あらすじ
お茶を習い始めて二十五年。就職につまずき、いつも不安で自分の居場所を探し続けた日々。失恋、父の死という悲しみのなかで、気がつけば、そばに「お茶」があった。がんじがらめの決まりごとの向こうに、やがて見えてきた自由。「ここにいるだけでよい」という心の安息。雨が匂う、雨の一粒一粒が聴こえる……季節を五感で味わう歓びとともに、「いま、生きている!」その感動を鮮やかに綴る。(解説・柳家小三治)
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Posted by ブクログ
自分が習ってきたお茶のことを淡々と語っている。
しかも、けっこう挫折して辞めようともしている。
しかし、その度にお茶の魅力を発見し、踏みとどまり、20年以上続けてきた著者。
著者がお茶の魅力を語るなかに共通していたことに、『自然を感じる』ということがある。
今、私たちは意図的にやらないと、ただぼんやりと雨の音を聞いたりすることがない。
お茶は、様々な作法を通して、自然を感じ、繋がる体験なのかもしれない。
私は山に行って歩いていると、割とぼんやりとしている。
「あの石は踏んだら危なそう」「この声、何の鳥だろう?」「山頂のススキはどんな感じかな?」
色々と、そのばその場で思うまま考えている。
そして山歩きが終わると、なんだかスッキリしている。
町中であれこれ考えているのとは、まるで違う。
思うに、町中で考えていることは、過去や未来のことばかりで、どうにもならないことだ。
しかし自然の中にいると、ただその場で思うことを考える。
だから、安心できるのだと思う。
自然と繋がる感覚。
今の人間には、もっとそれが必要なのだ。
Posted by ブクログ
ー会いたいと思ったら、会わなければいけない。好きな人がいたら、好きだと言わなければいけない。花が咲いたら、祝おう。恋をしたら、溺れよう。嬉しかったら、分かち合おう。幸せな時は、その幸せを抱きしめて、百パーセントかみしめる。それがたぶん、人間にできる、あらんかぎりのことなのだ。だから、だいじな人に会えたら、共に食べ、共に生き、だんらんをかみしめる。一期一会とは、そういうことなんだ…
この一節を読んで、この本を読んで良かったとすごく思った。既に星5となる要素ばかりだったけど、この一節が決定的だった。