小説・文芸の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
言葉で魅せる景色の美しさに、その尊さに思わず笑みが溢れたのは、初めてだったかも知れない。それは溢れた後に気がついた。そしてそれらの言葉は今の私の居場所をも、神秘なものにしてみせたのだ。それ以上私が望むものは何もなく、本書が与えてくれた美しい物であり、これから先の人生、私が本書を幾度も読み返すことになる理由である。
私が見上げることしか出来ない世界と、同じ世界に居る彼ら。違った世界は羨ましくあるが、見上げる事が、その世界を想像するのがちょうど良いとも思える。一言で言えば危険であり、夜のあわいであるその空は、生と死のあわいでもある。
飛ぶ事で手放してしまういくつかのこと。飛ぶ事で手に入れたいく -
Posted by ブクログ
大正の横浜を舞台に富豪一族の中で妾の子であるかな子が地位を得るために奮闘する物語。
とにかくボリュームのある一冊。女系一族で知略を尽くしてのし上がろうとするかな子と、一族を支配する本妻スヱとの静かな戦いが面白く読み応えがあった。
本妻の『大奥様』スヱは要吉が興した商店を一代で横浜一の大店に育て上げたやり手で要吉が寝たきりになってからは商店の経営を取り仕切っている。その補佐役を担う娘の『奥様』花、さらに花の3人の娘たち。
『檜垣澤に男はいらない』とまで言われる女系一族で使用人と同じような待遇を受けていたかな子だが、自分も要吉の娘であるというプライドと持ち前の知恵と容量の良さで檜垣澤家での地位を