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お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる……季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。(解説・柳家小三治)
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Posted by ブクログ
目の前のここにいるための壮大な仕掛け。のような奥深さ。 人から、言葉から、は習得はできない茶の深さ。 日本人の時の移ろいへの敏感さ。 お茶、いい。
茶道は無知だったので、知見を得られて楽しかったです。 「学び」とは自分を育てること P.230 「いろんなことがあるけれど、 気長に生きていきなさい。じっくり自分を作っていきなさい。人生は、長い目で、今この時を生きることだよ」 P.237 私の心に響いた言葉。
茶道の世界は知っているようで知らない事が多かった。 「見る音楽」のようなお点前の所作。 茶碗、茶菓子、茶花、掛け軸で季節を愛で、お点前の音に美の音楽を感じる。 そして一期一会。 深くて艶やかで厳かな世界に身をまかせる。 日本の美だなぁ。 ぜひ森下先生のお点前を拝見させていただきたい・・・...続きを読むと、ふと振り返った鏡に、 口いっぱいにお菓子を頬張り、立て膝でマグカップを鷲掴みにした猫背の私の姿。 お点前拝見までの道のりはまだまだ遠そうだ。
大好き。 これは手元に持っておきたい本。 始めのまえがき?でめちゃくちゃ泣きそうになって、自分で笑ってしまった。 でも解説読んだら他にもそこで泣いてしまう人もいることを知って、また笑ってしまった。 生きていることを実感することって、自分が思うよりもずっとずっとシンプルで身近なんだなって。 でもそ...続きを読むれを肌身で実感して血肉にするのは、やっぱり少し難しい…。 読みやすくて優しくて広くて心地いい読み心地だった。
茶道を通して著者が感じた事。気づきが書かれている作品です。 お茶をたてるという茶道の動作は一つひとつ丁寧に行われている一方で独立している訳でなく、一つの流れとして動くものだと思っていました。著者は初めの時は頭で覚えようとしており、何らかのきっかけで考えが止まった際に動作の連続性が失われ、型を見失っ...続きを読むてしまう経験が作中に書かれていました。お点前の動きを何度も繰り返し行うことで動きを頭ではなく体で覚え、感覚を通して『分かる』に至れるようになる事が書かれ、一つの気づきが得られました。 また、直感的な気づきで『周囲を見る・感じられる』感覚は、長年の経験の積み重ねからふとした瞬間に得られるものなのかと思いました。 日本の伝統芸能は奥が深いな…とほんのり感じつつ、五感で感じる事の大切さに気付かされる作品でした。
高校生のとき茶道部に入部し、3年間で様々な掛け軸を目にしたが「日日是好日」という掛け軸が印象深かった。そんな言葉がタイトルとなっている本、私にとってはまさに運命的で思わず手に取り読み始めた。 3年間私はお点前を覚えるのに必死だった。もちろんお点前をするなかで風情、花やお道具から季節の変化を感じること...続きを読むはあったが、この本に書かれていた変化や気付きまで感じ取ることはできなかった。でもお茶から学ぶことはたくさんあって、その感覚を取り戻したような気持ちになった。この本を読んでもう一度茶道をしたい、教えてくれていた先生に会いたいという気持ちが高まった。お茶やお点前の偉大さを改めて感じた。 高校を卒業してから約3年たったが今でもお点前をしているときの温かい気持ちは忘れないし、本を読んで思い出したような気がした。 これから私も就職や人間関係など様々なことでつまずくことがあると思う。その時はお茶の世界に入って気持ちを落ち着かせたいと感じた。
めっちゃ良かったです! この本を読んで、自分が、日常に埋もれてしまう小さな変化や気付きを大切にする、愛でる、みたいなことがすごく好きなんだなと初めて気付きました。ぼんやりしてたことがはっきり分かった感じです。 すごく茶道が習いたいなと思いました!型を作ってそこに心を入れて行くというアプローチにすごく...続きを読む興味があります。 いろいろ感じることが多かったのですが、うまく言葉にできない。私にとっては切り口が新しい本だったからだと思います。手元において何度も読み直して、自分の頭の中を整理したいな〜
季節の移り変わりをきちんと味わって生きることを長らくしていなかったことに、この本を読んで気付いた。ハロウィンもクリスマスもお正月もセットでスーパーで見かけるようになった忙しない日々に、この本が手元に来て、ゆっくり「今」を感じながら過ごす心地よさを感じた。
きっかけは、樹木希林さんの映画でした。 この本から学んだことは、頭でばかり考えずに繰り返して身体を動かすことで自然に身体が所作を覚えていくこと、長年続けてやっていくことで人生が分かっていくこと。それがたどってきた道になっていること。 作者の茶道にあたるものは、わたしだとピアノとか外国語学習とかか...続きを読むな。もちろん、読書も。 続けてきて良かったと思えることがあるのは幸せ。 わたしにとって、聖書のような存在になっている本です。
どの流派にも「お茶会の大変さ」はあるんだなあ…と、昔お茶を習っていたことを懐かしく思い出しました。 人生にも四季がある。本当ですね。お茶を通しての季節はきちんと区切られず流れるように進むのと同じで、人生もいつの間にか春から夏、夏から秋、と進んでいるのだろうと思います。冬には冬の楽しみ方を見つけたい。
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森下典子
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