あらすじ
お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる……季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。(解説・柳家小三治)
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Posted by ブクログ
お茶を通して、人生をより深く味わうという空気感を感じられる本でした!
文章の表現がとても心地よく、揺蕩うように読めました。
久々、心に沁みた本です。
Posted by ブクログ
Instagramで一生に一度は読むべき人生必読の本として紹介している方がいて興味を持ちました。
心が穏やかになれる、日本の四季や文化がより愛おしくなる作品。
印象に残ったフレーズ
『生きにくい時代を生きる時、真っ暗闇の中で自信を失った時、お茶は教えてくれる。「長い目で、今を生きろ」と。』
「過去や未来を思う限り、安心して生きることはできない。道は一つしかない。今を味わうことだ。過去も未来もなく、ただこの一瞬に没頭できた時、人間は自分がさえぎるもののない自由の中で生きていることに気づくのだ…」
Posted by ブクログ
25年間お茶を習い続けた著者の気づきや考えをまとめた本。うまくいかないことや、一見無意味、無価値に思えることも長く続けることで、そこに意味や価値を見い出し豊かな人生に変えていくことを学んだ。分からないことや腑に落ちないことでも、それを自然な流れとして受け止めることで、後から意味を持ち始める感覚は人生全般に重なって見える。
Posted by ブクログ
著者がお茶を習った数十年間での気付きをまとめた本。今風の言い方で言うと、お茶ってタイパが悪い…。けれどもそこで得た学びは仕事で使えるような知識ではないけれども、人生の土台になるような、日々私たちの身に起こる嫌なこと、辛いこと、楽しいこと、嬉しいこと、そんな感情をじっくり味わうための礎になるようなことを著者はお茶から学んだのではないかと思った。
Posted by ブクログ
黒木華さん主演の映画を見たので。
映像化してしまうと、私にはもの足りなく感じてしまう時もあり、ついつい原作を確認してしまう。実際、本の方が良かった。お茶の本というか大きな意味での人生の本みたいな感じ。
お茶のお稽古は季節に寄り添っている。茶花、和菓子、掛け軸、等々。なーんて優雅な時間の過ごし方なのだろうと感じた。心を無にし一点の事に集中する。自分自身に意識を向ける。今、ここに、自分がいる事に、意識を集中する。おそらく携帯ばかりいじっている今の私にどれも響く言葉ばかり。
茶道に由来する四字熟語、「一期一会」とは、一生に一度きりの出会いや機会の事。千利休の時代、戦国の世、明日生きていられるかどうか、の切迫感のある時代、誰かと会い、共に食べ、杯をかわし、それが「一生一度」になることが、あまりにも多い時代だった時の言葉。筆者が父親を亡くした時に引用していて印象に残った。噛み締める様に読んだ。一期一会、私も大切な言葉として持っていようと思った。
人生は何が起こるかわからない。もしも、前もってわかっていたとしても、人は、本当にそうなるまで、何の心の準備なんかできていない。
毎日が良い日でありますように。日日是好日!
Posted by ブクログ
毎日生きてる中で、「豊かに生きる」ってどういう生き方だろうって考えた。
限りあるお金で自分がやりたいことをやるのが「豊か」なのか、自分の生きていくうえで必要なことをひたすらやるのが「豊か」なのか、週末に友達と飲みに行けることが「豊か」なのか。
そんなこと考えてた時に気になってた本。
「お茶」を25年間習う中で、著者が学んだ人生を豊かに生きる方法を学べた。
豊かに生きることの答えが出た訳ではないが、非常に参考になった。
Posted by ブクログ
映画化もされているみたいだが、じっくり読んでこその内容なので、圧倒的に本で読むのがよい。茶道を20年以上やってきた著者の茶道と人生を語るエッセイ。茶道の話は興味ないと思っていたが、結構有名で評価も高い本だったので読んでみた。読んで正解。なぜなら、単なる茶道の本ではなく、人生との向き合い方を教えてくれるからだ。茶道とは縁がないと思っていても必ず面白いし、茶道をちょっとでもやりたくなるはず。
題名の「日々是好日」とは、「いい日も悪いも日もすべてを受け入れ、日々を大切に生きる」という意味。茶道は雨の日には雨を聴き、雪の日には雪を見る。夏には暑さを、冬には身の切れる寒さを感じる。毎日を存分に味わう。これが日々是好日である。また、茶道は禅に通じるものがあり、基本的に思考や執着から離れ、今、この瞬間に集中することである。ただ、言葉ではなくそれを体で感じる。気温にあった道具を使ってお茶を点て、その季節を表現したお菓子や花を楽しむ。といった身体的な体験を通して「今」に集中させ、ただこの一瞬に没頭することで、思考や執着なら離れ、自然と「無」になることができる。今しかない時間を生きることの大切さを教える。こうやって、お茶は日本人の暮らしの美学と哲学を自分の体に体験させてきた素晴らしい文化。日々のタスクに追われて苛々したり、このままでいいのかと漠然と不安になったり、子供の成長が気になったり、だからこそこの本が刺さった。そういった苛々や焦燥や不安は一旦置いておいて、「今」の瞬間を生きることを大事にしたいと思える。
また、著者のように何かを長く極め続けた人たちは、「無」の境地にたどり着くような気がする。茶道とは全く別物だが、マラソンでただひたすら走り、歩みを進めているだけのときは「無」に近い状態だと思う。その時は過去を悔いたり、未来を憂いたりすることはなく、ただこの瞬間を生きている。著者のようにひたむきに何かを続けた結果、この無の境地に辿り着くのだろう。修行とはそういうものなのか。現代社会で強くうまく生きるコツは、きっとこの「無」に近い時間を多く作ることだと思う。
この本を読むと、道端の草や花を愛でたり、季節の移ろいを感じたくなる。過去や未来のことから離れ、今をだいじに生きることが尊いことだと教えてくれる。そういった気持ちを忘れかけた頃にまた読み返したい。
"「雨の日は雨を聴きなさい。心も体も、ここにいなさい。あなたの五感を使って、今を一心に味わいなさい。そうすればわかるはずだ。自由になる道は、いつでも今ここにある」私たちはいつでも、過去を悔やんだり、まだ来てもいない未来を思い悩んでいる。どんなに悩んだところで、所詮、過ぎ去ってしまった日々へ駆ける戻ることも、未来に先まわりして準備することも決してできないのに。過去や未来を思う限り、安心して生きることはできない。道は一つしかない。今を味合うことだ。過去も未来もなく、ただこの一瞬に没頭できた時、人間は自分が遮るもののない自由の中で生きていることに気づくのだ・・・
雨は降りしきっていた。私は息詰まるような感動の中に座っていた。雨の日は、雨を聴く。雪の日は、雪を見る。夏には、暑さを、冬には、身を切られるような寒さを味わう。・・・どんな日も、その日を思う存分味わう。お茶とは、そういう「生き方」なのだ。そうやって生きれば、人間はたとえ、まわりが「苦境」と呼ぶような事態に遭遇したとしても、その状況を楽しんで生きていけるかもしれないのだ。私たちは、雨が降ると、「今日は、お天気が悪いわ」などと言う。けれど、本当は「悪い天気」なんて存在しない。雨の日をこんなふうに味わえるなら、どんな日も「いい日」になるのだ。毎日がいい日に・・・。
「日々是好日」"
Posted by ブクログ
何度も読み返したい一冊
この本を読みすすめるだけで、心を今に集中させることができて、心が凪になる感覚を味わえる気がする、
お茶を習うともっともっと心の些細な変化を感じられるようになるのかな
お茶習いたくなる
Posted by ブクログ
あんまり、人生論的なものは読まない。
こうしたほうがいい とか
こう考えたほうが幸せ とか
そういったことを言われたくないから。
それでもこの本を手にとったのは、なんとなく、同僚たちとの雑談の中で、「面白かった本」として話題になったから。
「ためになった」ではなく「面白かった」
ふむ・・・
驚くくらい、するすると読めた。
朝の通勤中に読んだのだけど、「仕事行きたくないなー」とか「行ったらこれやんなくちゃ」とか「眠い午後休とっちゃおうかな」とか、いろんなことをまとめられずに考えてる頭の中にも、するすると染み渡るように言葉が入ってくる。
言葉が、目を覚ます冷たい水ではなくて、
だいぶ冷めた白湯のような染み込んでくる感じ。
著者は、ひょんなことからはじめたお茶を長く続けることになった。そこに、続けてやるぞ!とか修得するぞ!みたいな意気込みは一切ない。
怒られてしょんぼりしたり、
雨が降っているだけで行くのが億劫になったり。
行くと来てよかったなんてケロッとしたり。
わたしとぜんぜん変わらない。
等身大のきっとどこにでもいる女性だ。
そんな彼女が、自分の体験したことを、
押しつけずに伝えてくれる。
ふーん、そうなんだ。
なんかいいね。
わたしもそんな感じのことあったよ。
何かを教えようとしているのではなく。
伝えようと意気込んでいる風でもなく。
ちょっとした、雨が止むまでの雑談。
相手に少し面白く感じてもらえればいい。
最初から最後までそんな感じ。
全部読み終わって今、
さぁすぐに読み返さなくちゃ
とは思わない。でも、
これはとっておこう。
また必ず読みたい時が来るから。
そう思って、どの書棚に置こうか考えている。
Posted by ブクログ
茶道に関する本じゃなくて、人生の過ごし方に対してもモヤモヤを抱えるひとに読んでほしい。
何を始めるかじゃなくて、何を続けるかで学びや景色は変わる。
最近オーディション番組とかスポーツ番組とか、他人の感動でしか涙を流していなかったなあ。
自分の時間を投資してこそ得られる学びや実感も当たり前にあるんだろう。
※酔いながら書いてます
Posted by ブクログ
もともと茶道に興味があって、本書を手に取った。
エッセイということもあって、何か大きな事件が起こるわけではないが、日々の稽古の様子が丁寧に描写されていて、没入して読むことができた。
茶道に限らず、人生にも通ずる言葉が散りばめられていて、今後も定期的に読み進めたいと思えた。
作者の方が茶道を始めたのが20歳。
今の私は21歳。
この本を読んで、改めて茶道に挑戦することを決心できた。
Posted by ブクログ
2026年3冊目
お茶を通して季節を味わうことの楽しさ、人生との結びつきをとても綺麗な言葉教えてくれる一冊。
どの章も心にじんわりとくる、そんな文章に必ず出会える。
本みくじで出会えたということも自分にとっては何かの縁に感じるので、とても大切にしていきたい作品です。
Posted by ブクログ
3度目だろうか、つい映画のシーンを思い出すわありゃ面白かった。掛け軸の字は絵の様に見るとか初釜で出て来る茶碗は12年毎とか作法を手取り足取り教えるではなく自分で知ることとかあなたどこに行っているの茶釜の前にいなさいとか茶花に茶事にとかやる事知る事がたくさんある ある日スーッと入り込んで来る件は良いですね。
Posted by ブクログ
著者が10代から習っているお茶の世界と、そこで出会った人や経験、感覚について語っているエッセイ。普段見逃してしまう季節感や感受性が、お茶の所作やルールの中に散りばめられている。文化の約束を守ることで、人間が自由に呼吸できるようになっていくのだなと感じた。
Posted by ブクログ
お茶を始めたから読みました。
「今」をしっかりと感じながら生きることが大切で、お茶はそれが出来る場所なんだ。人生多難だなと思うことはたくさんあるけれど、お茶の時くらいは心を空っぽにして、今自分がここにいることに集中しよう。
素敵な言葉がたくさんあって、心の中に大切に閉まっておきたいと思える1冊でした。
Posted by ブクログ
ちょうど読んでいた季節の話まで追いついた時、筆者が隣にいるような気分になった。
自分もお茶の奥深さを知らなかったものの、中盤から後半にかけての巧みな描写で自然と気づいたような感覚に陥って鳥肌がたった。
お茶を習ってみたいかも…。
少し辛くなった時とか、手に取って何度も読みたい。
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とても良かった。また歳をとったらぜひ読み直したい。
印象に残ったこと①
茶道は何度か見ていて、なぜこんなに型にはまったものをやらなくてはならないのか、まさに二十歳の作者が思っていたことをこれまで感じていた。ただ、この本を読み、少しわかった気がする。「道は一つしかない。今を味わうことだ。過去も未来もなく、ただこの一瞬に没頭できた時、人間は自分がさえぎるもののない自由の中で生きていることに気づくのだ。」呼吸、今ここに集中するというマインドフルネスに近いものだと思った。昔から、いろいろな地で場面で人はこの考えに行き着いていたと思うと面白い。
印象に残ったこと②
「人には、どんなにわかろうとあがいたところで、その時がくるまで、わからないものがある」
もっとあの時こうしていれば、過去に戻ってこれに気づいていたら、などつい考えてしまうことがあるが、きっと過去は過去で一生懸命やっていたのだろう。そしてそんな過去があったから今の気づきがあるのだろう。
仕事で子どもに関わる中で、思っていたことと一致した。無理に言葉で教えたとて、最後は実際にその子が自分で経験して気づかないことにはその子の中には残らない。そのことを頭に置いておかないと一方的な押しつけになるだけだし、伝わらないことに勝手に苛立ってしまう。
本当の勉強とは「気づくこと。一生涯、自分の成長に気づき続けること。『学び』は、そうやって、自分を育てることなのだ。」
私は大学生になるまでこれに気づけなかった。物事にははっきりとした答えがあって、それを出せるようにならないといけないと思っていた。でも、物事に対して自由に考え、自分の持っている考えと繋げて発見していく楽しさに気づいた。それからは知ることが楽しい。
「もし私だったら、心の気づきの楽しさを、生徒にすべて教える」それは自分が満足するために、相手の発見の歓びを奪うことだった 教えないことで、教えようとしていたのだった
難しいと思うが、やはり自分の仕事でこれを実践したい。子どもたちにいつか気づいてもらえるようなしかけを考えて続けたいと改めて思った。
Posted by ブクログ
自分の居場所が定まらない、何か不安がある人には薦めたい本。
あとがきにもあるように、お茶の本だけどお茶の本ではない。自分を見つめ直す、認めてあげるきっかけになる内容。
小説中何度も「今」にフォーカスが当たっている。
戻ることもできないし、先を行くこともできない。
今この時間と向き合うこと、自分の軸で捉えることが周囲との繋がりを産む。
どうしても他者の目線が気になったり、ずっと真面目に生きてきて、今更どうしたらいいかわからない私にはとても染み入る言葉が多かった。
お茶に詳しくない私でも、お茶の香りや空気感、自然の瑞々しさが伝わる文章も爽やかで清々しい。
なのになぜか全体を通して涙が出そうだった。
とても優しい本。読んで良かった。
Posted by ブクログ
すごくすごくすごく良かった。
何度も読み返したい。
好きな言葉は沢山あったのだけれども、好きなフレーズを記録に残したい。
p5.9.10.195.196.203.217
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ずっと気になっていた茶道の世界に触れられて嬉しい。
ルールが大変そうだなと読み進めていたけれど、その先にある自由について書かれていて希望が持てた。
流れていく時の中で季節を感じること、ただそこにいることは、望んでいてもなかなかできない。
物も体験も溢れている今、その2つを望むならお茶じゃなくても良いのかもしれない。
でもやっぱり茶道を通して体験してみたい。
人と違っても良いということを思い出させてくれた。自分が何を感じるかが大切。
Posted by ブクログ
常夏の国に住んで早数年。
何とはなしにこの本を手に取ったら、日本の二十四節気を五感で味わいたくてたまらなくなった。
本帰国はもう目前。
まったくの門外漢だが、帰国したら初心者向けの茶道教室を探してみようと思う。
今日またねと別れても、明日また会えるとは限らない。
この国の友達の目を見てしっかり挨拶を交わしてから帰りたい。
そして、毎日を旅人の目で見つめて過ごす。
そして、毎日を好い日と名づけて味わい尽くすのだ。
Posted by ブクログ
「気がきかなくてもいい。頼りにならない先輩でいい。自分と人を比べない。私は、私のお茶をすればいいのだ」
何年も習い事をしていて、若くセンスのある人に追い抜かれる。そんなときでも「人と比べない」でいることはなかなか難しい。自分の心と向き合っているからこそできることだと感じた。
私も季節を感じながら生きていきたい。
Posted by ブクログ
何かに気づかせてくれる 凄く良かった映画から先に入ったので、どうかな?と思ったら、本当に良かった。ただ、読み手がどう感じるかという部分が大きそうで、10年、20年後に読んだらまた新しい気づきがありそう
一期一会
映画を見て無性に読んでみたくなりました。その日のクーポンガチャで文学作品15%offが出たのは是非買って読みなさいと言うことなんだと解釈して迷わず購入しました。くどくど語らず、生徒さんが気づくのをじっと待つ武田先生の姿勢がすばらしいですね。見習いたいです。
Posted by ブクログ
何かに気づくこと、知らないことを知ることはとても嬉しい、書評を読んでいてこの本に巡り合えてうれしい。作者の周りから爽やかで温かいお茶の香りが漂ってくる。
華道は花が好きなので長く続いた、後から習った茶道は結婚を口実にして止めてしまったのが残念。
もういいかなと思ったのは、茶道を習い初めて難しい作法や手順に悩んだからだったことなどを、思い出した。
作者はノートに書いたりしたが役に立たなかったそうで、その手もあったのかと微笑ましい。
そしてめげずに同じことを繰り返しているうちに茶道の決まり事が身につき、その意味に気が付く。
そのうちはっと気がつくことがたびたびあって「目から鱗が落ちた」と何度も書かれている。
ああそうなのだ、心の眼は見えない鱗が覆っている。この本を読んで、ある時一瞬にして周囲が違って見えた時があるのを思い出した。
あのとき分厚い鱗が剥がれて、その衝撃にうろたえたのだろう。そうだったのか。とまた鱗が落ちた。
生活の中には古来から受け継がれてきた、美しい形が残っている。ただ日常の礼儀作法であっても、先人が生活の中で磨きぬいてきた形には重々しい中に味わいのある軽みがある。
軽みに達するまでには、この作者のように形式や流儀の奥に入りこんで学ばなくてはならないけれど。
能狂言文楽歌舞伎、華道茶道香道、道と着く形は美しい。剣道、書道、道はたくさんあるが、素晴らしい遺産だけでなく、形を会得した人というだけでもなく、何かに一途な人を見るとハハッと頭を低くしてしまう。
整って乱れのないものは美しいと思う。
お茶の道は齧りかけだったが、難しい段取りや、作法の順序は次に続く作法に無理なくつながっている。切り柄杓,置き柄杓の違いも面倒だったけれど、続けていればいつかは少しは流れるようになっただろう。後年誘われて行くお茶会でやっと気が付いた。
この本の味わいは、茶道にふれた中から、生活の豊かさがにじみ出ているところがほのぼのと暖かい。
雑念に振り回されている普段の生活の中でちょっとつらいときなどに読むと、心に染み入るような言葉や、静かなお茶室の中での発見(気づき)が織り込まれた、豊かな気持ちが伝わってくる。
形の中にどんなものを入れるか、どんな道具をそろえ、床に活ける季節の野の花、しつらえのいろいろなど、外から見た決まりごとも知ることができた。
心が豊かになるいい本に出会えた。
余談です。
今日、送り物のためにお茶屋さんに寄った。宇治が近いのでいいお茶屋さんがある。地元のお茶を頼んでふと「かぶせ茶」があったので何をかぶせるのか聞いてみた。
密かに急須に何かをかぶせるのかと今まで思っていた。
想像するとそれも変なやりかたなので違うだろうなとは思い避けていたのに、つい癖が出てこの機会にと可愛い店員さんに教えてもらった。
摘む前に一時紗布などで木を覆っておくのだそうだ。そういえば宇治の茶畑で柱を組んで上にスダレなどを載せているのを見たことがある。黒いビニールのようなものがかかっていることもある。
日光が少ないので木が頑張って育とうとするので、渋みなどが減り甘みが増すのだそうだ。
そういって、一服ふるまってくれた。難しい味などわからないけれど、ちょっと濃い目のみどりと柔らかい甘みが感じられておいしかった。
祖父母の家では自家製のお茶を飲んでいた。みんなで若葉を摘んで蒸して手で転がすように押しつぶしていくとお茶になった。道に沿って茶の木が植えてあり、今頃になるとが可愛い白い花が咲いていた。
Posted by ブクログ
お茶を習い始めて25年になる著者の体験記。
茶道云々の話ではない。
気がつけば人生にお茶が寄り添っていると。
季節、自然を味わうようになっていく心の動きに感動する。
「日日是好日」の意味を知り視界が開ける。
Posted by ブクログ
お茶をテーマにしたエッセイではあるけれど、お茶に限らず、1つのことを継続して続けること、人から物事を習うことの素晴らしさを感じられる一冊だった。
幼い頃から続けていることがあることもとても素敵なことだけど、大人になってから新しく学ぶこともまた、素敵なことだと思う。大人になったからこそ気付く視点や感じることがあり、これまでのことを自省し、心改め、成長することができる。
そして、自分よりも人生の先輩から何かを習うことにもまた、深い意味があるように思う。人生を重ねてきたうえでの理解や心遣い、言葉の重みがあり、先生の姿から学び、感じることも多くあることに気付かされた。何よりも、人から新しいことを習うときは、素直な心でいること。頭を空っぽにして、まずはその道の先輩を真似ること。自分の色を出すのは、それからでも十分。素直さが、吸収と成長の一番の近道なのかなと感じさせられた。
Posted by ブクログ
お茶と四季を楽しめる一冊です。
全体的にゆっくりとした時間が流れるので、夜に読むと眠くなってしまいますので(退屈ではなく、眠気を誘う心地良さ)、昼に読むことをオススメします。
自分はお茶の世界は全然知りませんが、読んでる最中は、コーヒーではなくお茶が飲みたくなりました。
Posted by ブクログ
2026年1月19日
茶事とフルコースの類似性
不器用なのに努める
さぼりたいのに惹かれている
やってみたら清々しい
自然への気づき
茶道を通じて様々理解した
タケダ先生の準備があまりに大変
大変さを見せずさりげなくおもてなしすることが上品
掛け軸、風炉、茶碗、棗、茶匙
季節に合わせたお道具の数々
上客のおメガネにかなうものを揃えてそれは大変
ずいぶん散財してしまう
それを侘び寂びで披露するおくゆかしさ
茶道をほんの少し齧った身としては思い当たることも多く、楽しい読書になった