞれの場面で王さんの思いが行間からにじみ出てきて胸に迫るものを感じながら読み進めました。
再読することで感動が増し、すっかり作者の楊双子さんのひいきになってしまいました。 -
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ネタバレ王道な恋愛小説かと思いきや、、、
読み始めると止まらず、先の見えない展開から、予想もできない終盤の結末には目が離せない。真緒の秘密が明らかになった瞬間、鳥肌がゾワっときて、散りばめられた伏線を含め全てが腑に落ちた…。
人によって物語の解釈が違って、受け入れ難い結末ではあると思います。ただ、形は違くても2人の関係は決して変わらない。ここからまた幸せな日々がスタートするのだと、2人の幸せを願わずにはいられない!
悲しく切ないはずなのに心温まる話には、読み終えてから思わず目頭が熱くなった…
作品を通して、寄り添い合える存在の大切さについて考えさせられました。たまには、キュンキュンする作品に触れ -
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ほたるいしマジカルランドという遊園地でのお話。
前回夜が暗いとはかぎらないでも思ったのですが、登場人物がたくさん出てきます。前ほどではないし、そこで働く人達のお話。
名前を覚えるのが苦手なわたしの脳が頑張りました笑
ほたるいしマジカルランドにいけば働いてるんだってリアルに感じられるような背景、人物像がしっかりあって、皆好きで働いてる訳ではない、でもちゃんと責任持って仕事をして生きてる。
ちょっと苦手だなって思う人物もちゃんと背景を知るとそういう部分もあったから、今があるのね。と思ったり。
人を知るためにはどちらからともなく、1歩踏み出してみないと良いも悪いも分かりませんよね。
寺地はる