小説・文芸の高評価レビュー
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大正天皇が崩御されて間もなく、この世に生を受けた4人の赤ちゃんとその家族の物語。全員反戦派。第一部は昭和元年から張作霖爆撃、5.15事件、2.26事件、日米開戦まで。
竹田耕三は財閥の銀行一家の三男。陸軍。クーデター未遂があった時に金庫から計画の概要を盗み出して上部に通報し、未然に防いだはいいが、そのために恨みを買い地方に飛ばされた。その後アメリカ駐在。体のいい左遷。
矢野辰一は金沢の任侠親分。組合潰しなどしているうちに、反共産主義の政治団体に関わるようになり、最終的には開戦ぐらいの時に命を落とす。
森村タキは女性開放運動をする群青という雑誌の編集者。いろいろあって、刑務所にも入り、最後 -
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人生で一番泣いた本。ここ最近の私の死生観にとても近いものを、今このタイミングで読めたことが、巡り合わせだと思った。死ぬことはすなわち生きること。対極にあるのではなく、地続きに存在するもの。性についての描写があることも、つまり人間、という感じがしてよかった。そういったことを交えずに書けば、綺麗な話になるかもしれないが、生きることを描く上で、普通に転がっていることなのだから、敢えて省いていないのが良い。(それを、下ネタ、とも言いたくない)こうやって死ねたらどんなに良いだろう。間違いなく、これから死ぬのが怖くなるたび、思い出す本。あと、相変わらず食べ物、匂い、風景描写が好きすぎる!お粥を食べたくなっ
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Posted by ブクログ
どうしてこんなに色々なタイプの人間の心情をピンポイントに書き分けられるんだろう、というのが最初の感想だった。
高校生における「上」と「下」のグループ。
それぞれの立場が胸にせまるほどリアルに描かれていて、のめり込むように読んでしまった。
序盤の章で出てきた人物が、後の章で別視点から書かれていたり、読んでいくうちに物語全体の輪郭がはっきりしていく物語だった。
自分が好きと思ったものは、人が何と言おうと好きでいい。自分の中に確固たる「やりたいこと」がある人物は、見た目がどうであれかっこいい。
物語全体から、そんなメッセージを受け取りました。読んで良かったです。
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【恥ずかしくない毎日を生きたいと思う本】
-感想-
この本を手に取ったとき、1番ライト高山俊、2番センター横田慎太郎。2016年の開幕戦を思い出した。
脳腫瘍での闘病の際、家族で乗り越える姿、その裏側が記されており、野球引退を決め、鳴尾浜での奇跡のバックホームが生まれるまで、ずっと涙が止まらなかった。
同じ病で苦しんでいる人の目標になる。自分の生き方を新たに定めて、野球引退後、講演会活動を続けていく。残りの人生と天秤にかけながらも、精一杯生きた。
ずっと一緒に走り続けた母が見た、横田慎太郎と家族の生涯28年のストーリーは、努力と奇跡で満たされたものだった。
自分の生きる時間をもっと -
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小説の小説による小説のための小説。
「殴られたような驚愕」なんて言葉、大袈裟すぎるじゃないかと思っていたのにこの本で経験してしまった。
大袈裟でもなんでもなく気づいたら息が止まっていて驚いた。
小説の意味、言葉の意味、読むこと、書くこと、感情、、
全てにおいて考えさせられた。
ここから下は個人的な感情ですが
本を読み始めたきっかけが同じだったため主人公が迷走した感覚などがわかってのめり込めた。
のめり込んで楽しめる、というよりは常に後ろから刺されそうな緊迫感があった本。
自省・自嘲の表現も多く、全てが自らにのしかかってくるので言葉が鋭かった。
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ネタバレこの作品は、三年に一度選ばれる「サヨコ」という存在を巡る物語です。選ばれた生徒は、誰にも知られずに「あること」を実行しなければならない…。そんな不思議な伝統が受け継がれる高校が、物語の舞台となっています。
読み進めるうちに強く感じたのは、学校という空間が持つ、あの特有のそわそわとした懐かしい空気感です。代々受け継がれてきた伝説の不気味さと、そこに生きる登場人物たちの瑞々しさ。学生時代にしかないきらめきが溶け合う世界観に、ぐいぐいと引き込まれてしまいました。
すべての謎が綺麗に解明されるわけではありませんが、七不思議や都市伝説にわくわくしたあの頃の感覚を思い出してページをめくる手が止まりませ -
Posted by ブクログ
面白さと読みやすさで言えば満点かなと。
翻訳ものとは思えない軽快でポップな文章で読むリズムが生まれて、分厚い割にはあっと言う間に読みおわる。
前科持ちのミリーがハウスメイドとして働く家で起こる違和感。
雇い主のニーナがあまりに別人格になる異常者に対してとんでもなく優しくてイケメンな旦那のアンドリューという設定の時点であまりにおかしな組み合わせ。
大方予想出来そうな展開で、きっとこうだろうなと思う人は多いが、その更に深いとこまで連れていってくれます。
人間の恐ろしさと狡猾さが最後の章でわかった時の自分への哀れさというか、わかったつもりになった読者を少し叩き落としてくれる感じに鳥肌が立ちました。