小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ下巻の最初の場面は1958年。オドリア政権が1948〜1956年なのでその2年後。上巻最後の場面のカヨ・ベルムーデス失脚から数年経っている。
今の大統領はマヌエル・プラード。新聞社に勤めているサンティアーゴの元に「昔の酒場で大人気だった歌姫(ムーサ)が刺殺された」という知らせに取材に行く。世間からは彼女が「カヨ・ベルムーデスの愛人だったオルテンシア」だったことも忘れかけられている。ベルムーデスの失脚後、贅沢暮らしと高慢な態度が身についてしまって手を差し伸べる人も少なく、娼婦めいたことで暮らしていたらしい。サンティアーゴは、オルテンシアと同性愛と言われているケタに取材に行く。
そこで、サンティ -
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私が本を読むのは「合う人」に会いたいからだと思っている。
本を通して出会う「合う人」は年齢や性別は様々で、中にはもう亡くなっている著者もいる。
「合う人」は私の心の奥底に沈んでいる言葉や思いをふわっと撹拌してくれる。
上澄みは人と関わる上で都合の悪い部分を無意識にまたは意図的に排除した部分。
その下に滞っている、言葉にできていない感情を思い出させてくれる。
おかげで私は一人じゃなくなる。
亜和さんは私にとって「合う人」だった。
すごく大切な言葉がたくさん出てきて、これから先何度も読む予感。
彼女が書く一つ一つの言葉に相槌を打つように読み進めた。
「わたしの言ってること、わかりますか。」
簡単 -
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世の中こんなに悪い男性ばかりではないだろうと思うけど、この作品は「まぁ、よくこんなに集めましたね」と感心してしまうぐらい、どうしようもないクズ男、ダメ男ばかり登場します。その男たちに悩まされ続けてきた彼女たち。子供の頃から"女はこうあるべき"と言われ大きくなり、立派な大人になってもその言葉に支配され我慢し続けた彼女たち…。
主人公のサエコは我慢し続けてきた。もう何もかも諦めていた。「もっと強くでなきゃダメだよ」と読んでて思っても私には何にもしてあげれないし、悲しくなりました。でも、サエコはあることがきっかけで"強くなろう"とします。大切なものを守るために、サエコは変わります。どんどん強くなっ -
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「多様性」という言葉が叫ばれ始めてだいぶ経つが、言葉が一人歩きしている部分があったり、世間の認識不足もあり、まだまだみんなが理解して受け入れるには程遠いのだろうなと思う。
自分らしさを自分自身が認めることは、容易ではないということをこのシリーズを通して改めて考えた。自分自身が自分らしさを自己認知していなかったら、周囲に理解してもらうことは到底難しい。自分のことは、誰しも1番視えないのかも知れない。
シャールさんのようにあるがままでよいと認め、他者を解放し、肯定してくれる存在に出会えたら素敵だが、現実はみんな自分自身のことで手一杯なのだと感じる。みんなが自分自身のことを認めて、肯定してあげられれ -
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ネタバレ元アイドルだった楯石希津奈は16年後も全く変わらぬ容姿で若々しさを保ったまま世に降臨する。
不老不死としてオンラインサロンに登場したが、過去の芸能事務所でタイムカプセルを埋めた中に私生活でトラブルになった男の死体を入れて埋めた事を明かされて崖から投身自殺する。その後死体が発見されるが、再度蘇り変わらぬ容姿を見せつける。見つかった死体とDNA鑑定するも一致しており、本当に蘇りが起きたのか…
不老不死のキズナ様を崇める新興宗教の話のテイかと思いきや、希津奈の父源蔵の狂気が相まって相当面白い展開。双子トリックならぬ受精卵操作のトリックで蘇りを操るとは。
最後に認知症の希津奈の祖母に詩を会わせるサプラ -
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いつだめになってしまったのだろう?ペルーも、自分も。
新聞社説担当サンティアーゴ・サバラ(サバリータ)は考える。
家に帰ったら妻が「犬を散歩させていたら、野良犬収容係員に強奪されてしまったの」と泣く。怒ったサンティアーゴが収容所に乗り込むが係員は「この不景気で、狂犬病対策として犬を収容して歩合制で小銭を稼ぐ仕事に就かざるをえないんですよ。係員の中には人が抱っこしている犬を取り上げる、人の家の庭に乗り込んで繋がれている犬の紐を切って連れていく連中もいますよ。あなたは記者なんでしょ?社会のための仕事がこの低賃金で押し付けられています。人間に権利なんてあるんですかね?この問題を取り上げてくださいよ」 -
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たまたま読書が室町、戦国、鎌倉の順番で別々の歴史小説を読んで思ったことは、「僧侶ヤバいな?」
南都(興福寺、東大寺)比叡山、高野山がやんちゃすぎて・・・。武士が恐れるほどの武力を有しているの怖すぎん?武蔵の時代だと胤舜とか、バガボンドでも禅僧がゴリラだったし。平安時代中期から本当に物騒になっていくんだなぁと、時代の流れを感じてしまった。
後白河法皇はほんま性格悪いね!(笑)
ただ、傍系も傍系の親戚たちが自分の頭の上で天下取りをしている構図は、確かに面白くないかも。
でも、清盛の福原遷都の意義を理解しない貴族たちに、日本の舵取りをする資格はもうなかった。
後白河法皇にできたことは、せいぜい源氏 -
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本当に素晴らしかった。間違いなく今年1番の本です。
又吉先生の作品は火花以来の2つ目で、読んで冒頭は火花のような展開と内容になると思いましたが全く違いました。今作は極めてストーリー性があり、展開もしっかり有る内容でした。
主人公を通して、様々な瞬間への感情を言葉にする力が本当に素晴らしいです。
自分に経験があった感情や、それに近い感情がスルスルと言語化されているようで、過去の自身の形の掴めない感情が、形を帯びた様な感覚になりました。
もちろん自分が経験したことの無い事すら、自分にあったかの様に思う程でした。
作品は大阪が舞台ですが、今作も火花同様にどこか又吉先生の人生を少し変えて、経 -
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仕事で会ったインド人からこの本の英語版ペーパーバックをプレゼントされ、英語で読むのはしんどいなと思って日本語版を読んでみた。
敢えてジャンル分けすると、大人向け寓話、か。「星の王子さま」(小さな王子)に匹敵する名著、との呼び声が高い作品だそう。売れ行き1億5千万部で実際に星の王子さまより売れてる、との情報も出てくるが、貰ったペーパーバックには69百万部とある。数値の精度はどうあれ、面白い本だった。
最後の顛末を読むと、「青い鳥」的な要素もあるけれど、錬金術師が言うように、最後の前兆を聴けた場所で見たピラミッドは最高に荘厳で美しかった訳で、コスパ、タイパ、なんて関係なく、心の命ずるままに行動 -
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ネタバレ凄く熱い作品でした。
特に胸を打たれたのが子供を堕ろして、教官としての人生を歩もうとしてた鐵教官に、桃地教官が言った言葉。
「あんたが苦しかったら、あんたが切り開いた道の後に続く女性海上保安官も、みんな苦しむだろうな」
「あんたが職のために子供を堕ろしたら、後に続く女性保安官も同じようなことをしなきゃなんない」
この一連のやり取りに、本当にハッとさせられた。
鐵教官は、新しい道を切り開こうとしていたんじゃなくて、無意識のうちに世間が求める理想の型を崩さないようにしていたのかなって。
私にも身に覚えがあって、世間の「こうあるべき」みたいな形をなぞるのって、身体的にはしんどくても、意外と精神的
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