【感想・ネタバレ】いたいのいたいの、とんでゆけのレビュー

あらすじ

「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」 何もかもに見捨てられて一人きりになった二十二歳の秋、僕は殺人犯になってしまった――はずだった。 僕に殺された少女は、死の瞬間を“先送り”することによって十日間の猶予を得た。彼女はその貴重な十日間を、自分の人生を台無しにした連中への復讐に捧げる決意をする。 「当然あなたにも手伝ってもらいますよ、人殺しさん」 復讐を重ねていく中で、僕たちは知らず知らずのうちに、二人の出会いの裏に隠された真実に近付いていく。それは哀しくも温かい日々の記憶。そしてあの日の「さよなら」。

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Posted by ブクログ

何度も読んでいるがラストシーンをいつも忘れてしまう幸せな脳味噌のおかげですごく楽しめた。ドブ川でのセリフは霧子と同じ類の"落とし穴"に落ちたことがない人は共感出来るんだろうか。似た境遇を経験した人なら分かると思うけどあれは間違いなく救い。あとどの作品もそうだけど三秋作品は作者の妄想と思想がふんだんに詰め込まれていて面白い。小説として面白いのが正義でで作者の思想なんて不要だとは思っているけど、それが明らかに全面に出ていてもそれが邪魔になってない。

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

グロテスクな表現はあるから、私も想像して目を伏せたくなるようなシーンがいくつかありました。でも、内容と雰囲気に惹かれ、読み続けたらラストに思わず、えっ!と声が出てしまいました。是非、最後まで諦めずに読んで頂きたい作品です。

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2024年05月31日

Posted by ブクログ

グロい要素が多めな作品でしたが読み終わってみるとやっぱり何とも言えない、けれど微笑みがこぼれるような、そんな気持ちになります。
主人公と少女のやり取りもいいと思いましたが、隣の美大生との独特なやり取りがたまらなく好きでした。
「落とし穴の中で幸せそうにしている人」すごく納得できる表現です。僕がそういう人が描かれた物語を好んでいるのは三秋縋さんとは別の意味で慰められるからだと思います。
いたいのいたいの、とんでゆけ
馬鹿げた気休めの、それでいて本当の魔法の言葉なのかもしれません。

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2024年01月24日

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終盤の展開はびっくりした。すごい切なかった。
途中にグロテスクな表現があって、グロいのダメな人は気をつけて

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2023年12月13日

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びっくりした作品でした。自分は恋する寄生虫からこの作者に興味を感じて読みました。恋する寄生虫も似ているような気もしましたが、精神に与えるダメージというか影響がとても大きかったように思います。もう一度読むにはしんどすぎるけれど新しい価値観を与えてくれた素敵な本でした。

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

 登場人物の暗い部分と明るい部分それぞれの温度感がとてもはっきりしていて本当に気持ちよく読めました。心から冷えてしまうような背景や復讐、心温まる2人の関係性。登場人物の温度感の違いは明確なのに世界がどこまでも寒色で彩度の低くみえる。高3あたりで三秋縋さんの作品にはじめて触れて以来、この温度感が自分にはとても心地よいものとして感じられて救いとなっています。
 読んでいて想像したのは映画レオンでした。マチルダの最後を思うと本作の結末後の登場人物はこうかもしれないとか考えてしまいます。ただ、2人は2人だけの人生の落とし穴に落ちているのでそこを勝手に脚色するのは野暮だなとすぐ思考を止めてしまいます笑。
 そのかわりに、自分が今嵌っている人生の落とし穴や泥沼のなかで微笑んでいられるような何かを探すことにしています。そう思えるのも本作があまりにも美しくどうしようもないせいであり、まさに醜いあひるが醜いあひるのまま幸せになれる希望や模範を感じさせてくれる作品だからだと思います。どうしようもないとき、救済がほしいときに自分のような後ろめたい気持ちでいっぱいの人にオススメの作品です。

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2023年11月01日

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ネタバレ

二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語、美しくて溜息が出る。湯上と日隅だけでなく出てくる他の人たちもそうで、他人からみて不幸に思えるような状況も彼らにとっては幸福なんだろうな。自分もそちら側の人間なんて言うのは烏滸がましいけど、彼らの思想には共感するところばかりで、結末も彼らにとっては救済で、優しい物語だなと思った。一つ一つの場面が印象的だけど、やっぱり一番好きなのは湯上の「本当に何もかもが嫌になったら、そのときはいってくれ。僕が、君を殺してあげよう。」かな

兵藤の、人に助言を与えたり悩みを聞いてやったりすることは巨大な責任を伴う行為であって、確実に問題に対処できる確信があると言うのでもない限り、人は他人の人生に口を出すべきではない、って思想も完全に同意。その人の気持ちとかその人が置かれてる境遇すべてを理解するなんて無理だから部外者は黙っているべきなんだよ、と私の思想を詰め込んだような作品で読んだ時本当に衝撃だった。

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2023年07月17日

ネタバレ 購入済み

私はミステリー小説が苦手で読めなかったのですが、この人の作品は一瞬で読めてしまいました。 この作品の前に同じ著者の『恋する寄生虫』を読んでいるのですが、それとはまた違ったような作品で読者を退屈にさせないいい作品だと思いました。 読み返したい作品です。

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2023年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

草紙の正当な末裔はこの辺なんだろうなあ。不思議なほどそこしか見えない感じとか、その時代の空気がみっしりとよせてくるところとか。

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2023年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「いたいのいたいの、とんでゆけ」は二度と抜け出せない穴に落ちた人の物語でした。薄暗い話としてではなく、元気の出る話として書いたつもりでいます。後書きより抜粋。
読み終えた時、私は確かにそう思いました。これは、どうしようもない不幸の中で見つけた幸せの物語だったのだと。

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2022年09月05日

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そーやったんかぁぁぁぁ!!
と、最後びっくりした。
グロテクスな場面もそんなにグロく感じないけど、ずーんと心が重くなる凄まじい描写。
心の機微がちょっとずつでも伝わって霧子の事も瑞穂のこともめちゃくちゃ好きになってた。
霧子のお母さんがもっとしっかりした人やったら…。。でも、幸せな世界だったらこの2人はこうはならなかったのかもしれないと思ったら切ない。
どうか、どうか、もう一度会えた2人が幸せな気持ちでいられますよぉに。
しかし、何度も聞いたことあったけど、この呪文がこんなに素敵に響くなんて…!!

他の本も読んでみたい!!

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2022年05月25日

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これ以上素晴らしい作品は多分これこらも出会えない!
私はこれ以上私を救済してくれる本に数年たっても出会えていません!!

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2022年03月16日

購入済み

疾走感

クライマックスでこれまでの点を一気に結んでいく疾走感が好きです。
三秋先生の本はどれも心を奪われる名作だと思います。ありがとうございました。

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2022年02月12日

購入済み

不思議な雰囲気のお話

2人が事実に気付いた時、物語が急展開を迎える。残酷な描写などもあるが、不思議でどこか心が温まる話だと思った。面白かったです(*^^*)

#切ない #エモい #深い

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2022年01月12日

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深い絶望があるからこそ、2人がより美しく思える悲しいけれど綺麗なお話。
儚さが良く、切なくて泣きそうです。

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2022年02月02日

Posted by ブクログ

三秋さんの本の中で1番愛してる一冊。

出版している本の中では厚いものだけど、その量の分巡り巡るので、儚い気持ちが確かに伝わる。

悲しいけどやはりその恋しさは原動力であるなあ。と。

なんとも表しがたいこの気持ちを形容するのにぴったりな本です。とてもとてもお気に入り。

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2021年10月17日

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残酷で純粋で儚くて切ない物語。

意外で切ないラストに胸がきゅっと締め付けられました。
後味がとてもよかったです…涙

主人公目線で進んでいて、ラストに少女視点で描かれてから全てが繋がって、それがどうしようもなく切なくて感動しました…

三秋さんの文が大好きです。

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2021年10月13日

Posted by ブクログ

非常に後味が良かった…
主人公の一人称で話が進んでいき、
話の点と点がつながった時にはもう字を夢中で追いかけていました
「人間の死の描写や、主人公の語り口調が
どうしても…」という方以外の全ての人にオススメの本です()

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2021年09月18日

U11

ラストがいい

摩訶不思議な能力や現象が扱うことが多い、三秋作品ですが、「いたいのいたいの、とんでゆけ」でも扱われています

それを踏まえて物語は進みますが、特に最後のシーンなんかはかなり印象に残りました

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2021年08月16日

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ネタバレ

三秋縋 いたいのいたいの、とんでゆけ

湯上瑞穂は、小学生の頃から転校を機に日隅霧子と文通をしていた。ところが再会したいという霧子の誘いを断り、文通をやめてしまっていた。大学4年生のときに、親友の進藤を自殺で失い、瑞穂は人生に失望することになる。ある日、霧子に再会したいという手紙を出し、待ち合わせ場所に向かう。しかし、霧子は現れず、やけになり飲酒運転をしていた彼は、少女を轢いてしまう。しかし、その少女は、死の瞬間を「先送り」する能力を持っていた。死ぬまでに10日間の猶予を得たという。ただ、いずれ死んでしまう彼女の手伝いをし、彼女の復讐劇の片棒を担ぐことになる…

筆者の三秋さんも書いていますが、落とし穴に落ちてしまってそこから2度と抜け出せなくなってしまった人々のお話しです。私も、他の人々も物語が大好きで。幸せなお話が好きです。でも、この話はそうじゃない。痛くて辛くてとても苦しい。しかし、そこでもかすかな幸せを人は見出すことができるかもしれない。そんなお話です。

辛い境遇に落ちてしまった人々に送ることば
いたいのいたいの、とんでゆけ

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2025年05月20日

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途中グロ描写があり苦手な人は読むのを躊躇うかも。
三秋縋さんの作品は何作か読んでいるがやはり怒涛のラスト。
電車で泣くのを堪えました。

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2024年04月23日

Posted by ブクログ

全体的に暴力的描写がある作品。
特に9章は心してって感じ。

壊滅的状況でも幸せがある。筆者曰く“二度と抜け出せない落とし穴に落ちた人の物語”、そしてこれらを“元気の出る物語”と締めくくる。

なかなか無い後書きに、おっちゃんは驚きました。
これまでにおっちゃんが出会わなかっただけだとは思うが、この様な作風の作品は色々あるのだろう。良い意味で耐性がついた気がする。

読み手を選ぶ作品か否か賛否別れるだろうが、おっちゃんは読み切って、良かったと思える方です。幸せの在り方はそれぞれでしょう。

イキリDV親父が解せない。それ故の星4つ。
でも、演出上仕方ないのだと言い聞かせる。

三秋縋という人物に、俄然興味が湧いた作品でした。

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2023年07月25日

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三秋先生らしい締め方だったと思う。本人たち以外には到底理解し難いような幸福感に包まれている感じがした。

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2023年07月12日

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ネタバレ

何度も人殺しをするので過激な表現が多く、痛々しいと感じる部分もあったので、そのような表現が苦手な方は気をつけた方がいいと思います。
最後の結末は意外で、少し時間の隔たりがあるので複雑かもしれません。ですが、理解した時にはとてもすっきりしますし、なるほど!!となります。

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2023年01月08日

Posted by ブクログ

確かな幸福が最後ありました。  最後まで、主人公もヒロインも救われず状況も改善されません。しかし、最後には確かな幸福があったと私は感ました。とても、幸福の定義について考えさせられる小説だと思います。
普通に読めれば、もっと高評価をつけたいところですが、物語を進める上で必要かつそれがあったゆえにこの感動を得られているのもわかっていますが、著者の描写能力が高いが故に残酷描写がダイレクトに伝わってしまい、ちょっと体調が悪くなってしまったのでこの評価になりました。

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2025年12月13日

購入済み

綺麗で残酷で悲しいけど温かい、一言では表せない感情が湧いてきます。暗闇のなかで必死に光を探すような二人の生き方がすごく切ないです。すっとするような結末ではないけど、二人にとっては救われた最後だったのではと思います。

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2022年09月14日

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血や暴力、虐待とかの描写があるため、苦手な人もいるかも。
鮮烈、という感じの三秋縋さんの作品。
どこか欠陥を抱えた男女が出会い、噛み合わない日常を過ごしていく中で、不器用に惹かれあっていく。三秋縋らしい、歪なボーイミーツガール。
終わり方もやっぱり、悲惨なハッピーエンドで、これもまた三秋縋らしい。

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2022年09月13日

Posted by ブクログ

最終章、話の展開がまるで推理小説のクライマックスのようでとてもドキドキした。どうか2人に幸多からんことを。

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2022年06月15日

Posted by ブクログ

冷徹なまでに淡い心理描写、絶望の底に微かな希望の光をそっと差し込む。これが著者の癖なのかな。物語の良し悪しに限らず、たまに三秋縋さんが紡ぐこの凍てつく空気感や息苦しいほどの静寂に包まれたくなる。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

自分の身に起きたことを(自身の死さえも)一時的に「なかったこと」にできる少女と、成り行きから彼女の復讐に手を貸すことになった主人公が織りなす、哀しく儚い物語。三秋ワールドの雰囲気や淡々としながら心に刺さるセリフ回しは期待を裏切らないが、同氏の小説の中でも特に悲惨でグロテスクな描写が多く、このあたりに少し入り込みにくさを感じる人もいるかもしれない(自分がそうだった)。主人公とヒロインの抱える闇ゆえに、とことん「救いのない死」の中にいるように感じられ、結末を経ても、重く悲しい気持ちが残った(二人にとっては、改めて素で互いに向き合えて、安らかなものであったとしても)。なお、タイトルの「いたいのいたいの、とんでゆけ」は、彼女の心の痛みを取る呪文として、さりげなくも効果的に使われており、最後まで読むと、とても印象深く感じられる。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

ライトノベルが普通になって、こういう空想の世界を物語にする方も多くなりましたね。
こういう世界は嫌いではないですが、重さに見合うところまで作品に入れませんでした。

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2024年12月07日

Posted by ブクログ

自暴自棄になった主人公は車で少女を轢いてしまう。だが、何故か少女は生きていて、一緒に復讐をすることになる。少女をかつて嬲った者を次々と殺してゆく。

復讐の果てに明かされる真実と歪んだ愛が生々しい表現で描かれていた。少女の辛い人生をなぞって心が苦しくなった。

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2024年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ


湯上瑞穂。小学六年生の十月で転校する。

日隅霧子
十二歳の初秋に瑞穂と文通が始まった。

青山倖
僕が三年生の頃から密かに想いを寄せていた。

望月沙耶
図書室で会うたびに首を傾けて笑いかけてくれた。

進藤晴彦
瑞穂が大学生活の大半を共に過ごした友人で、大学四年生の夏に自殺した。

少女
月。瑞穂に轢かれたが、十日間なかったことにできる。過去に先送りにしたことを解除し、復讐をする。ビジネスホテルに泊まるときに、湯上千鶴という偽名を瑞穂が書いた。

瑞穂の隣の部屋の住人
三枝栞。美大生の女の子。





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2024年10月16日

匿名

購入済み

不思議な力で、時間を先送りにできる。でも、なかった事にはできない。結局どれがどうなるのか最後までわかりませんでした。悲しい結末なんだろうけれど、2人が少しでも幸せだったらよかった。

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2024年04月21日

Posted by ブクログ

・三秋縋さんらしい絶望的なハッピーエンド。
・グロいシーン描写が多いので苦手な人は読まない方がいい。
・霧子の境遇に救いがなさすぎて読んでいて辛くなる。
・『落とし穴の中で幸せそうにしている人』とは確かにこういうことなのだろう。

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2023年05月13日

Posted by ブクログ

星二つか三つで悩む。

救われない話を悲劇で終わらせない方法だと、本作のラストのようなシーンになってしまうのも分かるが、ちょっと続き過ぎなのではなかろうか。

作風といってしまえばそれまでなのだが…

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2022年09月13日

匿名

購入済み

つまらん

セリフが淡々としていて、心に響く言葉が全然ありませんでした。暴力シーンは具体的な描写が長々と続くだけで面白味がないし…。冒頭の試し読みとレビューにひかれて読みましたが、私には合わない作家さんだと思いました。

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2023年02月02日

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