あらすじ
プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。
カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が“出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。
信じるとは、許すとは、愛するとは。
男と女の欲望のブラックボックスに迫る、
著者新境地となる恋愛小説。
わたしの心と体を通ってきた、無数の、犯罪の名前が付かないたくさんの傷のことを考えた。苦しかった。読めてよかった。
――高瀬隼子(作家)
僕はこの物語を、生涯忘れることはありません。
――けんご(小説紹介クリエイター)
女性が置かれている地獄のある側面が突きつけられる。
――スケザネ(書評家)
感情タグBEST3
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関口新夏…ニカ
葵
神尾啓久…(姉)真帆子
八田
久保玲子
楓
久保先生
浅川
関口幸伸
瀬名
美月
桑田
祥子
日置
小山内莉子
瀬名涼音
ハク
Posted by ブクログ
元気な時に読む本。メンタル落ちてる時には読まない方が良い。でもそれくらい感情が揺さぶられ、頭の中ぐるぐる考えさせてくれる本。全部のせみたいな。
2025ベストかも。一気に読んじゃった!日を置いて再読したい。
相手の立場に立って考えよう は難しいと改めて。
Posted by ブクログ
私も女なので、性的な目で見てくる男性に対して気持ち悪いなと思うことがよくある。でもこの本を読んで、そういう目で見てしまう男性を可哀想だなと思うようになる気がする
Posted by ブクログ
これって物語を分解して自分が人に話すとしたら「コントかよ」言われるような事ばかり起きているのに、一穂さんの手にかかれば考えさせられる本格派の本屋大賞ノミネート作品になる。
すごい。
性加害者とその周りの人たちのリアル。
前半の新夏視点の話では、自分ならどう考えても「別れる一択」しかないと思いながら読んでいて、だから新夏が何がしたいのかよくわからなかった。
でも、あれはただもがいてたんだね。
どうしていいか分からなくて、
もがいてもがいて、自分の中の何かが止まってしまわないように、溺れないように泳いでいた。
そして、最後に新夏の気持ちがわかってさみしくて悲しくてやるせなかった。
啓久の母親や莉子の母親も気味悪かったけど、瀬名さんの豹変が一番怖かったです。
Posted by ブクログ
主人公、カメラマン新夏(にいか)と5年付き合っている啓久(ひらく)。
プロポーズの翌日、ひらくは、盗撮で捕まる。
新夏は、信じてきた相手が、他人だったら当然、軽蔑するだろう行為をしたことで、どうしたらいいのか、わからない。
啓久の両親は、示談で済んだと安堵し、さも、何も無かったかのように、結婚の話をすすめる。
一方、啓久の姉は、盗撮は紛れもない性犯罪であり、被害者だっている。1度したら人間が2度しないなんて言いきれない。こんなヤツとは結婚しない方がいい、とキッパリ助言する。
そのどちらも、違うような気がして、新夏はどうしたらいいのか、もっと啓久を理解しないと前に進めないと思う。
だが、友人の葵は、「人間なんて結婚相手でも分かりっこない」「わかり合えるところの擦り合わせで、成り立つんだ」という。
もっと合理的に考えて、自分の適齢期と相手のスペックを考えて判断すべきだと。
そして、今のうちに、次回のアウト事項を線引きしておいて、むしろ、有利な婚前契約を結べばいいと。
合理的で、愛を総合的に判断してる。
新夏は友人、葵のように、ドライになれない。いままで描いてきた、理想的な結婚に、ヒビが入ったことが受け入れられないのだ。
新夏は、啓久に「性犯罪自助グループ」のカウンセリングを勧めた。
「コンビニの万引きと銀行強盗を一緒にしないでほしい。あんなコスパの悪いこと、もうしないよ。」
コスパか。。葵の考えとよく似ている。
ここで、
「愛とか恋とかやさしさなら、打算や疑いを含んでいて当然で、無垢に捧げ過ぎれば、時に愚かだ幼稚だと批判される。
なのに【信じる】という行為はひたすらに純度を求められる。ゼロか百しか存在しない。わずかでも損なわれたら、二度と元に戻らない」
その後、愛とか恋とか優しさより。。第2章、啓久のストーリーが始まる。
加害者も孤独になったらいけない、自助グループの瀬名が、痴漢をして捕まった。
虚しさがこみあげる。
Posted by ブクログ
さまざまな心の葛藤の描写が好きでした。
わかりたいけど、わかってあげられない。知ろうと頑張っても理解できない。結局は自分と他人なんだなぁと。人との関わりで、わからないスペースがある前提で、一緒にいられる人とそうじゃない人との関係を見直した感じ。
なぜ盗撮した?その気持ちの方でしか読んでなかったけど、後半の被害者の女の子視点の話が意外な展開で興味深かった。がっかりされた時の顔、親からさえ雑に扱われてきていることに慣れてしまう怖さ、ただの恋愛小説ではなくて、人の感情に静かに訴えるような本だったように思う。
Posted by ブクログ
2025/61
本当に元気がなくなる本(言い方悪い)
それだけ心が揺さぶられるし、嫌な気持ちになる。
パートナーがいる人
心から大切だと思う人がいる人は
本当にその相手を心から信じられるのか試される。
ちなみに私は、夫が盗撮したらどれだけ許したいと思っても「生理的に無理」になると思う。私も主人公のように「頑固で潔癖で世間知らず」なんだろうね。
許すか忘れるか堪えるかどれか選べと言われたら「堪える」を選ぶ人間なので、主人公と同じ立場になったらと思うだけでゾッとした。一生苦しむかも。
主人公たちは今後のことで悩みに悩むわけだけど「彼とやり直すこと」「彼女を手放さないこと」は本当に愛と言えるんだろうか。そんなことを思った。
レビューを書いていたら色んな感情が湧いてきて
私は、また「もしもの決断」の迷路に迷い込んでる。
恋とか愛とかやさしさなら、良かったのにね。
Posted by ブクログ
相手を大切にしたい気持ちと、自分を守りたい気持ちは同時に存在していて、その間で人は迷い続ける。誰かを好きになることで生まれる弱さやずるさを、否定せずそのまま描いているところが印象的だった。「信じる」という行為はひたすら純度を求められてる、ってとこは私もそうだ。一点の傷や汚れも許されないレンズのように澄み切っていないと信じてることにはならないし、純白以外は全て黒で、百かゼロしか存在せず、且つ一度でもわずかでも損なわれたら二度と元には戻らない…新夏の気持ちが分かる。グレーを許せたら楽なのにね。読んでいて、胸が少し痛くなるけれど、どこか現実的で共感できる話だった。
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婚約者が盗撮した。その時に女性目線では何を感じるものなのかを知りたくて手にした本。
カメラ撮影を仕事にする彼女の視点で、性犯罪行動を起こした婚約者、その家族、職業としてのカメラマン、幼い頃に離婚した両親と、ごちゃごちゃグルグルと思考が混乱している描写に共感できた。
彼女はある写真を撮らないことを決意したけれど、その心理描写が全く関係のない自分の推し活につながった。
引退を発表した推しに対し、引退までの活動から目を背けている自分の感情は、引退を認めたくないでもなく、悲しさから逃れたいでもなかった。新夏と同じように大事な気持ちだからこそ、ブラックボックスのまま残したかったということだと気づいた。
読みながら一冊の中で、多くの視点で考えることができる良い読書体験だった。
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とあるカップルにおきたとある出来事を、前編は彼女目線で、後半は彼氏目線で描かれる作品。
性犯罪や性被害に遭ったことのある方は読むのがきついかも。
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結婚を前提に付き合っているカップルの彼氏が盗撮をしてつかまってしまい、、、。よりにもよってプロポーズした翌朝の通勤電車で。なぜ、よりにもよってそのタイミングで。物語の前半では彼女「新夏」の視点、後半は彼氏「啓久」視点で描かれています。新夏は啓久の行動の理由を理解したいと思い悩みますが、恋人の家族や友人の価値観、その価値観に至った背景を流し込まれ、啓久との関係にどんな決断をするのか。対する啓久は被害者や類似の犯罪に一度手を染めてしまった人たちとの関わりを通じ、新夏の決断に対してどのように行動していくのか。主人公と登場人物たちとのやりとりは生々しく、嫌で、自分だったら目をそむけたくなるような内容で、「恋とか愛とかやさしさ」では説明できない内容が詰まっている一冊に感じました。
Posted by ブクログ
現実世界で、友人の友人が盗撮で捕まった彼氏と結婚した話を聞いたばかりだったから、思わずその子と主人公を重ねてしまった。ちなみに、その子は彼を選んでそれ以外の全ての縁を失ったらしい。
この作品が良かったと思えるのは、「正解以外の恋愛をしたことがある人」じゃないかなと思った。私は楽しめたけど賛否があるのも頷ける。
二部作で前半はプロポーズに応じた翌日に婚約者が性犯罪者になる彼女の視点、後半が1度の盗撮で全てを失ってしまう彼氏の視点で話が進む。
出来事より人の感情がフォーカスされていて、全体的に静かな流れで物語が進む。登場人物達と同じように、読者も何が正解なのかは分からず読み終わってもスッキリはしない。だから、自分は読み終わったあとも考えさせられた。
恋人が盗撮していたことを知るのは、昨日まで大好きだった人が、急に知らない人になるようなものだと思う。非常にレアなケースだけど、誰にでも起こる可能性があるのが怖い。
生理的に受付けなくなっていく一方で、恋人への気持ちを消しきれない主人公。ラブホでのやり取りは、愛したい一方で、自分では突き放せないから見捨てられたい矛盾した気持ちがぶつかっているのが分かって辛かった。
男性側の視点が始まった時は、『盗撮してしまった理由』が語られると思った。事件に関して新事実がないと知った時に、納得できる理由を求めていたことに気付いた。自分も主人公と同じで性犯罪にも理解できる理由があると決めつけていた。もしくは、初めから生理的に受け付けない人間しか性犯罪者にならないと思っていた。
「もし自分が主人公の立場なら」と思わず考えさせられる作品だった。
Posted by ブクログ
盗撮をした恋人と自分なら別れるか。
これをずっと考えながら読み進めてたけど、
セーラー服着せて
ラブホ行って写真撮るところから理解できんくなった。
啓久の犯罪を犯したのに
傲慢というか、
出来心、自分はそっち側の人間じゃない
みたいな見下した感じが嫌悪感。
瀬名の電車に乗ると人が変わったようになってしまい、
再犯してしまうのとか、
あ、これって病気というか
直せないものなのかも、
と思ってしまったり。
私と、
私たちと、
そういう人たちの境目ってなんなんだろ。
誰しも、そちら側になる可能性がある中で
自分は違うと言えるのだろうか。
Posted by ブクログ
前半は主人公の女性目線
後半は捕まった彼目線
読んでいてどっちもしんどい
わかろうとしてもそりゃわからんよ
考えすぎか?
読み終わって何だか疲れた
Posted by ブクログ
恋人が盗撮したことが分かり、その2人の関係性の変化を描いた作品。
盗撮や、少し違うかもしれないけれど浮気や、異性の尊厳というか根幹たる部分を踏みにじるような事をされて許せるのか…って難しいと思う。
その人が好きでも、たった1回それをしただけで、永遠に元の関係に戻ることはないと思う。
ひずむというか、歪みが出て来て、それを一生受容できるか…結局はどちらかに皺寄せが行くには違いないので、私的には許せない派だったけれど、これを読むとどうしたら良いか分からない…気持ちがぐちゃぐちゃしてくる…。
Posted by ブクログ
自分自身を、そして他人を信じること、赦すことの本質を問う作品。周りがとやかく色々言ってくるけれども、結局自分の心に問いかけて考え尽くして決断するしかない。その時間も含めて、吹っ切るまではとても辛い時間だろうと想像できる。自分だったら、と置き換えると、主人公と同じ選択をすると思う。
冬の公園のベンチで読みたいような小説だった。
Posted by ブクログ
恋人のことを分かろうする彼女、それの努力がなかなか理解できない彼。そのすれ違いに痛々しく感じました。その彼女の優しさに気付いたとしても守られるものがない彼が背負う何か…世の中、そんなもんとは思うけど這い上がろうとするのなら上から叩くのは考えて欲しい。
Posted by ブクログ
前半と後半で分かれている。
前半は婚約者が盗撮した女性目線の話、後半はその婚約者目線の話。
自分でも不思議だが後半の方が読んでいて辛く気持ちも入っていきやすかった。
特に前半でも最後の方のホテルでの件は自分には共感が難しかった。
正解はないが。
Posted by ブクログ
読み終わった後、すぐに感想を書けないくらい思いを整理するのが難しい話でした。この話を読んだ時の自分の年齢によって感想は変わるのかもな、と思った。
自分が新夏と同世代であればこの潔癖さを理解出来たのかな、どうだろうな?
もちろん盗撮をしてもいい、と言ってるわけではないが後半の話で啓久が苦しんでいるのと合わせてどうやったらこの二人が救われるのか、と辛い思いが残った。
二人のその後を描いた話を読んでみたいがこのモヤモヤした気持ちでいろいろ考えるのが読書の良いところなんだろうな。
Posted by ブクログ
罪を負う怖さが主題だけど
女性の苦しさみたいなものが通奏低音的に不穏にえがれていて
現代の苦しさを映し出している
でも一番刺さったのは
更生しようとしている会のリーダーが
あなたは自分たちを見下している
と言い放ったこと
私はどの人にも共感できなくて
強いて言えばフォトグラファーの彼女が近いとおもっていて
でもそんな立場にいられるのか?とも突きつけられて
答えがない、この世界の苦しみが具現化されている気持ち悪さには尊敬です
Posted by ブクログ
結婚間近の幸せな日々から一変、恋人が盗撮で捕まった。
ただ思いつきでやったことで、どれだけのものを失うのか…想像できているはずなのに、何でやってしまったのかを新夏は知りたかったのだろう。
啓久の両親含めて3人で新夏に謝罪する姿は見ていられなかった。母親の言い訳も同じ女性であるのに聞いていられないほどひどいものだが、自分の子どもの人生がかかっていると思うとそうせざるを得ないのかもしれない。
私ならいくら好きでも叙情酌量の余地がないのなら、別れてしまうと思う。葵のように損得勘定では考えられない。
どうしてそんなことをしてしまったのか知りたいと思う新夏の気持ちはよくわかる。
最後まで読んでもあまり良い未来が見えなかったのは、それだけ重い罪を犯してしまったということなのだろう。
Posted by ブクログ
一穂ミチさんの作品はこれが初。
盗撮が示談で済んだものの、その罪をどう捉えているかは人によって全然違ってて。
私が新夏の立場だったら引き返せるのは今のうちと捉えて、同様に別れると言う選択を取るだろうな。
もちろん5年付き合ってきたから、その積み重ねを考えるとそう簡単には決断できないだろうけど。
一度失った信頼は、簡単に回復できないよなーと再認識。
新夏の友達の葵は逆に、「総合点が良ければ良し」といったドライな考え方をもっていて、私だったらそこまで割り切れない。葵とは距離を置くことになりそう…
Posted by ブクログ
読んでいる時の感想
読みやすい文章でさくさく話は進むので、寝なきゃと思いつつ気づいたら夜中まで読んでしまった
きっかけ
unimited。あと作者の名前を聞いたことがあった
読んだ直後の感想
この話に出てきた人たちはその後幸せに生きてるのだろうか。。終始重たいどよんとした空気で晴れやかではない
考えたこと
①無理なことは無理
一度失った信頼を完全に回復するのは死ぬまで無理
一度起きたことを無かったことにできないことはある
自分の中にある軽蔑心や疑いに蓋をするのはすごく大変(私も旦那がもし盗撮していることを知ってしまったら、よりを戻したくても結局破綻してしまう気がする。新夏の思いに一番共感できた)
②対等な関係って尊い
この本を読んで思った。見下す見下されるの関係があまりに多いけど、これって人間関係あるあるなのでは?、、、相手が素晴らしすぎると自分が小さくなるし、言いたいことが言えなくなるし、カッコつけたくなる。逆に自分の方が優位に立ってると思ってしまうと劣等感を感じなくていいけど、やっぱりなんか気持ち悪い。ボランティアを嫌う人ってこういう感じなのかな
人それぞれ長所短所があって、尊敬できるところ、相手の力になれるところがあって、そのバランスがよいことを対等な関係っていうと思った。
③寂しい=誰からも尊重されない
たくさん友だちがいたり、家族がいても寂しい人の感じる人がいるけど、これらの根本ってここなのでは?今も私のことを尊重してくれる人たちのこと、大切にしたい
Posted by ブクログ
婚約者が盗撮をしてしまう。
あなたはこれを許せますか?
初犯だから。普段はそんな人じゃないから。そんな理由で許せる人もいる。だけど、信じてたからこそ、婚約直後だからこそ受け入れられないこともある。
自分の許容範囲について考える作品となりました。
Posted by ブクログ
性犯罪(本作では盗撮)に対する考え方や感じ方が男女で違うというのを、いろんな性犯罪ニュース記事に付くコメントやSNSで目にすることがある。
本作では男女だけでなく同性の中でも考え方が違う事もあるという例が描かれる。立場や過去の経験の違い、損得感情などで、犯罪意識の軽重や処罰感情の有無まで違ってくる。
この作品を読んで男性はどんな感想を持つのだろう。犯罪を犯してまで満たしたい欲求なのか。そこを「コスパ」で判断するようじゃ人間性を問われるだろう。
Posted by ブクログ
プロポーズされた相手が盗撮で捕まった。その彼女の気持ちが前半。罪を犯した彼の気持ちが後半。どなたかの感想に自分だったらどうかと考えたとあったが、そうでもすればこの話は心に感じて読み進めることができたのだろうか。
どういう形にせよ、読んでよかったかと思えるところがなければ、その小説は残念だったと言わざるを得ない。読みやすいし場面設定もまあいいとして、じゃあこの2人、そして彼らを取り巻く人たちの何を描いたんだろう。何となく気持ち悪さがダラダラ続いていく感じで早く終わらないかなと思うばかりの読書時間。恋とか愛とかやさしさなら、もう少しいい話にしたらどうかね。