小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
『移動都市』シリーズの最終巻。
シリーズ全作が全て面白く、敬意を表して、シリーズ全体に対する評価として★5とさせていただきます。
(『廃墟都市の復活 下』単体でも★4か★5か迷うレベル)
やはりヤングアダルト(YA)系作品ではあるな、と感じつつも、第1作から第4作まで一貫して大人も楽しめ、かつ、第1作から第4作まで全て面白い。
また、第1作から第4作までが全て繋がっているため、大量の人物や大量の都市、人間関係から世界情勢まで大量の情報が登場するが、それにもかかわらず非常に読みやすく、複雑にならず、一気に読めてしまうのが凄い。
時には世界情勢、時には個人個人の思惑、時には恋愛、時にはアクシ -
Posted by ブクログ
ここまでに読んだへんてこもりシリーズの中でいちばん好きかも。
・まるぼ(実はヤカン)が、頭の上のなべごとお水を奪われてしまったなべえもんのために水を提供するべく、気持ちをひきしめて興奮を鎮めて自分の中のお湯を水にする姿のかわいらしさ。
・きまぐれろの美点と欠点が「やさしいこだけど すぐあきる」と、即席で作ったきまぐれろの歌に歌われているところ。
・マドモアゼル・クックちゃんのお料理教室の黒板に書かれていた指導内容。お料理の心がまえ(要点は「くいしんぼうかつおせっかいであれ」)が長くて、炊き込みご飯のレシピは一行「①きる②たく」のみ。
・クックちゃんとホンリエーヌちゃんが実は仲良しのお友だちで -
Posted by ブクログ
北海道の貧しい開拓集落で実際にあった羆害事件を題材とした小説です。吉村昭は事実に取材した小説をいくつも書いていますが、特にこの小説では基となる事件が衝撃的なものであるだけに異様な迫力があります。
この小説で登場する羆は、ジョーズやシンゴジラも顔負けの恐ろしさで、どこで出くわすことになるのかとはらはらしながらページを繰りました。中篇といえる長さで、しかも文章が緻密で淡々として無駄がなくすらすらと読めるので、あっという間に読み終えました。
羆撃ち名人である山岡銀四郎の活躍が、分署長たちの無能さと対比するようにして描かれています。銀四郎は妻子に去られた悲哀から、すさんだ生活をしています。普 -
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一気読み!面白くて1日で読み終わっちゃった!
「サクサク人が死んでいくサイコパス女が主人公のヒトコワ小説教えて!」ってチャッピーに聞いたらこの小説を紹介された( ̄∇ ̄)
親から虐待されて同級生からはいじめられて暗い子供時代を送った主人公フジコは、どんなに辛い目に合っても自分は蝋人形と言い聞かせて、心を殺して過ごしていた。
そんなある日、自分以外の家族が何者かによって殺される。その日から何か吹っ切れたのか、蝋人形ではなく殺人鬼フジコになった。
そこからはもう、呼吸をするようにさっさと殺人していく。特に悩む事もなく、気に入らないから殺す。悪気は一切ない。
そして気に入らない者が居なくなって -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯罪者と同様、読み応えがあり面白い。1日で一気に読んだ。
冤罪がテーマだったが、冤罪、子供の失踪、子供の誘拐事件、関連がない人たちの殺人と、これもまた繋がりが全然わからない中進む。しかし、この話は相馬の子供の頃のエピソードが重要にからんでいて、心情の描写が心に響く。ほんのささいなタイミングの悪さでどんどん悪い方向にいく悲しさみたいなのがすごい。冤罪に巻き込まれた家族は、家族をお互いに思い遣っていて、それが余計に辛い。とにかく家族を思っての尚の行動に悲しい気持ちになる。
冤罪を生む司法制度への問題提起になっているのだけど、それ以上に巻き込まれた人々へ気持ちが入ってしまう、一作目以上に登場人物の