小説・文芸の高評価レビュー
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映画から入り小説→映画と何度もループしてしまう大好きな作品。
ホリー・ゴライトリーの奔放な美しさと、その裏側にある苦悩、自由を求めるあまりその自由に苦しむ、ホリーの言う"いやったらしいアカ"は、現代人、とくに都市で生きる僕らに通ずるものがある。
オードリー・ヘプバーンのキュートさがこの作品を有名にした一助であることは間違いないが、物語としては小説の方が好みである。映画版の結末はややご都合主義というか、映画を見終わった人たちが肩透かしを喰らわないように配慮したのでは、と感じる。小説の結末の方が、ホリーというどうしようもなくは魅力的な人間の内面を表していると思う。 -
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ネタバレ⚠️⚠️⚠️
何年後かに自分が思い返した時に思い出せる様に感想というよりメモ代わりに書いているので、壮大なネタバレが書かれています。
今後読む予定の人が間違って開いたのであれば戻る推奨です。
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4.6
読書から離れて2年、久々に読んだ4冊目。
兎に角、城塚翡翠の描写が可愛かった。
万人受けする様な純粋無垢な理想の女性という感じで、悪く言うなら天然故にあざとく見えるかも程度。
また「」語り手描写が多く非常に読書初心者の自分でも理解しやすく読みやすかった。
内容は主人公であるミステリー小説家の香月史郎×霊媒師の城塚翡翠が事件を推理し -
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ネタバレ*第12回小説野性時代新人賞受賞作
「もし、入れ替わったら、どうする?」
これは、"男女の入れ替わりの物語"
今まで、「入れ替わり」の物語は見たことがあった。
しかし、高1の頃から15年にもわたる期間の長さに驚いてしまった。
坂平と水村は朝起きたら入れ替わっていた。
それは家族にも、友だちにも誰にも言えない。
情報交換をしながら、互いを演じ切ることを決意する。
しかし、そんな中で、"水村"がこの1として生きる"坂平"がこの15年の間に恋愛し、結婚し、それに子供まで作るのは、すごいなぁと思った。
自分がもし、誰かと入れ替わったら -
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マカン・マラン。インドネシア語で夜食という意味のカフェ。おかまのシャールこと御厨清住がドレスの店をやりながら、夜には夜食のお店を営む。シャールは癌を患っており、抗がん剤治療中。
第1話 中堅社員への早期退職勧告が始まり、塔子はどうするか決めあぐねていた。そんな時貧血で倒れ、シャールに介抱される。
第2話 ある時から家出ご飯を食べなくなり、ジャンクフードやコンビニしか口にしなくなった。何なら食べられるのか?教師の奮闘が始まる。
第3話 雑誌のライターをしているさくらは、「秘密の夜食カフェ」特集のために孤軍奮闘していた。なかなかいい店が見つからない。足を棒にして探しまわるが…
第4話 黒光 -
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プロローグ
太田愛氏の3部作を読み終えるとそこは福井だった
達成感と喪失感とが綯い交ぜになった感情に
この福井という地は寒すぎた
マフラーを締め直すと、灯りのついた駅を後にした
本章
『天上の葦 下』3人が紡いだ軌跡に★5
いゃ〰熱かった!
熱過ぎた!
謎多き曳舟島での衝撃の真相と鬼気迫る脱出
そして鑓水たちと公安との最後の攻防
太田愛氏、読ませるな〰まったくー
好きになっちゃうよー
正光が指さしていた真相が判明した時
渋谷スクランブル交差点の景色が一変する
そこには、確かに戦後復興間もない渋谷があった!
子供らには自由がある
思ったことを口に出して話す自由!
悲しい時に声を上げ -
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終戦直後、黒人のアメリカ兵と結婚し、ニューヨーク、マンハッタンのハアレムで逞しく暮らす日本人女性、笑子の物語。
初版は1964年。少し古いので身構えたが、めちゃくちゃ面白い!美しく流れるように綴られる文章に引き込まれて一気読み。ところどころ、さくらももこのエッセイを読んでいるような、クスリと笑える皮肉もきいている。
人は自分より下を見つけて優位に立ちたがるものなのだと、その無意識の傲慢さを見事に描いた作品だと思う。
笑子の夫のトムがそれをわかりやすく具現化している。
日本に兵士としている時は堂々としていて気前のいい男だったのに、ハアレムでは「愚鈍」で「無気力」な甲斐性なし亭主であった。 -
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やっぱり寺地さんの作品好きだなぁ。と久しぶりの寺地さんのお話を読んで思いました。
なんというか、いつも思うのは、
私の心の奥の方にある
まだ自分でもはっきり確認できないような感情がなんかくすぐられる感覚になるのです。
今回は、父親がとった行動のせいで、
心に傷を負い、
母親が作った食べ物はなんとか口にできるが、
他人の作ったものは食べることができない主人公の少年冬真が、
同じクラスで近所に越してきた
時枝くんと出会い少しづつ大人になっていく姿が主体ですが、
周りの生きづらい大人たちの
もがきながらも、前に進んでいく様子や人間模様もいろいろ混ざっていて
悲しみや苦しみ寂しさなどいろいろな経験を -
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「桜の血族」続編。
前作で向島一家の総長向島春刀が実の父であるとわかった警視庁組織犯罪対策部暴力団対策課の女刑事桜庭誓。
前作では育ての親にして伝説のマル暴刑事桜庭功や元マル暴刑事の夫との関係を中心に描かれたが、本作では父春刀と母菊美の出会いや桜庭の養女となったいきさつ、春刀が片腕を失うことになった状況などが壮絶なサイドストーリーとして語られる。
本筋は東西に分裂した関東吉竹組と本家吉竹組の血で血を洗う抗争のその背後に見え隠れする春刀の姿。
殺し屋としての高名を利用し両組長に接近し、謀殺、自ら再統一した新生吉竹組の総長に襲名することで全面抗争を防ぐ。
同じくヤクザ物を得意とする大沢在昌 -
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――「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです。」
背表紙のこの一文にまず心を掴まれました。
湊かなえさんの名前は前から知っていましたが、作品を読むのは今回が初めてでした。想像以上に物語に引き込まれ、気づけば半日で一気に読み切ってしまいました。
普段、小説を読んでいると「このキャラ、どこで出てきたっけ?どんな人だっけ?」と登場人物を覚えられず、何度もページを戻してしまうことが多いのですが、この作品は場面が頭の中で映像のように浮かびやすく迷うことがありませんでした。そのおかげで、犯人の特徴が示されたときも「あの子が犯人なの!」とクラスメイトと同じ感覚で理解できました -
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ネタバレ婚約者が事故で亡くなった。それも、他の既婚女性と一緒に…
婚約者が亡くなった事でストレスを感じ眠れなくなった依里は親身になってくれたデパートの寝具売り場の店員に救われた。それが縁で寝具売り場で働く事に。
婚約者の直樹はなぜ既婚者と出張と偽り東北の温泉へ行ったのか。ただの婚約者故の身内に入れず法事にも参列できないなど、モヤモヤはありましたが、既婚女性の主人・高橋と出会い、少しずつ前を向き始めた依里。そのまま付き合うかと思いましたが、誰かに頼る人生よりも自分の足で進もうとする依里は強くなったと思います。個人的には付き合って欲しかったなぁ。
寝具売り場で自分のやりたい事を見つけ、それに一生懸命