小説・文芸の高評価レビュー
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ネタバレ仲の良かったキヨ(女の子)がアメリカ兵士の慰みものとなり、薬物中毒であったけれども大好きだった自身の母親とともに自殺したことを知らされると同時に、基地問題を不問とした沖縄返還の報道を聞いたグスクのセリフ
「基地の問題はうやむやにされて、核や毒ガスもなくならない。戦闘機は墜ちつづけて、娼婦の子は慰みものにされる。この返還で喜べるのはうしろめたさに恰好のついた日本人だけさ」
日本で歴史を学ぶと、沖縄返還は良い出来事と思ってしまいそうだけど、本土で歴史を学んでいては知り得ない、沖縄の歴史があることを思い知らされる。
本土の人は沖縄の歴史を知るべき、ということを、小説を通して説得してくれる。
沖 -
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ネタバレ◾️record memo
そういう「女性性」の塊のような粘液をマグマのごとく溜め込んでいる彼女のサバサバアピールを目にすると、今や虚しささえ感じる。
「幸せとか不幸とか、そういう定義もう止めない?幸せとか不幸とか、羨ましいとか可哀想とか、そういう相対的な考え方、身を滅ぼすよ」
自分のあまりの滑稽さに、自分がくしゃっとした茶色いゴミ屑になってコロリと道路に転がる様子が頭に浮かぶ。もう誰か早く轢き殺してと願っても、ゴミ屑は小さすぎて中々車のタイヤに当たらない。
「え……さっきの子たち、長い付き合いなんでしょ?三人はお互いのこと何でも知ってるって、美玖ちゃんが言ってたじゃん」
「お互いのこ -
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アメリカの田舎町に住む平凡な人々の平凡な人生を覗き見るような小説。
登場人物たちは、国や生活様式は違えど私たちと同じように毎日毎日同じことを繰り返して生きている。みんな大なり小なり苦悩と幸福があり、どこか孤独。
この本は、そんな取るに足らないと思われるような人生を歩んできた人々の、ある瞬間を描く。
それは誰にも省みられないような小さな出来事で、大きな変化を起こすような力はない。なのにどこか惹き付けられる、その人のこころを象徴するような特別な瞬間。
どんな人間にも物語があり、この本からはそれを慈しむ心を感じる。
私にとっては相容れない人や、一生関わることが無い人にも物語がある。そのことに想いを -
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映画館に観に行ったし、テレビでも観た。
好き過ぎて、本が出てると知って即購入。
映画の中では、映像が流れていく場面の、新左衛門の感情とかとか、本では読めた。
でも、ほぼほぼ映画と同じ。本読みながらまた映画を観てるようで。
私が気になってる、あの後どうなったのかが、書いてないかな〜と期待したけど…
最後の3行は、ほんのちょっとその後が書いてあったって感じかな。
その後の続編やってくれないかな〜
やっでも、それは無しで、勝手にどうなったんやろ?って想像してるだけでも いいのかな?
あーでも、やっぱり続きが気になる。
左之助〜
録画してるからね、また映画の方 観ようっと。 -
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マイクル・コナリー『迷宮 下』講談社文庫。
マイクル・コナリーの39冊目の長編。レネイ・バラード刑事シリーズの第6弾。
一難去ってまた一難。二転三転のうねるような展開とレネイ・バラードが画策した見事な結末。
バラードが対決する相手は未解決事件の真犯人たちだけではなく、新たにロス市警未解決事件班に加わったマディをクビにしろと言い出すロス市警のトップやブラック・ダリア事件の真犯人を示す新たな証拠の受け取りを拒む地区検事長と一筋縄ではいかない。
一般企業でも必死に品質改善に取り組む社員が居る一方で品質問題を隠蔽したり、売上だけを重視して品質を無視するようなトップが居るのだから、似たような構図 -
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「スピノザ」とは著者の人生観に影響を与えた哲学者の名前だそうです。
これまで哲学から受け取ってきたヒントを物語として提示できれば、というのがこのシリーズの大きなテーマの一つとのことです。
主人公、雄町哲郎医師は作者の理想の医師像なのかなと思います。
そして、彼の働く京都の原田病院には、共に働く
医師たち、看護師たち、すべての人々が皆、
素晴らしいチームワークと人間関係を築く
理想的な病院なのです。
しかし、真摯に医療を行おうとすればする程、
医療従事者の方たちの個人的な負担に寄るところが大きすぎるのも問題なのでしょう。
手術の腕前は飛び抜けてすごいけれど、それだけではない大切なものは