あらすじ
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
どこにでもいそうな小学生達が主人公の日常のちょっとした出来事を描いた短編集。どの作品もちょっとだけ嫌な人が出てくるものの、変わったやり方でモヤモヤを解消してくれて心地良い読後感だった。
伊坂作品によく見られるスケールの大きな事件や超能力などはないものの、所々に伊坂節が出ていて満足の1冊だった。
Posted by ブクログ
子どもが主人公の短編集であり、本屋大賞にも入っていて、ずっと読みたかった本。
東京へ向かう新幹線の車内でけっこう読み進められた。
「逆ソクラテス」
「ぼくはそう思わない」というフレーズが、子どもながらの心に響いていき、その効果が大きく現れて、教師期待効果=ピグマリオン効果もあり、プロ野球選手になる。話の最初で何気なく出ていたテレビ中継のシーンが実は最後につながっていて、いいラストだった。
「スロウではない」
この話の「ドン・コルレオーネ、足が遅いと馬鹿にされます」「馬鹿にするやつがいるのか」「では、消せ」と、リズムの良さと少し気難しそうに話す2人の語りがツボにハマって、新幹線内で声が出そうなほどおもしろかった。
「非オプティマス」
「アンスポーツマンライク」
「逆ワシントン」
磯憲のような大人になりたい…切実に…
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かったです!
伊坂さんらしい短編集で、全部が小学生とその先生、親が活躍していてどの話もとても好みでした!
特にアンスポーツマンライクが好きでした!逆ワシントンにも繋がっていて良かったです。
また読み返したいです!
Posted by ブクログ
伏線がまた、伏線を呼ぶ。そんな構成であった。内容だけでなく文体や、構成で読者を圧倒する。後書に書かれていた子供を主人公として書くからこそ使える語彙が減ってくるという難点を語彙以外の部分で解決しているように思う。
心が晴れるような素晴らしい作品であった。
Posted by ブクログ
先入観のある先生や威張っていて意地悪な友達にちょっとした罰を与えたり、小さな反抗をしたりする。そんな小学生じみた発想が書き連ねられている。自分もこういう瞬間あったかもと思ったりして楽しんだ。スロウではない、はこういう乱暴な女子がいたなあと思いだしたり、実は辛い思いしていたのかなと思い返したりして昔を懐かしんだ。一緒に走った友達同士のいきさつはロマンがあるし、それに関わることができなかった寂しさもよく分かる。自分は逆ソクラテスとスロウではないがお気に入り。
どんな気持ちの時に読んでも楽しめる。読んでいると幼少期を思い出すだすだけではなく、どんどん今をもっと素敵に生きられる気がしてくる。
Posted by ブクログ
最高の読後感。表題作が1番よかったな。理不尽な教師の考え方を変えるために、カンニングを計画する小学生の話。主人公が当たり屋だったり人を殺そうと企んでいたりと、何か悪いことをするという設定は伊坂幸太郎ならではだし、そんな主人公たちをどうしても応援したくなってしまう。
Posted by ブクログ
認識反転を楽しめる一作
短編はあまり好んで読まなかったけど、伊坂作品はさすがだなと感じた。
短編の話の中でも、印象を反転させる構図なのに、各話にそれぞれの登場人物を出したりするのは伊坂幸太郎らしいなと思った。
中でもアンスポーツマンライクが一番面白かった。
最後のシーンをバスケのシーンと繋げる発想が天才的だなと。
読みやすさもあり、確かになって思わされた一冊
Posted by ブクログ
小学生たちの逆転劇がテーマの短編集。
3年ぶりに読みましたが、以前読んだ時と同様に良かった。金言が多く、めっちゃメモしました。
伊坂幸太郎さんの作品でも3本の指に入る好きな作品です。
弱い立場(本作では子供たち)の人間が、強い立場の人に勝つストーリーは読んでいて心地いいです。そして、作者さんの説く教訓は説教じみてなくて嫌な感じがしないのもすごく良い。
どの短編も甲乙つけがたいですが、
個人的には、非オプティマスが好きです。
周囲に迷惑をかける人たちへの対応の答えが書いてあって、これは誰しもが頭に入れておくべき内容と思います。
以下、各短編の感想と心に残った文章。
◾︎逆ソクラテス
自分が完全じゃないと知っているソクラテス。そんなソクラテスとは真逆な人(自分が正しいと思っている人)への逆襲劇。
主人公の加賀くんがパッとせずに、どこか要領を得ないふうに書かれているからこそ、安斎のキャラが引き立っていた。
巻末の作者インタビューでも話していたけど、「僕はそうは思わない」と言う言葉は、「場の雰囲気を気にせず、自分の意見はなんでも言え」ということではなく、「自分が馬鹿にされたり、自分の大事なものを貶された時」での呪文のような言葉。
自分が良いと思ったものを否定されるのは誰にとっても気持ちの良くないことですが、この言葉を心に忍ばせておけば、心無いことを言う第三者に気持ちの上で負けないと思います。
p24おれたちは、誰かの影響を受けずにはいられない。自分がどう思うかよりも、みんながどう思うかを気にしちゃう。君は、ドクロマークがダサいと言われたら、そう感じずにはいられないし、もう着てはこられない。
で、そういう奴らに負けない方法があるんだよ。
「僕はそうは思わない」
落ち着いて、ゆっくりと、しっかり相手の頭に刻み込むように。
ちゃんと表明するんだ。僕はそうは思わない、って。君の思うことは他の人に決めつけることはできないんだから。
◾︎スロウではない
自分のフォロワーさんも言っていましたが、ドン・コルレオーネごっこしてるところずっと好き笑
相談者《嫌だなぁって思ったことや困ったことをドン・コルレオーネに相談》
→ドン・コルレオーネ《アドバイス》
→相談者《さらに相談》
→ドン・コルレオーネ《では消せ。》
このパターン笑
途中にあった『あ、お母さんは消さなくていいです。』のところ可愛過ぎか。
◾︎非オプティマス
世を忍ぶ仮の姿、ってユニークな表現。
いつか自然に使ってみたいものです笑
p175〜183「学校で習うことは、教科書やテストのための勉強だけじゃないんだ。それとは違う、答えのはっきりしないことについて、学んでほしい。だから、みんなにも考えてほしい。わざと周りの人に迷惑をかける誰かがいたら、どうやってとめさせればいいんだろう。
ー中略ー
暴力は良くない!という意味じゃないよ。もちろん、暴力は良くない。ただ、もっと大事な理由は、それじゃあ通用しないことがあるからだ。例えば極端な話をすれば、めちゃくちゃ体が大きい小学生で、先生よりもでかくて、筋肉もあって、先生がいくら思い切り叩いても、跳ね返されたらどうする?効き目はないだろう。先生が叩くことで、言うことを聞かせられるのは、相手が自分より小さくて歯向かえなくて、弱い場合だけってことになる。先生がいくら怒っても、怖く思わなかったら?それに、もし先生がみんなを叩いたり、もしくは、恐ろしい言葉と恐ろしい声で叱って、それをやめさせたとしたら、君たちはどう思う?将来自分が大人になった時も、ああやればいいんだな、と思う。だけど大人になって、会社に入って、物事をビンタや怒鳴り声で解決できることなんてそんなにないんだ。
ー中略ー
ただ相手によっては、ビシッとやれない場合もあるかもしれない。世の中に出たら、通用しないことは多いんだ。で、これは覚えておいてほしいんだけれど、相手によって態度を変えることほど、格好悪いことはない。相手が弱くて、力が通用しそうな時は、ビンタはするけれど、相手が屈強だったり、怖い人の子供だったら、ビンタはしない。そんなのは最低だし、危険だ。弱そうだからって、強気に対応したとするだろ。だけど後でその相手が、実は力を持っていると分かるかもしれない。動物の世界ならまだしも、人間の、特に現代の社会では、人の持つ力は見た目からはわからないからね。だって、人間の強さは、筋肉や体の大きさだけじゃないんだから。いつか自分の仕事相手になる可能性もあるし、お客さんになることもありえる。みんなに覚えてほしいことは、人は、他の人との関係で生きている、ってことだ。人間関係にとって、重要なことは何だかわかる?
ー中略ー
評判だよ。
ー中略ー
みんなは周りの人に迷惑をかけるのは良くないとわかっていると思う。迷惑をかけたくない、というのは、別に良い子ちゃんでいたい、とかそう言う理由ではないはずだ。群れで生活をしてきた人間の習性みたいなものだよ。群れの中だと、迷惑をかけたくない、と言う気持ちがある。ただ中には、わざと迷惑をかけようとしている人もいる。今の人の社会は、群れの中で少しくらい迷惑でも、すぐに仲間はずれにはしないからね、もちろんそれは良いことなんだけれど、そういう人は単にそれに甘えているだけとも言える。そういう人に、君たちは困らされるかもしれない。迷惑をかけてる人に君たちが、よくないよ、と言っても彼らは変わらない。反省もしてくれないことが多い。だから、君たちは心の中で、可哀想に、と思っておけばいい。この人は自分では楽しみが見つけられない人なんだ、と。人からものを奪ったり、人に暴力を振るったり、彼らは結局、自分たちだけで楽しむ方法が思いつかないだけの、可哀想な人間なんだよ。
ー中略ー
法律には載らないようなずるいことや意地悪なこともある。そしてね、人が試されることはだいたい、ルールブックに載ってない場面なんだ。
ー中略ー
人間関係っていうのは意外に狭い。知り合いの知り合いが別の知り合いってこともあるし。間接的な知り合いが実は直接知っている人ってこともある。俺には関係ない、と思っていたら大変なことになることもある。缶ペンケースを落とすことは特別悪いことじゃないけれど、間接的に、みんなに迷惑をかけている。その時に、別に自分は法律に違反しているわけじゃないし、と開き直ることはできる。ただ、悪いことをしちゃったな、思う人の方が明らかに、立派だよ。そして、その立派さが評判を作る。評判が君たちを助けてくれる。という考え方もできるだろ。
ー中略ー
最初の印象とか、イメージで決めつけているといたい目に遭う。だからどんな相手だろうと、親切に、丁寧に接している人が一番良いんだよ。じゃないと、相手が自分の思っているような人でないと分かった時、困るし、気まずくなる。」
◾︎アンスポーツマンライクファウル
小学生の時にミニバスで一緒だったチームメイトとの話。
スロウではない。の磯憲先生も登場。後半の疾走感がやばい。
犯罪者への対応を現実主義として、自分に危害が及ぶかもしれないから優しくするって良い考え方だと思う。
◾︎逆ワシントン
p271(母のいじめに対する考え方の演説)
「誰かを馬鹿にして、いじめることは本当にやめたほうがいいからね。
あ、別にこれは、その子が可哀想だから、とか、仲良きことは美しきかな、とかそういうんじゃないから。人間って実は、誰かが困っているのを見て、楽しいと思っちゃうところがあるんだよね。たとえば、自分と関係ない場所で、車が渋滞していると、大変だなぁと思いつつも、優越感を感じたりもするでしょ?とにかく誰かを困らせたり、つらい気持ちにさせたりする人が出てくるのは特別なことじゃないんだよ。自分が困っていると別の人も道連れにしたくなるし、困るのを見てると楽しいんだから。ただ逆に、それだけの理由でいじめとかして人生を台無しにしちゃうのも馬鹿だと思わない?
もし、わたしがいじめられたら、いじめてきた相手のことは絶対に忘れないからね。で、その子が大人になって、成功したら、満を持して、発表すると思う。あの人は小学生の頃、私をいじめていましたよ、って。そのためにも、何をされたのかはしっかり覚えておいて、効果的にその話を伝えるね。その人が成功すればするほど、ダメージは大きいでしょ。そうじゃなくても、その子に恋人ができたら、その恋人にそれとなく伝えるかも。あの人、小学生の頃に私にこんな嫌がらせをしてくるアイディアマンだったんですよ、素敵ですよねって。」
それは我が家で母がしょっちゅう口にする話だ。おまえたちをいじめる人がいたら、少なくとも、そいつが幸せになることだけは阻止するね、と。
「人生って超大変なんだから。大人だって正解はわからないし、普通に暮らしていくのだって超難易度高いんだよ。ゲームで言うところのイージーモードなんてないからね。なのに、誰かを馬鹿にしたり、いじめたりするやつは、それだけで難易度上がるんだよ。だって将来いつそのことがばらされるかわからないでしょ。なんで好き好んでハードモードにするんだろ。よっぽどの権力者になれる自信があるんだったらまだしも、将来どこで誰と、どういった立場で出会うかなんてわからないでしょ。自分が馬鹿にしていた相手が、仕事の取引相手になることもあるだろうし、将来結婚する相手の知り合いってこともある。もしかしたら大人になって大怪我して、担ぎ込まれた救急病院の担当医が、昔、自分がいじめていた相手だったらどうする?怖くない?
いじめた側といじめられた側が、将来出会うことなんてそうそうない、と思ったら大間違いだからね。今の時代、居場所を探そうと思えば、それなりに探せちゃうし、ネットで情報発信なんていくらでもできちゃうんだから。誰かを馬鹿にした人は、将来自分が成功した時に全部晒されちゃうよ。」
いじめをしているやつがいたらそいつのことを覚えておけ。今は辛くても、いつか反撃できるはず、と。そして仮に自分が誰かをいじめたら、他のみんなが覚えているぞ。将来、自分が成功や幸せをつかむ時に、過去の振る舞いが襲いかかってくるかもしれない、いや、きっとそうなる、と植え付けたかったのだろう。実際、未来のことはわからないのだ。そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。
匿名
面白かった。
伊坂先生の作品の中では珍しい感じの方なんだろうか。
物騒な事件もほぼないし、読んでてさわやかな気持ちになれた。インタビューもおもしろかったな。
Posted by ブクログ
子供たちの世界を中心に描いた作品。
教師や友達が固定概念を押し付けてくることについて、「僕はそうは思わない」の一言で思い込みや決めつけを跳ね除けることができる、という話や、
酷いことをする人を周りはちゃんとみていて、その人が成功した時にそのことをバラされて失脚させられるかもしれない。
全て未来につながっている、と言うことを磯憲先生から学ぶ。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ楽しいタイプの道徳の授業。
世の中から理不尽に自分を傷つけようとする人間をゼロにすることはできない。その上で、そういう人に出会った時どうすればいいのかを、色んな角度から伝えてくれた作品だと思った。
表題作の『逆ソクラテス』が、いい終わり方なのに切なくて1番印象に残っている。
伊坂幸太郎さんの短編は、やっぱり面白い。
Posted by ブクログ
『逆ソクラテス』は小学生たちを中心に描いた短編集だが、子どもたちの発想や会話はどこか大人びている。知識も豊富で、考え方も鋭い。あとがきによれば、伊坂幸太郎自身が「小学生だからといって表現の幅を狭めたくなかった」と考えていたそうで、その意図がよく伝わってくる。
特に表題作『逆ソクラテス』に登場する安斎のようなキャラクターは印象的だった。「先入観こそが悪である」という考え方を軸に、大人たちの思い込みや偏見に子どもたちが挑んでいく。その姿には子どもらしい無邪気さと痛快さがある。
子どもは大人ほど言語化できなくても、「この人は何かおかしい」「あまり良いことをしていない」といった違和感を敏感に察知している。本作では、その感覚が「先入観」という言葉によって鮮やかに言語化されており、その着眼点の鋭さに感心した。
また、伊坂幸太郎らしい文章表現の巧みさも随所に感じられた。特に『非オプティマス』の雨の場面が印象に残っている。
「雨が地面や家の屋根を叩く音がするだけだ。久保先生は黙っている。また福生と目が合った。髪が濡れている。僕もそうなのだろう。頭に当たる雨は冷たさよりも重さを感じさせた。」
久保先生と潤の父親が対峙する緊張感の中で、「福生の髪が濡れている。そして僕も濡れている」という描写が差し込まれる。大人たちの対立を描きながらも、僕と福生を同じ側に立たせるような感覚があり、一気にその場の情景へ引き込まれた。
派手な展開だけでなく、こうした何気ない一文に人間関係や空気感を滲ませるところに、改めて伊坂幸太郎の文章の上手さを感じた。
Posted by ブクログ
すっごく面白かった。特に最終章は各章の繋がりを感じさせる完璧な校正だった。
少年時代の成長を通して大人の先入観、価値観という物について説いてるような感覚。
章ごとに出てくる大人たちも凄く良いキャラクターだった。「先入観」に囚われた大人や、逆に子供達を正しい方向へ導く大人、「1人の人間」である大人等々...
いつか子供が出来た時に、正解を教えるのではなく、正しく生きるための考える力を養ってあげなきゃなと思える作品だった。
各章で伝えたい事もハッキリしていて分かりやすく、初心者でも読みやすかった
Posted by ブクログ
思い込みや、思い込まされているということに気づき、覆していく子どもたちが描かれている読み応えのある短編集
「人間の先入観は侮れないんだよ。人は、自分の判断が正しい、と信じたいみたいだし」
「自分が正しいと信じている。ものごとを決めつけて、それをみんなにも押しつけようとしているんだ。わざとなのか、無意識なのかわからないけれど。」
知らず知らず決めつける
自分はそんなつもりないのに
ああ、自分にもあるなぁと思いちょっと反省した
自分の正しさから一歩離れて、客観的な視点をもちたい
決めつけずに、もしかしてそうじゃないかもしれないと考えてみようと、考えるきっかけとなった
Posted by ブクログ
純粋な子供たちだからこそ、まっすぐで、目の前の課題にどう取り組んで良いかわからなくて途方に暮れることもあって、でもエネルギーはあってがむしゃらで。自分たちなりに一生懸命に考えて走っていく姿に自分もできることがあるかも、こうありたいと思える一冊。
「自分の大事なものを貶されそうになった時は、『僕はそうは思わないけどね』と心で確認」できるように習慣づけていきたいです。
Posted by ブクログ
スカッと系の作品ではあるのだが、それには収まらない面白さとメッセージが込められている。 この作品は子供を主人公にした短編集で、各作品若干の繋がりがある。 内容は、タイトルの通り「逆ソクラテス」を「ソクラテス」にする、言い換えれば、先入観でがんじがらめになった先生を解放する、表題作「逆ソクラテス」 クラスで威張ってるやつがちょっかいを出してくるのを懲らしめたい、「スロウではない」 子供が必死に問題を解決しようとする作品ばかり。 全てに、大切な教訓が含まれている、大人も子どもも全員楽しめる、最高の短編集。
Posted by ブクログ
『僕はそう思わない』
表題作の安斎くんの言葉は、生きていく上で大事にしたい。
先入観やイメージの暴力に飲み込まれてしまわないように。
個人的には、「アンスポーツマンライク」と「逆ワシントン」がツボ。
バスケ好きは絶対読むべき。息子が小学生になる頃に、プレゼントしたいな。
Posted by ブクログ
初めての伊坂幸太郎作品。とても読みやすかった。本作は短編集で5つの話が出てくる。どの話も読み終わった後に、価値観が変わる、というよりも自分を見つめ直せるようなお話でとても読んでいて面白かった。この本読んだ後から偏見、決めつけに関することが頭にぱっと浮かんでも少し考える時間が頭の中でできた。特に、逆ソクラテスの「先入観」についてや非オプティマスの「人によって態度を変えない」「人間関係で最も重要なのは、評判」の話はとても面白かった。逆ソクラテスの中の決めつけて偉そうなやつに負けない方法として、安斎の言った、「僕はそうは思わない」このマインドは忘れないでいたい。
Posted by ブクログ
ゴールデンスランバーを読み直した後で、伊坂幸太郎さんの読んだことない本を読みたいな、と手に取りました。相変わらず面白い。私は引っ越しとか家庭の事情で小学生の頃の友人がおらず会うこともないのですが、昔の友人と会うと色々思い出すんだろうな、と羨ましくも思うお話でした。
Posted by ブクログ
「無知の無知」、つまり自分がすべてを知ったつもりになっている大人の偏見や決めつけ。子どもの頃、そんな理不尽な大人を前に「なんぼのもんじゃい」と悔しい思いをした記憶は誰にでもあるはずだ。
本作は、そんな教師たちの偏見を見事な知略で覆していく子どもたちの姿を描く。そこで痛感するのは、「理不尽な空気を覆すには、やっぱり力(知恵や戦略)が必要だ」ということ。自分ももっと力をつけたい、と強く思わされる。
でも、それは自分の優秀さを誇示するためじゃない。世の中の「凸凹のある人々」の可能性や輝きを、勝手な先入観で潰させないために証明する力だ。
Posted by ブクログ
「自分が何も知らないことを知っている」ソクラテスに対して、「自分は分かっている」と信じ切る先生。だから逆ソクラテス。
先入観で子どもを決めつける担任。その価値観をひっくり返そうと作戦を立てる子どもたちが痛快でした。憐れみではなく、未来の後輩たちのために戦うところがいい。
作戦を立てる転校生の安斎がソクラテスの言葉「私が知っているのは、私が何も知らないということだけだ」(無知の知)を引用し、先生はまるで逆ソクラテスだと揶揄する。
先生の一言が教室の空気を作り、その価値観が子どもたちにも広がっていく怖さもリアル。
表題作ほか全5篇。人物や物語がゆるく繋がっていて、あ、この人また出てきた!という伊坂作品らしい楽しさもありました。
Posted by ブクログ
各編に出てくる少し達観した考え方を持ち周りを巻き込んでいく友達たち。こんな友達がいたら少しハラハラしながらも面白い幼少期が送れたのだろうか。他人軸だなーなんて思いながらも、大人になってもそういう人が現れるのを期待してる自分がいることに気づく。。。
「僕は、そうは、思わない」の言葉に象徴されるように、主体に左右されずに人の言動を評価できる人でありたいと思う。
最近はビジネス書ばかりで、久しぶりに小説を読んだが、本を読むのって楽しかったんだなって思い出せた。
Posted by ブクログ
相手によって態度を変えることほど、格好悪いことはない。
人は色んなことを決めつけ、思いこんでいる。
そんな思い込み、決めつけを外したくなる。
各短編全てのタイトルが否定形になっているのはそういうことか。
Posted by ブクログ
軽く読める短編小説。
それぞれの話で小学生が主人公で読みやすい。
話同士での繋がりはないけど、テーマが共通していて、痛快や正義。「そうは思わない」
子どもながらの発想、考え方でハッとさせられることもある。個人的には「アンスポーツマンライク」が好きでした。
Posted by ブクログ
この短編集のタイトルは、いずれも偉人やヒーロー「じゃない」ものがつけられている。当然、その人物そのものではなく、いち文脈としてのソクラテスであったりワシントンだったりするわけだが、それら文脈に当てはめると今まで漠然とした嫌な人に名前を付けることができる。それは学校の先生だったりするし、友達や自分自身だったりもするだろう。そんな「じゃない」人に遭遇した(あるいは自分がそうだと気づいた)時、彼らに対抗する武器としての知恵を与えてくれる本だと思った。
Posted by ブクログ
☆3.5【Audible】
1章の逆ソクラテスがとにかく面白くてこの話だけなら☆5
他がも面白くないって訳じゃないけどあまりにも逆ソクラテスが面白すぎて他の話にそこまでノれなかった
逆ソクラテスの登場人物の話だけで1冊出して欲しい
Posted by ブクログ
五編の短編からなる短編集で、アイネクライネナハトムジークのように短編同士に繋がりがあるのかなと思いきや繋がらずに終わる。繋がりがあった方が個人的には好きだなと思っていると、最後の伊坂さんのコメントで「これは繋がりがある物語なのね」と先入観をもって読む読者を逆ソクラテスの如くぶち壊したいという旨の発言がありなるほどなと思った。どの編も小学生の日常が舞台となっており、リレーの選手決めの時の緊張感や、放課後の校区外、少ないお小遣いでクレーンゲームをする、など小学生の頃の窮屈感や非力さが、あの頃はすごく嫌だったものの今思うと懐かしくて愛おしい記憶だなと感じた。最後の短編の逆ワシントンは唯一、能力や環境による逆転ではなく、個人の真面目さ正直さに焦点が当てられていて、能力がなくても逆転できるお話として描かれているが、主人公の男の子がワシントンの真似をして正直に謝ったものの理不尽に怒られるところが、世の中甘くないことも描いていていいと思った。スロウではないが一番好きだった。