小説・文芸の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
映画、あるいはNHK朝ドラで見たい! 傷ついた少女の成長物語、と書くとなんだかありきたりに思われるかもしれないが、彼女の周りの人たちや「エンデュランス」という競技含めて全員の「成長物語」だ。
特に乗馬シーンは、村山さんご自身乗馬をされるからか臨場感が伝わってくる。
実際に馬に乗り、駆けさせた経験のある人にしかわからない描写が多々あって、思わず頷いてしまった。
村山さんの描く世界は、とぎどきハリウッド映画のようにスケールが大きくて、「映画館で見たい!」と思わせるものがある。
この作品も、できることならばハリウッドで映画化してほしい。漆原は真田広之さんでお願いします。
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ村田沙耶香さんの小説を初めて読んだので、ファンタジーな文に不思議な気持ちになりました。
1番好きなお話は『気持ちよさという罪』でした!
↓↓ネタバレです↓↓
「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。
ここの文が大好きです。自分の受け入れやすいもの、自分を傷つけないもの、自分が嫌がるもの全て含めて多様性という便利な言葉に酔ってしまう怖さ。
正直多様性という言葉を使って、個人個人を見てこなかった私はドキリとしました。
村田さんが思っていることとは受け取り方が -
Posted by ブクログ
ペーチャとカタラーエフの死が前半で、どちらもあっけなく戦場で亡くなり、戦争と平和というタイトルの感じでした。多くの登場人物が亡くなる中で、捕虜の苦しい生活に陥りながらも生きながらえるピエールは、幸運に恵まれた人物と言えると思います。最後はピエールとナターシャ、ニコライとマリアの夫婦の穏やかな生活で締めくくられます。ソーニャのニコライへの片思いが実らなかったのが残念でした。一番最後のエピローグの2の評論文は難解そうなので読んでいません。世界の名作文学と言われた戦争と平和をだいたい読み通せたことがうれしいです。最後になりましたが、レフ・トルストイというとアニメ「月とライカと吸血鬼」という私の好きな
-
Posted by ブクログ
ネタバレデビュー作『叫びと祈り』で大きな話題を呼んだのが2010年。第2作『リバーサイド・チルドレン』が刊行されたのが2013年。そして2025年、12年ぶりに懐かしい名前を書店で見かけるとは。忘れかけていたその作家の名は、梓崎優。
第2作は長編で、第16回大藪春彦賞を受賞するなど高く評価されたが、第3作はデビュー作同様の短編集であり、テイストも初期に戻っただろうか。12年の歳を重ねた分、読書のキャパシティは減っているのだが、本作は読んでよかった。
最初の「美しい雪の物語」が一押し。ボストンからハワイ島に引っ越した少女が、偶然見つけた日記。そこに書かれているのは、過去でもあり現在でもある。そ -
Posted by ブクログ
中堅ゼネコンの現場で働く主人公・平太は、ある日いわゆる「談合課」に突然異動を命じられる
「談合」は業界を守るための「必要悪」だと諭されて、戸惑いながらも徐々にその考えに染まっていく平太
一見、単なる社会派小説に思われるが、この平太の人事異動が恋人・萌との距離をつくるキッカケとなってしまう
萌の方も勤務先の銀行での考えと平太の「仕事」に対するズレから、徐々に同じ銀行の上司に惹かれていく
企業で働くとは? 生き方とは? 家族とは?
自分にとって真に近くにいてほしい人とは?
そうした問いかけを平太や萌の視点を通して読者に語りかけられる
そして平太と同郷で母とも繋がりがあったと思われるゼネ -
Posted by ブクログ
ネタバレ再読。
図書室の司書さんであるしおり先生と、多感で繊細で生きづらさを感じている女の子たちが、本を通して繋がる連作短編集。
いじめの描写がほんとうに辛くてなかなか読み進められなかった。
悪口を投げかけられたり、弁当箱に落書きをされたり。
いじめられっ子の三崎がネットのコメントを読んで、逃げることはだめなことなんだと自分を苦しめていく場面にこちらまで胸が締め付けられる。
自分も嫌なことや打ちのめされることがあると「人生詰んだ」「こんな自分が立派な大人になんてなれるわけない」と思ってしまうけど、生きている限り今目の前にあることに必死になるしかなくて、その連続の先に今は想像もできない姿の大人になった自 -
Posted by ブクログ
痛い。胸が痛い。
そう思いながら読んでいたところ、最後の、
あの瞬間で、どっと涙が出てきた。
声を上げながら泣いてしまった。
どう間違えてしまったのだろう。
どこから間違えてしまったのだろう。
何を選べば良かったのだろう。
苦しくて、苦しくて、
でも必死にもがいて生きてきたひかり。
朝斗の産みの親であるひかり。
どんな過去があるのだろうと思っていたが、
とても辛くて苦しい日々だった。
両親2人ともが教師であり、お堅く、
ひかりは家の中が窮屈に感じていた。
特にお母さんは、お母さんらしくしているだけに見えた。子供をしっかり育ててる自分が偉いとでも思っているような、そんな感じ。
本音で喋れな