【感想・ネタバレ】日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ―(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる……季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。(解説・柳家小三治)

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一期一会

映画を見て無性に読んでみたくなりました。その日のクーポンガチャで文学作品15%offが出たのは是非買って読みなさいと言うことなんだと解釈して迷わず購入しました。くどくど語らず、生徒さんが気づくのをじっと待つ武田先生の姿勢がすばらしいですね。見習いたいです。

#ほのぼの #切ない #感動する

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2021年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

茶道を習ったことのない私は、茶道は日本の伝統文化、一昔前なら嫁入り前のお稽古事といったイメージしかなかったが、茶道の真髄をこの本を通して垣間見れたような気がする。

お茶をたてるのに、こんなにもたくさん決まり事があって、しかもその理由は明確に教えてもらえないことを初めて知った。「お茶はね、まず『形』なのよ。先に形を作っておいて、その入れ物に、あとから『心』が入るものなの。」という先生の言葉に全てが詰まっていると感じる。茶道の習得への道は大変長いのだろう。茶道を初めてしばらくの間、この形を作る段階では、ただ言われた通りに繰り返し練習をして身体に覚えさせる。そして何度も何度も繰り返して形が作られた頃、頭で考えなくても身体は一連の動きをできるようになり、そこに『心』が入る。心が入るとは、目覚めや成長が起こり、お茶の真髄が見えてくるのだと著者は言う。それは、内省し自分と向き合うこと、日々変化する季節を感じ味わうこと、過去でも未来でもなく今を味わうことなど、一見お茶とは直接結びつかないように見える。

なんでも最短で効率化を仰ぐ現代社会の中で、茶道は全く反対の道をゆく。時間をゆっくりかけなければ見えてこないものがある。だからこそ、茶道は現代の疲れた人々の心にそっと寄り添うものでこれからの時代に必要なものかもしれない。
海外に住んでいるとなかなか茶道を習うのは難しいし、そして何より私にその『形』を習得するまでの忍耐力があるかどうか自信はない。それでも、この本が教えてくれた、ふと立ち止まって今を味わうことから始めたい。木々や空の色に季節を感じる、内省して自分と向き合う時間静かな時間を作る。そういう小さな気づきが人生を豊かにするのかもしれない。



「ものを習うということは、相手の前に、何も知らない『ゼロ』の自分を開くこと」

「目を覚ましなさい、人間はどんな日だって楽しむことができる。そして人間は、そのことに気づく絶好のチャンスの中で生きている。」

「雨の日には、雨を聴く。雪の日には、雪を見る。夏には暑さを、冬には、身を切られるような寒さを味わう。…どんな日もその日を思う存分味わう。」


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2026年05月17日

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