あらすじ
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。
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小学生の生きる世界は学校と家ぐらいしかなく、その中で小学生なりに考え、理不尽に抗う姿や世界観にご都合主義や無理がなく、読みやすい作品。
バタフライエフェクトのように、何気ない一言や特に意識していなかった物が後に影響しているなど、過去と未来が繋がっていく雰囲気も良かった。
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子供のピュアな面を際立たせ、大人に対して問いを投げかけるような一冊だった。疑う姿勢にこそ価値があり、それをせずに分かったつもり、理解したつもりになっているのは我々大人の方であり、これは良いことではない。なんでも無邪気に聞き回るのではなく、問いを手放さずに自分の頭で考え続けることの大切さを学んだ気がする。
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理不尽に対抗しろ。
子供のときに感じていた、大人への不信感を思い出したいときに読みたい本だった。
この本を読んで、子供という存在は、大人よりも確信をつくことを発するのだと学んだ。
この本を読んで、人としての原点に立ち直れた気がする。他者への先入観を捨てる、失敗したときにも素直に自分の非を認める、など。
読者が子供だったなら、今信じている考え方は間違っていないことを伝えるために勧めたい。大人だったら、いわゆる「綺麗事」と言われる信念を思い出してほしい、捨ててはいけないということを伝えるために勧めたい。
この本に共感できるところは、正直ほとんどなかった。それは、私が大人になって子供たちの純粋な気持ちについていくことができなくなってしまったことの象徴である気がして寂しい。
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伊坂幸太郎先生の作品で好きな構図の、突拍子もないことを言う人と、それに質問していく主人公という役割の話が多く、すごく読みやすかった。
何がどう言う風になってるのが正解なのか今はわからなくて、もっと昔から知ってたら良かったなと思う章も多かった。
どうしても大人になると枠にはまるけど、されて嫌なことは人にしないという初歩的なことを、忘れたくないなと思った。
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小学生が主人公の短編集
伊坂幸太郎は短編集でも相互の話に緩く関わりを持たせてきたり同一人物が登場したりするけど珍しく話同士の繋がりがあんまりなくて新鮮だった
小学生という行動範囲も交友関係も限られる中で自分たちで知恵を絞って問題を解決しようとするのが可愛くて良かった
結構教訓めいたメッセージも多くて心に残る文章が多かったな
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小学生の子どもを持つ親として耳が痛いことばかりだった。
伊坂先生の著作の中でも「救い」が一際温かい作品で繰り返し読み返したいなと感じた。
個人的にはアイネクライネナハトムジークを凌ぐ作品だった。
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それぞれの短編の結末が心をスカッと、あるいはじーんとさせてくれる。それぞれの子供の未来には心がほっこりさせられて、宣伝通り、爽快な読後感がある。短編も全く世界が乖離しているわけでも、子供達が皆同じ時代を生きているわけでもなく、つながりを考察するのもなかなか楽しい。とてもよい作品。
逆ソクラテス:野球。犯罪者の息子。大人の先入観に立ち向かう、子供たちの姿が爽快な読後感を生んでくれる。「先入観は敵」、「僕は、そうは、思わない」響く言葉を得られた。
スロウではない(磯憲):リレー。いじめっこの変貌。いじめに関する自分の中の先入観にハッとさせられる。そんな世界線もあるのかと思い知らされた。
非オプティマス:人によって態度は変えないほうがいい。なぜペラペラの服を着ていたのか、最後にほっこり。
アンスポーツマンライク(磯憲):バスケにハマってた身としてはいい話すぎた。題名の伏線回収にグッときた。次話へのつながりも粋。「1分は永遠」
逆ワシントン:続バスケ。真面目で約束を守る人間が勝つ。前話との繋がりがよい。犯罪者の変貌。
全体:子供から見た大人や先生は全能だったが、実際に自分が大人になって、そうではないことを知った。そんな気持ちを作品を読みながら改めて感じた。これから先、大人(≒自分)の先入観が、子供や周囲の人の未来を狭めないようにしなくては、と思った。「先入観は敵、人はいつでも変われる」そんな言葉が心に浮かんだ。
Posted by ブクログ
小学生高学年目線で紡がれる5篇。過去の追想だったり、現在進行形だったり設定は様々ですが、一貫して気持ちのいいラストに着地するのがお気に入り。「磯憲」のセリフがいちいち胸に刺さって期せずして涙腺が刺激されるのも良き
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短編集。
一つひとつの読後感がとても良く、得した気分になれた。ほっこりするエンタメなんだけど、我が身を振り返るきっかけにもなる。ノスタルジーもありつつ。
表紙の絵がなんだかジョジョっぽい。
・逆ソクラテス
先入観を取っ払う。小さいけどすごく重要なところに真剣に向き合う小学生たち。そんなことを主軸にストーリーを組み立てて面白くできるのがほんとすごい。
10年以上前に書かれた作品だったんですね。
・スロウではない
ドン・コルレオーネが好き。「うむ、では。はい。消せ。」
リレーの練習とかリアル。渋谷亜矢がものすごく腹立つように描かれているのが良い。
ラストがすごく好きだった。
・非オプティマス
先生の語りは惹きつけられて、一気に読んでしまった。自分の行動を振り返らせられた。
ラスト、良い。
・アンスポーツマンライク
バスケの疾走感が見事。
事件の時の描写もスピード感と臨場感があって、すごく良かった。
・逆ワシントン
小学生が主人公らしい、ハートフルな作品。
ラストの家電売り場の人が誰なのか分からなかった。
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「ぼくは、そうは、思わない」
先入観で何もかも決めつけるのではなく、自分の意見はしっかりもつべき
正直な人は得も損もする、けれど真面目な人は人に応援される
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なんというか、学びの多い一冊だった。
心の中に留めておきたい言葉がたくさんあった。
最初短編集だと知らなくて読んでて、「逆ソクラテス」の少年たちの話がもう少し長く読みたかったな、と寂しくなった。
敵は先入観。
私は、そうは思わない。
この先の人生で役に立ちそうな大切な言葉を教わった!
Posted by ブクログ
少年時代の思い出。誰にでもあるクラスでのやり取り、人間関係のねじれ、これをインサイト深く小さなも物語にし、かつそこに著者の価値観、譲れない一線を含めた短編集。物語の書き込みにリアリティがあり、登場人物ひとりひとりの言動に深い洞察があるので、テーマや物語に一切突飛さやダイナミズムはないが読ませるし、心に訴えてくる。個人的にとくに彼の価値観に共感するものがあるので良い小説だと思った。
Posted by ブクログ
「敵は、先入観だよ」
5つの全ての章でこのテーマを元に進められていた。
無意識をおこる先入観から相手を決めつけ、その先入観から相手を評価してしまっていると感じた。
とくに、最後の逆ワシントンは真面目な人が損をし、要領のいい人が得をするような今の世の中で、真面目で約束を守る人間が勝つという小さな逆転がよかった。
どの章も違う面白さがあり、どれが1番なんかなんて決められなかった。しかも、それそれの章が独立しているかと思いきや、繋がっている部分があり、伏線回収がおもしろい!!
匿名
面白かった。
伊坂先生の作品の中では珍しい感じの方なんだろうか。
物騒な事件もほぼないし、読んでてさわやかな気持ちになれた。インタビューもおもしろかったな。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さんの作品はどれも、どこか「男の子の目線」が残っている感じがある。世界を斜めから見ていて、少しひねくれているけど、根っこは案外まっすぐ。理屈っぽい会話や軽妙なやり取りも、放課後の教室で延々と続くおしゃべりみたいな温度がある。
大人の側が持ち出す正しさや決めつけに対して、子どもたちが静かに疑問を返していく。そのやり取りが説教くさくならないのは、物語全体が「分かったつもりになるなよ」という男の子の視線で貫かれているからだと思う。伊坂幸太郎特有の、あのどこか浮世離れした軽快な文体。
日常に潜む違和感を鋭く突く書き味が、相変わらず心地よい。
大人になってもふと思い出す、あの甘酸っぱい懐かしさ。もうあの頃には戻れないという感情がじわじわと浮き出てくる感覚。
収録された5編、それぞれに違った角度の「逆転」が用意されていて、一冊としての満足度はかなり高い。
物語の奥底にある力強さに、最後はしっかりドラマチックな感動を覚えた。伊坂幸太郎の「企み」に、さらりとやられた。
Posted by ブクログ
小学生が主人公の五つの短編集、「寂しい夜のページをめくれ」に触発されて購入
表題作「逆ソクラテス」も「スロウではない」も好みの作品だった。
「いくら今つらくても、未来で笑っている自分がいるなら、心強いだろうな、と思いました」
流れは全然違うけど、すずめの戸締りのラストを思い出した。
ただこの作品で一番好きなのは、圧倒的に「非オプティマス」。
寡黙な先生の長セリフ、しびれました。
「人間関係っていうのは意外に狭い。知り合いの知り合いが別の知り合いってこともあるし。間接的な知り合いが、実は、直接知っている人ってこともある。俺には関係ない、と思っていたら、大変なことになることもある。缶ペンケースを落とすことは特別、悪いことじゃないけれど、間接的に、みんなに迷惑をかけている。その時に、別に自分は法律に違反しているわけじゃないし、と開き直ることはできる。ただ、悪いことをしちゃったな、と思う人のほうが明らかに、立派だよ。そして、その立派さが評判を作る。評判が君たちを助けてくれる」
今後の人生で何度も思い出せる気がする。
嫌いな上司のことは、結局評判というものが成敗してくれるし、自分がピンチになった時もきっと評判が助けてくれる。
そう思って真摯に生きていくことにしましょう。
Posted by ブクログ
ハードカバーが出た頃に読んだ以来の再読。
今年は好きな作品を再読していくのも良いなぁと感じている。
伊坂さんの子供視点はすごく面白い。賢い子。のんびりした子。で、だいたいは平凡でうじうじした子や運動音痴な子視点だ。
朝井リョウ氏が、伊坂さんは一番弱い人の味方と言っていたのを観た。確かに。
大人から見たら目立たない背景のよう子どもでも思い悩んでいることがある。それはその子にとっては宇宙規模の悩みだ。
伊坂さんの宇宙規模の優しさを実感した一冊だった。
この表紙がjunaidaさんと知ったのは最近だ!
Posted by ブクログ
小学生の頃の世界の中心はどうしても学校になってしまう。物心もつき、ある程度社会を理解し始め、自分が置かれている環境や立場でレッテルを貼られることもある。そんな状況を、甘んじて受け入れるのか、自分の意思を持って立ち向かうのか。
この本を読んで、自分は後者でありたい。自分のためにも他人のためにも、おかしいと思ったことには毅然として立ち向かえる人でありたい。そういう熱い感情を思い出させてくれる1冊であった。
Posted by ブクログ
評判って話がとても心に残った。
今、関わっている人は
またいつかどこかで出会うかもしれない
取引相手になるかもしれないし
大切な人の大切な人になるかもしれない
人の縁ってどうなるか分からないからこそ
今目の前にいる人たちを大切にしたい
この話は子どもたちにも伝えたいと思った
Posted by ブクログ
伊坂先生の作品の中では異色かも。
主要人物達が学童だなんて初めてかもしれない。初めてみたい。
...時間を経て大人になっていくお話もあるが。
「いやな奴」が出てくる。
小学生にいがちな「いやな奴」。
そして、作中にうちの子供と同じ名前の子が出てきて
またその性格もうちの子と似ているのだ。
幸い「いやな奴」ではなくフィクションといえホッとした。
子供世界は狭い。
ものすごく狭い。
クラスが世界の全てのような世界。
その中でうまく立ち振る舞いながら社会性を身に着けていく(と思ってる)
ただ、幼さゆえの根拠なき迫害や異質な物を排除しようとする事が起きる。
(まぁそれは大人になってもなくならないのだけれど)
そういう場面でどう立ち振る舞えばよいか、どう立ち向かえばよいか、
フィクションとはいえ(しつこい)娯楽としての参考例のような物がここにしるされている。
残念ながら、本書は学童向けの作品とは言い難いが、
かつて学童であった大人達の心の何かにふれる作品だ。
感動とかそういう安っぽい表現ではなく、うまく言葉にできない何か。
子供にはまだちょっと難しく勧め難い作品だけど
「これ面白かったよ(いつか読んでみたら)」
といえる作品。
明日、久しぶりに他県にいる友人にメールをしよう。
Posted by ブクログ
敵は、先入観。多感な時期の少年少女達が、様々な先入観に、それぞれの武器で立ち向かう5編の短編集。
大人の今でもグッとくる話ばかりだが、学生時代に出会えたら更に人生違ったものになったかもと思える作品。
繋がりも見事で、「これがあの子か」と読み返したくなる
Posted by ブクログ
小学生の視点だったが自分自身の昔の感覚を思い出させてくれた。もちろん現代の子供たちとは違う世相で育ってきたが子供の頃に感じていた正直さや正義感は今も変わらないのだなと思った。
今までと少し雰囲気は違ったが、まあ良かったやん、という読後感は健在で大いに楽しめたと思います。
Posted by ブクログ
『逆ソクラテス』
まずこのタイトルに興味を持ち、カバーイラストの美しさに魅了されて読み始めました。
最初の感想は小学生か中学生の時に読みたかったということです。少なからずこの本を読んで視野が広がったり、救われたりする子は必ずいると思いました。
次に、「偏見や先入観に基づいた思考の危険性」や「疑うことの重要性」に気づかせてくれました。
ソクラテスが説いた無知の知の逆つまり自分はなんでも知っている、知らないことはない、この先生のような「逆ソクラテス」状態の大人は沢山います。そんな大人に一矢報いる逆ソクラテス作戦。短編5作の中で1番好きでした。作中さまざまな教訓や答えのない問いが出てきて、感心したり、一緒に悩んだりそんな読書となりました。
答えのある問題提起に綺麗事や理想論で答えるのではなく、答えのない問いに結論は出せなくても自分なりに考え、意見を持つスタンスが好きです!
4作読んだ後の5作目は父親を疑いはしても虐待してると決めつけることはしなかったのがこの本を読んでの自分の成長なのかと。終わり方も部分部分で繋がっていて感動的な終わり方でよかったです!!
ふとした時にまた本棚を漁って彼らの活躍を読む時を楽しみにしてます!
Posted by ブクログ
小学生の頃の回想短編集。◆逆ソクラテス。先入観をひっくり返せ。僕はそう思わない。転校生、安斎くんの思い出。◆スローではない。最終的には威張らないやつが勝つ。未来で笑っている村田さん。◆非オプティマス。私にいい考えがある。トランスフォーマー司令官の言葉。世を忍ぶ仮の姿の久保先生。福生と騎士人の関係。◆アンスポーツマンライク。バスケの残りの1分間のことを永遠という。ファールされたチームはフリースローのあとリスタートできる。◆逆ワシントン。桜を切ったワシントンが正直者だったから許された話。あれは作り話なのか。ラストのシーン、伊坂幸太郎は優しい。
Posted by ブクログ
久しぶりの伊坂さん、めちゃくちゃ良かった。これは人に薦めたくなる!
子供達が主人公って珍しいなぁと思いながら読んでたけど、後書きで伊坂さんもそう書いててやっぱりそうかと思った。子供達ならではの、人間関係や行動範囲は狭いのに、体の小ささに対して何もかも大きく見える世界が、すごく上手に描かれていると思う。自然と小学生の目線で世界を見るので、小学生時代をもう一回疑似体験というか。自分の子供の頃を振り返らずにはいられないな〜面白いな〜!
読後感がとてもいい。本当にいい。すごく好きな短編集だった!
Posted by ブクログ
まずまずよかった。 前評判が高過ぎて期待したせいもあり、それなりによかったという感想になってしまった。どの短編も終わり方はよく、教訓のような部分にキレも感じた。作者あとがきにあるように、子供が主人公になると使える表現が制限されて難しいのだろう。
Posted by ブクログ
小学生が主人公の5編の短編集。
読んでいると自分の小学生時代のイタズラややらかしや大人に本気で怒られたことなんかを思い出してくすぐったい気持ちになった。
Posted by ブクログ
五編の短編集。
柔軟な子どもの視点から、思い込みや先入観に囚われた大人たちが描写され、まるで自分のことを言われているようでグサッと来た。
固定観念を疑い多角的な視点から物事を考える力を養っていかねば…
大人ゆえに見えなくなったものや日々の忙しさに紛れてスルーしてしまうことなど、なかなか捉えにくい感情をすくい上げて描写するのがうまいと思いました。