小説・文芸の高評価レビュー
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何の前情報もなしに読んだ。「遼一さん」と体を重ね、家に帰ると「晴彦」がいる。あら、不倫ものだったか、と読み進めてびっくりした。叔父と姪だった。血縁関係もある。
気持ち悪いこともわかったうえで、気持ち悪いと感じる自分もいながら、それでもこの人がいいと互いに手を伸ばす2人は、全然気持ち悪くなかった。
気持ち悪いことをしていたとして、それを誰かに許してもらわないといけないのだろうか、とふと思った。多分許される必要はなくて、気持ち悪いと感じるなら見えない位置まで戻ってほしいだけ。ずけずけ入ってきて気持ち悪い!って騒がれても、でもこちらとしては気持ち悪いこともわかったうえで続けていることだから、どうし -
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ネタバレ様々なきっかけで心を痛めた納棺師の人たちの立ち直りまでのストーリーと言っていい。この近くにあるのにまるで知らない業界のリアル、いや、人の死のリアルを感じることができて良かった。私たちは自分たちが死ぬことは漠然と理解はしている。ただ、それは理想の死であって、この作中のご遺体のような、いわゆる理想や一般的な死に方から外れた形をほぼ想像しない。綺麗な形でみんなに見送られるなり、病院で死ぬ。そんなふうに自然に思っていた。そういった一般的な理想の死に方から、溢れ落ちてしまったご遺体がある。それを救ってご遺族に対面させてあげる仕事が納棺師なんだと知った。なんて、優しい職業なんだろうと思った。当然その仕事を
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ブラックホールを人類が自由自在に操れるようになったらドラえもんの世界が実現する。
と聞いたのは高校生の時だった。
数学の先生が言っていた。
真実か否かは関係なく、夢があって楽しいからその考え方をしている。
さて、ブラックホールは穴ではなかった。
宇宙にぽっかり空いた穴だとばかり思っていた。
真ん中にかつて惑星だったものがある。
その惑星だったものが超強力な重力で周りのものを引きつけている。
ちなみに地球をブラックホールにするなら、1円玉くらいまでぎゅーーーっと小さくしないといけないそうな。
とんでもない圧力がかかっている。
あっ、水深深くに持って行ったカップヌードルのカップみたいな状況なの -
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ネタバレ「毎日小学生新聞」の連載をまとめた一冊。
著者の綴る言葉はどこまでも優しく、読者一人ひとりがおそらく著者の寄り添いを感じられるはず。
「周りと違っても大丈夫」「時にはネガティブな感情を抱いてもいい」。
大人がいつの間にか学んだ、自分自身を含む人間の複雑さに対して、著者は優しく共感し、その奥底の気持ちの素晴らしさを解いてくれる。
子供ならではの真っ直ぐさを讃え、多角的な視点を持つ大切さを説きながらも、自分の『好き』や『心地よさ』を何より大切にしていいよとそっと背中を押してくれる。
迷い、悩み、戸惑いながら成長する子供に、お守りとして手渡したい一冊。 -
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収録されている短編のうち「魔女のパン」がいい。テーマは、小さな親切、大きなお世話、だろう。
主人公ミス・マーサは、善意を施した相手に迷惑だと怒鳴り込まれ、善意の自分像をあっさり捨てられた女性だ。その姿勢は健全だ。ともすれば、いったん芽生えた善意を取り下げられない人は、実に多いからだ。行き過ぎた善意の押し付けと、それに対する反発は、今日に至るまで社会の対立軸としてあちこちで見かけるもので、読後に得られる教訓に古さを感じない。
説教じみていないところもいい。マーサの場合、その善意は相手から好かれたいという下心でもあった。宗教的な隣人愛ではなく、少し下世話で、妄想の様子は少女マンガ的でもある。 -
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舞台が好きで裏方を志すものです。小川さんが舞台を色々見ていらっしゃるというのは、エッセイなどを読んで知っていましたが、これほどまでに、我々が劇場に惹かれ、そこから感じる煌めき、ときめきを拾って文章化してくださるとは。内容はフィクションで具体的な他人の物語だけど、そこに介在する感情だったり、見える景色があまりにも自分の身に覚えがある。自分の今まで見てきた作品や、さまざまな劇場での思い出、大事な感情を言語化してくれてありがとう。普段表舞台で見える人の活躍だけでなく、劇場に関わる色んな人にもスポットを当ててくださってありがとう。人生ことあるごとに読み返したい、大事な1冊になりました。
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